以前、このブログで寺津八幡社を取り上げました。
寺津の地は吉良氏の家老を務めた「大河内氏」発祥の地で、寺津城がありました。
町は名前の通り「寺と津(港)」が特徴的です。古くからの漁師町で、たくさんのお寺があります。 大河内氏の痕跡と文化財を求めて散策!
航空写真でも、たくさんのお寺があることが分かります。赤で囲った箇所を訪問しました。(寺津八幡社は上記記事で紹介済)
浄名寺
それほど大きなお寺ではありませんが、このお寺には「円空仏」が安置されています。
円空とは、江戸時代前期の僧・仏師。一説に生涯に約12万体の仏像を彫ったと推定され各地に「円空仏」と呼ばれる独特の作風を持った木彫りの仏像を残した。(wiki)
うーむ、大胆なデザイン!!円空はこの材に仏を感じたんだろうか?? 解説によれば、もともと伊勢にあったそうですが、明治時代の廃仏毀釈の時期に、三河の地に逃れて来たようです。(市指定文化財)
妙光寺
室町時代の薬師如来像があるそうです。(市指定文化財)
養国寺
浄土宗西山深草派三河十二本寺の一つ。境内は、古刹って感じで落ち着いてます。
寺には、「仏涅槃図」という南北朝時代の仏画があるそうです。(市指定文化財)
瑞松寺
小規模なお寺です。境内のあたりが寺津城の主郭だと言われています。
寺津の町は南北に連なる碧海台地にあり、標高が4mくらいあります。寺の辺りから西側は緩やかな坂になっており(左下写真)、坂の行き詰まりに湾が深く入り込んでいます(航空写真参照)。
寺津城はその最深部(港)を抑える拠点に位置しています。
金剛院
瑞松寺の南東、道路を挟んであるお寺です。このお寺には、最後の寺津城主だった大河内信貞、秀綱の供養塔が残っています。お寺の辺りが寺津城の南曲輪にあたり、大河内氏祖先の供養のために設立されたお寺だそうです。
2022年12月08日補足 岩瀬文庫の「古城」展で、寺津城の絵図と情報が出ていましたので追記します。
・瑞松寺は城跡の北東部に建てられた。 城跡の北東隅には稲荷社があり、この稲荷社は現在も瑞松寺の奥に現存しており、寺津城で唯一残る土塁の上にある。 寺津城の中心部の姿は北辺が狭い台形状であり、周囲を堀と土塁に囲まれて南に虎口を開く方形館であった。 南方に広がりが見えて金剛院と一体となった複郭だった様子が窺える。