そもそも、政府は直接「賃上げ」できないのに、どうしてそれが政策の基本になるの?

石破首相はすさまじい経済音痴ですけど、政策として「消費税減税より賃上げの実現が基本」とか、もうほんとにウンコ過ぎ。あるいは理想的にはそうなのかもだけど、実現可能性があるの?という観点から、政府政策としては妥当ではないと思う次第です。 

石破茂首相(68)は17日午後(日本時間18日午前)、カナダで開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)への出席後の記者会見での物価高対応についての発言「減税より給付」「決して少なくない」がX(旧ツイッター)上でトレンド入りした。

首相は「消費税減税などの減税政策よりも、物価上昇に負けない賃上げの実現こそが基本であり、急務だ」と強調・・・現金給付について「消費税減税よりもはるかに効果的だ」と述べた。

石破首相の「減税より給付」「決して少なくない」トレンド入り、国民一律2万円の現金給付

減税なら政府が「減税」と決めれば実現できます(国税なら特に)。でも、賃上げは政府が直接実現する手段はありません。なのに後者を政策の基本に据えて、んで、どうやって実現するん?

あなたの給料が上がるとすれば、それは会社が賃上げしてくれるから、ですよね。つまりあなたと会社の問題であって、政府は直接は関係ありません。 (アナタが国家公務員なら雇用主は「政府」ですから直接関係しますけど。ま、それはレアケースです。)

政府ができることは、企業への賃上げ要請とそのための環境整備・・・間接的に関係してくるというか・・・で・・・ 僕らはその顛末も知ってますよね。

政府は26日、労働団体と経済界の代表らと「政労使の意見交換」を開催した。石破茂首相は来年の春闘では33年ぶりの高水準となった2024年の勢いで大幅な賃上げを実現するよう求めた。  

 石破首相は協議終了前のあいさつで、政府としても「賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る」状況を目指し、環境整備などに取り組む考えを示した。最低賃金については2020年代に全国平均で時給1500円を達成するとの目標に向け、「たゆまぬ努力を進める」と指摘。来春までに対応策を取りまとめるよう関係閣僚に指示した。

石破首相、24年春闘を上回る高水準の賃上げを要請-政労使協議

ことし2月の働く人1人当たりの現金給与の総額は、前の年の同じ月と比べて3.1%増えたものの、物価の上昇に賃金の伸びが追いつかず、実質賃金は1.2%減少し、2か月連続のマイナスとなりました。

実質賃金1.2%減 2か月連続マイナス 物価上昇に賃金追いつかず

こんな風景を、石破首相でも、岸田首相でも、安倍首相でも見てきた気がします。

うまくいかなかったんだよね。

だからもう間接的な政策ではなく、政府が直接実施できる政策で、実質的な賃上げを狙うしか手段はないと思うんですよ。 んで、政府が直接実施できる数少ない手段が、減税じゃないのかな、と。

このロジックなら給付でもいいんでしょうけど、いったん集めた税金を膨大な事務費かけて再配布するくらいなら、最初から「取らない」方が余計な事務いらない分、みんなハッピーだと思うんだけどね。あと本音として、分配先を「バカな奴らに都合よく」決められたくない(奴らを選んだのも自分らだけどな・・・)。

減税する財源がないからできない?自民党は保守政党だそうですから、ぜひ古の天皇の故事を学び、自省し実施いただきたいものです。

仁徳天皇がある時に高い山に登って民の暮らしを見渡したところ、炊煙が上がっていない人家を見つける。この時に仁徳天皇は、この地域は水が少なく、災害や飢饉に見舞われており、人々は食べるものも十分に手に入れることができていないために炊煙が上がっていないのだろうと推測する。このことから仁徳天皇は3年間、税を免除した。そして民の生活が豊かになるまでは食事も着る者も倹約して、宮殿の屋根の茅の穿き替えも行わなかった。仁徳天皇のこの仁愛が通じたのか民は熱意を持って働くようになり、次第に豊かさを回復していくようになる。宮殿が荒れていっても仁徳天皇は自分はもう富んできたと言い、それは天が人君を立てるのは人民のためであるため人民が根本であるという考えからであった。

wiki

投稿者:

モト

元河川技術者、現在は里山保全の仕事をしているおっさんです。西尾市在住の本好き歴史オタク。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.