衆院選、不在者投票行ってきた

31日は仕事なので。

僕が投票にあたって持っている思想は次のとおりです。

「およそ戦というものは五分をもって上とし、七分を中とし、十分をもって下とす。五分は励みを生じ、七分は怠りが生じ、十分は驕りを生ず」

武田信玄の、戦争に関しての言葉とされます。解説はこちらから。

油断や驕りは、成功の敵となる

五分の勝ち方であれば、次も勝てる保証がないため、その戦の内容を吟味して改善策を模索します。しかし、七分の勝ち方をしてしまうと「同じ方法で次も勝てるだろう」という甘い考えが出てしまって、戦の内容を吟味する気持ちが薄れてしまいがちです。
そして、完全勝利ともいえる十分の勝ち方をしてしまうと、「自分は天才かもしれない」などと驕り高ぶり、相手をあなどってしまう可能性があります。

悩みが消える! “歴史・偉人”の言葉~武田信玄の巻~ みずほ銀行

みずほ銀行さんのHPから引用しました。見事な解説ですけど、「度重なるシステムトラブルを起こしているおまえんとこは、いい加減、十分な勝ちを目指せや」とは思いますな (笑)

それはさておき、衆議院選挙って権力闘争、戦争と同じことでしょう。某政党が大勝して長期政権化すると、怠りが生じたり、驕りを生じることは、これまで見てきたとおりです。

てか、民主主義を取る国における、権力に縁のない庶民としては、権力者に大勝を与えてはいけない というのは、「人民の人民による人民のための政治」の要諦ではないかと思うのです。

ってことで、「自民党にだけは投票しない」というのが僕の原則になります。そこが政権与党になることはほぼ確実なので、僕までそこに投票して、うっかり大勝させてはいけないということです。

小選挙区(愛知12区)

 愛知12区では、自民党候補と立憲民主党候補の二人しか出馬していません。原則からすれば、立憲民主党の候補に一票。正直、民主党系列に投票したくはないのですが、他に選択肢がない・・・

比例代表(東海選挙区)

 日本維新の会に入れました。東海地方の候補者は全然知らないし、維新の議員って何かと不祥事で名を上げている、「駄目の集まり」という気もしますが・・・、それでも維新を押したのは、まあその公約がまともだと思ったから。聖人君主でなくとも、評価できる政策をきちんとやってくれれば(まずは打ち出すことから)、政治家はOK。 田中角栄がいまだ人気があるのは、結局そういうことだったんじゃないかな。

今回の選挙では、各党様々なバラマキを打ち出していますが、維新はバラマキの一種として「ベーシックインカム」の導入も検討していること、そして「高すぎる国会議員報酬と議員定数を削減する」と公報公約に書いてあったからです。まあ公約とは、選挙に勝つための方便だとは理解してはいますが。

僕はベーシックインカムって、ちょっとおもしろくね?と思っているんです。 ちょうどそんな記事が出ていたので、紹介しておきます。タイトルがうまいよね。「最もまともな「バラマキ」を掲げる政党はどこか」って。山崎さんのタイトル付けはいつも感心してるけど。

筆者は、広く国民に現金を届けるバラマキ政策を悪いと思っていない。むしろ、特定の業界や企業を利する不公平な重点的(同時に利益誘導的)財政出動よりも、はるかに「よいもの」だと思っている。
純粋でかつ大規模なバラマキ政策の代表は「ベーシックインカム」(国民に一律に一定額の現金を定期的に支給する政策)だが、各種の具体的なバラマキ政策は、ベーシックインカムをいわば「ベンチマーク」(=比較の基準)とすることで評価できると考える。政策としてのベーシックインカムの長所を以下に列記する。

最もまともな「バラマキ」を掲げる政党はどこか 山崎 元 : 経済評論家

次。まじで国会議員とかあんなに人数要らなくね?ろくに仕事しないくせに。

  • 日本   人口1億2千万人 衆院議員465人、参院議員245人 
  • アメリカ 人口3億3千万人 下院議員435人、上院議員100人

アメリカを基準に考えると、明らかに日本は国会議員の数が多すぎます。「アメリカは大統領制で、日本は議院内閣制だから単純には比較できない」という反論もあるでしょうけど、だったら日本も大統領制にして、国会議員の数を減らしたら、経費節減できて良くね?アメリカが運用できて、日本が運用できない理由はないですよねえ。

そう言えば、アメリカの上院は、「合州した国」の議会だけあって、それぞれの州から平等に議員が2名ずつ選出されます。んでちょうど50州あるので、上院議員が100名定員なわけ。

大統領制にしなくても、日本もこのシステムに習えば、参議院議員は、47都道府県から2名ずつの94名まで減らせますよね! こう決めてしまえば、一票の格差がどれだけ広がると違憲なのか?とかいう不毛の(言いすぎだが、結論の出ない問題だから)議論を、少なくとも参院に関してはしなくて済みます。

んで、余った国会議事堂の部屋はコロナウイルス専用病棟にしましょう。国会議事堂は、会議とか会食で、日本一高齢者が密で会話することの多い空間だ思うけれど、その割にクラスターが発生しない聖空間ですから!そこで困ったことは、すぐ対策を考えて立法できるし!

国会議員の給与とか福利が恵まれすぎなことは、丸山議員がよく暴露してましたね。 あ、この人、除名されたけど元は維新の党だっけ。

 丸山議員は「この時期に国会議員へボーナス!? 冬季期末手当(=冬のボーナス)の日割りで衆議院議員へ額面188万円。14日解散に伴って20日に支給予定とのこと」とつづり、「公務員も民間もボーナスは基準日越えなきゃ出ないルールが多い中、議員が日割りかよ。国民への現金給付は一律を渋ったり男性差別まで言い出してるのに」とも嘆いた。

丸山穂高議員。衆院解散に伴い、冬のボーナスが20日に日割り支給されることを「暴露」…フォロワーからは浮世離れの議員特権に憤りの声

議員の身を晒す?情報暴露は評価するし、それに対する意見は「まとも」でしたね。他はしらんけど。

信玄戦略に近い思想を持つ周りの複数人から、「真面目に野党やっている日本共産党がよくね?」という声も聞こえてきます。 その意見には同意するんですが、そして彼らの「真面目さ」や「真摯さ」に敬意を払うけれど、元公務員(行政実務部隊の一員)であった僕としては、その理想論かぶれと現実感覚のなさには全面的には賛同しかねるところもありまして・・・パスです。

最高裁判所裁判官国民審査

形式的国民主権を守るため、判断基準もよくわからん、こんな面倒なこと国民に押し付けるなよ(というか、それ以外に国民に判断を仰がなければいけないことあるんじゃないの?)というのが本音ですが。

それでも真面目な僕は(個人的には、こういうの割と好きなんだと思う)、審査広報で各裁判官の主要な裁判の項を読んで、 夫婦別姓を認めない民法が、憲法24条に違反しない と判断した最高裁裁判官に☓をつけました。 

法律の専門家でない国民に問うているわけだから、これは法律の問題ではなく、「この判断を下した人はアナタの常識から考えて、このポストにふさわしいと思うか?」 を問うている問題だと思います。(少数派ですが、最高裁で「憲法に違反する」と判断した裁判官もいますから、法的にも暴論ではないと思いますが)

民法第750条 
夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。

憲法第二十四条
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
② 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

婚姻が両性の合意のみに基づいて成立することは、保守層にも「伝統ある日本の家族」と認められるであろう、皇族家が身を持って示されているところです。

 婚姻自体が「両性の合意のみ」にて決まると憲法にあるのに、行為の結果生じたに過ぎない「名字をどうする問題」が「両性の合意のみ」では決められず、法律ごときに縛られるってどういうことなんだろ?と思います。

行政実務で問題がなければ、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により「どちらかの姓に統一」か「別姓で行くか」を決め、それを維持すればよいことでしょう。諸外国では別姓もあり得るんだから、工夫すれば行政実務で問題は生じないでしょ。

ちなみに僕は「名字」なんてただの符号としか考えておらず、変えるにも全く抵抗ないので(てか、なくてもいいと思う)、個人的にはこの問題は「どうでもいい」です。ただし、「結婚しても自分の名字にこだわりたい。でも同時に相手にもそういう気持ちがあるなら、それも尊重したい」という人がいたら、その気持ちは尊重すべきだ と思います。

 参考記事 似たようなことは、多くの人が考えたようで、NHKが特設サイトで「あの裁判での判断は?」審査対象の裁判官がどのような判断や意見を示したか を一覧にしています。前から当然あって然るべきHPだとは思うけれど。

NHKがその「マニアックな投票」にとてつもない労力を割いた「最高裁判所裁判官 国民審査 2021 “憲法の番人” ふさわしいのは」という特設サイトをオープンさせた。「きっかけは『裁判官1人1人がどんな判断をしたのかわからないと審査のしようがないのでは』という記者の素朴な問題意識です。


2021年6月に決定がなされた「夫婦別姓訴訟」は男女平等意識の高まりから、その判断の行方が非常に注目された裁判だ。
 この裁判には15人の裁判官が出廷し、合憲と判断した裁判官は11人(このうち、今回の審査対象裁判官は4人)、違憲と判断したのは4人(このうち審査対象裁判官は3人)である。ただし、合憲判断をしたからといって夫婦別姓賛成派と敵対しているとは限らない。合憲と判断しながらも、補足意見を述べている裁判官もいる。

《11人中9人が東大法学部卒》「最高裁裁判官の国民審査」って何を見ればいい? NHKがマニアックな特設サイトを作った意外なワケ

 

日本には、祭りが必要じゃね?「総裁選祭り」をもっと盛り上げるためなら?

29日に投開票が迫る自民党総裁選。17日の告示前からテレビのワイドショーなども連日、4人の候補者を様々な角度から取り上げ、野党からは「自民党一色」と批判の声もあがる。なぜテレビは、こぞって総裁選を取り上げるのか。
コメンテーターとしても活躍する放送プロデューサー、デーブ・スペクターさんは「コンテンツとして非常にありがたいから」と話す。
 「ラーメン激戦区とかスズメバチ捕獲の話題より、動きを追いかけながら毎日同じテーマを継続してやりやすい。候補者を呼べばそれなりにビッグなゲストだし、将来の総理に貸しも作れる」。さらに、視聴者層は選挙があれば投票にいく年齢層で、各候補が競う政策は生活に直結するため、関心を呼びやすい。「特に今回は、例年の『出来レース』とはだいぶ違い、候補者4人に個性があって面白いですから」
 ある民放局の情報番組のプロデューサーも「誰が選ばれるのか結論がわからず、政治が動いているときはある種のエンターテインメント。制作側としては、こういうときには取り上げたくなる」と話す。

ワイドショーも自民党総裁選でもちきり こぞって取り上げる事情

ニュースでも連日、いやになるくらい自民党総裁選が大きく取り上げられています。 冷静に言うと、自民党の総裁選って自民党員及び自民党の国会議員にしか投票権はないので、非自民党員ではない僕や大半の視聴者にとって、直接の関係はない・・・ ですが。

それでも注目を集めるのは、自民党が与党である現在、自民党総裁になること が、次の内閣総理大臣になること と同義だからです。 それとともに、記事の通り「動きがあってオモロイ」こともあります。

専門家と称するオオカミ少年連中が、代案を何も打ち出さず「心配だ」「危険だ」とばかり脅してくるニュースがメインの昨今、コロナ対策では目が死んでた政治家連中が、自らの浮沈を賭け、生き生きと動いたり、それなりに議論しているのを見てたら、これはこれでいいものかも とか思ったり。 

目が生きてる政治家・・・「感動をありがとう」という風潮にもなった、オリパラ報道と同じような位置づけです。誰も「明るい見通し」を与えてくれない今の日本には、選挙でもスポーツでも、前向きになれそうな「祭り」が必要なのかも。それなら、祭りはできるだけ長く大掛かりな方がいい。

塩野七生の長編「海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年」の終章近くに、次のような言葉があります。

ヴェネツィア共和国は、その一千年を超える歴史の中で、いく度か、西欧の人々に「神話」を与えた国である。上昇期にあった時代は、自国の独立への執着が、ついで最盛期には、政治と外交の巧みさが神話であった。そして、十八世紀のヴェネツィアは、限りない快楽の都という印象を、同時代の西欧の人々に感じさせたのである。・・・栄枯盛衰が歴史の理ならば、せめてこのヴェネツィアのように、優雅に衰えたいものである。

文庫版下巻PP506「第十三話 ヴィヴァルディの世紀」より  

ついつい、ヴェネツィアを日本と読み替えてしまいます。・・・祭りが快楽の都にまで昇華できるか・・・は知りませんけど、どうせ死ぬなら「祭りで麻酔にかかって徐々に」というのも、まあ一つの道かもしれませぬ。

ってことで、自民党総裁選をより大規模な祭りにするため、いろいろ制限はあるでしょうけど、自民党総裁選のあとに、全国民が参加(投票)できる首相直接選挙とか、制度を作り変えたらいいと思うなあ。アメリカは4年に一度、1年近いお祭り騒ぎしてます。

次のアメリカ大統領は誰になるのか─。4年に1度の大統領選挙(大統領選)が、すぐ目の前に迫ってきている。お祭りのように盛り上がっているが、一体どんなしくみで決め、どんな人がなるのだろう。

アメリカ大統領選が派手な「政治ショー」になる理由とは?

それじゃ、愚民政策の「パンとサーカス」じゃねーか、と言われるかもしれないから(個人的には、それもいいんじゃね と思うけれど)少し真面目に書くと、日本では与党と野党の力関係に差がありすぎ、政党の力関係で動く国会(政府を監視したり代案を出したり)がうまく機能していません。最近では、政府に「開いても答える気ないから意味なし」と判断され、開催さえされませんが。たとえ開かれても、頭のついてる議員は「時間の無駄」と寝てる次第です。

だったらこのまま引き続き、各党の党首が首相を目指す「日本国首相選」をやったら、いろんな意味で議論も盛り上がるんじゃないかと。 

各都道府県の首長は直接選挙で選ばれるんだから、憲法の規定を変えれば、日本国首長を直接選挙で選んでも、大きな問題はありますまい。 直接選挙で選ばれた各都道府県知事は、主にコロナ対策での政治手腕やコミュニケーション能力が垣間見れ、玉石混交の面はあったけれど、それなりに面白かったです。

おしなべて今の首相よりは皆さん「前向き」「一応質問には答えようとはしていた」ように見えてよかった。それもこれも、直接選挙で選ばれるため、より世論を重視せざるを得ないから かもしれません。自民党内だと、世論より、長老を見ていることが大事ですから。

 

どうして日本は総理大臣を国民投票で決めないの?
 自民党の総裁選が連日話題ですが、推薦人が一定数以上必要だったり、自分の所属する派閥や党の「長老」にお伺いを立てて、出馬できなかったり……というのを見ていると、素朴に、総裁選が国民投票にならないのは何故かと思ってしまいます。アメリカなどはもっと大統領を決めるときにも国民が参加しているように思うのですが、なぜ日本では総理大臣を国民投票で決めないのでしょうか。(40代・男性・会社員)

総理大臣を「党内選挙」で選ぶ日本…池上さん、国民投票で決めたらダメなんですか?

良い質問ですが、「自民党総裁選」と「総理大臣選」を混同しているとこは残念でしたね。 対する池上さんの答えは、「仕組み」を説明しただけで、質問の「なぜ?」に直接的には答えていない、つまらない解答だったけれど。 んでも、この疑問は結構皆さん持ってるんじゃない?