里山維持作業中に思ったこと

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みなさま、GWをいかがお過ごしでしょうか?

僕は、4月25日から5月1日まで7日間連続出勤で、ようやく今日お休み。Golden-weekならぬGolden-workを満喫しております。 もっとも、しっかり休めるのは官庁とか製造業だけかもしれませんね。接客業は稼ぎ時・・・

仕事の内容は、水路の泥だし、草刈り、間伐した木の皮剥き、農作業などの「里山の環境を維持するためのお仕事」です。僕的には仕事内容は結構楽しいんですが、4月までプー太郎、それまではデスクワーカーだった身体がくたびれています。

それでも、自然に囲まれての仕事ですし、農作業を別にすれば、これらの仕事は労力が成果に比例する仕事 なんですね。 社会に出てみると分かるけど「労力をかけたらかけただけ成果が目に見える」仕事って、あんまりないんですよね。だから、意外と好きかな~。

と言っておいてなんですが、それでも、泥(ヘドロ)を被りながらの水路の泥だし作業は負担が大きくてあんまり楽しくない。臭いし汚れるし~。挙句の果てに蛇にご対面とかしょっちゅうですから、必要性は分かるんだけど、あんまりやりたくない仕事。

山から流れてくる渓流の水を利用し、水田を維持する と言うのは谷津田における合理的な水利用法です。けど、大雨や台風が来れば水と一緒に大量の土砂が流れ、沈砂池や水路にたまります。継続して利用していくため、泥だし作業は必須なんですが。

~こーひーぶれいく~

泥池に咲く睡蓮。きれいですなあ  (本文に関係ありません)
同じく カキツバタ

こういう作業をやっている時、昔の人は思ったことでしょう。「ああ、ここに水路ができて、蛇口をひねれば泥の混じってない水道の水が、思うぞんぶん使えたらなあ」

近代化はその夢をかなえました! 「同じように便利な水利を望む他の人たちと組合を造って、ずっと上流の川をダムで堰き止め、そこからコンクリート張りの水路を敷設し、水道を使わせてあげましょう。その代り、水利費払ってね。」

「この重労働をお金で解決できるなら、喜んで払うよ。その分のお金は、水路管理に費やしていた時間を自動車工場に働きにいって稼ぐから」

これが、ここ50年くらいに急速に起こった「高度成長」の始まりです。(単純化し過ぎかな)

おかげで自分の家の田の水路掃除からは開放されたけれど、コンクリートで固められた水路にメダカはいなくなりました。カエルもずいぶん減ったな。蛇はいなくなってうれしいけど(笑)。(生物多様性の危機)さらに上流に造ったダムにはたくさんの土砂が溜まっています。

「里山の環境を維持しつつ、水田を営む」などの暮らしは、持続可能な生態系保全という観点から注目されています(例えば環境省国連大学が推奨する「里山イニシアティブ」など)。

わが国の里地里山のように農林水産業などの人間の営みにより長い年月にわたって維持されてきた二次的自然地域は世界中に見られますが、現在はその多くの地域で持続可能な利用形態が失われ、地域の生物多様性に悪影響が生じています。世界で急速に進む生物多様性の損失を止めるためには、保護地域などによって原生的な自然を保護するだけでなく、このような世界各地の二次的自然地域において、自然資源の持続可能な利用を実現することが必要です。

お題目は凄く立派なものだと思うんだけど、それらの営みは、地道な水路管理など、重労働が投下され始めて持続可能なものでした。だから、社会が豊かになれば重労働を避けようとして「その多くの地域で持続可能な利用形態が失われ」るのは、福利厚生の向上という観点からは当然の帰結だと思うんだよね。

だから「二次的自然地域において、自然資源の持続可能な利用を実現することが必要」という理念はいいと思うんだけど、具体的にはどうすりゃいいの?

ダムを壊して山の水を再度利用することにして、コンクリート水路を土の水路に直して、虫がいっぱいいる環境の中で泥だししようか・・・ それは嫌。

じゃあ、とりあえずダムで泥だしをしようか・・・溜まってる量が半端じゃないす。なにせ山の水路と規模も桁違いだし、年月も50年分だしね。誰がその金を出すん?

課題の規模が大きく、遠くで発生しているので個人の目には見えにくくなっているけど、起こっている問題は同じなんだよね。昔は規模の小さい問題で、個々人がそれぞれ負担してただけ。今は問題が大きい分、副作用も大きいわけで。

それに生物多様性が失われているのは確かだけど、「生物多様性が守られている環境」と言うのは、必ずしも「人間にとって快適な環境」とは言えない面も・・・

両者の間で最適な均衡点(ほどほどに折り合えるところ)を探すという作業が必要でしょうけど、意見の集約が難しいところですね。

てなことを考えますた。

 

 

 

投稿者:

モト

元河川技術者、現在は里山保全の仕事をしているおっさんです。西尾市在住の本好き歴史オタク。

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