環境省流「火に油を注ぐ」会議運営法

「火に油を注ぐ」 ただでさえ危ないものに勢いをつけ、事態を悪化させることのたとえ。 また、激しい憎悪や恋情をあおることのたとえ。

コトバンク

模範的なお手本です(笑)。

環境省職員が水俣病被害者側の発言中にマイクの音を切った問題で、伊藤信太郎環境相は熊本県水俣市を再訪し、被害者らに直接謝罪する事態に追い込まれた。

 1日の患者や被害者らとの懇談後、伊藤氏は記者会見で職員がマイクを切ったことを「認識していない」などと発言した。

・・・懇談の場で司会をしていた同省特殊疾病対策室の木内室長によると、懇談の場では参加団体に3分ずつの持ち時間があり、3分を過ぎた場合にマイクを切るという運用方針を事前に決めていた。当初は会場で周知する予定だったというが、木内室長は「(メモを)読み飛ばしてしまった」と話す。昨年度も同じ運用方針だったが、実際にマイクを切ることはなかった。

謝罪まで1週間…後手に回った環境省 消音に省内からも疑問の声

まず大臣はアホですね。 でもこの人一応選挙に勝って国会議員になったんですよね。 

2009年、第45回衆議院議員総選挙に自民党から立候補。公明党の推薦も受けたが民主党の石山敬貴に敗れ、重複立候補していた比例東北ブロックでも復活出来ずに落選した。・・・2012年、第46回衆議院議員総選挙に自民党から立候補し、前回敗れた石山を大差で破って4選。国政に復帰。

wiki

落選の憂き目にもあってるんだし、地元のメンドクサイ有権者をうまくさばき、一票入れてもらう、関心を持ってもらう技術とその重要性は持っているはず。けど、環境大臣として(役所的には)メンドクサイ関係者に、環境行政に一票入れてもらう、関心を持ってもらう重要性は認識してなかったんですかね。 まあ、してなかったから今の事態を招いたんでしょうが。

次に、会議を司会していた(実務トップの)室長もドアホ。

本省勤務の国家公務員では俸給7級・8級に該当し、これらは高級官僚と呼ばれる範疇である。

wiki

大臣が出席する会議だから、そつなくこなすことの重要性は認識していたでしょう。毎年実施していた会議だから懇談会でしゃべる相手がどんな人でどんな話をするかは情報があったはず。にも関わらず「3分過ぎたらマイクを切る」と鬼ルールを定め、それを血も涙もなく実施してしまったたら、相手がどう思うか、どう反応するか、そしてどう報道されるか 当然想定できたはず。想定していなかった時点で、高級官僚としての評価は零点。

てか、

当初は会場で周知する予定だったというが、木内室長は「(メモを)読み飛ばしてしまった」と話す。

会議運用も役人として「ありえんだろ。零点」というお粗末なレベル・・・(本当ならね)

被害者と役所の関係においては立場も異なり、お互いどうしても寄り添えない部分、譲れない部分があり、理想的な形で懇談し問題解決にもっていく ということは非常に難しいこと(おそらく望めないこと)だと思います。

それでも会議を開催する役所側は(本音はどうであれ)その方向に向け努力していくという姿勢(とそのアピール) は当然必要なこと。

にもかかわらず、こんなルール定めて実行しちゃうって、「理想に向け努力していますという姿勢」がまったく感じられないですね。だから対話相手として信頼すらされません。

今回の会議は、広い意味でのリスクコミュニケーションにあたると思うのですが、信頼性を得るような努力はかっちり示さないと、環境省としても、会議やる意味ないと思うんだけど。

「リスクコミュニケーションとは、化学物質による環境リスクに関する正確な情報を行政、事業者、国民、NGO 等のすべての者が共有しつつ、相互に意思疎通を図ることである。リスクコミュニケーションの成功は、利害関係者間の理解と信頼のレベルが向上したか否かで判断されるとされている。」

リスクマネジメントをより適切に実施する上で、利害関係者間でリスクに関する情報、体験、知識などを交換しあいながら相
互理解を図らなければならない。ここで「リスクコミュニケーション」が必要となってくるのである。
 リスクコミュニケーションとは、化学物質による環境リスクに関する正確な情報を行政、事業者、国民、NGO 等のすべての者が共有しつつ、相互に意思疎通を図ることである。一般には、米国国家調査諮問機関(National Research Council;以下、NRC)による 1989年の報告書における定義が用いられている。
「個人、集団、組織間でのリスクに関する情報および意見の相互交換プロセスである。(リスクに関する情報および意見には)リスクの特性に関するメッセージおよびリスクマネジメントのための法規制に対する反応やリスクメッセージに対する反応などリスクに関連する他のメッセージも含む」同報告書では、リスクコミュニケーションの成功は、利害関係者間の理解と信頼のレベルが向上したか否かで判断されるとされている。

環境省 平成12年度リスクコミュニケーション事例等調査報告書