現在の資産配分

昨年から資産配分の整理をしていましたが、確定申告も済ませようやく整理が終わったので、自分のメモを含め資産配分を公開します。 それに他人がどんな商品を持ってるのかって興味もあるでしょ? すべて公開ではありませんが・・・

僕の区分だと、安全資産(円とドル資産)が50%、リスク資産(日本と米国株式)が50%くらいの配分になっています。 まあ安全資産に「国債」が含まれており、これ安全資産なのか微妙なところがありますけど。

1.円資産

①普通預金(楽天銀行とゆうちょ銀行)・・・普段使い。メインは楽天銀行なんですが、給与の振り込みといくつかの口座振替で「オンライン銀行不可」という化石事業者があるので、ゆうちょ銀行をサブで使っています。 DXってなんでしょうね? 

*ただし、ゆうちょ銀行は災害対策の観点から口座は常に20万円をキープするよう気を付けています。詳しくは「災害時におけるゆうちょ銀行のアドバンテージ」記事を読んでね。

②個人向け国債(10年変動)・・・円資産の大半がこちら。少し銀行の定期預金もありますが、満期になったらすべて国債に切り替える予定。民間銀行の定期預金より国家債券の方が利率がいいから。信用度(リスクの大きさ)を考えるとおかしな話だけど・・・

③その他・・・日本株式の購入余力(現金)分と節税目的の保険積立金です。生命保険控除として明治安田生命「自分の積立」、個人年金保険控除としてJA共済「ライフロード」に加入しています。

2.ドル資産

①ドルMMF・・・外貨建MMFってやつです。

「日本を除く世界先進国ETF(TOK)」という、日本人専用に造られたようなマニアックな指標に連動するドル建てETFを売った代金。

昔はオルカンなど日本円で買える安価な海外投資信託が存在せず、わざわざドルに両替してこのマニアックETFを購入する(しかも一般口座で)のがインデックス投資のベター手段だった頃がありました。

 今ではこんなマニアックドル建てETFに投資する人はいないですし(早期償還の恐れがある)、そもそも指標が米国好みの僕の好みに合いません。しかも一般口座だと「売却して利益確定したら確定申告して自分で納税」が必要と面倒。なので今回頑張って整理しました。

閑話休題。今はドルMMFの金利がいいんでこのままにしています。でもドル資産が多すぎるので、適宜円に換えNISAとIdecoの積立に流用していく予定。

②アメリカ国債・・・あと4年くらいで満期のもの。利率が4%あるんで、満期まで持って、それからどうするかはゆっくり考えます。そのころにはトランプ君も退任してる・・・よな?

③アメリカ国債ETF・・・たくさんある中で、バンガード超長期米国債ETF(EDV)って奴を選びました。国債は長期のものほど、短期のものより金利の動きによって価格が大きく変動するそうです。(金利が下がれば国債価格は上昇する)。ETFも同じです。だから 「アメリカの金利はもう下がる一方だろ、今買っておけばこの先儲かるんじゃね?」と考えて購入し早一年。金利下がらないよお(ゆえにETF価格は緩やかに下がりつつあり・・・)。「この先も金利の低下は緩やかでしょう」 ということのようだし、トランプ君の活躍によっては金利上がるかも、という説も。・・・うーん。まあ大損してないから放置ですな。

3.日本株式

趣味の個別株投資です。今は15銘柄くらいかな。先回の記事で紹介した「「サイゼリヤ」に投資すべきか?」のようなことを(お金掛けて)考えてると楽しいです(勘ピューター投資)。

まあ比率を見て分かるように、基本的には日本にあんまり期待してないですが、それでも自国だから情報取得は容易だし、実際お客として商売実態を体感しに行けたり、優待使えたりするんで。

「趣味」なんで大きくマイナスになったら売る(その時は脳が瞬時に「この銘柄はもう儲からないから売るべきだ」というシナリオをでっち上げるのである)、大損はしてない・・・と思いたい。

4.米国株式

昔は個別株も買ってましたが、情報が取れないんで諦め、今は投資信託の積立が主。NISAの成長投資枠だけは年初一括投資。

①VTI(米国株式市場全体に投資するドル建てETF),VGT(コンピューターやソフトウエア、インターネット企業に投資するドル建てETF)・・・昔買ったもの。かなり価格が上昇してるし、特定口座に入ってるから当分このまま放置かな。

②楽天・全米株式インデックス・ファンド・・・積立NISAで買ったもの。2038年まで塩漬けですね。

③eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)・・・今NISAで積み立てているもの。

④楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド・・・今Idecoで積み立てているもの。③と同じ「eMAXIS Slim」で揃えたいんだけど、楽天証券のIdecoでは「eMAXIS Slim」の取り扱いがないのだ(泣)。

「サイゼリヤ」に投資すべきか?

現時点での結論・・・投資はせず、一利用客として利用させていただきます。

サイゼリヤ、利用してますか? 

昔、徒歩圏内にサイゼリヤがあった時分は、グラス1杯100円のワインと手ごろな価格のつまみを食べに、ちょこちょこ使わせてもらいました。昼間から1000円で楽しく呑める、いわゆる「せんべろ」ってやつですね。

でも、実家に帰ってからは徒歩圏内に店がないので、ほとんど利用しなくなりました。僕の中ではサイゼリヤって基本「居酒屋」ですんで。

が、ちょっとサイゼリヤの株でも買ってみようかな と思いたったので、調査も兼ね今日の昼食を食べに行ってきた次第。 ネタはこの記事。

1月8日、大手外食チェーンのサイゼリヤが決算発表を行いました。日本でデフレの勝ち組として輝いたサイゼリヤですが、現在の稼ぎ頭は中国市場です。実は、本番はこれからです。サイゼリヤが中国で大ブームになるのは「3年後」だからです。その理由を分析します。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

サイゼリヤが中国で荒稼ぎ!「3年後」に大ブームが起きるこれだけの理由

この記事では、「サイゼリヤの稼ぎ頭は中国。中国はこれから不況に突入するけれど、サイゼリヤは日本の不況時代に勝ち残った企業であるから、これから不況中国で伸びる!」と結んでいます。 うん。これ確かに正しいかも。

 1月半ばの記事で、それ以来株価下がりつつけてるんで、そろそろどうかな?と。

店内は・・・混んでますね。 あと極力人手をかけずに店が回せるよういろいろ工夫してますね。

頼んだのは  最近改定された「ランチセット」(タラコとポップコーンシュリンプのドリア コールスローサラダとスープ付)と「若鳥のディアブロ風」を単品で頼みました。  ともに500円なので会計額は1000円。

ふむ。普通においしい です。 実はサイゼリヤの原価率はかなり高く、材料にも価格の割に良いものを使っています。それを自家工場で加工して、店では簡単な加工だけ(人件費を下げる工夫)でお客に提供しており、そのため味が安定し美味しくなるんですけど、原価が高い分利益は低くなるわけです。

だから、提供される値段を考えればコストパフォーマンスは最高。でもまあ、幅広い意味で「高級な冷凍食品」とも言えたりするから、もっとお金を出せばさらに美味しい料理もありますね。まあこれで必要十分水準だけど。 という評価かなあと。

で、食事しながら先ほどの記事の内容を考えつつ、投資するべきかどうか って考えていたんですが・・・

サイゼリヤの客(すなわち消費者)として考えるなら、この料理でそれぞれ500円というのは安くて大変ありがたいです。 

が、投資家としてみると、この料理で500円ってのは適切な価格設定ではありません。安すぎます。

昨今は「なんでも原料高だから製品も価格を上げる」というのが消費者にも受け入れられており(なんでも値段あがってるもんね)、これらが600円なり700円なりでもすんなり受け入れられそれほど客足は減らないかと思います。むしろ回転率を考えると、ランチセットとドリンクバーで長時間席を占領されると、利益出ないしなあと。

事実、信じられないような数字なのですが、2024年の国内第2四半期の営業利益はわずか3400万円の黒字だそうで。 これはもう営利企業ではなく慈善事業NPOです。

国内事業も売上高は順調だ。他社が軒並み値上げを実施する中、サイゼリヤは低価格を維持し、集客力で優位に立っている。第2四半期累計の既存店の客数は前年同期比19.1%増、既存店売上高は同21.9%増と、業界では群を抜く。
一方、国内は値上げを実施しておらず、利益面で苦戦が続く。国内事業の営業利益はわずかに3400万円の黒字。期初に計画した営業利益の計画(20億円)からは大幅に遅れ、依然、低い利益水準から抜け出せない。

サイゼリヤ、海外好調の裏で悩ましい「国内低採算」の難題
値上げなしでどこまで踏ん張れる?

この記事は2024年4月に書かれたのだけれど、明確な値上げはいまだありません。

一方海外では

強い決算を支えたのは中国を中心としたアジア事業だ。アジア事業の売上高は372億9200万円と全体の4割に満たないものの、営業利益は55億5600万円と全体の9割以上を稼いでいる。

同上

鶏肉を頬張ってて結論が出ました。てか思い浮かんだというか。

「過去にサイゼリヤが低価格高原料費路線で日本の不況時代に勝ち残れた」のは、その当時の日本はデフレだったからだ。

 だけど、これからの日本や中国を含めたアジアが直面するのは、おそらくデフレではなくスタグフレーションであろう ということ。

もしそうなら、デフレ状態で成功したビジネスモデルが、スタグフレーション状態で成功する必然性はない・・・と。

はい、ここで「デフレ」と「スタグフレーション」という用語が出てきました。これらの状態を図で表すと・・・

好景気で物価が上昇するのが「インフレ」、不景気で物価が下落してるのが「デフレ」、不景気だけど物価は上昇するのが「スタグフレーション」です。

「スタグフレーション」は最悪状態だけど、日本は実質賃金下がってるし、物価は上昇してるし、そのうち増税だし、もうこの状態に入ってますね。

繰り返しになりますが、原価率が高いが低価格で提供していたサイゼリヤが勢力を拡大したのはデフレ下の日本でした。今では考えられませんが、マクドナルドでハンバーガーが一個80円とかいう時代だったですよね。どれだけ原料が安かったんだ と。

でも、これからはおそらく原価は高止まりし下がりません。人件費やエネルギーコストの上昇、円安定着で下がる見込みはないから。 今一個170円のハンバーガーの価格が今後80円まで下がるなんて考えられません。

中国もおそらく同様だと思われます。

中国経済の先行きに対する懸念が高まる中、中国経済が「日本化」するのではないかとの声が喧伝(けんでん)されている。確かに、高齢化や不動産市況の悪化、累積債務など、目下の中国が直面している問題の多くがバブル崩壊前後の日本に似通っている。しかし、政治制度が違い、経済構造と発展段階も大きく異なる中国経済が「日本化」する可能性はほとんどない。それよりも、懸念すべくは中国経済の「ソ連化」だ。中国は軍拡で米国と激しい覇権競争を進める半面、深刻なスタグフレーション(景気の停滞とインフレの併存)で経済が大きく衰退したブレジネフ時代のソ連と同じ轍(てつ)を踏む可能性があるからだ。

苦境にあえぐ中国経済:習主席が直面する「ソ連化のわな」とは

という中国や日本のおかれた経済状態を図示すると・・・たぶんこういう感じになるはず。

この通りの図式だとすると、別のビジネスモデルを構築しないとサイゼリヤが利益を上げ続けることは難しそう。

一番簡単なのは価格を上げ、それに見合うだけ味も引き上げることですが、今の出来が良いだけに、消費者が分かるほど味を向上させるのは難しいのではないかと。

となると、今のジリ貧状態がしばらくは続くことでしょう。 でもま、それは投資家にとっては望ましくなくても、消費者はそこそこ幸せな状態ということ。

では、投資は別のところで頑張って利益を上げ、その利益でサイゼリヤでグラスワインとつまみを楽しむ という方向性で行きたいと思いました(これを捕らぬ狸の皮算用という)。

追加情報 2月25日

中国に進出したその狙いとは?
【「鳥貴族」を運営・エターナルホスピタリティグループ 大倉忠司社長】「今は中国も景気が悪くなっていて、デフレと言われているので、鳥貴族はまさしく日本では『デフレの勝ち組』。我々が進出することが貢献できるのではないかなと」

「鳥貴族」中国進出 日本とほぼ同価格 “景気失速”中国で「『デフレの勝ち組』貢献できるのでは」と社長

「鳥貴族よ、お前もか」(笑)。やはり勝ち組外食産業がこの論理で打って出るわけだけど、吉と出るか凶と出るか、非常に興味深いです。 当然スタグフレーションの可能性だって検討されたうえでしょうし。 

投資を見送った零細凍死家としては、振り返って「ほれ、やっぱりブドウは酸っぱかっただろ」 と言えると良い と思ったりもするけれど、日本人としては日の丸振って「加油!(しっかり稼いで来いよ!)」というべきでしょうな・・・

「酸っぱい葡萄」(すっぱいぶどう)は、イソップ寓話(ペリー・インデックス15)の一つで、その邦題(日本語題名)の一つ。・・・狐が己が取れなかった後に、狙っていた葡萄を酸っぱくて美味しくないモノに決まっていると自己正当化した物語が転じて、酸っぱい葡萄(sour grapes)は自己の能力の低さを正当化や擁護するために、対象を貶めたり、価値の無いものだと主張する負け惜しみを意味するようになった。

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