ゴーン氏会見。しょぼかったけど、日本のオウンゴールでゴーン勝利じゃね?

go-went-gone  レバノンに風と共に去りぬゴーン氏が、昨日の午後10時に記者会見したですね。

会見を見たのび太記者の感想:ゴーン・ジャイアンは、裏切った西川スネ夫がゆるせなかったんだねー。てかそれじゃ普通過ぎてネタにならねー。 箱の中に隠れて出国したんだから、その武勇伝とか、自分をはめた日本国政府の関係者の名前ぐらい暴露してくれないと、辺鄙な国に招待されて来たのに報道機関へのお土産が話がないじゃねーか。助けてよドラえもん!  

頼られたドラえもん。四次元ポケットから驚きのネタを提供。なんとドラえもんの正体は、日本の法務省(司法担当省庁)という。オウンゴール・・・

ゴーン氏はのメイン主張は「日本の検察のやり方がひどすぎる。自分はその犠牲者だ」だったと思います。

ゴーン被告は「弁護士の同席なしに1日8時間にわたって尋問を受けた」、日本の有罪率は99%に達する国で、「外国人はおそらくもっと高い」と日本の司法制度を強く批判した。「自白しないと家族を追いかけることになると言われた」という。

ゴーン被告が逃亡後初会見 日産の西川前社長ら6人を名指しで批判

いや犠牲者かどうかの前に、アンタの容疑について説明しろよ ってのが正当なツッコミではあります。ともあれ 「日本の検察のやり方がひどすぎる」って部分を防戦する法務省は、日本時間の夜中に大臣が臨時の記者会見。日本の役所が夜中に会見って、相当のことっすよね。

森法務大臣は、9日午前1時前に法務省で臨時に記者会見し、「ゴーン被告は、嫌疑がかかっている経済犯罪について、潔白だというのであるなら、司法の場で正々堂々と無罪を証明すべきだが、国外に逃亡し、刑事裁判そのものから逃避した。どの国の制度のもとでも許されることではない」と指摘しました。

NHK神奈川 森法相「逃亡正当化看過できず」01月09日 07時04分

・・・こんなつまらない定型コメント出すくらいなら、日中の開庁時間にある定例記者会見まで待てばいいのに。 てか内容はともかく、対応がイレギュラー過ぎて「日本の司法制度っておかしいかも って実は法務省自身が思ってて、過剰反応してんじゃね?」って外国人記者に思われないかな? と僕は思ったんですけど・・・

なんと! この会見で法務大臣が大事なとこで失言し、しかもその映像を取られちゃいました。映像はそのまま(少なくとも日本では)報道されちゃいました。で、炎上。

「潔白というのならば、司法の場で正々堂々と無罪を証明すべき」と発言したと報道され、波紋を呼んでいる。

刑事裁判では、被告人が有罪であることを検察官が証明しなければならず、被告人やその弁護人が無実であることを証明する責任はない。

「無罪証明」は1月9日、ツイッターでトレンド入りし、弁護士らを中心に「ありえない」「ゴーンの主張を認めることに・・」などと話題になっている。

森法務大臣「無罪証明すべき」発言がトレンド入り 「ありえない」と波紋

法相は会見後、自身のツイッターで発言を訂正されたようです。ことは「と発言したと報道され」ではなく「そう発言した」のね。まーったく 政治家ってのはどうしようもないなあ・・・と思ってたら、 言いまちがいとのこと。おい、そこ間違えたらどうしようもなくね?しかもこの人は素人さんではなく、 司法試験をパスした弁護士さんだそうで。

その後、ツイッター上で「無罪の『主張』と言うところを『証明』と言い違えてしまいました」と訂正した。・・・「記者の皆様に配布したコメント文面には”わが国の法廷において『主張』すればよい”と記載してましたが私が言い違えてしまいました。無罪推定の原則は当然重要な原則であり日本の司法もこの原則を遵守しております」とつづっている。

森まさこ法相、「無罪証明すべき」発言訂正「主張と証明を言い間違えた」

ダメだわこれ。いくら紙に正しいことが書かれていたとしても、一番間違えてはいけない部分を間違って映像取られてるんだもん。 大臣はもちろんお粗末なんだけど、記者会見でそんな映像を取らせちゃった法務省もダメすぎる。

そりゃね、日本国内なら「言いまつがいだった。配布した文書が正しいんで、これで報道しろ」って通達すりゃ通じるかもしれないよ。でもこの事件の詳細知らない海外の人が、映像見たうえでわざわざ文書読む?海外の記者は喜んでこの映像流すよね。おもろい、いいネタだもの。

映像を流されたら「日本という国は、司法制度の責任者である現職の担当大臣が、法の原則に照らし明らかにおかしな発言をしている映像証拠がある。ゴーンの言うように司法手続きに問題のある国のようだ。しかも 法律の専門家である弁護士の資格を有する司法担当大臣が言うんだから、マチガイなす。」というイメージを持たれてしまうよね。 

ゴーン氏はもう日本にいないんだから、国際世論を味方につけないと日本への送還も無理だよね。でもそのためのイメージ戦略で、日本はもう負けてしまったようだね。しかも本質的じゃない部分で。決して相手の広報戦略もうまくはなかったと思うんだけどね。

ついでに。この後野党は、法務大臣の任命責任を首相に追及するんだろうけど、報道された首相のコメントも逝ってますな。ゴーンさんの会見前だろうけど。

安倍晋三首相は8日夜、キヤノンの御手洗冨士夫会長らと東京・銀座の日本料理店で会食した。金融商品取引法違反の罪などで起訴され、レバノンに逃亡した日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告についても話題になった。
 同席した自民党の河村建夫・元官房長官によると、ゴーン被告の記者会見も話題になり、首相は「本来、日産のなかで片付けてもらいたかった」と語ったという。

安倍首相、ゴーン被告逃亡に「日産内で片付けてもらいたかった」

首相は「本来、日産のなかで片付けてもらいたかった」と語ったという。 って、政府関与を認めたようなもんじゃないすか。いや、そりゃ関与してただろうけど、それ広報戦略上、公にしたらまずくないすか?

1月16日追記 参考記事 元記事はもっと長いけど、印象に残った部分を引用。

ゴーンに惨敗した日本、森法相の大失言が世界に印象付けた「自白強要文化」

1/16(木) 6:01配信  (ノンフィクションライター 窪田順生)

 日本から逃亡してレバノンで記者会見を開いたゴーン氏に対して、森雅子法務大臣が放った一言が、国際社会で「日本の司法制度の欠点を表している」と物議を醸している。この一言で、日本vsゴーンの第1ラウンドは、「日本の惨敗」が決定的となった。

ゴーン陣営が国際世論に対して仕掛けた「日本の司法制度はうさんくさい=ゴーン氏にかけられた疑いもうさんくさい」という印象操作に、まんまと日本側が放った「反論」も一役買ってしまっているのだ。

・・・

(森法相の)あの発言は言い間違えではない。もともと弁護士として立派な経歴をお持ちなので当然、「推定無罪の原則」も頭ではわかっている。しかし、世論を伺う政治家という職業を長く続けてきたせいで、大衆が抱くゴーン氏への怒りを忖度し、それをうっかり代弁してしまったのだ。

 なぜそんなことが断言できるのかというと、我々が骨の髄まで「推定有罪の原則」が叩き込まれている証は、日本社会の中に山ほど転がっているからだ。

・・・

日本人としては認めたくないだろうが、この件に関して国際社会の感覚からズレているのは、ゴーン氏の代理人ではなく、我々の方なのだ。


 2013年5月、スイス・ジュネーブで、国連の拷問禁止委員会の審査会が開かれた。これは残酷で非人道的な刑罰を禁じる「拷問等禁止条約」が、きちんと守られているかどうかを調べる国際人権機関なのだが、その席上でアフリカのモーリシャスのドマー委員がこんな苦言を呈した。
 「日本は自白に頼りすぎではないか。これは中世の名残だ」


アフリカの人間に、日本の何がわかると不愉快になる人も多いだろうが、この指摘は非常に的を射ている。足利事件、袴田事件、布川事件などなど、ほとんどの冤罪は、捜査機関の自白強要によって引き起こされている。


鋭い指摘をするドマー委員に対して、日本の代表として参加した外務省の上田秀明・人権人道大使は「この分野では、最も先進的な国のひとつだ」と返したが、日本の悪名高い人質司法などは、参加者たちの間では常識となっているので、思わず失笑が漏れた。すると、上田大使はこのようにキレたという。
 「Don’t Laugh! Why you are laughing? Shut up! Shut up!」(笑うな。なぜ笑っているんだ。黙れ!黙れ!)

ダイヤモンド・オンライン

記事の内容には全く同感です。嘆息しかないすね。されど我が祖国・・・

「現代のジャンヌ・ダルク」?

ジャンヌ・ダルクとは・・・

15世紀のフランス王国の軍人。フランスの国民的ヒロインで、カトリック教会における聖人でもある。「オルレアンの乙女」。

wiki ジャンヌ・ダルク

当時、フランスは国家分断の危機でした。フランス王家の衰退に伴い、血縁関係にあったイングランド王家(出身は現フランス・ノルマンディ地方)がフランス統治の権利を主張しフランスに侵攻。フランスを舞台に百年戦争が繰り広げられ国土は荒れ果て、国民(農民)は疲弊の極みにありました。その上、フランス最後の重要拠点であるオルレアンは陥落寸前でした。フランス危うし!

そこに現れたのが、神に「フランスを助けよ」と啓示を受けた少女です。農家の娘だった彼女は白馬に乗り甲冑を付け戦いの最前線に出て戦い、陥落寸前だったオルレアンを救いました。 そのまま彼女を先頭に押し立てたフランス軍はイングランド軍に勝利し、王家のフランス王戴冠に多大な貢献をしました。祖国を救った英雄万歳! (が、そののち裏切られ、悲劇の少女は列聖。)

ひどいたとえかもしれないんですけど、僕はグレタさんを見てジャンヌ・ダルクを思い出してしまいました。まあ、これは 映画「Joan of Arc」の影響かもしれませんが。

amazonより画像を拝借

各国の指導者たちの集まりである国際会議では、会議は開かれど実効性のある温暖化防止策は打ち出されず、市民、特に将来を担う若者たちの願いは聞き入れられない。そんな絶望的な状況(百年戦争下のフランス)の中で、若い女性活動家が突如現れる。彼女は国連と言う檜舞台(オルレアンで)、まるで神がかってるんじゃないか と思うほどの言葉と表情で大人たちに迫り、全世界が彼女に注目する・・・

グレタ・トゥーンベリさん、国連で怒りのスピーチ。「あなたたちの裏切りに気づき始めています」(スピーチ全文)

「あなたたちが話しているのは、お金のことと経済発展がいつまでも続くとい うおとぎ話ばかり。恥ずかしくないんでしょうか!」 

スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさん(16)は9月23日、ニューヨークで開かれた国連気候行動サミットに出席し、地球温暖化に本気で取り組んでいない大人たちを叱責した。

トゥーンベリさんは世界のリーダーを前に、時に涙を浮かべながら約5分間スピーチ。

温暖化解決のための具体的な行動を取らないのであれば、「結果とともに生きなければいけない若い世代」はあなたたちを許さないと強く訴えた。

写真とも、HUFFPOSTより引用

いろんな裏話だってあるんだろうけど、温暖化という環境危機に立ち向かう旗頭(若い世代の象徴)という観点で彼女に注目が集まっているのは事実。そしておろかな大人たちはそれに対する行動をしていない・・・ように見えますね。だから熱烈な殉教者から、穏健な支持派まで賛同派が形成されるのはよくわかる。

一方で、純粋な彼女を審問にかけようとしている多数派のずるい大人たち?の中にも、「彼女は異端者だ!」という狂信者から「いや、祖国フランスは国家存亡の危機にまで達してない(彼女の信じている危機は事実だろうが、ことの緊急性はそれほど高くない)」という穏健派まで、内部はいろいろあるんだと思うね。それらを一絡げに激しい言葉で攻撃するのは(時に必要だとしても)、あんまりいい戦略じゃないと思うんだ。彼女がジャンヌの道を辿り、のちに列聖されないよう願うばかりです。

ちなみに僕は「祖国フランスは国家存亡の危機までは達してない」と考えるずるい大人派です。もっと具体的にはロンボルグという統計学者を信じる派です。

2003/6/27 ビョルン・ロンボルグ (著), 山形 浩生 (翻訳) 「環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態」

刊行によせて訳者 山形浩生

環境問題に関心を持っている人は多い。みんな環境が急速に悪化しているから、自分も少しはなんとかしなきゃ、と憂慮している。

 でも、環境が急速に悪化しているというのは本当だろうか? なぜみんなそう思っているんだろう。さらに環境問題となると、かなり変な議論も横行する。野菜からちょっと基準値を超える農薬が出ると、みんな大騒ぎ。環境ホルモンで人類の危機、とか。地球温暖化であちこち水没だの、東京がカイロみたいな灼熱都市になるとか、森林がほとんどなくなりかけているとか。いろんな環境団体は、真顔でそう主張し、いまの消費偏重の経済文明のままでは、地球は滅びるぞ、と脅す。

ちょっと待った。それってホント? そう問いかけたのがこの本だ。いろんな環境団体の言うことは、感情的で眉唾な誇張や歪曲がかなり含まれていて信用ならないぞ。実際のデータを見てやると、いろんな部分で地球の環境問題って改善されてるじゃないか。そして悪いものだって、いますぐ地球が滅びるようなものじゃない。さらに一部の問題は、ヘタにあわてて動くとかえって有害だ、と本書は指摘する。まだ問題は残っている。でも人類はこれまでいろんな問題を解決してきたし、いまの努力を続ければ残りの問題も解決できる。文明を根底から覆すなんて無謀なことを考えず、いまの自分たちの問題解決能力を信じて取り組んでいけばいいんだよ、と

これはちょいと古い本なんで、最近のコメントないかなって探したら、ちょうど9月ごろ最近のコメントが出て、それを奇特な方が日本語で要約してくれてるので張っておきます。

ふと、かつて温暖化対策の行き過ぎを諌めたビョルン・ロンボルグはグレタ・トゥーンベリについて何か言っているのかな、とぐぐってみたところ、9月末にこのような論説を書いていることを知った。以下はその概要。

himaginary’s diary 2019-12-14 将来世代はグレタ・トゥーンベリを許さない?

内容はリンク先を見てください。でも僕が特に重要だと思ったとこだけ引用するです。是非リンク先読んでみてね。ちゃんと論理的に書かれてますんで。

2028年までに化石燃料を削減しなければ若い世代は我々を許さないとトゥーンベリ氏は言うが、これは偏狭な先進国の見方である。国連が世界の一千万の人々に優先順位を尋ねたところ、上位に上がった5つの問題は健康、教育、仕事、腐敗、栄養だった。即ち、人々は、自分たちの子供が治療が容易な病気で死なないこと、まともな教育を受けること、飢え死にしないことを望んでいる。気候変動は16の選択肢の最下位だった。それは、この問題が重要でないためではなく、大半の人々にとって他の問題がより切迫しているからである。

問題は、気候変動がますます他の問題を押し退けていることにある。例えば、世界で貧困に喘ぐ人々の優先順位に真っ向から反し、今や開発援助全体の3分の1は気候変動に充てられている。グリーンエネルギーの研究開発への投資を増やして気候変動問題に対処すべきではあるが、貧困、健康、教育、栄養という問題への対処よりも気候変動を優先したならば、世界の若者世代の大半は我々を決して許さないだろう。

偏狭な先進国の見方である。 それは、この問題が重要でないためではなく、大半の人々にとって他の問題がより切迫しているからである。 問題は、気候変動がますます他の問題を押し退けていることにある。 」って重いですねえ。それこそ「見たくない真実」かも。