西尾の文化財(28)  羽塚・念称寺  と新興住宅街について?

県の文化財・木造薬師如来立像 と市の文化財・馬頭観音菩薩立像を有するお寺です。(浄土宗・尼寺)

境内はそれほど広くはありません。それに、仏像を見せてもらうわけでもないので、あんまりネタがないなあ。(仏像に興味ある方は、上のリンクから西尾市の紹介ページを見てね)

まあ境内にあった、下の写真から無理に話をつなげます!

西尾市立矢田小学校。市内でも有数の大規模校です。どうもこの小学校の歴史は、このお寺の境内に、明治六年(1873)に創立された 「羽塚義校」が発祥らしいっす。

この矢田小学校、現在でも児童数906名、 34クラスある大規模校です。なんでそんなことを校区外のおっさんが知っているかと言うと・・・

西尾市議会だより(西尾市報8月16日号)で「老朽化したプールを撤去した跡と新たに取得した体育館南の隣接地に、新校舎を増設予定」「教室不足数は2022年度にピークをむかえ、その時には42教室が必要」との情報が載っていたからです。

この少子高齢化の時代に、すごいニュースもあるもんだな と。42教室って言うと、各学年平均7クラスあるってことですもの。新ベビーブーマー世代?

そんなことはなくて、原因は校区のニュータウン建設でしょう。矢田小学校と平坂中学校に囲まれたあたりに大規模な土地開発事業が行われ、家がどんどん建っているからです(黄色円のあたり)。

なんでもこの辺りを「西尾のビバリーヒルズ」と呼ぶ向きもあるんだとか。うーん、ビバリーヒルズって全米有数の高級住宅街ですよね(イメージ湧かない人はビバリーヒルズ高校白書でも見てくれや)・・・。

まあここもヒル(碧海台地)の上で地盤はいいです。

蛇足ですがこの航空写真の範囲内で一番標高が高いのが、念称寺のあたりです。そこらへんの字名は「稲荷山」。標高は寺の少し下で10m程。

閑話休題。新興住宅街だから新しい家ばかり。都市公園も整備されているし、道路もピカピカ。街並みは瀟洒です。けど「高級」住宅街になるかは、住民の皆様の活躍次第ってところ。

一番危惧されるのは、将来的に世代交代がうまく進み、人口構成がうまく保てるか ってところです。まあこれはどこの新興住宅街にも言えることなんですけど。

新興住宅街に入居されるのは、小学生以下の子供をお持ちの若い世代が中心じゃないでしょうか。「そろそろアパートから一戸建てに移って、子供たちに部屋を用意してあげよう」って。そんな家族構成の人たちが、市内あるいは近隣市からこの住宅街に集まってきています。(集まる分、周りの小学校の児童数は減る)

いい話なんですけど、それはそのまま学区の小中学校のクラス数が一時的に激増(その後減少)し、大学や就職する子供達の一斉流出、残った親世代の一斉高齢化 へと繋がる可能性を秘めています。参考: ニュータウンに巨大な危機が迫る

僕は大学時代に某市の市議会議員の選挙運動に関わったこともあるんですけど、その時の候補者の訴えがまさに「郊外の高齢者ばかりの旧・新興住宅街を何とか救いたい!」だったので、この問題には意外と関心があるんです。

あ、だから新興住宅街が悪い って言ってるわけじゃないです。古い集落を選べば、集落の人づきあいが超めんどー とか、それはそれでいろいろ悩みもあるんですよね。

ここが「西尾のビバリーヒルズ」になれるかどうかは、「子供達の一斉流出、残った親世代の一斉高齢化」以降に、「この土地に移り住みたい」という需要がどれだけ旺盛にあるか にかかっています。その時の供給<需要なら土地価格が高騰して高級住宅街化するでしょう。

まあ、長期的にみて人口が急減する日本で、ビバリーヒルズ化するのはなかなか困難かもしれません?

 

 

 

 

 

投稿者:

モト

元河川技術者、現在は里山保全の仕事をしているおっさんです。西尾市在住の本好き歴史オタク。

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