参院選で与党が負けて、その先は・・・

アメリカとの関税交渉に失敗し、「コメなど自宅の倉庫に売るほどある」や「運よく能登で地震」とか馬鹿を抱えた政権与党は参議院選挙で負けるでしょう。

ただし都議選と違い、圧倒的な勝者(都民ファースト)は出てこないので、 たぶん政権は自民党、公明党+どこかの党 で連立を組んで維持されるのではないかと思います。

なにせ、政権に残ることに関しては、自民党は仇敵だった社会党とも組んだ実績があるのですから、その権力執着への執念を舐めてはいけません。

個人的には、自民党の党首が積極財政派かつ(中国に)タカ派の高市氏に代わり、国民民主党と組んで積極財政+嫌中親米でやってくれるとベストだと思いますが、これは緊縮財政派の財務省には受け入れられないでしょう。なんだかんだ言って財布を握っている奴が一番偉いからな・・・

現実的には自民党の党首が緊縮財政派の誰か(パンダ小泉が有力だろう)になり、立憲民主党と組むことになると思います。理由はこれ。

パートなどで働く人の厚生年金の適用拡大や基礎年金の底上げ措置を盛り込んだ、年金制度改革の関連法が、13日の参議院本会議で、自民・公明両党と立憲民主党などの賛成多数で可決・成立しました。

年金制度改革の関連法 参院本会議で可決・成立 変わる点は

政権与党は、わざと穴をあけた法案を国会に提出。それを受け最大野党の立憲民主党が穴を埋め法案を修正。それを三党で可決。世間ではこういうのを八百長試合と申します。 

 この法案、基礎年金の底上げのため厚生年金の積立金を流用する ということで、非常に評判の悪い法案ですね。 それも勝手に流用されるサラリーマンとしては「ふざけんな」 という話ですけど、本当の問題はそこじゃないと思います。 

 本当の問題だと思うのは次の2点を決めてしまった、未来束縛日記(法律)であることです。「4年後の財政検証の結果を踏まえ措置を検討」ということ。「国庫負担の増加(財源未定)」という増税の種 が書き込まれていること。

前者から「年金制度は国民の最も関心のある事項なので、4年後に向け賛成した三党で責任をもって結論を出す」と言えば、三党連立政権の大義名分が立つし、4年後までは政権にしがみつく目標も立ちます。それまでに原案通り措置ができれば・・・財務省の勝ち!

増税の種とは・・・

基礎年金の財源の半分は国庫負担となっています。このため、底上げ措置が講じられれば、国庫負担も増えることになります。厚生労働省の試算では、国庫負担の増加により、将来的に年間1兆円から2兆円程度の追加財源が必要になると見込まれています。
これをどう確保するかは、4年後の財政検証の結果、実際に底上げ措置を講じることになった段階であわせて検討することになり、結論は先送りとなった形です。

同上

自民党は「社会保険料=消費税」「消費税の扱いに政治生命をかける」 とここはぶれませんので、国庫負担分は消費税を増税して賄うことを狙っていることがよくわかります。

立憲民主党は今回の参議院選挙で消費税減税を訴えてはいますが、実は「最大2年間、食料品の消費税をゼロにする」としか言ってないので裏を返せば「食料品以外の消費税は上げられる」「2年後の消費税増税はフリーハンド」。さすがにすぐは無理でも、2年後なら自民党案にも賛成できます!

てか、まさにそれをやったのが立憲民主党だわ。今回の選挙に当たり、みんなこれ忘れてないよね。

民主党は3年前の総選挙で、「消費税を(衆院議員の任期の)4年間は上げない」(鳩山由紀夫代表=当時)と約束して政権を獲得しました。にもかかわらず野田佳彦内閣が消費税増税法を国会に提出し、自公の賛成を得て成立させたのは、重大な公約違反です。 
 野田首相は増税法成立直後には公約違反を「反省」するそぶりを見せたのに、総選挙にあたってはまったくのだんまりです。それどころか、消費税増税と一体の社会保障「改革」を手柄顔で宣伝する始末です。岡田克也副総理にいたっては第一声で、「与党になって考えを変えた」と開き直っています。

赤旗 2012

「与党になって考えを変えた」とか、今回も使いそうだ(笑)。にしても、当時の野田首相が、今もまた党首なんて悪夢・・・悪魔(増税派)が天国(減税)を語るなんて。

先の「年金制度改革の関連法」について、自民党の河野太郎氏は 毒入りの「あんこ」と表現しましたが、まあその通りですわ。

与党の一部と立憲民主党が、年金法案の修正を議論している。
メディアはこの修正を「基礎年金の底上げ」とか「あんこを入れる」などと報道しているが、大きな間違いだ。
まず第一に、厚生年金の積立金を国民年金に流用しようとしている。
どんなに屁理屈を並べようが、厚生年金の被保険者が年金のために負担した保険料を勝手に目的外利用することに変わりはない。

第二に、「百年安心年金」のはずのものがわずか二十年で安心できなくなったために税金を投入しなければならなくなったが、その税金の財源のあてがない。
厚生年金の積立金の流用は、年金制度に税金を投入するための「言い訳」だ。
基礎年金は、二分の一を国庫負担することになっているので、厚生年金の積立金を流用して基礎年金に回せば、同額の税金を投入することになる。
次の百年間、毎年、二兆円から三兆円の税金が必要とされる、しかし、その財源について、厚労省も立憲民主党も全く明確にしていない。
これを「あんこ」というならば、「毒入りのあんこ」だ。

衆議院議員 河野太郎公式サイト» ごまめの歯ぎしり » 毒入りの「あんこ」

自民党の中に「年金制度改革の関連法への反対派閥」があったら、それはそれで応援したいと思うけれど、そういうのはないのかなあ・・・たぶん他の自民党議員は法案に賛成しちゃったから、無理なんだろうなあ。

河野太郎氏「朝食べたあんこで腹痛に」 年金法案・採決欠席の理由問われて 「厚生年金活用」も改めて批判

まあでも、河野氏の言う「根本解決」なんていう解があるのか分からないし、実体はこうだ!と明かされても、国民の側も受け入れられないような気もするねぇ。「知らない方が幸せ「ゆでガエル」として生きるほうが幸せ という気もします。

勝って来るぞと勇ましく故郷(くに)を 出たからは手柄立てずに 死なりょうか

 アメリカのトランプ大統領は、日本のことを特別扱いしませんでした。突き付けられた25%の関税に対し、赤沢亮正経済再生担当大臣は「自動車分野で合意しなければ、全体の合意はない」と引かない姿勢を明らかにしました。

“日本は関税25%” 赤沢大臣が相次ぎ電話協議 自動車関税「引き下げが条件」

この記事読んで、タイトルの軍歌を思い出してしまいました・・・。軍歌は勇ましいのだけれど、負けたうえで死んでるなら、勇ましさにはなんの意味もないのだけれど。

雑魚キャラ赤沢は7回も訪米し関税引き下げ交渉した挙句、1%関税率上げを通告されたんだから、「北斗の拳」的解釈によれば・・・「お前は既に死んでいる」状態です。向こうは「まだ君が担当するの?」という感じでしょう。

てかですね、フィクションだかノンフィクションだかは知りませんが、日本はアメリカに防衛を委ねている半独立国、または属国です。その前提の上に現在の日本は成り立っています。

なのに今の不安定な情勢の中で、アメリカから「関税で言うこと聞かないなら防衛も手を引くぞ」と言われたら(トランプなら言いかねません)・・・。

切り札を握られている状態ですから「引かない」なんていう贅沢な選択肢は日本にはないのです。だからこそ組みやすしと交渉入り第一号に選ばれたのだし。

せめて欧州のように自国を守るために防衛費を増額し、防衛の自主独立に近づけたうえで「関税に関しては引かない」というなら、腹をくくったのだなと筋も通るのですが、それもしないし関税も受け入れられない のであれば相手に「頑固で、非常に甘やかされている」と言われてもしかたないよねえ・・・

自主防衛に近づく戦略は、アメリカもそれでいいんじゃね?と容認しているのだし(今後容認は命令に変わるのだから、早めに対応したほうが賢明でしょうね)、相対的にアメリカの軍事力が落ちてるのも事実だから、防衛力強化は日本のためにもなる必要経費でしょうに。

アメリカ国防総省はGDP=国内総生産に占める国防費の割合について、日本を含むアジアの同盟国に対して、NATO=北大西洋条約機構で議論されているのと同じ水準の5%に引き上げる必要があるとの認識を示しました。
 国防費をめぐってトランプ大統領は、NATOに加盟するヨーロッパ各国がアメリカに防衛を依存していて「不公平だ」と繰り返し批判し、増額を求めていて、加盟国は国防費などのGDPに占める割合をあわせて5%に引き上げることを議論しています。
 こうしたなか、アメリカ国防総省のパーネル報道官は20日、NHKの取材に対して、日本を含むアジアの同盟国もヨーロッパの同盟国と同じ水準の負担を担うべきだという認識を示しました。

・・・そのうえでパーネル報道官は「これはアジア太平洋地域の同盟国にとって安全保障上の利益であり、より均衡のとれた、公平な負担の分担はアメリカ国民にとっても利益となる」と説明しています。

アメリカ国防総省 日本含むアジア同盟国 “国防費GDP比5%に”

我が御大の反応は、「弱い犬ほどキャンキャン吠える」

石破首相:
トランプ大統領の関税政策と正面から交渉している。これは国益をかけた戦いだ。なめられてたまるか。
「たとえ同盟国でも正々堂々、言わなければならない」と強調しました。
石破首相:国内から、ああだのこうだの足を引っ張って、どうして国益が実現するんだ。
さらに、「みんなで心をひとつにして、日本の国益を守らなければならない」と述べました。

喧嘩のやり方も知らないのですね。「舐められたくなくない」なら、せめてファイティングポーズを取って虚勢張らねば見苦しいだけ。それと、この人ミリオタだと思ってたけど、戦史や地政学(地経学)の知識はないのかな。*訂正あり(後記)

あとあえて言わせてもらうと、

アナタが辞任すればみんなの心が一つにできるので、早めの決断をお願います」だな。

それにしても、同盟国かつ庇護国にここまでひどい物言い(トランプ並み)ができるのに、非同盟国かつ仮想敵国に固有の領土にケチ付けられても何も言わないんですから。先の汚い言葉はそちらに言ってくださいよ。

そっちには「遺憾」とか「抗議した」あるいは「パンダ貸してください」としか言わないから、「日本の政権は隠れ非同盟主義だな。鉄槌を下してやる」と、同盟国の王様がブチ切れるのも納得できてしまいます。残念ながら。

自民・森山幹事長、パンダ貸与を働きかけか…万博に合わせ来日の中国副首相と会談

パンダより言うべきこと、あるだろ・・・

26日夕方、日本の最南端、沖ノ鳥島周辺の排他的経済水域で、中国の海洋調査船が事前の同意を得ずに活動しているのが確認されました。・・・
林官房長官は、閣議のあとの記者会見で「海上保安庁が活動の中止を要求するとともに、外交ルートを通じて中国側に対し、わが国の同意を得ない海洋の科学的調査は認められず、即時に中止すべきだと抗議した」と述べました。
日本側が抗議したことをめぐり、中国外務省の毛寧報道官は27日の記者会見で沖ノ鳥島について「島ではなく岩礁であり排他的経済水域や大陸棚を設定することはできない」と述べたうえで、「日本側の主張は国際法に違反している」と中国のこれまでの立場を重ねて主張しました。
そのうえで毛報道官は「中国の活動は公海における自由を行使したもので、日本側に干渉する権利はない」と述べ、日本側の抗議に反論しました。

中国の海洋調査船 沖ノ鳥島周辺のEEZ内で同意得ず一時活動

日本も南シナ海の、中国が岩礁を埋め立てて人工島を造成した島の周りで海洋調査をやってみたらどうかねえ。

中国からクレームが来たら「島ではなく岩礁であり排他的経済水域や大陸棚を設定することはできない。日本の活動は公海における自由を行使したもので、中国側に干渉する権利はない」と返してみたいもの。(戦闘になるから実際にはできないが)

*訂正です。 喧嘩の仕方は知っていたようです。

石破茂首相は10日のBSフジ番組で、トランプ米政権との関税交渉を巡り「なめられてたまるか」と述べた自身の発言に関し「米国依存からもっと自立するよう努力しなければならない、ということだ」と強調した。「『いっぱい頼っているのだから言うことを聞けよ』ということならば、侮ってもらっては困る」とも語った。

首相「米国からの自立へ努力」 「なめられてたまるか」発言巡り

その通りでしょう。でもまあ、言うだけなら僕でも言えます。でもアナタは日本国の首相なので、それをどう実現させるか 見せてください。「もっと自立するよう努力しなければならない」と評論に終わってもらっては困る。