千葉停電長期化の教訓

風呂に入れない」「親の安否確認できない」…停電長期化、役場も不休で対応

台風15号の影響による千葉県の大規模停電は、13日で発生から5日目の朝を迎えた。停電軒数は20万軒近くに上り、依然として広い地域で停電や断水が続いており、各自治体では職員が、住民からの問い合わせや復旧への対応に追われている。

大規模災害の後でも、インフラ系のなかで電気は復旧が早い ってのがこれまでの常識でしたから、5日経っても復旧しないこともある ってのは恐ろしいことです。しかも電気だけじゃなく水道も断水しているっていう。

今回はたまたま千葉県だったわけですが、これが東京のような都会直撃だったら・・・停電断水5日となると、タワーマンションの高層階に住んでいたら、考えるだけでも恐ろしい地獄絵図が繰り広げられることでしょう。

対応としては、それなりにサバイブできる装備を備えておくしかないですね。僕もそれなりに備蓄してます。

煮炊き用:カセットコンロとボンベ  アウトドア用のアルコールバーナーとコッヘル ロケットストーブと薪

水:ペットボトルと浄化器(ストロー状の簡易なもの

こういう時、趣味が登山とかキャンプだといろいろ有利です(笑)。それはさておき、「猛暑のさなかに災害が起こって、停電でエアコンが使えない日が続いたら対応どうしよう」って考えたことなかったです。でも、これから酷暑の続くであろう日本では、この対策をどうするのか って真面目に考えないといかんですね。マジ死にますんで。

日経新聞の記事がそれについて記事を書いてたので引用します。

台風で停電、熱中症どう防ぐ 車中泊のエアコンにも注意

 台風10号による停電で、エアコンが使えない状態が続き、被災者には熱中症のリスクが高まっている。

熱中症に詳しい三宅康史・帝京大病院高度救命救急センター長は、「日中だけでなく、夜も熱中症の危険があり注意が必要だ」と指摘する。

 特に高齢者や乳幼児など特に暑さに弱い人は「我慢せず、電気のある場所に移動するなどして、涼しい環境で過ごすことが大事だ」とする。「親戚を頼ったり、ホテルに泊まったりして逃げることも必要だ」という。

 停電によって自宅のエアコンが使えないため、自家用車の中で一夜を過ごした人もいる。だが、座席に長時間座って足を動かさずにいると「エコノミークラス症候群」が起こる危険がある。足の血管に血の塊ができ、肺の動脈などに流れて詰まらせ、命に関わることもある。

 エコノミークラス症候群に詳しい新潟大の榛沢和彦・特任教授は「エアコンをつけた車内は乾燥しやすい。食事や水分を十分とらない状態での車中泊は危険だ」と指摘する。1泊の車中泊でも起きることがあり、榛沢さんは「車内で足を上げたり、4、5時間おきに車外に出て足を動かしたりして、血の塊ができないようにすることが大切だ」。

 エコノミークラス症候群になった経験がある人や、血をサラサラにする薬を飲んでいるなど心臓の病気のある人は「車中泊は避けた方がいい」という。

冷房の入るホテルに避難する っていいアイディアなんですけど、仕事や家事や学校があったりして、みんなが使える技じゃないですよね。それにそこまで移動する手段として、あるいはエアコンの利いた車内で車中泊する場所として、 エコノミークラス症候群になりにくいような車 具体的には、フルフラットに出来て足を伸ばして寝られる車を持つってのは、割と現実的な対応策ではないかと。

例えばホンダのN=VANとかよさそう。フルフラットになるし、車高が低いから、年寄でも乗りやすいんじゃないかな。普段使いにどうなのかは知らないけど。(都会に住んでて、車を持つ必然性がない って人は、どうすればいいのかな・・・各自考えてみてください)

ただし、被災時にはガソリンスタンドも一杯になってしまうので、家にある程度のガソリン備蓄があるといいですよね〜。

そういやうちには小型トラクターのため、畑の物置に10Lほどですがガソリンの備蓄がすでにあります(笑)そういう点を考えると、田舎の農家ってのは割と災害には強いかもしれないですね。

都会だと苦労するであろう(そして深刻な問題である)生ごみや排泄物の処理についても、「最悪自分の畑に埋めちゃえばいい!」って手段が取れますので。

と記事を書いてて見つけたのですが、↓この記事すごくためになります。僕の駄文読むより、これ読んでください。(って、ここまで来て言うな〜)

筆者の自宅も50時間停電 「マイカー避難」で感じた4つの重要ポイント

見出しだけ書かせてもらっちゃいます。実際に被災された方の意見だから、説得力あります。他山の石として、自分のためにも備えておきましょう!

■猛暑の中、クーラーが効かない過酷さに耐えられず、マイカーに「避難」
■停電していない地区の情報をつかみ、車で脱出
■停電・猛暑の中のマイカーは最も優れた「避難場所」だった
そこで、大規模停電時に「マイカー避難」をするにあたって、私自身が感じたこと、皆さんにぜひお伝えしたいことをピックアップしておきたいと思います。

1) 停電時は信号もストップ。交差点は要注意
2) 車中にスマホ・携帯充電用の「シガーソケット電源」を完備しておく
3) ガソリンを携行缶に備蓄しておく
4) 車のトランクには飲料水と保存食を
■マイカーを所有していない世帯の方々に最大限の配慮を

の自宅も50時間停電 「マイカー避難」で感じた4つの重要ポイント

野間大坊(2) 三景艦

そもそも野間大坊ってなんでしたっけ?と言う方は、その1を読んでおくれ。そっちが普通の神社訪問記です。

今回は、その野間大坊で見つけた面白いものについて。それは艦オタの話。

これはね、「三景艦」の主砲弾です。すごいですね〜。

というか、「さんけいかんのしゅほうだん」 と聞いて「おお、 なんでこんなものがここにあるのだろう? 」と反応できちゃう人は、相当重症なんで気を付けましょうね。

結論を先に言うと、 「三景艦」 と言うのは、日清戦争当時の日本の主力軍艦です。

「日本三景」ってのがありますでしょ、松島(宮城県松島町)、天橋立(京都府宮津市)、宮島あるいは厳島(広島県厳島神社)の三つ。その地名を取った、三隻の軍艦「松島」「橋立」「厳島」の主砲弾がここに飾られているのです。 日本三景の名を取ったので、 総称して「三景艦」。

日清戦争の主な海戦である「黄海海戦」で、日本海軍は清国の北洋艦隊(北洋水帥)と戦いました。(清国軍といいつつ、清国の直隷総督兼北洋大臣かつ北洋軍閥首領である李鴻章の私兵 というのが正確かもしれません)

当時「眠れる獅子」と恐れられてた清帝国ですが、清帝国の 為政者「西太后」は「日本も怖いけど、 軍閥でもある李鴻章の半ば私兵の北洋艦隊の増強にお金を費やすのも考え物だわ」 と思ったのか、北洋艦隊増強に充てる予算をネコババして「円明園」という庭園を造ってしまいました。

ってことで、 北洋艦隊の軍艦は当時の一流ではなく二流艦ではあったのですが、それでもその主力艦「定遠」「鎮遠」は排水量7000t、30センチ連装砲二門を持つ強力なドイツ製軍艦でした (後の日露戦争時の日本の戦艦「三笠」排水量15,000tの主砲も 30センチ連装砲二門ですから) 。それに主要部の装甲はめちゃくちゃ厚い不沈艦です。

こんな感じの船です。(オタキング宮崎駿・画)

宮崎駿「宮崎駿の雑想ノート」 旗艦「定遠」

対する日本海軍は、 これに対抗するためフランスに3艦の建造を発注します。でもこっちはこっちでもっと金がない。 30センチ砲を凌駕する 32センチ砲を載せる・・・のはいいんですが、 排水量4200t の船に 32センチ砲 を1門だけ載せたのです。こいつで定遠の装甲をぶち抜こうってわけ。 日本に引き渡され、 「松島」「橋立」「厳島」 と命名されます。

日露戦争後の日本海軍の思想に「百発百中の一砲、よく百発一中の敵砲百門に対抗しうる」っていうのがありますが、実はもっと前から日本海軍はそういう発想だったんですね。というかそれが日本の国力の限界だったわけです。それでも頑張って3隻造りました。こんな船です。

宮崎駿「宮崎駿の雑想ノート」 「厳島」 (旗艦松島のみ主砲を後ろに配置)

で、小型艦に載せた巨大な主砲の「百発百中の一砲」 効果はどうだったのでしょう?

砲のサイズに対して台座となる船が小さすぎ、32センチ砲(主砲)を旋回させると船が傾きすぎ、それでも打つと船の進路が変わちゃったそうです。台座が動いちゃったら、主砲打っても当たらないわね(笑) 。

実は船を造るとき、フランス側が「さすがに砲に対し船が小さすぎるんじゃね?※」って忠告してくれたのですが、押し切って造っちゃったそうな。「バランスいい船より戦力のみ重視」ってのも日本海軍の悪癖(笑)。

てなことなので、実際の戦闘ではほとんど主砲を打つことはなく、副砲として装備した英国製の12センチ速射砲※を打ちまくったそう。で、余った主砲弾がこのお寺の境内に祭られていると・・・

この時の英国製の速射砲というのがアームストロング砲。 「定遠」「鎮遠」 の主要装甲部は一発も打ち抜けなかったそうですが、装甲の無い一般部をスクラップ化したそうです。 砲の信頼性が高かった?のか、以後建造される日本の戦艦は、 アームストロング 社をはじめとするイギリスへ発注されることになります。

対する日本側は旗艦松島に鎮遠の主砲弾が一発あたり、 大穴を空けられ大破。結果を見る限り日本側の射撃は正確だったようですが、当たったのは小口径の砲が多かったので、清国側は被弾数の割に軽微な被害で抑えられたようです。(艦隊としては数隻沈没しているので、全体の死傷者数は清側の方が多いです)

「松島」  被弾13発・死傷113名 大破
「厳島」  被弾8発・死傷31名 小破
「橋立」  被弾11発・死傷13名 小破

「定遠」  被弾159発・死傷55名 中破
「鎮遠」  被弾220発・死傷41名 小破

※軍艦においては、装備する主砲とその台座となる船の大きさ(排水量)をどう考えるかと言うのは大事な視点なのです。大きな砲を打てば反動もでかい、それを吸収するための大きな船体が必要になるのです。

 昔読んだ本の中に「戦艦大和がすごいのは、それが 64,000t という巨艦であることではない。むしろ46cm砲を9門も積んだのに、船体をその大きさに抑えられたことがすごいのだ」という一文があったことを思い出しました。 こういうことなのかな〜。

*追記  三景艦や定遠・鎮遠、そして黄海海戦について、さらに詳しく知りたい方は、 戸高一成「海戦からみた日清戦争」角川新書2011または「日本海軍戦史」角川新書2021 をオススメします。 日清戦争の海戦及び当時の造艦思想になると、手軽に入る本がなかなかないですから。 

ちなみに僕が持っているのは後者ですが、これは旧著三部作(日清、日露、太平洋戦争を扱った)の合刊らしいです。海戦や軍艦に興味がある方なら、合本で1700円はお買い得なんじゃないかなあ。

著者は言わずとしれた大和ミュージアムの館長さん。この人、多摩美大出身なのかあ(以外でした)。日本艦船の鳥瞰図集を安価に出してくれないかなぁ・・・