国道247号を通って、西尾から知多半島の先端へ

西尾市から知多半島の先っちょへ行くには、国道247号を走るのが便利です。正確には有料道路である「衣浦トンネル」区間は外れるんだけど。

上の地図でいうと、西尾市の南部、及び知多半島の海岸線をぐるりと回っている黄色の道路です。  紙上で少し旅行気分を味わってみましょう。

①西尾市→碧南市  まずはお隣の碧南市へ。西尾市と碧南市の間は「矢作川」が流れています。 矢作川の河口部であるこのあたりはゼロメートル地帯であり、矢作川が押し流す大量の土砂により、きめの細かい砂地になっています。

この砂地でできるのが、「碧南美人」というニンジンです。このニンジン、甘くて嫌味がなくてまるでフルーツ。冬場に、にんじんジュースにすると絶品です。 僕の畑でもニンジンは作れますけど、「美味しいニンジン」を作るのはとても難しいのです。自分のは水分が少なく、ニンジンの嫌味があってまずいのね。これ、きらーい!

なので、わざわざ「碧南美人」を買ってジュースにしてます。

「へきなん美人」という名前で出荷されているブランドにんじん。
(主に中京、北陸、京阪神へ出荷されているため、関東ではなかなかお目にかかれないのですが。)へきなん美人
特徴は、生食でもおいしい、色・つやが良い、
ニンジン独特の臭みが少ない、甘い、βカロテンが豊富 (詳しくは、JAあいち中央のHPで。)

畑で納得!碧南ブランドにんじん「へきなん美人」が美味しいワケ 畑からの伝言

②碧南市→半田市

碧南市から半田市へは、先程出てきた「衣浦トンネル」を通るのが早いです。工法的には「沈埋トンネル」です。

沈埋トンネル(ちんまいトンネル)とは、予め海底川底などに溝を掘っておき、そこにケーソン(沈埋函)を沈めて土をかぶせる、沈埋工法(ちんまいこうほう)で作られたトンネルである。

wiki

このトンネルは、衣浦港の下を通るトンネルです。衣浦港は境川の河口に位置しており、重要港湾・特定港と格の高い港湾(愛知県の衣浦港務所、国交省の衣浦港事務所がある)ですんで、橋を架けるより、トンネルのほうが船舶の通行に有利だ と判断されたんでしょうか? 現在の船舶量からすれば、橋で十分な気がしますが・・・

ともかく、ここがトンネルになっているので、通行料がかかるのです。まあ原付は30円ですけど・・・(普通車は260円)

半田の町は、運河の町として有名なんですけど、灯台もと暗し、行ったことがないです。また取材に行かねば!

③半田市→武豊町

武豊には、JR武豊線の武豊駅があります。終着駅で、半島のこれより南にJRの線路はありません。そこから先は名古屋鉄道(名鉄)の路線が伸びています。この武豊駅、実は愛知県下で最も古い駅の一つです。開業は1886年(明治19年)。名古屋の熱田駅へと伸びる、県内最初の鉄道の起点だったのです。

なぜかというと、武豊港で鉄道敷設のための資材を下ろし、それを武豊線を使って名古屋へ運び、そこから東海道線を敷設したからです。 もっとも、当時の武豊駅はもっと海岸に近いところにあったみたいですが。

半田から武豊にかけての海岸線は、埋め立てられ大きな工場や発電所が林立しています。まあ、バイクで走ってもあんまり楽しくはないですね。

④武豊町→美浜町

美浜町の河和駅(名鉄河和線の終着駅)を過ぎると、徐々に工場群が消え、「半島をツーリングしてるぜ!」という気分が出てきます。河和駅のあたりはいつ来ても渋滞。道路の線形が良くないのです。主要道247号が河和駅と川に挟まれ拡張の余地がないところ、そこで道路がT字に分岐し信号が悪魔のように位置する・・・南下する車両にとって、これ以上の悪条件はあまりないでしょう。

ま、まあ、気を取り直してドライブすれば、こんな光景が見られますよ。

田んぼの向こうに三河湾。三河湾を航行する自動車運搬船(たぶん)。奥は西尾〜蒲郡にかけての山脈ですね。道路の反対側は知多半島の丘陵を望みます。知多半島は丘陵がちで大きな川がないため、昔から水不足に悩まされてきました。今はなみなみと水を貯めた水田も広がっていますが、これは愛知用水で送られてきた水だと思います。 知多半島の農業、工業、水道水は木曽川が支えているのです。

⑤美浜町→南知多町

いよいよ知多半島先端の南知多町です。先端の羽豆岬については、先回紹介したので省略です。ここで紹介するのは・・・リゾート施設「チッタ・ナポリ」!

チッタ・ナポリは、愛知県知多郡南知多町にあるリゾート施設。地上34階建・地下2階建・塔屋1階建の地域のシンボルとして聳え立つ白亜の塔であるナポリタワーを中心とした海洋系ウォーターフロントリゾート施設。

wiki

僕は「バブル景気」の頃にはまだ小学生だったので実感がないのですが、いかにバブルとはいえ、こんな僻地に地上34階のシンボルタワー、マンション6棟って・・・需要と供給を見誤ったなれの果てじゃないですかねえ。 

すぐ裏手にある、南知多町立師崎中学校の皆さんは、「かつて日本に起こったバブル時代とはなんぞや?」「それは、この眼の前に広がる楼閣群のことである!」と生きた学習教材にしてるんじゃないですか(笑)。

ここは滞在型のリゾートだと思います。が、それにしては駐車場が少ないし(電車は手前の河和までしか来てない)、滞在してるにしては、洗濯物が全然ひるがえってないし、よく建物を維持しているもんだと感心しちゃいます。それどころか、外観補修もしてました。スゲ~。

高台のリゾートだから、景色はいいんですけど。

チッタ・ナポリから見た日間賀島

貧乏人なんで、リゾート・マンションのメリットってよくわからないです。所有する代わりに、高級ホテルに泊まりに行けば、維持費もかからんし、楽だし、好きなとこ行けるし、そのほうが良いように思うんですけどね・・・ 

投稿者:

モト

元河川技術者、現在は里山保全の仕事をしているおっさんです。西尾市在住の本好き歴史オタク。

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