「賃上げ」とは、逃げ水のことと見立てたり

もう、この言葉聞き飽きました。できないなら連呼されてもうるさいだけだから、黙って他にできることを実行してほしいな。

2023年1月

持続的で構造的な賃上げを実現するとともに、官民連携による投資を積極化させていく。「経済、経済、経済」、私は、何よりも経済に重点を置いていきます。

岸田首相 所信表明演説

それから1年たった2024年1月

全国の中小企業経営者でつくる中小企業家同友会全国協議会の広浜泰久会長は本紙のインタビューで、今年の春闘で連合が掲げる5%以上の賃上げ目標について「中小企業には難しい」との見方を示した。

賃上げ5%「中小企業にそれは無理でしょ」…全国団体トップが明かした、価格転嫁を阻む「長年の慣習」

さらに半年が経過。2024年7月

柴田労働局長はあいさつで、「賃上げの流れを中小企業にも波及させるには最低賃金による底上げも必要」と述べました。
最終的にことしの最低賃金が確定するのは秋ごろになるという事です。

最低賃金審議会が初回会合「賃上げ、中小企業にも波及を」ビジネスキャッチー

まだあ~?もう待ちくたびれたよ。

言わせる人に言わせれば「政府は賃上げに向け手は打ってる」のでしょうが、現実を見る限り、まさに「近づくと遠のく幻の水たまり」のよう。つまり、逃げ水。 

逃げ水(にげみず)とは、風がなく晴れた暑い日に、アスファルトの道路などで、遠くに水があるように見える現象。・・・近づくと遠のき、まるで水が逃げていくように見えることから、逃げ水の名が付いた。

wiki

いい加減。 やるやる詐欺ではないか、実現可能な政策なのかを検証し、できない なら諦めた方がいいんじゃないですか?リソース(保有している人材や資金、時間といった経営資源)は有限なので。

有効な賃上げができない ことだけが原因ではないのですが、現状としては・・・

帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)がまとめた2024年上期(1―6月)の倒産件数は、TDBが前年同期比22・0%増の4887件、TSRが同22・0%増の4931件で、5000件に迫る水準となった。・・・今後についてTDBは「急速な円安進行、力強さを欠く個人消費など下期も中小企業を取り巻く経営環境は厳しい。24年の企業倒産は1万件突破も視野に増加基調が続く」とみる。TSRも「資金需要が活発になる秋口以降、資金調達が困難な企業を中心に倒産が増える」と分析する。

「物価高」「人手不足」急増…24年上期倒産は5000件に迫る、最多の業種は?

こりゃ、すぐにでも不景気ってか、株安になりそうな予感が、します・・・

参考記事です。

賃上げには労働生産性の向上が必要――。そんなふうに言われて久しいが、本当にその通りなのだろうか。厚生労働省が2023年9月に出した報告書「労働経済の分析」からは、経済学の教科書通りには進んでこなかった日本経済の姿が浮かび上がる。

米国、ドイツと比べると差は歴然 教科書通りでなかった日本の賃金  毎日新聞

参考記事2

労働市場がひっ迫している現代においては、労働者に希少価値がある。そうした状況下で市場原理が適切に働いていれば、賃金は上がり、労働条件も改善することで、質の高い仕事が必然的に増えていくはずなのである。・・・
が、そのスピード感はなんとも心もとないものである。賃金の上昇率はなぜもっと加速しないのか。労働環境はなぜもっとよくならないのか。それは、質が高い仕事の浸透を妨げる環境があるからにほかならない。
 その筆頭に挙げられるのは、外国人労働者に関する施策である。

近年、外国人労働者の受け入れに関する規制緩和が相次いで行われている。なぜ政府が外国人労働者の受け入れにここまで前のめりになっているのかといえば、それは深刻な人手不足に直面する企業からの強い政治的要請があるからである。
 労働市場は年々ひっ迫度を強めており、経営体力が弱い企業はどんどん人を取れなくなってきて、人手を確保しようにも、求職者に対して高い賃金を提示することもできない。結局、事業を存続させるためには、安い賃金で働いてくれる外国人労働者の導入に活路を見出さざるを得なくなっている。
 日本社会がこうした働き方を認めることが、賃金など労働条件を改善しようとする企業の努力を抑制させてしまうことにもつながるのである。ゾンビ企業を延命するために海外から安い労働力を移入させようとする政策で日本の労働市場が良くなることは、決してない。

なぜ日本の「賃金上昇率」はもっと加速しないのか
いびつな労働市場の正体

ふむ、興味深い指摘ですね。 確かに労働市場に市場原理がきちんと機能していれば、空前の労働者不足の時代、賃上げなどあっという間に成されるはず。 安価な外国人労働者を入れたから という理由だけが原因ではないのでしょうが、確かに最近通勤時に、自転車で通勤する外国人労働者の数が増えたようには思いますね。

投稿者:

モト

元河川技術者、現在は里山保全の仕事をしているおっさんです。西尾市在住の本好き歴史オタク。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください