新型コロナ きょうから3回目の“緊急事態宣言” 4都府県が対象
NHKニュース
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、25日から3回目の緊急事態宣言の期間に入りました。過去2回の宣言では、解除までに1か月半から2か月半を要した中、来月11日までの2週間余りの短期間に、解除できる水準にまで感染を抑え込めるかが焦点となります。
今日から4都府県に三度の緊急事態宣言入りです。期間は2週間だそうですが、これまでの報道では「行動の制限をして、その成果が新規感染者数の増減に現れるのは2週間のタイムラグ」がある ようですから、とても2週間では済まないでしょう。
たとえ済んだとしても、ワクチン接種が進まない限り、アクセル(宣言解除)とブレーキ(宣言)を交互に踏む運転を続けなければいけないことは明らかですから、「もうこういう状態はうんざり!」という人は多いでしょう。ゴールはどこなんだよ・・・
その答えは、「いつ多数の国民がワクチン接種されるか」にかかっています。その前提として、「いつワクチンが日本に十分な数量供給されるか?」という質問の答えでも良いのですが。
後者に関していえば、最新の政府発表によりますと、一応9月までにってことらしいですが・・・
菅義偉首相は19日、新型コロナウイルスワクチンに関し、米製薬大手ファイザー社のブーラ最高経営責任者(CEO)と行った電話会談を踏まえ、「(国内の全対象者分が)9月までに供給されるめどが立った」と明言した。
JIJI.com
でもねえ、こんなの大本命発表だけに全く信じられないです。あ、大本営発表ってのは、戦時における大日本帝国政府(正確には、日本軍最高司令部)による公式発表のこと。実は、どうどうと国民に虚偽報道してました。
大本営発表(だいほんえいはっぴょう)とは、1937年11月から1945年8月までの期間、・・・日本の大本営が行った戦況の公式発表である。
Wiki 大本営発表
・・・作戦が頓挫した珊瑚海海戦(1942年5月)の発表から戦果の水増しが始まり、以降は戦況の悪化にかかわらず、虚偽の発表を行なった。それが転じて、権力者、利権者による信用できない情報を批判する慣用句としても使われるようになった。
こういうニュース、皆さん覚えていますか?
全国民のワクチン確保、21年前半までに 首相28日表明
政府は28日、新型コロナウイルスの感染拡大への対策パッケージを決定する。2021年前半までに国民全員分のワクチンを調達できるよう予算を確保する。新型コロナの感染の有無を判定する抗原検査キットも1日20万件分用意する。
日本経済新聞
安倍晋三首相が28日夕の記者会見で表明する。ワクチンの確保には予備費を使う。政府は既に米ファイザーと英アストラゼネカから国民全員分の接種に向けて供給を受けると合意している。
このニュースは2020年8月28日のものです。夏の段階で、当時の安倍首相が、21年の前半までに調達できるって言ったんですよ。その時の発言も、今回の菅首相の発言も、「首相がそう述べた」だけ。その根拠はまったくありません。一国の首相の発言を疑うなんて悲しいことですが、安倍首相も菅首相も、国会で虚偽を述べた実績がありますから。
そういう意味で、これが悪質な「あるある詐欺」である可能性は否定できないと思います。
でも、それがいつ手に入るのか というのは、国民にとって非常に重要な情報なのです。緊急事態宣言が出ていたとしても、終わりが見えないものに協力なんてできませんもの。(自衛のためにある程度協力せざるを得ないとしても、これが「最後の正念場」である保証もないからね・・・)
ですから、首相の言葉を裏付けるため、ファイザー社との契約書を公開してもらえないでしょうか?
日経新聞の記事によれば、「2020年度の予備費を使ってワクチンを確保する予算を組んだ」そうですから、物が来ている以上、2020年度中にファイザー社と需給契約を結んでますよね。そこにはファイザー社が、いつまでにどれだけのワクチンを日本に提供するか 書かれているでしょう。
知りたいのは、2020年契約の数量が、すでに全部日本に来てるのか、それとも来てないのかということ。(感染者数の多い国へ優先的で供給されるのは分かりますけど、感染者数の少ない東アジア圏の国々と比べても、日本のワクチン確保量は少なすぎる。)
そして、菅首相がファイザーと合意したとする話は、その時の契約不履行を責めるものなの?それとも、全く新しい追加契約なの? このあたり、誰か整理して教えて下さい。
それと、欧米企業とのビジネスにおいて、契約書なし、合意書面なしで「合意した」ってありえるの?2番めの記事が本当なら、ファイザー側とは「今後協議しますけど、現段階では何も合意してません」としか読めないんだけど。
菅首相直電交渉のファイザーワクチン追加供給は口約束? 「合意書なし」と厚労相
東京新聞
田村憲久厚生労働相は20日の参院厚生労働委員会で、菅義偉首相と米ファイザー社首脳による新型コロナウイルスワクチン追加供給に関する実質合意に関し「合意書を交わしているわけではない」と明らかにした。
【ワシントン共同】菅義偉首相は17日午前(日本時間同日夜)、米製薬大手ファイザー社のアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)と電話会談し、新型コロナウイルスワクチンの日本への追加供給を要請した。ブーラ氏は、追加供給に向けた協議を迅速に進め、日本政府と緊密に連携したいと述べた。日本政府が発表した。
東京新聞
このままの状態が続くと、日本は江戸時代に戻って「鎖国」状態になるんじゃないですかねえ? ま、その前に、感染が怖いから、東京のオリンピックに外国選手は来ないかも。
世界競争に敗北、日本は「ワクチン接種ガラパゴス」に閉じ込められる
現代ビジネス
日本はコロナのワクチンを自国で開発できず、接種状況も世界の最下位グループだ。さらに、ワクチン接種証明をスマートフォンに表示させる「ワクチンパスポート」でも遅れをとっている。
ワクチンパスポートをうまく使えば経済再開のための強力な手段となるが、日本ではそれが発行できない可能性が強い。日本人の国際活動は大きく制限され、最悪の場合には、日本列島に閉じ込められてしまう。
※wikiの「大本営発表」記事には、面白い記述があったので、引用しておきます。大本営発表記事の、真偽チェックの参考になるかもしれません。
当時から、大本営発表に疑問を持つ日本国民もいた。戦争が進むにつれ、使われる表現や用語が変わっていったことも、国民が信じなくなった要因であった。外交評論家だった清沢洌は、1943年(昭和18年)7月の段階で、事実を隠すためにさかんに形容詞を用いて、現実に目がいかなくなるようにしていると指摘している。
同記事 「影響」項参照
当時、国民学校生徒だった秦郁彦によれば、新聞に載った大本営発表による日本軍の戦果をノートに記録しており、大本営は1943年(昭和18年)まで、年末にその年の「総合戦果」を発表していたが、空母だけで30 – 40隻撃沈しているはずの1944年(昭和19年)は総合戦果が発表されず、「変だな」と思ったという。
5月8日追記
ロイター通信は7日、日本国内に到着した新型コロナウイルスワクチンは2800万回分に達したが、接種が完了したのは15%程度の400万回超で、約2400万回分が「(接種を担当する)人手や手配上のボトルネック」によって使われないまま残っており、接種ペースは「遅いままだ」などと批判的に報じた。
ロイター通信は、日本での接種率は「人口の2・2%で、富裕国としては最もペースが遅いが、政府は7月末までに高齢者3600万人に接種を完了するとの野心的目標を設定している」などと伝えた。この目標実現には1日80万回の接種が必要だとの民間見通しにも触れている。
毎日新聞
ワクチン接種が遅れていのは、「ワクチンが手に入らないから」ではなく、「接種する人手がない」とか、ロジスティック的な問題から・・・なんだと・・・
しょうもないなあ。以前、bloombergのニュースでこんなん↓あって、誤報じゃないの?と思っていたんだけど、事実だったのかな。 *ただし、5230万回には、ファイザーだけでなく、モデルナ製も含むようです。
欧州連合(EU)の新型コロナウイルスワクチン生産能力は世界の接種ペースに追いついており、特に日本向けの出荷が多かったことが分かった。
EUは1月31日から4月19日までに43カ国向けに1億3610万回分のワクチン輸出を許可した。ブルームバーグが内部文書を確認した。このうち約5230万回分が日本に出荷された。次いで英国向けに1620万回分、カナダ向けが1280万回分だった。ワクチン出荷の文書は21日、ブリュッセルでEU加盟国大使に回覧された。
bloomberg