室町幕府を支えた名族(1)

10月14日まで、西尾市一色町の一色学びの館で、「一色氏と一色町の繋がり」という企画展をやっているので見に行ってきました。

9月22日には「中世の一色町と一色氏」という講演もあったのですが、残念ながら所要のためいけませんでした。

一色氏と言うのは中世の名族です。文字通り一色町を発祥の地とするんですが、その滞在期間が短かったこともあり、地元にあんまり足跡が残ってないんですよね。展示ではあんまり足跡は拾えてないようですし(無いのかなぁ)。なおさら講演を聞きたかったんですが、残念でした。

ところで一色氏の名は、高校の日本史の教科書では「三管領四職」って単語とともに出て来るのです。

三管領四職とは、室町幕府の要職である管領(将軍の補佐)と 侍所(武士の統率や京都の管轄)の長官(所司※1)を交代で務める三家と四家を指します。

三管領ー細川氏、畠山氏、斯波氏   四職ー赤松氏、一色氏、京極氏、山名氏

実際には、侍所所司はこの四家に加え、土岐氏と今川氏がつくことがあったんでややこしいんですけど。

そういやあ、さらに名池である吉良氏はどこにいるの?とか、「七頭」と呼ばれる名家もあるぞ、とか。他にも調べてみるといろいろ出てくるので、わかりやすく表にしてみました!(部分的ですが)。  足利氏の一族、あるいは足利氏の属す源氏が多いですが、藤原氏、平氏もいますね。(これらの姓を称して「源平藤橘」って言います。この四つが古くからの日本の名族)

なーるほど? 

吉良氏は渋川氏、石橋氏とともに「将軍の家族」として、御一家または御三家と呼ばれるポジションにいました。徳川家における御三家と同じで・・・というか徳川幕府が室町幕府の制度を真似たんですけど・・・管領や四職(徳川幕府で言う老中や奉行)になって政治を行うことはありません。そんなの「臣下」の仕事だからです。名誉はあるけど権力はない。 だから平和な時代は珍重されますが、実力主義の乱世には没落することに・・・

面白いことに、臣下扱いされた足利一族、例えば今川氏や一色氏なんか、要職についたり各国の守護についたり、実務を持ち権力を持たせられたので、乱世になると守護大名から戦国大名へと脱皮し雄飛することになります。実力があるうえに「中央政府の高官を勤める由緒ある家柄」という名誉も持ってるんで、立ち位置としては凄く有利。ただし跡継ぎ争い〜例えば応仁の乱〜をうまく乗り切ることができたら、ですが。

※この辺りで足利氏の関係家系図を見たくなった方、次の記事をどーぞ。「室町幕府を支えた名族(2)

応仁の乱・・・八代将軍足利義政の跡継ぎを巡る争いに、山名氏・細川氏ら有力守護大名の権力争い、畠山氏・斯波氏の跡継ぎ争いなどが加わって、全国を東西に分けて巻き込む乱へ。

先ほどの名族の中にも次の戦国時代にも出てくる名前がちらほらありますので、簡単に紹介します。あちこちで下克上が起こってるのが、戦国の世の習い ってやつですねー。

斯波氏(武衛家) 三管領の一
越前・尾張・遠江などの守護。戦国時代には、最後に残った尾張国も守護代の織田家に奪われました。(斯波義銀VS織田信長)

細川氏(京兆家)摂津・丹波・讃岐・土佐などの守護。三管領の一
細川氏(讃州家)阿波の守護。 相伴衆

分家細川氏(和泉守護家)出身の細川藤孝の子孫は、のちに熊本藩主に。

畠山氏(金吾家)越中・河内・紀伊の守護 三管領の一
畠山氏(匠作家)能登の守護 相伴衆

能登国で戦国大名になります。「畠山義続」が信長の野望に出て来たと思う。のち旗本(高家)※2

山名氏 但馬・備後・安芸の守護。侍所所司。四職家。
但馬国で戦国大名化。羽柴氏との分割統治をへて豊臣家の家臣に。のち旗本(高家)。

一色氏 丹後・伊勢・三河の守護。侍所所司。四職家。
丹後国で戦国大名化。細川氏(藤孝・忠興)との分割統治していましたが、忠興によって殺され滅亡。

赤松氏 播磨・備前・美作の守護。侍所所司。四職家。
播磨国で戦国大名化。尼子、三好、最後は織田に攻められ滅亡。羽柴秀吉に使える前の黒田官兵衛の主君は小寺氏でしたが、小寺氏は赤松氏の重臣でした。

京極氏 出雲・隠岐・飛騨の守護。侍所所司。四職家。
近江国にあった所領を元に北近江で戦国大名化。浅井氏に敗れ流浪するものの豊臣秀吉の家臣になり、その後大名として存続。そういや浅井三姉妹(浅井長政と正室市との間に生まれた3人の娘、茶々、初、江。 織田信長の姪 )のうち二人が豊臣家と徳川家に嫁いだのは有名ですが、もう一人はこの京極家に嫁いでるのです。

大内氏 周防・長門・豊前・筑前の守護。相伴衆
日本の名族は普通「源平藤橘」の出自を名乗るのですけど、この大内氏の出自は朝鮮半島。「百済王の子孫」とされています。大内氏は朝鮮や明との交易で重要な役割をしていたので、この出自はいろいろ役に立ったんでしょう。
戦国時代には大内義隆の代に西国随一の戦国大名となります。毛利元就も従属させていました。が、重臣陶氏の謀反により自害。その後大内家は滅亡。

伊勢氏 山城守護?  世襲政所長官。 政所というのは幕府の財政や民事裁判を担う重要な役所です。 戦国時代は分家出身の伊勢盛時が大活躍。というか、この人が伊豆で足利11代将軍の異母兄を襲撃し伊豆国を奪ったことが、下克上の嚆矢、戦国時代の幕開けとされているのです。ちなみに伊勢盛時の通り名は 「北条早雲」です。

 余談ですが、徳川家康を生んだ松平家は伊勢家の被官として、幕府領の山中郷(三河国)の代官を勤めていました。三河国を統治する守護の部下でなく、中央政府高官の配下なので比較的自由に動け、乱世に独自勢力を拡大できたよう。

上杉氏 越後・上野・武蔵・相模の守護。関東管領を世襲。
戦国時代の関東管領上杉家は北条氏康に敗北し、起死回生の策として越後の雄・長尾景虎に上杉家の家督を譲ります (襲名後の景虎の通り名が「上杉謙信」) 。正当な関東の統治者は鎌倉公方ー関東管領にありとする謙信は古き秩序を立て直すため、 鎌倉公方を家臣化し実際に関東を治めていた北条氏の小田原城まで越後からはるばる攻めに来るのです。北条氏からすると「謙信マジ迷惑。KY!」って感じかと。越後の領地を遠く離れ理想を戦う謙信。部下たちもきっと不満だったことでしょう・・・家臣の造反が多かったのも分かるわ〜。

土岐氏 美濃の守護
戦国大名化しますが、斎藤道三の下克上により没落。のち旗本(高家)
明智光秀は、土岐氏支流である明智氏の出身と言われています。

吉良氏、渋川氏、石橋氏
戦国時代にはぱっとしません。のち吉良氏が旗本(高家)になったくらいか。実力重視の時代であり、「名家」ってだけでは家を保てなくなってたんです。
今川氏 吉良家分家。駿河守護
今川氏親は伯父伊勢盛時(北条早雲)の助けで家督争いに勝利し、斯波氏から遠江守護職を奪取。分国法を制定し 戦国大名の代表の1人。 息子・義元はさらに三河と尾張の一部を領有し「海道一の弓取り」と呼ばれますが、桶狭間の戦いで戦死。のち、旗本(高家)

※1 侍所の長官である所司の補佐をするのが、 所司代でした。これと侍所の仕事( 京都の管轄 ) を繋げると・・・江戸時代の役職、京都所司代になりますね!室町時代の職制にならって造られたのです。

※2「のち旗本(高家)」ってのは、徳川幕府に任ぜられたものです。徳川家も源氏の一族(と言うことになっています)なので、源氏の由緒正しき名家を優遇することは、徳川氏の名声をあげることに繋がる  と思ったんでしょうか?

消費増税対策?スマホ決済?

もうじき10月です。消費税引き上げのタイミングです。消費税が8%から10%に上がるんだけど、軽減税率の制度もあります。「みりん風調味料」は日用品だから税率8%なんだけど、「みりん」は酒類で贅沢品だから税率10%。昔「貧乏人は麦を食え」っていうセリフがあったけれど・・・

池田勇人蔵相は、緊縮財政下の不況の上、米価が高騰していた1950年12月7日、参議院予算委員会で「所得の少ない方は麦、所得の多い方はコメを食うというような経済原則に沿ったほうへ持っていきたい」と答弁した。これが「貧乏人は麦を食え」と伝えられ、国民の反発を買った。

JIJI.COM 問題発言集 写真特集

当時の蔵相(大蔵大臣)にあたる今の財務大臣が「下級国民はみりん風調味料、上級国民はみりんを使うことがいろんな意味で合理的である」とか解説してくれるのを期待してるよ(笑)。 

個人的には、調味料にはある程度お金をかけるべきだと思っているので、みりんを買うけど、これからさらに消費税率が上がったら、どうしようかねえ。(たぶん将来は消費税の税率をあげるため、軽減税率を導入したんだよね?処理負荷の割に、軽減2%って効果額が小さすぎるもの)

閑話休題。消費税増税の消費減少を緩和するため、キャッシュレス決済(クレジットカードとか、電子マネーとか)をすると、期間限定でポイントがもらえます。ここからが増税対策。なんですが・・・

 僕の場合、決済の優先度はすでに「①クレジットカード(メイン)②QuickPay(コンビニなど少額決済)③現金」なので、特に対策はありません。

キーホルダータイプだと携行にも便利。

参考記事

(キャッシュレス決済時における期間限定のポイント還元で)最も安くなるのは、中小の店舗で8%対象の商品をクレジットカードや電子マネー、QRコードなどのキャッシュレスで購入した場合。5%がポイントとして還元されるため、消費税率は事実上3%。10%対象の日用品も、同じ条件での購入となれば税率は5%だ。

5%還元は、中小の店舗に限られる。コンビニ(フランチャイズ加盟店)などでは2%分が還元されるが、大手スーパーや百貨店ではポイント還元が適用されず、税率はそのまま8%、10%。大手スーパーでは独自の還元策を取る動きも出ている。ポイント還元は10月から来年6月まで、約9カ月間の限定実施だ。

そんな経緯もあってか、中小店舗でのキャッシュレス導入は政府の思惑通り進んでいない。経産省によると20日現在で、開始当初の導入店舗数は40万店台と、本来の対象200万店の2割強にとどまる見通し。対象店舗や還元率を地図上で検索できるスマホ向けアプリも開発されたが、どこまで広がるかは見通せない。

日刊スポーツ  消費増税後のキャッシュレス決済では税率5種類に

 他に電子マネーの一種で、「なんとかpay(オリガミ、楽天、LINE等)」ースマホ決済も乱立してて、これを使って決済するとさらにキャッシュバックがもらえるキャンペーンをやっているよう。 増税対策にはなるんで一応考えたのですが・・・導入は見送りました。

 僕の場合、決済の電子化をするのは「お得だから」という理由だけでなく「楽だから」っていう効果もかなり大きいのですが、スマホ決済はメンドクサそうだったからです。

まず現金の場合、小銭をうまく出して端数なくお釣りをもらうのに暗算するとか、小銭が大量に帰ってきてそれを素早く財布にしまうとか、僕には超面倒。

 クレジットカードを使う場合、 決済処理はそれなりに面倒な店もありますが、 その処理は販売側がやってくれます(こちらもサインか暗証番号を入れる必要はあるけど)。

QuickPayの場合、レジのパネルにタッチすれば瞬時に決裁が終わり。これは消費者も販売者も一番楽です。(Suicaで改札を通るのと同じ感覚。僕はJR東日本管内に住んでませんし、電車には縁遠い生活なので Suica の代用ですね)。

が、 スマホ決済のばあい、自分のスマホでQRコードを読み取るか、 自分のQRコードを標示させて相手側に読んでもらう、あるいはアプリに料金を入れるという作業が伴うみたいです。販売者側の方は楽ができそうですし、何より読み取り機械が簡略化でき、その分機器導入が安価で済みそう。

でも 期限付きキャッシュバック(ニンジン)に対し、消費者が使い続ける限り作業を伴う決済システムを選んで使うの、損じゃね?」って思うんで。他の選択肢の方がラクそうなんだもん。それに自分が操作や入力を間違えた場合、消費者側に面倒がかかりそうで嫌。

てか僕の場合、普段からあんまり買い物しないし、同居の親は「現金でなきゃダメ」って言うので・・・ うーん、あんまり対策になってないな。

もっとも、 一番の増税対策は 「増税だろうが減税だろうが、キャッシュバックやポイント還元があろうがなかろうが、余計なものは買わない」でしょう!!