が、条件付きながら特定外来生物に指定されました。
アメリカザリガニとアカミミガメ(ミドリガメ)が6月1日から「条件付特定外来生物」になり、野外への放出や有償での譲り渡しが禁止される。日本古来の生態系を守ることに加え、農作物被害を減らす狙い。一般家庭で飼育中のものは引き続き飼うことができるが、環境省では飼えなくなった場合に新たな飼い主をみつけるなど最後まで責任を持った対応を呼びかけている。
アメリカザリガニとアカミミガメ、野外放出禁止し飼育に条件 環境省
うーん、でも、彼らはすでに日本の生態系に組み込まれちゃっているから、今更特定外来種に指定したって遅いと思うんだよな。
特定外来種指定されることで、ある種の原理主義者が「外来種は徹底駆除!」と騒ぎ出すだろうけど、
現実問題として全数駆除なんて無理だし、下手に駆除すると、生態系のバランスが崩れて別の悪い問題を引き起こしそうな気もする。 似たような事例はいろいろある。
東京・井の頭公園の井の頭池はかつて外来魚などに悩まされ、「かいぼり」を実施しました。
日テレニュース
濁っていた水質は劇的に改善され、“モネの池”として多くの観光客が訪れるようになっていましたが、今度は外来種の水草に頭を抱える事態になっています。
かいぼりをしたところ、濁った水がなくなって池の底まで見通せるようなきれいな池になったのです。100%素晴らしいと思うでしょう。外来種がいなくなり、大型のコイもすべて駆除されて、底まで透き通ったきれいな池になったのですが、何が起こったかというと、かいぼりをしてから数年、魚がいなくなり鳥も来なくなってしまいました。死の池になってしまったのです。
公園の池の水抜いたら「死の池」に…衝撃の実態
外来魚を駆除して、いいことしたな と思ってたら、そいつらが喰ってくれてた外来植物が異常繁茂したとか、何もいなくなっちゃったとか、ネットで検索するといろいろ出てくるのね。 死の池にするくらいだったら、外来生物でも、何か生き物がいた方がいい っていう考え方だってあり得るのです。
外来生物が一概にいけない とも言えないのです。例えば、アナタが日々食べているお米、これは日本原産ではないので、時代を経ていますが、これだってれっきとした外来生物です。 お米を増産するために、日本では大規模な土地改変(水田造成)がなされました。その結果、日本原産の動植物の生息に多大な影響があったはずです。 これっていいことなの?
今だって、園芸作物や花卉は外国からいろんなものが入ってきていますよね。それが畑から外に広がれば(まあ広がるのは時間の問題)、外来生物になります。実は「外来生物」の害って、人間に都合のいいことが生じるのか(無視できる程度か)、悪いことが生じるのかという結果論にすぎないのではないかと思うのです。
過程を考えると、「人間のエゴが悪い」「外来生物を国内に入れた人間活動が悪い」としか言いようがないんだけど。
国の特別天然記念物トキを本州で定着させる環境省の放鳥事業で、候補地選定に応募し、「継続審議地域」とされていた新潟県と長岡市など県内5市町村が計画を断念する方向で調整していることがわかった。新潟は放鳥事業が唯一行われている佐渡島を有する「先進地」だが、基幹産業の稲作への悪影響を懸念する農家らから厳しい声が相次いでいた。
佐渡で進むトキ放鳥、本州側では計画断念へ…「田を荒らすおそれ」農家の懸念根強く
いつも使う近所のハイキングコースには、「ジャパニーズ・クズ絶滅事業」という看板が立つ。
日本では、くず粉や漢方薬の原料として知られる多年生の雑草「クズ」は、1800年代後半に日本から緑化目的で米国に持ち込まれた。
その後、米国内で増殖に歯止めがかからず、草原や森林の植生を塗り替えてしまった。
今や、自動車や建物、電線までもあっという間に覆い尽くしてしまう「グリーンモンスター」として恐れられている。
アメリカで「ジャパニーズ・クズ絶滅事業」が展開されているワケ
現在いる外来生物の存在はとりあえず認め、それらを含んだ生態系を模索するというか、容認するっていう方向性の方が、持続可能な考え方だと思うんだけど。
あと個人的にはこのフレーズが嫌いです。「環境省では飼えなくなった場合に新たな飼い主をみつけるなど最後まで責任を持った対応を呼びかけている」
新たな飼い主がみつからなかったら、どうするんですか?本来は「飼えなくなった場合は飼い主の責任において処分する(殺す)よう」呼びかけるべきなんじゃないかと。もちろん、新たな飼い主が喜んで引き受けるなら、それに越したことはないですよ。でも実は仕方なく引き取るというのが実態ではないでしょうか。
「殺すのはかわいそうだから、アナタたちに引き取ってもらわないと困る」みたいに言われてもね。本来、生き物を飼うことの責任というのは、そういうことだと思うんです。