新NISAでの投資方針決定 と背後の思考

来年1月から始まる、新NISAでの投資方針を決めました。 

  • NISA口座開設は楽天証券 
  • 積立投資枠(120万円)は、月々10万円積立でeMAXIS Slim米国株式を購入
  • 成長投資枠(240万円)は、年初に全額eMAXISslim米国株式を購入

1.楽天証券に口座開設する理由

先の記事で書いたように、僕は楽天グループの経営状況には一抹の不安を覚えており、ここに開設してもいいのかなあ?という心配も持っています。でもまあ、たぶん大丈夫だろう・・・

そのうえ僕の場合、主な取引銀行が楽天銀行なので、同じグループの楽天証券を使うのが一番利便性が高い。

それと最も大きな理由が、将来新NISAを取り崩すとき(出口戦略)を考えた場合の便利なサービスの有無です。

新NISAでは最大1800万円という大金の積み立てができるのだけれど、積立れば終わりじゃなく、人生の後半生でいかにうまくそれを使っていくかが大事です。

そんな時、自動定期売却(かつ定額ではなく定口)できる仕組み が使えることは非常に大事だと思っています。投資信託の総所有額は日々市場に合わせ変動しますから、「定額売却」では上手な取り崩しにはならないのです。

くわしくは、カン・チュンドさんの投資信託クリニックのブログ記事を読んでください。

リタイア後、
無駄なく計画的にリスク資産を解約 → 思う存分使っていき、→ 最終的にリスク資産を『ゼロ』にする!
という人に向くサービスです。

リスク資産を確実にゼロにする、楽天証券の投資信託・定期売却サービス『期間指定コース』とは?

ところが、ネット証券において現行の積立NISAでの定口売却が選択できるのは楽天証券しかありません。新NISAでこの機能を実装するかどうかはまだ決まっていないようですが、一番実装する可能性の高いのは、楽天証券です。まあ他社もいずれ追従するとは思いますけれど。

わたしが知る限り、現在、投資信託の『定期売却サービス』に対応してくれる金融機関は以下となります。・・・
上記6社にわたしは敬意を表する者です。
資産を「積み上げ」、資産を「取り崩す」という、ひとりの生活者の、資産形成という名の長い旅に、「最初から最後まで付き合いますよ!」と宣言してくれているわけですから。
が、ちょっぴり残念なことに、
現行NISA口座内でも『投資信託・定期売却サービス』を実施しているのは、現状、楽天証券とフィデリティ証券しかありません。
しかも、フィデリティ証券は「一般NISA」のみ。現行の「一般NISA」「つみたてNISA」とも、『投信定期売却サービス』に対応しているのは、すべての金融機関の中で楽天証券のみなのです。

楽天証券さん、新NISAでも『投資信託・定期売却サービス』に対応してくれますよね?

楽天証券よ、持続していてくれ(僕の老後資金を託すのだから!)

2.eMAXIS Slim米国株式を選んだ理由

これから投資を始める人、投資は別に趣味じゃない人 にはこの銘柄は勧めません。素直に、eMAXIS Slim全世界株式(通称オルカン)買っとけ です。 アメリカ一国にかけるより、全世界に掛けた方が、分散が効いていいからです。(全世界の株式に時価総額のウェートに応じて平均的に投資できる)

詳しくは、山崎元さんの記事でも読みなされ 新NISAで腹落ちできる「絶対的に正しい運用方法」とは何か

eMAXIS Slimシリーズは、公式HPに「業界最低水準の運用コストを目指す」と書かれているし、その過去実績は 投資ブロガーが選ぶ!FUND OF THE YEARの受賞歴で折り紙つきだから。

 それでも僕が米国を選ぶのは、趣味として別途日本株の個別投資をしていること、新興国やEUにあまり将来性を抱いていないという偏見(バイアス)を持っているためです。最終的に運用成果に責任を持つのは自分なので、自分が腹を決めたものを選ぶしかないのですね。

主題はここまで。以下は僕の脳内妄想(というかメモ?)なので、適当にどーぞ。

日本は証券取引所の企業選別が甘すぎ、本来退場すべきゴミ会社も市場から退場させられません。最近も「PBR(株価純資産倍率)の低迷する上場企業に対して改善策を開示・実行するよう要請」してはいるけど、要請だから罰則は何もありません。十八番の「言うべきことは言ったもん、あとは実行しない相手が悪いんだもん」で終わることを「改革」と称する情けない状態。

 ま、それも含め日米両国の株価を見てきた実感として「米国がくしゃみをすると日本は風邪をひく」のが真実かと。なので自分としては「大枠としては日本株持たず米国株だけ持っていた方が傷が浅くていいんじゃね?」という認識。

ゆえに、趣味としての個別日本株投資にとどめます。(個別株投資は面白いし、日本人にはやはり日本企業の情報ー日本語記述ーが目に留まりやすい)

新興国市場・・・中国とかインドとか、 うーん、あの辺経済発展なんてするのかしら。中国は不動産バブル崩壊中だし(そもそも土地は国有なのに、利用権の価格だけが上昇を続ける って、まさしく実態のないバブルでしたね)。海外でもバブリー開発を続けていました。

「南国の理想郷」
かつてそう呼ばれた60棟におよぶタワーマンション群が、マレーシア南部ジョホール州の沖合にある。心地よい海風の吹く橋の先にある、人工島に作られた『フォレストシティー』だ。だが、その「夢の島」では人影をほとんど見ない。
「『フォレストシティー』は、中国の習近平国家主席が’13年9月にシルクロードを現代に再現すると提唱した『一帯一路』構想の目玉として、’14年前半から進められている巨大プロジェクトです。4つの人工島に1棟30階前後のタワマン群を建て、20万超の部屋に約70万人が住むという壮大な計画。中国のナンバー1不動産会社『碧桂園(へきけいえん)』が手掛け、総投資額は1000億ドル(約15兆円)にのぼるといわれます」

マレーシア発 中国No.1不動産会社が建設した「15兆円のゴーストタウン」全貌写真

インドは汚職やらなんやら問題抱えてそう。

そもそも新興国が順調に経済発展できるかという疑問には、中所得国の罠 という言葉が経験則的にあります。そこを超えられた国は、過去に日本、アメリカ、韓国、香港、シンガポールと多くはないのだ。

「中所得国の罠」とは、多くの途上国が経済発展により一人当たりGDPが中程度の水準(中所得)に達した後、発展パターンや戦略を転換できず、成長率が低下、あるいは長期にわたって低迷することを指す。これは、開発経済学でゆるやかに共有されている概念であり、その端緒は世界銀行が07年に発表した報告書にあるとみられている。

中所得国の罠の回避に向けて  内閣府

また、順調に経済発展したとしても、それがその国の株価に反映されるかは、また別問題だと思うんだ。(汚職や政府の関与を離れ、経済原理できちんと動く証券取引監視機構が必要でしょう。日本もその面では新興国・・・)

さらに、新興国で稼ぐ先進国の国際的大企業とあまり振るわない国内企業って構図もありえそうですよね。

そういや新興国と言えば、アルゼンチンの大統領選挙、決選投票が行われるらしいけど、有力候補の経済学者ミレイ氏は、「中央銀行廃止、ペソを廃止して通貨を米ドルに」って訴えているらしいですね。  

ミレイ氏は、中央銀行を廃止しドルを法定通貨にすることで物価を安定させるとしています。

アルゼンチン大統領選 決選投票 経済相と下院議員の接戦予想

他国の話だから、外で見ている限り、自称経済学者がそんなこと言うなんて面白れぇ とは思うけれど。うーん、自国通貨と中央銀行を無くすと、その国独自の金融政策ってできないわけでしょ。日本の場合、日銀の大規模金融緩和ってのがアベノミクスの主要政策だったんだよね。その賛否はともあれ、重要な政策実施手段を自ら失うってこと、長期的に見て賢いことなんだろうか?

ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏は「通貨をドルにしてしまえば、為替の変動に悩まされることはなくなる」としつつ、「自国の金融政策を放棄し、すべてFRB(米連邦準備制度理事会)の決定に従うことになる。自国の景気が悪いときに、金利を下げられないなど弊害も大きい」と話す。
 南米ではパナマ、エクアドルやエルサルバドルがドル化政策を採用している。第一生命経済研究所の西浜徹氏は「これら経済規模の小さい国々とは異なり、南米2位のアルゼンチンが金融政策を放棄するのは現実的ではない」とみる。

「アルゼンチンのトランプ」がぶった切ろうとしている「中央銀行と自国通貨」 何が起こる?そもそも可能?

と、それを大規模に実施しているのがEUという実験体だよね。

単一通貨ユーロが誕生して以降、ユーロ圏の金融政策は、欧州中央銀行(ECB)及び各国中央銀行からなる欧州中央銀行制度(ESCB)を通じて単一の金融政策として行われる。各国中央銀行は、定められた金融政策方針に従って、各国内で金融政策を実施することを任務としている。

外務省  ユーロ圏の金融政策と欧州中央銀行制度

言うまでもなく、一口にユーロ圏と言っても各国の経済事情は様々なわけだけど、その中で単一の金融政策実施なんて、各国に不公平が出たりするんじゃないだろうか?そのひずみが、どこかで爆発したりしないのかなあ。 →EU経済圏への不安(不安定)感

傍証として、英国,デンマーク,スウェーデンはEUに加盟してる(英国は脱退した)けど、通貨統合には参加してないんだよね。これらの国は独自の金融政策の実施ができる。

ユーロ非参加国中央銀行は、特別の地位を有するESCBのメンバーであり、ユーロ非参加国独自の金融政策の実施が許容されているとともに、ユーロ圏の単一金融政策の決定及び実施には加わらない。また、ユーロ非参加国中央銀行を除いたECB及びユーロ圏中央銀行を合わせて、ユーロシステムと呼ばれており、ユーロ圏の単一金融政策を決定し、実施する。

同上

そもそもEUの経済政策って、環境保全を錦の御旗に「ある種の規制」をつくり、その規制をクリアした製品を欧州で開発し、それを世界に売りさばく というものだと思う。

車を例に取ると、欧州で環境に優しいディーゼル車を開発して世界に売るつもりが失敗(開発に失敗し試験結果を偽装)。代わりに日本のハイブリッド車が輸入されると、これを含めたディーゼル、ガソリン車の販売を将来的に禁止。代わりに電気自動車シフトを宣言。欧州内でそれを開発して世界に売るつもりが、その前に中国の安価な電気自動車が大量輸入され逆切れ・・・いまいちうまくいってない気がするんだよね。

まだ車関係では、政府がそのような全体戦略を取らず(取れず)、各メーカー任せになっている日本企業の方が、現状では分があるように思えてしまうかな~。

2040年までにディーゼル車、ガソリン車の販売を禁止する──。
フランス、そして英国が7月、内燃機関のみで走る車への抜本的な規制導入の方針を発表し、世界に衝撃が走った。
元凶はディーゼル車だ。力強い走りやハイブリッド車(HV)並みの燃費に加え、税制優遇のメリットもある。「クリーンディーゼル」といううたい文句で、欧州の乗用車販売で半分以上を占めてきた。だが、その虚構性が明るみに出た。

「ディーゼル神話」崩壊、ドイツがEVへ急転換トヨタはハイブリッド車が欧州で絶好調

中国製EV(電気自動車)のヨーロッパ市場向け輸出が規制される可能性が出てきた。EU(欧州連合)の政策執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は9月13日、欧州議会での施政方針演説のなかで、中国製EVへの補助金に関する調査に着手すると明らかにした。

「グローバル市場には安価な中国製EVがあふれている。それらの価格は、中国政府の巨額の補助金により人為的に低く抑えられ、われわれ(ヨーロッパ)の市場を歪めている」。フォンデアライエン氏はそう述べ、「われわれはこれ(国家の補助金による不当競争)を看過しない」と強調した。

EUが「中国製EV」の補助金に関する調査に着手

いや、あんたのとこの農産物価格だって、巨額の補助金により人為的に低く抑えられ、われわれの市場を歪めている と思うんだが・・・食料自給率に苦しんでいる?日本国政府も「われわれはこれを看過しない」と強調してほしいもんだね。

欧州企業はこれから何で喰っていこうとするのか・・・

ドイツのエネルギー関連企業シーメンス・エナジーの株価が23日の市場で35%下落した。子会社の風力発電用タービン事業の品質問題を解決するのに数年かかると警告したことが大きな打撃となった。

独シーメンス・エナジー、35%急落 風力発電用タービン問題で

そうみると、相対的に、アメリカは投資先としてまだましかなあ とか思ったり思わなんだり・・・いや、もちろんケチをつけようと思えばいくらでもつけられるし、この辺りは信じるも八卦 というような気がしないでも、ないけれど。

新NISAの口座開設、どこのネット証券にしょう?

来年から始まる新NISAの口座を、どこのネット証券に開設しようか迷っています。僕は現在積立NISAの口座を楽天証券に持っており、そのうえで楽天銀行がメインバンクなので、利便性から考えれば、今のまま楽天証券に口座開設する(というか、変更しなきゃ楽天証券に口座が自動開設される)のが妥当なのですが・・・

数日前のホリエモンの投稿記事で迷いが深まっているところです。

ネット証券最大手のSBI証券が9月30日から国内株式取引の手数料を完全無料化すると発表。これを受けて、楽天証券も10月1日から手数料無料化を追随することになりました。SBI証券が証券取引の手数料を0円にし、楽天証券も0円手数料に追随することにより100億円以上の利益が失われる可能性があるという堀江さん。
・・・いわばチキンレースだと言う堀江さん。現物株式の現物取引の手数料0円して、どこで稼ぐんという話になると続けますよ。
・・・楽天グループ全体で見ると、楽天モバイルが携帯電話業界のシェア約20パーセントを獲得するためには、あと約10年間持たせることが一つポイントだと語る堀江さん。そのためには、楽天カードの売却あるいは上場する可能性もあると言いつつも、ポイントビジネスの根幹はカードなので、楽天カードまで切り売りが始まるとグループ間でいろいろ齟齬が生まれると語ります。
楽天本体にとって有利なポイントの出し方をするのやめてほしいなと言う話になるんだとか。楽天カードの切り売りという最後の禁断の手に出ると楽天グループの経済圏が狂ってしまう大きな原因になると続けました。

とんでもないことが起きる⁉︎ ホリエモン、楽天証券の動きを解説! 大激震な内容とは?

この話をうのみにしているわけではないのですが、 僕自身も「証券会社が現物取引の手数料を無料にしてどこで稼ぐんだ?」と疑問に思っています(業界三番手であるマネックス証券は無料化は無理と早々に表明。ある意味「健全」な気がする)。

楽天経済圏を利用することでそれなりにポイントがたまりますけど、他社と比較すると大盤振る舞いすぎじゃね?持続可能なのか?とも思っています。それゆえ、便利だからと言って楽天証券と楽天銀行に資産を集中させておいていいのか?とも思っているのです。

楽天グループを巡っては、「楽天モバイル」の不調を伝えるニュースが後を絶ちません。楽天モバイルは2019年10月に自社の回線網を利用する「MNO(Mobile Network Operator)」サービスを開始しますが、その年から楽天グループ全体で赤字を計上するようになりました。
赤字の主因とみられているのが、通信基地局の整備負担です。他社の回線を利用する「MVNO(Mobile Virtual Network Operator)」と異なり、MNOでは自社で通信環境を用意しなければいけません。その先行投資が重く、直近の2022年12月期では過去最大となる3700億円以上の純損失を計上しました。「モバイル」セグメント単体で4900億円以上の赤字となっており、楽天市場などの「インターネットサービス」や楽天カードなどの「フィンテック」の黒字を打ち消しています。
楽天モバイルは、今後もしばらくは投資が先行する展開が続きますが、2023年中に予定している通信エリアの人口カバー率99%達成後は、月に約150億円のコスト削減が期待できるとしています。もくろみ通りネットワーク費用が減少すれば、楽天モバイル事業は意外に早く黒字化するかもしれません。

楽天ポイント「改悪」に“過去最大”赤字…それでも会員数爆増の理由

楽天モバイルの赤字は意外と早く黒字化するもの・・・なのかもしれないのですが、そのあたりの見通しが実際どうなのかは素人の僕ではさっぱりわかりません。だから僕の危惧は杞憂かもしれないのだけれど、そのあたりの技術や新興ネット関連企業の錬金術的会計処理に明るいであろうホリエモンの意見はかなり深刻に受け止めるべきかもなあ とも。

楽天Gの信用リスク、日本最大-同格付けソフトバンクGと明暗

会社の信頼度が問題で・・・というわけではないでしょうけど、このあたりの対応がいまだ未定というのも、楽天グループを不安視する材料の一つだったりします。

NTTドコモが、オンラインの携帯電話契約の支払い手段として、楽天グループ傘下の楽天カードが発行するクレジットカード「楽天カード」の登録を、今年3月から停止していることがわかった。両社は産経新聞の取材に「協議の上で停止している」と回答し、再開時期は未定としている

ドコモが楽天カードの登録停止 オンライン契約、半年以上

もちろんご承知かと思いますが、楽天証券にせよ、どこの証券会社にせよ、日本の証券会社なら倒産しても預けておいた証券、投資信託、預り金は全額保護されるので、そこまでの心配はたぶん必要ないでしょう。

証券会社が投資家から預かっている有価証券や金銭は、仮に証券会社の経営が破たんしたとしても、確実に投資家に戻るように、自社の資産とは区分して管理することが法律で義務付けられています。これを「顧客資産の分別管理」といいます。
また、万が一、何らかの事情で証券会社で分別管理がされていなかった場合でも、日本投資者保護基金から1顧客当たり1,000万円を限度として補償されます。
つまり、投資家の資産は、分別管理と日本投資者保護基金による補償の、二重の制度によって保護されているということを覚えておきましょう。

日本証券業協会

でもまあ、心配があろうがなかろうが、資産の分散配置はすべき なのは間違いないでしょうし、現実的に考えて、楽天証券が実施しているポイント制度の将来的な改悪可能性は、かなり高そうな気はします。

それともう一つ考えている視点。

新NISAでは、「つみたて投資枠」120万円と「成長投資枠」240万円の、合計360万円の年間最大投資枠が設けられます。

僕自身は、あちこちからお金を集めて年間360万円の投資を5年続け、最短で1800万円の生涯限度額を埋めるつもりなのですが、その場合、「つみたて投資枠」だけで毎月10万円の積み立てが必要になります。

クレジットカード等で積み立てるとするとポイントがもらえるし便利だから、その方法を取るつもりなのですが、いまはクレジットカード積立は基本、月5万円が上限なのれす。

これってちょい面倒だよねえ。おい大手ネット証券3社、新NISAに向けて10万円クレカ積立可能にしろよ! 

と言っても、楽天証券は間接的に10万円クレジットカード積立することが可能。

楽天カードによる5万円積立と、楽天カードから楽天キャッシュにチャージして、楽天キャッシュで5万円積立できるので、合計すると実質クレジットカードの10万円積立が可能というわけ。 

他の大手2社であるマネックス証券とSBI証券では、クレジットカード積立の上限は月5万円。 

各社クレジットカード単体の上限が5万円で横並びなのは、たぶんこれが実情

丸井グループのtsumiki証券が、エポスカードによる投信積立の上限を2024年から「月10万円」に引き上げることを発表しました。
業界各社が「月5万円」で横並びとなっている中、tsumiki証券によれば業界初の取り組みといいます。どうやって実現したのか、また他社の追従はあり得るのか、考えてみます。

投信積立は口座引き落としでも可能ですが、特に人気が高まっているのがポイント還元のあるクレジットカード決済です。
カード投信積立の上限額は、内閣府令では「月10万円」になっているものの、各社の上限はその半分の「月5万円」で横並びとなっていました。
その理由としては、投信積立をカード決済してから、その利用代金が実際に引き落とされるまでのサイクルが関係しているようです。
このサイクルによっては、引き落とし日の前に翌月の積み立てが発生する場合があることから、どのような場合でも「月10万円」を超えないよう、その半分を上限にしているわけです。

tsumiki証券は与信枠の確保から引き落としまでを1か月以内に収めることで、月10万円を超えない仕組みを確立できたのではないかと筆者は考えています。
ちなみに他社の場合、あるカードでは積み立てが「8月16日」、引き落とし日が「9月27日」となっていました。この仕組みでは、おそらく9月16日に翌月分の積み立てが発生するため、月5万円を上限にせざるを得ないでしょう。
もしtsumiki証券に対抗するのであれば、積み立てから引き落としまでがどのような場合でも1か月以内に収まるよう、システムを改修する必要があると考えられます。

・・・

カード投信積立にも適用される内閣府令の「月10万円」という制限は、投資家保護のためと考えられるものの、本当に意味があるのか筆者は疑問に感じています。
楽天証券は電子マネーを介することで、実質的に楽天カードで月10万円の投信積立を可能にしています。

新NISAにあわせて、どの証券会社を使っている人でも月10万円のカード投信積立が可能になるよう、上限を緩和してほしいところです。

業界初のカード投信積立「月10万円」 どう実現したのか

”新NISAにあわせて、どの証券会社を使っている人でも月10万円のカード投信積立が可能になるよう、上限を緩和してほしいところです。”まったくやね。

かといって、月10万円のカード積立のためだけにtsunami証券に口座開設するのもなあ。そういう意味では、楽天証券はSBI証券やマネックス証券に比べてアドバンテージを持っている・・・のだけれど・・・

この「楽天キャッシュ」方式も安全性から考えると少々微妙な部分が。クレジットカード払いは後払いなのに対し、キャッシュ払いは前払いですから、会社の信用度問題が浮上するのです。

ほぼ一か月楽天キャッシュに5万円がチャージされた状態が保持されるのですが、さて、このチャージ金は「顧客資産の分別管理の対象」(仮に証券会社の経営が破たんしたとしても、確実に投資家に戻る)なのでしょうか?

楽天キャッシュ(電子マネー)で投信積立

証券会社や証券協会のHPからはこの答えを見つけられなかったので、僕が見ている老舗の投資ブロガーの答えを引用させてもらいます。

たぶん、答えは「No」。

楽天キャッシュは前払式支払手段となるポイントサービスであるため、資金決済法上、事業運営で1000万円以上の合計残高がある場合は2分の1以上の供託を行うことが義務付けられている。楽天証券の預かり金や投信残高が完全な分別管理となっているのに対して、楽天キャッシュの資金の預託比率は明らかにされておらず、楽天の信用リスクを背負っている可能性が高い。
現在、楽天はモバイル事業の先行きが不安視されており、信用リスクが高まっている。そのような中で、楽天キャッシュで積み立てを行うことは月0.5%利回りの5万円社債を買うようなものであり、長期インデックス投資を行う上で追うべきリスクではない

ホンネの資産運用セミナー<インデックス投資ブログ>

うーん。厳しい見方をすれば、こういうことなんでしょう。

不安ならメンドウだけど、預り金として入金しておけば「顧客資産の分別管理」の対象になるから安心。

となると、5万円クレカ積立なら、別に楽天証券を選択する必要もないわけです。むしろマネックス証券の方が貰えるポイントも高いし、手数料無料化に踏み切らないだけ、健全かもしれないですよねえ。(それを嫌う顧客もある程度離れるだろうから、なんとも言えないけれど)

この3社のうちどこかが、「クレジットカードの積み立て、月10万円までできます!」と言ってくれたら、その証券会社に新NISA口座を作るんだけど。これまでのところありません。内閣府が10万円の上限を上げるという話も聞かないですし、システム改修となるとトラブルばかりのデジタル後進国でそれを期待する方が無理というもの。

*10月14日追記。内閣府(金融庁)は、クレジットカード積立の上限額を引き上げる検討をしているそうです。 情報元は、「氷河期ブログ」さん。 30万円も期待してますんで(10万でもいい)、よろしくお願いしまーす。

金融庁は、クレジットカードを使った積み立て投資の上限額引き上げを検討する。現在は実質毎月5万円に制限されているが、新しい少額投資非課税制度(NISA)で1人当たりの非課税投資枠が大幅に広がるため、規制緩和を目指す。最大月30万円までの引き上げも念頭に、投資家保護に配慮し議論を進める。実現すれば、ポイント付与などでサービスを競う各陣営の追い…

金融庁、クレカ積立額引き上げ 新NISAへ月30万円案も

あ、いまさら前提条件なんですが、僕は楽天証券・マネックス証券・SBI証券に口座を持っているので、この3社内でNISA口座を変更するのは、たぶんそんなに手間じゃないというのがあります。新たに口座開設だとちょっと面倒ですけど。 

ん・・・結論はまだ出てないです。 楽天経済圏の便利さは魅力的です。一方で不安を持ちながらの資産集中も、解消すべきだとも思うし。それでも、マネックス証券を検討してみますかね。

大事な追加視点

ただ、長期的な(具体的には老後資金としての)NISA出口戦略まで考えると、SBI証券や楽天証券が実施している「投資信託・定期売却サービス」のアドバンテージもを考慮に入れるべきだと思います。 

はっきり言いまして、ほとんどの金融機関はいまだ投資信託・定期売却サービスは実施していないわけで、SBI、楽天両証券は率先して同サービスを実施しており(それ自体)、素晴らしいことだと思います。
・・・SBI証券では「金額ベース」のみのサービス提供です。ただし、これからの社会は「長生きするリスク」がますます鮮明になるわけです。
すると長期の時間スパンで資産規模の毀損を極力避けながら、計画的にファンド売却を続けられるか否かという点がいっそう重要になるわけで。そういう意味では楽天証券のように、
(定期売却サービスそのものに)複数の『選択肢』があるほうが望ましいと考えます。
・・・私見ですが、リタイアメントを間近に控えている人は、(かつ長く生きるリスクを真摯に感じている人は)
「定率指定コース」、または「期間指定コース」を利用すべく、思い切って投資信託の口座移管(振替)を活用し、他のネット証券から楽天証券へ、運用する投資信託を丸ごとお引っ越しするのもアリだとわたしは思います。


続いて、もうひとつ大切な視点です。今のところ、SBI証券の『投資信託・定期売却サービス』はNISA口座には対応していません。
いっぽう、楽天証券の『投資信託・定期売却サービス』はNISA口座に対応しています。

SBI VS.楽天『投資信託・定期売却サービス対決』は、今のところ楽天証券がリード!

これは2021年の古い記事なので、今は状況が変わっているのかもしれないし、これからも状況は変わってくると思うけれど、 本来NISAは老後資金なのだから、その出口戦略をどうしていくのかは考えておくべき視点だと思うし、 その制度を他社に先んじて実現させていた2社の先進性は高く評価すべきだと思います。特に楽天証券。

リスク資産を確実にゼロにする、楽天証券の投資信託・定期売却サービス『期間指定コース』とは?

本来、高度な手続きであるこのような手法が、無料で使えるのは、利用するかどうかは別として、とてもいいと思いますね。

んで、「マネックス証券の投資信託・定期売却サービス」を検索してみると・・・今のところ、無いなあ・・・。

追加情報 このタイミングで、マネックス証券がNTTドコモの子会社になるそうです。

株式会社NTTドコモは10月4日、マネックス証券株式会社と親会社のマネックスグループ株式会社との間で資本業務提携契約を締結した。・・・マネックス証券は、実質支配力基準に基づきドコモの連結子会社となる。
資本業務提携契約の目的について、ドコモは「投資分野に本格参入し、お客さまに最も選ばれる次世代の画期的な資産形成サービスの提供、投資による個人の資産形成が大きく前進するような社会的インパクトの創出、お客さまの更なる“ウェルビーイング”の向上を目指す」、マネックス側は「証券会社の既存のビジネスモデルを進化させ、お客様に最も選ばれる新たな資産形成サービスを共同で創出し提供する」としている。

NTTドコモ、マネックス証券を子会社化。証券業に本格参入へ

お客様に選ばれる有益な資産形成サービスの提供をおねがいします。