「処理水 海洋放出決定」

と、今日の朝刊1面にデカデカと出ていました。 ついに決まってしまったか・・・

まあ、処理水は最終的には海洋放出しかない とは思います。でも政府や東電は15年に福島県漁連と「関係者の理解なしに海洋放出などの処分はしない」と約束していたんですよね※。で、その漁連の反対を押し切って海洋放出を決定してしまった。

これから先、海洋放出に伴う風評被害が出てくると思うんですけど、風評被害って「情報が正しいか自分で判断できない」かつ「情報発信元が信頼できない」から生じるんですよね。特に専門的な情報だと、自分で判断するのは難しいこともあるでしょう。

だから対策は 「正しい情報」が「信頼できる筋」から出ることで、第三者である受け手が、「あいつが言うならそれが正しいのだろう」と信じ行動すること のみだと思うのです。論語に「信なれば則ち民任ず」という言葉がありますが、まさにそれな。

信実であること。それは為政者のとるべき態度の一つである。言行が一致して偽るところがなければ、人民は安心してその人に政治を任せるものである。

諸橋轍次「中国古典名言事典」

あっさりそれを破っておいて、それで風評対策なんて、できないよねえ?なんかもう、「国破れて山河在り 城春にして草木深し」みたいな感想しか出てきませんわ。

  ※そもそも、なんでそんな無理な約束しちまうんだよ・・・

もう一つ、個人的に心配していることがあります。「処理水」の問題は、放射性トリチウムの取り扱い「のみ」 と思っている人が多いんですけど(ニュースでもトリチウムの話しか出ないから)、実際はタンク容量の7割以上の処理水で、トリチウム以外の放射性物質の濃度が放出基準を上回っており、二次処理してかなり取り除かないと海洋放出できないのです。↓東京電力の資料より

過去に発生した浄化装置の不具合や、汚染水が周辺地域に与える影響を急ぎ低減させるための処理量を優先した浄化処理等が原因で、現在、タンクに貯蔵されている水の約7割には、トリチウム以外にも規制基準値以上の放射性物質が残っています。

4月13日に決定した基本方針において、ALPS処理水の処分の際には、2次処理や希釈によって、トリチウムを含む放射性物質に関する規制基準を大幅に下回ることを確認し、安全性を確保することとしていますが、上記の経緯から、規制基準値を超える放射性物質を含む水、あるいは汚染水を環境中に放出するとの誤解が一部にあります・・・

東京電力福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の定義を変更しました

トリチウム以外の放射性物質は二次処理で規制基準を大幅に下回ることを確認し、二次処理が困難なトリチウムは希釈(大量の海水で薄める)して放流するのが当たり前ですけど、東電の発表資料(処理水ポータルサイト)を見る限り、2020年12月の時点で、二次処理「試験」で処理できたのは、わずか2,000t

現在タンクに貯蔵されているのは1,250,000t。2年後に海洋放出を開始するのに、こんなスピードで二次処理がちゃんとできるんでしょうか? 東京電力は、柏崎刈羽原発で安全対策工事未完了、テロ対策不備でも平気で原発を動かす会社ですから、二次処理できなくても「できた」と言い張るかもしれません。それ誰が監視するの?

監視としては、まず二次処理をきちんとして、本当に海洋放出OKな処理水が十分溜まった時点から海洋放出を許可するのが筋ではないかと。(人質を取る)

それまで処理水を保管するタンクが原発敷地内に増設できないのであれば、原発敷地外につくったらいいでしょう。これに対し東京電力は「相応の準備と多岐にわたる事前調整が必要であり相当な時間を要するから無理」と言ってます。

それ、二次処理を進めるにも同じことが言えるんじゃないです?ガンガン二次処理やると大量の経費が掛かるし、責任問題を別にすれば、東電には積極的にやる意志無いよねえ。

国もそれに追従して、二次処理が遅々として進まなくても「タンク容量がいっぱいになって一刻の猶予もない。二次処理してないが、どのみち希釈して基準値以下に濃度下げるから海洋放出しても大丈夫!」と追認しちゃわないか心配。

今回の海洋放出でも、かなり東電にあまいですもん。「(原発の敷地が)逼迫していることも事実。これ以上避けて通れない中で判断した。安全性を確保した上で実施する」と海洋放出を決定。(菅首相)  盗人に銭与えるようなもんですわ。

もうこうなったら、米国の申し入れを受け入れ、反日本国政府の国々(中韓ロ)にお願いして彼らにモニタリングをしてもらうくらいしか、日本国民や諸外国は信頼できる相手がいないんじゃないかと。 

日本政府が13日に原発処理水の海洋放出方針を決定したことを受け、近隣の中国や韓国は「一方的な措置だ」と厳しく非難し、日本の決定を受け入れられないとする立場を明確にした。台湾も抑制的ながら懸念を表明。米国は一定の理解を示しつつ、放出後の状況監視をめぐる継続的な対応を日本に求めた。

中韓「一方的だ」と反対表明 台湾も今後の動向注視―米は理解示す・処理水放出

それはそうと、福島第一原発あたりで処理水を放流すると、処理水はどこに行くんかな? 確か福島か宮城沖あたりで、南下する親潮と北上する黒潮がぶつかるはず。 ぶつかった海流は太平洋を東に進むから、処理水はそれに乗って、太平洋に幅広く分散すると思うね。 

気象庁

であるなら、「福島沖」で取れた魚を回避するか なんて全く問題にならず、問題にするのであれば「太平洋産」を食っていいのか? という問題になるだろうね。ま、そもそも太平洋のボリュームと処理水のボリュームを考えれば、「その影響は、無視できるほど小さい」と自分でも判断がつけられる・・・ような気がするけれど。

まあ、年によって黒潮は大蛇行したり離岸したりするので、細かいところまではわからんが。(それこそスパコンで分析して幅広くPRしたら、風評被害も減ると思うけど、見たことないねえ)

あれ、とすると、アメリカやロシアが口を出してくるのはまあいいとして、日本の西にある韓国や中国は、何を心配してイチャモンつけて来てんの??

投稿者:

モト

元河川技術者、現在は里山保全の仕事をしているおっさんです。西尾市在住の本好き歴史オタク。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください