建物の基礎杭(木杭)について

いま、ボツボツ「建築基準法」「建築基準法施行令」の勉強をしています。 (建築基準法ってのは、建物の構造とか用途についての最低基準を定めた法律です。施行令はそれをさらに具体的に述べた法律です)

僕は3年前に自分の家を建てたんですが、できればその時の僕に、法令の知識として教えてあげたかった条文が一つあります。それはこちら。

建築基準法施行令第38条6項 「建築物の基礎に木ぐいを使用する場合においては、その木くいは、平屋建の木造の建築物に使用する場合を除き、常水面下にあるようにしなければならない。」

我が家は軟弱地盤の土地に建てたので、土地改良工事が必須でした。土地調査会社から最初に推められたのが、木杭を打つこと。 やり方によっては木でもいいんだけど、いろいろ心配があって、調査会社に話を聞きに行ったんです。

結局納得は得られず、コンクリートで土壌改良する方法に決めたんだけど、その時の疑問の一つが、まさに「木くいが常水面下にあるかどうか」っていうことだったのです。 

その時は質問も悪かったし、ろくな回答が得られなかったんだけど。

僕「木は腐りますね。 我が家は地下水位は高いので、水位以下の部分は大丈夫だと思いますが、心配なのは地下水位以上の部分です。空気に触れ、水に触れ、長期的には腐る可能性が考えられますが点検はできませんね、どのように対策されているのですか」

相手「防腐剤を加圧注入しています。実際の試験地で20年。実験室の実験で60年相当の試験をしており、問題は出ておりません。」

僕の理解(加圧しても、木材に完全に薬剤を注入するのは、簡単じゃないよね。それに薬剤注入しているから大丈夫って、あんまりうれしい答えじゃないな。・・・

家を造ろうその3 基礎はしっかり

あの時法律の知識があったら。

「建築基準法施行令第38条6項はクリアしていますか?地下水位はどう確認していますか?」って聞いていたら、僕が望む回答が得られていたのかなぁ。

※我が家は平屋なので、厳密に言えばこの条文は適用除外なんだけどね。ただ安全側に考えるなら、平屋建てでもクリアすべき条件(目標)だと思う。

と、ここまではプライベートの恨みつらみが少し入っているように思うけれど、(木くいでOKだったなら、100万円節約できたから)本文はここから。

施行令の「木の杭を常時水面下になるように」って指摘は、木を腐らせないためとても良い処置で大賛成なんだけど、現実的には、それってどうやって確認(あるいは設計)してるの? 実は実現不可能なんじゃね?

うーん。まずは水位の推定だねえ。

うちには古い井戸があったんで、そこに水位計をつけて測ることは可能だな。けど、地下水の水位って当然変動するよね。すると「常時」の基準を満たすためには、少なくとも乾季(冬かな?)の最低水位を計測しないと意味ないわけで。

日常的に井戸水を使っていた時代なら、最低水位は、その家の主婦に聞けばわかった・・・のかな。でもポンプだと水面は見ないしなあ。釣瓶とかで組み上げていた時代ならともかく・・・現代では、普通敷地に井戸なんてないのが普通だから、その為の観測井を掘る所からスタートなのか・・・ともかく、1回だけの現在の現地調査の体制じゃ無理だわ。時間もかかる。

次に、

地中杭は、建物を支える役割なんだから、木杭の頭と家の基礎はつながらないと意味がないですよね。(下のイメージ図参照)

イメージ画像

この絵はその点はしっかりしてるんだけど、木杭は常時水面下(地下水位下)にあるんだろうか?人間の大きさからすると、杭の頭は地下数十センチ。これで常時水面下にあるってのは、ちょっと厳しいよねぇ。

我が家は川の近くの低地で地下水位は相当高いけど、それでも地盤面マイナス1.3m程度。木杭の頭もこの高さになるはず。一方、我が家の基礎は、地盤面マイナス0.4m程度なんだよね。

先の条文をしっかり守ると、間の約1mを何で繋ぐかという問題が出てくる。接続部分だけコンクリート柱を挿入するのかな?それって繋がってるのかな?基礎を1m下げるのかな。技術的には可能だけど、予算的に厳しいよねえ、それ。

うーん。実際にはどうやって解決しているんだろう???誰か詳しい人教えてー。

なんかそういうこと考えていたら、腐らないコンクリート基礎杭か、コンクリートで土壌改良するのが現実的じゃないかって気がしてきた。

バンデミックによるCO2削減量

日本では緊急事態宣言が解除され、外出自粛も解除されつつあります。諸外国も厳格な外出制限から、徐々に緩和されつつある状況。そりゃいつまでも外出制限を続けていたら、経済的に干上がってしまうもんね。

けど、これだけ人々が活動を自粛したことで、たぶん地球環境は好転・・・例えばCO2の排出量激減・・・なんかができたんじゃないかな? 具体的にどの程度できたのかな? って思っていました。そういう記事があったのでご紹介。

パンデミックの影響で「CO2排出量が17%減」という結果は、気候変動対策で人類が進むべき道も示している 

新型コロナウイルスの影響で世界中の都市がロックダウン(都市封鎖)したことで、4月初旬までのCO2排出量が1日当たり最大17パーセント減になったことが明らかになった。だが、実は最も減少した日でも2006年の水準であることから、パリ協定の目標達成に向けた道のりの険しさが見てとれる。それと同時にパンデミックによる行動様式の変化によって、わたしたちができることも浮き彫りになってきた。

wired

うーん、経済への悪影響も顧みず、世界中の都市をロックダウンしたっていうのに、CO2排出量は1日当たり最大でも17パーセント減になっただけなのか・・・※しかも、最も減少した日でも、2006年の水準に戻っただけだって・・・

実はパリ協定をうけて、日本を含めたいろんな主体が、「2050年までに温室効果ガス(二酸化炭素)の排出量の実質ゼロを目指す」って目標を掲げているんです。かっこいい!だけど、都市封鎖しても17%しか減ってないとなると、かなり無謀な目標だよね。

2050年脱炭素(二酸化炭素排出実質ゼロ)宣言

脱炭素社会の実現に向けて、2050年に温室効果ガス(二酸化炭素)の排出量の実質ゼロを目指す動きが全国自治体に広がっていること等を受け、本県においても、令和2年1月30日定例記者会見において、平井知事が2050年の二酸化炭素排出実質ゼロを目指す旨を表明しました。

 なお、本県の宣言は全国都道府県で13番目であり、中国地方の都道府県では初の宣言となります。

鳥取県

(鳥取県に恨みはないけど、ネット検索で上位に出っちゃったんで、ゴメンね)

先ほどのWIREDの記事の続きは以下の通り(僕が大事だと思った部分の抜粋です)

「いったいどうすれば排出量をゼロにできるというのでしょうか。排出量を17パーセント減らすためにこれほどのことが必要だとわかったのに」と、ルケレは問いかける。「強制的に自宅に閉じ込められるという不愉快なかたちでなんて、気候変動に取り組むわけにはいきませんよね」  

「気候変動はあまりに政治的な問題になっており、取り組みへの意識の差を示す境界線は、典型的な米国の部族的境界線と同じように見えていました」と、ガーニーは言う。「排出量の減少は、この境界をわたしたちが越えていけることを示しています。それがこの話の明るい側面です」

前掲

うーん。「人類が進むべき道も示している」と言う題名の記事の割に、結論を読んでも、排出量の実質ゼロ目標は無謀じゃね? という印象は変わらないのだが。

バンデミックを経験した後では、アメリカの財務長官が、環境活動家グレタ・トゥンベリさんに向けた批判の言葉が、考えさせられました。

世界経済フォーラム(WEF)第50回年次総会(ダボス会議)で注目を集める17歳の環境活動家グレタ・トゥンベリさんに、地球温暖化に関連付けて経済問題を論じる資格があるだろうかと、ムニューシン米財務長官は批判を一蹴した。 

グレタさんの活動で活発になった気候変動の経済学を巡る議論について、ムニューシン氏は23日にコメントを求められ、「彼女はチーフエコノミストなのか」と問いかけた。「大学に行って経済学を学んで、その後で私たちに説明できるようになるだろう」と話した。

Bloomberg

不幸なロックダウンにより、地球環境に与える負荷量は確実に減り、環境には良い方向に向いています。でも、そんな視点での報道は全くありません。あるのは失業率の悪化と景気悪化への不安報道ばかり。日本政府がコロナウイルス対応のため設置した「基本的対処方針等諮問委員会」でも、経済の専門家4人を加えてますし。

政府、コロナ諮問委に経済学者を追加へ 慶大教授ら4人 

新型コロナウイルス対応のため政府が設置した「基本的対処方針等諮問委員会」に、竹森俊平・慶大教授ら経済の専門家4人を加える方向で政府が調整していることがわかった。緊急事態宣言の一部解除を見据え、今後課題となる感染拡大防止と経済活動の両立について、見解を求めるのが目的だ。

朝日新聞

結局「人はパンのみにて生くるものに非ず。されどパンはめっちゃ重要!!!」ってことです。それを無視した環境活動ってのは、理想としてあり得ても、実現は不可能ってことではないかと。

もちろん、「排出権ゼロを目指す」という高い目標を掲げて、ようやくその何割かが達成できる程度なんだから、高い目標を掲げて戦うスタンスの人も必要です。けれど、現実論としては「もう少し現実的な削減目標に下方修正し、ある程度気候変動を受け入れ、浮いた資金をそのための対策に使う」という「カッコ悪い」目標設定をするのが、現実的な対応ではなかろうか? って実感しました。

※全然違う話題ですけど、ロックダウンしても排出量が20%弱しか減らないという結果を見て、人がまとまって生活すること=都市居住ーって、エネルギー消費の観点からは、すごく地球にやさしい生活スタイルなんじゃね? って思いました。