中国ってもっと外交うまくなかった?

中国外務省は中国国民に対し、当面の間、日本への渡航を避けるように厳重に注意喚起し、すでに日本にいる中国国民に対しては、「現地の治安情勢に細心の注意を払い、自己防衛を強化すること」を求めました。
その理由について、「日本の指導者が公然と台湾問題に関する露骨な挑発的発言を行ったことで、日本にいる中国国民の身体と安全に重大なリスクをもたらしている」と説明しました。

中国政府、日本への渡航避けるよう注意喚起

「日本の指導者が公然と台湾問題に関する露骨な挑発的発言を行ったことで、日本にいる中国国民の身体と安全に重大なリスクをもたらしている」  ってどういう論理構成かさっぱり意味が分かりません。

まあ好きにして としか言いようがないけど実情見れば、「在日中国人が危険」って明らかな嘘でしょ。 外交で明らかなウソいうのは、得策なのかな?  自国民と日本国民だけでなく、他の国もあなたの言動を見てますよ~。

ーーーーーーーーーーーー

 中国政府は、11月に出荷が再開したばかりの日本産水産物の輸入を停止すると日本政府に通知したことがわかりました。北海道内の水産業者からは落胆の声が上がっています。

・・・丸ウロコ三和水産・山崎和也社長
「もうビクビクしながら僕らはやらなきゃならない。仮に再開になっても、すぐまたこういう形になる。禁輸前は(中国への輸出が)全体の2割だったけど、今後それに戻したいという気持ちには正直ならないでしょうね」

中国が水産物輸入停止を伝達「ビクビクしながら…」北海道の水産業者からは落胆の声 約2年ぶりに中国への出荷が再開されたばかり

大国ってのはいいですね。小国が「気に入らない言動」をしたら、全然関係のない対抗措置を取って恫喝すればいいんだから。

水産物で効かなければ、次はレアアース禁輸!ってやれるしな。そのタマがないのが小国なので、まあ羨ましがっても仕方ないのだけれど。 

でもまあ、あまりにもあからさまにこんなことやり続けると、水産会社の社長が言ってますけど、 「もう頑張って中国へ輸出するの止めよ」ってなりますよね。 他の国もこれ見てますし、長期的に見ると中国側にもあまりいい手だとは思えません。

それに・・・日本の業者の都合なんて知ったこっちゃないかもしれませんが、中国国内の業者さんも輸入品が入ってこないのは死活問題 って思ってませんか。ただでさえ国内の景気が悪いのに、それを権力で抑え込めると自国民の爆発は怖いよ・・?

中国外務省は14日、中国国民に対して日本旅行を控えるよう呼びかけた。『サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)』によれば、15日以降、中国の複数の航空会社が日本行き航空券 49万枚以上をキャンセルし、予約総数の約 32% に上る前例のない規模の返金ラッシュが発生している。しかし、英航空情報会社OAGのアナリストは「この影響で最も大きな打撃を受けるのは日本ではなく、中国側の航空会社だ」と指摘する。

中国、「日本行き49万枚キャンセル」の異常事態 専門家「最も打撃を受けるのは日本ではなく中国の航空会社」

ーーーーーーーーーーーーー

中央日報

いやまあ、日本は中国に謝りに行ったのか、釈明しに行ったのか知らないけど、 さすがに受ける中国側の態度がひどすぎるな。

 中国局長はヤクザみたい っていうコメントがネットには出てましたが、その表現はヤクザに失礼かと。 こうした場面でヤクザがノーネクタイなんてありえね。

それも非公開の場でやるならともかく、(普段は非公開の)中国外務省内で撮影させて大々的に公開するなんて。

察するに、中国側のこの行為は、外交(日本や諸外国向け)ではなく内向(中国人民への「日本を屈服させたど」アピール)ではないかと。 

外交的には、日本側はこんな写真を見せつけられ、国内の中国シンパの人たちが動きにくくなっちゃいました。中国の対日政治工作的にはそれまずいでしょ。つまり「内向」はともかく「外交」としては失敗じゃないかなぁ? 

もちろん政治工作の基礎として日本の歴史は学んでいるでしょうから、「三国干渉」って知ってますよね?

アジア歴史ラーニング

日本の政治家を恫喝するのは結構ですけど、日本の民衆まで怒らせると怖いでっせ!(と思いたい) 臥薪嘗胆は日露戦争で日本を勝利に導いたのだ・・・

ロシアとウクライナの戦争を見ていると、それはそれはすごいことだったんだ 日本おそるべしって思いません? もちろん当時と現代では全然環境も違うけれど。 

 

不毛な状態が続けば、日中ともに痛手を受けます。だからこそ「戦略的互恵関係」推進っていうお題目があったのですね。 日本の高市首相の発言はそれに抵触する言動だったと思いますが(あえて言う必要はなかった)、中国側もそれに乗って過激すぎる行動をしてしまい、今のところ双方拳を下すタイミングがつかめない、外交の失敗状態が続いています。 

日本の外交がダメダメなのは知ってるから、中国の老練な外交には期待してたんだけど、これじゃ日本よりひどいような?

参考:この対談、比較的バランスが取れていて参考になるかも。

【日中対立、長期化か】レアアース・水産物…次に中国が切るカード&日本経済に損失は?/高市首相「台湾発言」は”戦略”か/日中関係改善の道はあるか《柯隆×須田慎一郎》

BATTLE SHIP!

高市首相が「台湾有事」について発言した結果、すごい波紋が広がってますね。

ことの発端は、7日の衆院予算委員会で立憲民主の岡田克也元外相(72)から台湾を巡ってどのような状況が日本にとって「存立危機事態」にあたるのかと質問された際の高市氏の見解だ。
高市氏は、「”戦艦”を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースだ」と答えたのだ。
「日本は、長らく憲法第9条の下で、自衛隊の武力行使を”自国を防衛するための必要最小限度”に限定してきたため、集団的自衛権の行使は憲法上許容されないという解釈を維持してきました。しかし、’15年の平和安全法制の成立により、政府は憲法解釈を変更し、限定的ながら集団的自衛権の行使を容認しました。

「驚くほどわかりやすい」辻元清美氏 波紋呼ぶ高市首相の“台湾有事”発言の解説と“提言”に集まる称賛

高市氏の問題意識はよくわかります。僕は麻生、安倍元首相が発言した「台湾有事は日本有事」という見解自体には賛成ですし。だけど現役首相のこの発言が、中国政府が発狂発言せざるを得ないほど慌てさせた時点で、 この発言したことが「戦略的にまずかった」 って思いました。

 中国外務省は14日、国民に対し日本への渡航を控えるよう呼び掛ける通知を出した。・・・通知では、「日本の指導者が台湾に関し露骨に挑発する発言をし、中国人の身体と生命の安全に重大なリスクをもたらしている」と主張。日本在住の中国人に対しても、安全に注意するよう求めた。

中国、日本への渡航回避を通知 高市首相の台湾有事発言、報復か

もちろん中国の発言内容は非論理的なただの言いがかりです。でも相手にここまで言わせてしまったこと自体がアウト。

なぜならこれ、両国首脳が合意した 「戦略的互恵関係の推進」に反し、両国の共通利益を拡大する方向に向いてないからです。 喧嘩別れすれば済む相手でもありませんから、高市氏もそれを進めること自体に異存はないでしょう。 

高市早苗首相は31日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出席のため訪れている韓国南東部の慶州で中国の習近平国家主席と初めて会談した。日中双方の共通利益を拡大する「戦略的互恵関係」や「建設的かつ安定的な関係」の推進を確認した。

高市首相、習近平主席と初会談 「戦略的互恵関係」「建設的かつ安定的な関係」確認

日本の輸出相手トップ10の移り変わり
2008年までの50年余りはアメリカが断然1位でしたが、この年にアメリカで金融危機が起こり、アメリカをはじめ世界中の景気が急激に悪くなり需要が落ち込みました。しかし、中国は政府のいろいろな経済対策により景気の落ち込みが少なく、引き続き高い経済成長を遂げたことから、2009年から日本の最大輸出相手になっていました。2013年以降はアメリカが再び1位となった後、2018年に中国が6年ぶりにトップへ返り咲き、その後、2019年はアメリカ、2020年からは中国がトップになりました。

JFTC(一般社団法人 日本貿易会)キッズサイト

「言いにくいが残念ながら日本の国力は物凄く落ちているので交渉としては不利な立場になっている。ですから慎重な対応が必要」と私見を述べた。

加谷珪一氏 日中関係悪化が経済に与える影響「日本の国力は物凄く落ちているので交渉としては…」

まあ、総合的に考えると高市首相は、このあたりの事、考えても言わず「秘すれば花」にすべきでしたね。ま、この発言を引き出すため、しつこく質問をされ、思わず言っちゃったんだろうけど。(国内政治だけ見れば、最大野党のしつこい質問者は大金星でした。が、国益の視点からすれば、質問者は元外相でしたから、残念すぎる話ですね・・・)

台湾大学政治学系名誉教授の明居正氏は、・・・日本としてはこうした事態を想定して備えを整え、最悪のシナリオをあらかじめ想定しておかなければならないと述べた。軍艦の投入や武力の行使といった事態が現実に起きれば、「いずれにせよ存立危機事態を構成しうる」とも語っている。
 ただし明氏は、高市氏の説明はあまりに率直で詳細すぎると指摘する。本来、国家の指導者や政策決定者はここまで踏み込んで言葉にしないのが普通であり、経験豊かな指導者ほど仮定の質問への回答を避ける傾向がある。それにもかかわらず、高市氏は「本来は短く答えればよい問いを、論述問題のように詳しく答えてしまったことが最大の問題だ」と評した。

台湾大学名誉教授・明居正氏「中国共産党は高市首相を政局から退陣させようとしている」日米が台湾問題で合意した可能性

まあだからと言って、一度言ってしまった発言を取り消すことにどれだけの意味があるのかは分かりませんが。それと、もっとまずいなあと思ったのは、

「高市氏は”戦艦”を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースだ」と答えた の部分。

えーと、現時点で、世界には現役の 戦艦(BATTLE SHIP)は存在しないのです・・・

アメリカが持ってた最後の戦艦(アイオワ級)も、1990年代に退役してます。まあ、第二次世界大戦で活躍した戦艦が湾岸戦争でも使われた(再就役だけど)のは、技術的にすごい話だぜ とは思うけどな。

戦後、世界唯一無二の戦艦となったアイオワ級は第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争と多くの戦歴を誇ったが、運用・維持には多額の費用がかかるために平時は予備役にあることが多く、・・・冷戦終結後の国防予算の削減に伴い1992年までには全艦が退役することとなった。

wiki

もちろん中国は戦艦を保有してません。たぶん高市氏は「軍艦を使って武力の行為も伴う」と言いたかったのでしょう。 そして、戦艦と軍艦の違いなんて、普通の人(素人)にはどうでもよい話かもしれません。

ひとくちに「軍艦」といっても、その種類は多岐にわたります。最も広い定義では、軍が保有し運用している艦船は大小問わず軍艦になります。・・・
それでは「戦艦」とは、どのようなものなのでしょうか。保有する国/軍が「戦艦」と呼称すれば戦艦になるのですが、あえて定義するとしたら「砲撃で相手の艦船を撃破するために作られた船」というのが、近代以降の戦艦だといえるでしょう。・・・見分け方としては、威力の大きな大口径の砲を多数装備し、その発射時の反動でひっくり返らないよう、大きな船体になっていることが挙げられます。このほかにも有効射程の長い大口径砲を活用する関係で、遠くまで見通すための高い艦橋構造物やマスト(見晴し台)を持っているのも特徴に挙げられます。
 その定義で各国の海軍が保有する現役の艦船を見渡してみると、実は「戦艦」に分類される船は1隻もいないことがわかります。というのも、現代の海戦において砲撃戦で決着をつけるということは想定されず、砲撃戦を専門とする戦艦が「時代遅れ」の存在となったためです。

乗り物ニュース

でも、有事について発言する首相なら、基礎レベルの軍事専門用語くらい知らないとまずくね? この発言だと、中国は戦艦を有すると認識してた と取られても仕方なくね?

その程度の軍事知識しかない と世界に認識されてしまったのは・・・彼女のためにも、日本の国益のためにも大きな損失だったと思います。

あまり評価はしてませんが、軍事オタクの前首相なら、この間違いはなかったでしょう。(そもそも思想的に、性格的に、「存立危機事態になりえるケース」なんて明確に答えることはなかったでしょうが。)

★参考記事

ドローンを大量使用するなど戦争の形態が変わってきたからか、一周回って時代遅れとされた兵器が再び注目されつつある なんていうニュースもあります。そんなこんなで、また戦艦が復活する可能性も、無きにしもあらずかも? 

でも戦艦「ドナルド・トランプ」とか、かっこ悪くていやだなあ。

2024年1月3日、ドイツはウクライナへの支援として、新たに「ゲパルト」自走対空砲3両と、対空機関砲用砲弾3万発を送ったと発表しました。・・・ 実は、ウクライナとロシアの戦いが始まるまで、同車両は時代遅れの兵器とみなされていました。1973年に配備が開始されたもので、基本設計は50年以上前の車両です。ドイツでは2010年に退役しており、当初はドイツがウクライナ支援をアピールするための供与といわれたことも。しかし実戦投入されると、その評価は覆ることになります。一体なぜだったのでしょうか。

・・・ウクライナの戦場に投入されたゲパルトは、予想に反して、ドローンや亜音速で飛ぶ巡航ミサイルを相手に迎撃能力の高さを発揮します・・・そして、なんといっても機関砲の弾を使っての迎撃であるため、ミサイルなどで迎撃するよりも圧倒的にコストパフォーマンスがいいことが魅力です。

「この対空砲使えないでしょ…」一転、もはや防空の要に! 「ゲパルト」はウクライナでなぜ成功したのか

2025年9月30日、バージニア州にあるクワンティコ海兵隊航空施設(Marine Corps Base Quantico)で行われたアメリカ軍幹部が集まる重要な会議に出席したトランプ大統領は戦艦の復活は選択肢の一つとして検討していると発言した。

「これは実際に我々が検討していることだ。側面装甲の厚さは6インチ(約15センチ)で、アルミニウムではなく鋼鉄製だ。アルミニウムではミサイルが近付くだけで溶けてしまう。そういう船は今はもう作られていない」

・・・「中には『いや、あれは古い技術だ』と言う人もいる。しかし、私はそうは思わない。あの大砲を見れば、古い技術だとは言えないだろう」「砲弾はミサイルよりも費用がかからない」とトランプ大統領は語った。

トランプ大統領、「戦艦を復活させたい」と語る