「宮脇方式」植樹 と 横浜国大メインキャンパス

ヨーロッパで、日本発「宮脇方式」の植樹が急速に拡大。従来の10倍の速さで成長し、地球環境保全の切り札に

世界的に森林が減少する現状にゲームチェンジャーとして注目を集めているのが、日本の植物学者である宮脇昭氏の研究に基づいた「ミニ森林」だ。宮脇昭氏はその土地本来の樹木に、さまざまな種類の植物を混ぜて植樹を行い、森をつくる「混植・密植型植樹」を提唱。これまでアジア各地に1700以上の森を作ってきた人物だ。
「宮脇方式」の森は、従来の方法で植林を行った場合に比べ、10倍の速さで成長、30倍の密度と100倍の生物多様性を持つという。

FINDERS

へえぇ。 宮脇さんと言うのは、植物の生態学者で、横浜国立大学環境科学研究センターのセンター長もしていた人、現在は同大学名誉教授です。

僕は2年ほど同大学の大学院・環境情報学府(環境科学研究センターが改組された)にいたので、お名前だけは知ってました。

横浜国立大学の常盤台キャンパス、横浜の大学と言えば「みなとみらい」みたいなおしゃれなイメージをしちゃいますが、実態はさにあらず。交通の便の悪い丘の上(最寄り地下鉄駅から上り坂を徒歩15分※)、鬱蒼とした森が広がる中に建物がうずもれてます。実はその森は植樹されたもので、その監修が宮脇先生です。

混植・密植植樹方式を利用した植樹事例として横浜国立大学キャンパス内にある森林があります。

Silva

この常盤台キャンパス、もとは「程ヶ谷カントリー倶楽部」という名門のゴルフ場だったのです。

程ヶ谷カントリー倶楽部は1922年(大正11年)に発足しました。
当時わが国のゴルフ場は、明治30年代に開場した外国人向けコースが六甲と根岸などにあり、また、日本人向けの9ホール・コースが1914年東京駒沢(東京ゴルフ倶楽部)に造られていました。
そうした中で本格的な18ホールのチャンピオンシップコースを建設しようとの気運が高まり、程ヶ谷カントリー倶楽部が設立されました。・・・1923年4月には会員の赤星四郎氏設計によるコースが横浜市保土ケ谷区(現在の横浜国立大キャンパス敷地)に完成、会員総数は264名にのぼりました。

程ヶ谷カントリー倶楽部

僕はゴルフをしないのでよく知りませんでしたが、有名なゴルフ場だったのですね。「資金集めには井上準之助氏、森村市左衛門氏の貢献が大きかった」そうです。

  • 井上準之助・・・血盟団事件で暗殺された元蔵相。
  • 森村市左衛門・・・森村財閥の当主。旧森村財閥企業の現存上場企業はTOTO、ノリタケカンパニーリミテド、日本ガイシ、日本特殊陶業、INAX、共立マテリアル なかなかの有名どころ。

その後、どういう経緯があったのか知りませんけど、1973年に大学キャンパスになったんです。その前後から植樹が開始され、およそ50年。

Googleストリートビューで見た、環境情報学府研究棟前です。うーん、昼なお暗し。

森の生態が豊か かは知らないですけど、同じ研究室の中国人留学生(四川から来てた数人)が、キャンパス内でドクダミを掘って、根っこを和え物にしてたので、まあ自然豊かとは言えるでしょう。 クワガタ見つけた っていう話もあったかなあ。

あ、ちなみに、ドクダミの根っこは一口食べさせてもらいましたけど、ドグダミの味しかしないお。匂いから想像できる通り、おいしくはなかったです(笑)。

おうちで中華138

ドクダミの地下茎。中国語では耳根といい、主に貴州・四川・雲南あたりの西南地区でよく食べられている。
今日作る料理は、涼拌耳根。ドクダミの地下茎を生のままタレで和えるだけのシンプルな涼菜だ。
生の地下茎の食感はキシキシしている。噛むと正にあのドクダミの香りが口一杯に広がるので、中国人でも食べつけない人は多い。僕も最初に食べたときは驚いたものだが、今やすっかり慣れて、貴州料理や雲南料理を食べるときは気軽にオーダーするようになった。

吃尽天下

慣れとは恐ろしいものですな(笑)。僕もあれ以来、あんまりドクダミの香りを臭いとは思わなくなったもの(笑)。

でも食べるためとはいえ、根をきれいにするのがとても大変そうだよ。

そういえば、一緒に食堂に行くとき、学内で根る場所を教えてもらったんだっけ。少し森の中に入って「斜面に生えてるのを掘り起こすのが楽で良いです」ってことだった。コツをつかむくらい、学内で採取したんだね〜。

以下思い出話。

※僕は当時、大学のある丘の上に住んでました(航空写真にも出てる国際交流会館という宿舎)。最寄りのお店は丘の下にあるスーパー(徒歩10分強)。

坂を下りてまた上がってくるのがめんどくさいので、基本的な生活は 大学内で済ませます(図書館、食堂、研究室、あとはネットとAmazonがあれば生きていける人なので)。たまにしか丘を下りないので、自称「修道院生活」を送ってました。楽しかったなあ(笑)。 

 修道院生活1年目の終わりに東日本大震災が発生。じきに「十年一昔」も前のことになるんですね。

局地的な気象(線状降水帯等)の予測・対策の困難さについて

予測に限界、遅れた警告 豪雨500ミリに気象庁「まさか」


熊本県南部を襲った集中豪雨で、心肺停止の状態で見つかる人が多数に上った。雨は三日から降り始めたが、局地的な気象の予測には技術上の限界があり、気象庁は四日未明まで大雨特別警報を発表できなかった。先を見通し、注意報や警報の段階でいち早く避難を促す難しさがあらわになった。


一つの積乱雲の寿命は一時間程度だが、連続発生し、風に吹かれることで同じ場所に雨を降らせることで知られる。日本で発生する多くの豪雨は線状降水帯が原因と考える専門家もおり、注意を要する気象現象だ。
「まさかここまで降るとは・・・」ある気象庁関係者は四日、肩を落とした。
線状降水帯の発生は上空の風や地形の影響を受けるとされ、現代の技術でも予測が難しい。

中日新聞

熊本県南部を襲った集中豪雨は、ひどいことになっています。というか、現在進行形です・・・ 

近年豪雨災害が続き、国交省はダムがある河川の場合、「利水ダムを治水利用する」とか「豪雨が降り出す数日前からダムを放流し、容量を空っぽにして水害に備える」というような対策を打ち出しており、このブログでもたびたび記事にしています。

これらの「施設有効活用対策」は、施設があれば災害対応としてもちろん有効なんだけど、事前に準備しておくためには、正確な降雨予測が不可欠です(正確には流入量予測だけど)。

が、気象庁曰く、今回の豪雨のように「線状降水帯」を原因とする大雨は、現在の技術では予測が困難だそう・・・。そのうえ「日本で発生する多くの豪雨は線状降水帯が原因と考える専門家もいる」そう。

ってことは、今回みたいな「線状降水帯」豪雨の場合、先の「施設有効活用対策」の実効性は極めて低いってことだね!orz.

もちろん台風が来ている状況であれば、まだこれより予測は立てやすく、有効活用できることもあるでしょうけど。

そんなら、どういう対策を考えればいいんだよー!

一応理論的には「流域治水」がその解になるんですが、これもなかなか実現困難なのです。実は今回の災害の舞台となった球磨川は、上流のダム計画が中止され※、「ダムに頼らない治水を目指す」という方向で動いていて「流域治水」の先進地でもあったんです、が・・・。

「流域治水」先進地の熊本、間に合わなかった 国交省が防災総合対策公表

豪雨災害に対応するため、国土交通省がダムや堤防の整備に加え、住まい方を工夫したり、雨を貯留する施設を造ったりといった対策を総動員する「流域治水」を打ち出した。「堤防やダムだけで水を制御するのは難しい」(国交省幹部)ためだ。ただ、いち早く流域一帯での対策を目指してきた熊本県の豪雨被害からは課題も浮かぶ。

熊本のケースでは関係者の協議が長期化、堤防のかさ上げ、洪水時の水位を下げるための川底掘削といった案が検討されながら、結論は出ないまま。樺島知事は5日、記者団に「多額の資金が必要で実現できなかった」と釈明した。

中日新聞

「多額の資金が必要だった」こともあるんだけど、テレビのヘリ中継で千寿園(老人ホーム)上空あたりを見ていると、山中の川沿いのわずかな平地に、老人ホームや小学校、人家が密集して建っています。さらに支川が流れ込んでいたりする。 

あのような地形で堤防をかさ上げ(堤防高を上げるためには、堤防に盛り土が必要。今以上の盛り土を行うため、堤防用地が追加で必要)することは、ただでさえわずかな平地が減り、現在堤防沿いに建っている家は移転しなきゃいけない と言うことです。 

あの地形で水位を下げるための川底掘削・・・どのくらい下流から(すなわち大量に)掘って来なきゃいけないことか。そもそも、掘削するための重機の置き場や掘削した土砂を運ぶ大型ダンプの通行路が無い・・・あっても街の平穏な生活が乱される・・・

ってことで、住民の平常時の生活は不便になることばかり。そりゃ「案が検討されながら、結論は出ないまま。」に決まってます。

「雨を貯留する施設(球磨川なら調整池だろう)造る」ったって、そもそも空いてる平地がない。「住まい方を工夫」は有効だろうけど、「あんたの家は危ないから、1階は車の駐車場だけにして、2階に居間と寝室を造るよう勧告する」とか「危険のある地区には住まないよう要請」ってこと(コロナ対策で「外出自粛要請」しか出せない国だから)これも有効打にはなり得ないでしょうね。

結論として、現実的に有効そうな対応って、なさそう・・・・

んで、日本の山間地を流れる河川には、あのような地形条件に暮らす集落って、いくらでもあるんです。

そこまでの現状を踏まえた上で、個人として対応できそうなことを考え、実施していくしかないんでしょうねぇ。

※ダムがあれば、今回の洪水が防げた とは限りません。それは「どのような規模の洪水を治水目標とするダムを造るか」が重要になってくるためで、今回の洪水規模がダムの治水目標を超えたものであれば、ダムの防災効果は限られたものになります(異常洪水時防災操作に移行するため)。