格安ガソリンスタンド、ピンチ?

このブログの記事で閲覧数の多いものとして「安いガソリンって品質はどうなの?」の記事があります。皆さん、ガソリンは1円でも安いのを入れたいけど、品質はどうなんだろ? って思っているんですね。

ちょうど1年近く前の記事で、僕はそれ以来、UNYOILの安いガソリンを入れ続けていますが、何の問題もありません。上記の記事に対し、元スタンド店員さんがフィードバックで発言してくれていますが、僕の結論としても「ガソリンは安いとこで入れるのが一番いい」を支持します。

が、格安ガソリンスタンドのビジネスモデルの維持が難しくなっているという記事があったのでご紹介。 これを読むと、確かにガソリン価格を安く維持していくのは厳しそうですねえ。企業努力を期待しますけど・・・

じつは品質に差はなかった! ユーザーメリットしかない「格安ガソリンスタンド」がいま淘汰されている理由 

仮に軽油の需要が増えているとき、それに合わせて増産するとガソリンが余り気味になる。石油を精製しているのは元売りと呼ばれる石油会社だけだが、そうして販売先を失ったガソリンなどの燃料は自社系列のガソリンスタンドではなく、専門商社に卸される。石油製品はある種の生ものであり、長期保存がきかないためだ。 

そうした余剰分といえる燃料のことを業界用語で「業転玉(ぎょうてんぎょく)」という。業転玉は卸値も安い。こうした余剰燃料を仕入れることで、いわゆる格安スタンドのビジネスモデルは成立していた。 

しかし、このところ元売り以外の看板をかかげたプライベートブランドの格安スタンドは減少傾向にあるという。その理由は単純。かつては日本だけで15社以上あった元売りが、現在では実質3社に統合されているからだ。こうした統合は、当然ながら生産効率の向上を目指したものであり、余剰生産である業転玉の発生も減らしている。つまり、格安スタンドのビジネスモデルを維持するのは難しくなっているのだ。

Yahooニュース

うーん。15社以上あった元売りが実質3社になり、生産能率が上がることで、余剰の業転玉の発生量が減少する・・・のは明らかですね。厳しいねえ。

以下、主題とは直接かかわりのない話。

石油元売り業界としては、余剰生産が減るわけだから、生産性が上がり、従業員の給与が上がり、ひいては日本のGDPにプラスになる・・・という構図になるんでしょう。僕はデービッド・アトキンソンさんの主張には理がある と思っているので、経済的にはたぶん正しい方向なのだろうと理解はするのだけれど・・・

「中小企業の改革」を進めないと国が滅びるワケ

「中小企業改革」をすることなく、日本の明るい未来はやってこないのです。
その中小企業改革の神髄は、中小企業の規模を大きくして、大企業と中堅企業を増やすことです。人口が減るので、それは結果として中小企業の数が減ることを意味します。


企業の規模が大きくなればなるほど生産性が上がる、という経済の大原則があります。これは日本も例外ではなく、業種別・都道府県別の平均企業規模と、生産性は見事なほど一致しているのです。だから、生産性向上は企業の規模が拡大することを意味します。


企業規模が大きくなれば分業ができますので、社員の専門性が上がって、一人ひとりが自分のスキルを最大限に発揮できるようになります。小さな企業よりも利益が集約されて、絶対額が大きくなりますので研究開発や人材開発などにも力を入れることができます。そして、中堅・大企業は体力があるので、生産性に大きく影響を及ぼす輸出をすることができます。

また、規模が大きくなれば社員の働き方にも余裕ができるので、有給休暇の取得率が上がります。当然、産休や育休の取得もハードルも下がりますので、女性活躍を促すことができます。

東洋経済オンライン

でもねえ、国のGDPが上がって・・・ってのは、なかなか遠い、見えにくい道のりなんですよね。「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな。

一方、「余剰の業転玉」の恩恵を受けていた格安ガソリンスタンドの利用者としては、おそらく今後ガソリン価格が徐々に上がっていく という目に見える形で損を受けるわけです。つまり消費者としては厳しい話なんですよね。

「企業規模を大きくするのに賛成」と理想としては思っていても、実際にこういう形で実施されると、現実的には「どうなんだろ?」って思っちゃいますね。あ、これって「既得権益者の発言」に当たるのかな。うーん。

投稿者:

モト

元河川技術者、現在は里山保全の仕事をしているおっさんです。西尾市在住の本好き歴史オタク。

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