来ない10万円給付に考えた。

コロナ対策10万円応援金の申請書、まだ来ないよ〜。

僕はマイナンバーカード持っているし、ICカードリーダーも持っているので、意の一番にオンライン申請して、早くお金を貰おうと思ったんですが。しかし「給付申請は世帯主が行い、世帯主に振り込まれるので、世帯主がマイナンバーカード持ってないとダメ」だそうです。僕は世帯主じゃないので・・・。

しかしまあ、政府が個人に配布すべきものを、なぜ「世帯主にまとめて」振り込むなどと怠惰なことをするのでしょう?もちろん世帯主に配布するほうが手間なく早く配布できる ということはあるかもしれませんが、「世帯主に配布したから、家族内の配分は知らん」と言うのは、戦前の戸主制度が生きている時代ならともかく現代においては無責任じゃないの。

家制度(いえせいど)とは、1898年(明治31年)に制定された民法において規定された日本の家族制度であり、親族関係を有する者のうち更に狭い範囲の者を、戸主(こしゅ)と家族として一つの家に属させ、戸主に家の統率権限を与えていた制度である。 

wiki家制度

補足:日本国憲法成立にあたり廃止されています。

10万円なぜ世帯主に給付 「要求、死ぬほどストレス」
新型コロナウイルスの感染拡大に対応して安倍政権が打ち出した1人10万円の現金給付をめぐり、世帯主の口座にまとめて支給する方法への批判がやまない。家庭内暴力(DV)被害を受けて世帯主から逃れている人や家庭内でDVを受けている人、虐待などで家にいられない子どもなどが給付金を受け取れない心配があるためだ。実際、東日本大震災ではお金を受け取った世帯主が使い込んでしまった例もあったという。

朝日新聞

そもそも、「給付をこちらから申請する」ってのも変な話ですよね。「困ってんだから、お願いだから申請なしにすぐ振り込んで」 っていう人も多いんじゃないかと。 

まあ現状は「国と個人の間に、使える直通の支払いルートがない」のも理由なんでしょう。一応そのあたりは自民党も対策を考えているようで。

マイナンバーと銀行口座をひも付ける制度を自民党が提言します。 自民党は今回の10万円給付を巡り、時間がかかっていることなどの状況を踏まえ、現金を給付する際の新たな仕組みについて議論をしています。具体的にはマイナンバーと銀行などの口座情報をひも付けて、速やかに給付できる制度を近く政府に提言する経済対策案に盛り込む方針です。ただ、「口座を国に管理される」などの懸念もあり、本人の同意を得たうえでひも付けを行います。議員立法も視野に入れていて、今の国会での法案の成立を目指します。

Yahooニュース

個人的に、マイナンバーを活用するの、いいと思うんですけど、不人気なマイナンバーに口座紐付けは「口座を国に監視(?)される」って評判悪くて実効性低そう。

なので、既存のシステムの中で使えそうな代案を考えました。

「年一回、個人所得税の確定申告を各人(成人)に義務化する」

税務署に所得税の確定申告をすると、納税が必要な場合、あるいは税金の還付がある場合、銀行口座を登録し、そこで入出金がなされます。 つまり、国と個人に直通の支払いルートができるんです。しかも年一回の確定申告で生存確認と厳密な本人確認済みなので(ここでマイナンバーカードも使える)、このルートを使って今回のような給付金も勝手に入れてくれればいいんです。

てか、これがアメリカの給付金配布が早かった理由なのです。

アメリカでは毎年の確定申告を自分でするアメリカ人が多い。日本では個人事業主以外はすべて会社がやってくれるがアメリカは違う。一般的な会社員はほぼ全員が自分で行う。 

しかも最近はじまった制度ではなくずっと昔からで、その際にソーシャル・セキュリティ・ナンバー(日本でいうところのマイナンバーのようなものだが保管管理意識はまったく違う)を使って申請する。

また、単に申請するだけでなく、人によっては追加の税金を支払ったり、逆に払い戻しがでたりもする。なので、銀行口座を連携して登録している人が多い。そして、インターネットが普及し、Eファイリング(オンライン申請)も幅広く使われるようになり、多くが電子管理されていたので、今回のように素早く給付金を支払えたのである。

ミスもあり特別有能でもない。それでも米国の給付金が早い理由 (gooニュース)

日本もこうしたら良くね? しかも日本でも、ネットを使った確定申告申請システムは、そこそこいい感じで出来上がっているのです。 

さらに、日本でも自営業者と会社員でも高給取りの人は年一回の確定申告が義務です。多数派の「普通の会社員」は「やらなくてもいい」のでやらず、代わりに生命保険料支払い等の書類を会社に提出して終了してる人が多いです(「年末調整」と言います。確定申告の一部を、会社が本人に代わり申告してくれているイメージ)。

会社が代行してくれているのを、個人が確定申告する形にしたら面倒だよ・・まあそうなんですが、次のようなメリットもあります。

①個人情報を会社に見せる必要がない・・・ 本来、ある家庭がいくらの生命保険に入っているか とか、自宅の火災保険や地震保険にいくら入っているかってのは、重要な個人情報のはず。 

「とある会社で個人情報の管理が杜撰で外部に流出した」という報道もよくあるし、みなさん個人情報の保護にはウルサイですよね。でも、自分の会社に「仕事に関係のない」個人情報まで教えるの抵抗ないですか?自分の会社はすごくしっかりしていると思ってるんでしょうか?・・・実態を知ってるだけに余計怖い って思うの僕だけ? 

まあ、逆に会社側は本当はそんな個人情報、危ないだけで扱いたくはないのです。本来、会社が関わる必要はないのです。法律で「年末調整は会社の義務」とされているので仕方なく無償奉仕やってるだけ(※)。

なので、個人が確定申告し年末調整がなくなれば

②「生産性が低い」って言われる日本社会で、すべての会社の生産性が上がります。・・・社員全員に書類を渡し、記載方法を教え、添付の書類を集め、記載に抜かりがないかをチェックし、ミスがあれば税務署から問い合わせの電話に対応する「利益なしの大仕事」が無くなるんですからね。

③全員が確定申告するようになると、政府の税金の使い道を厳しくチェックするようになる・・・確定申告の書類づくりは確かに面倒なんですけど、自分の給与支払額から様々な経費を差し引く積み上げ計算の結果、「げっ、俺ってこんなに税金払ってるんだ」と言うことが実感できます(笑)。会社に任せておくと、最後に結果の紙が一枚来るだけで、あまり見ませんから。

すると政府の税金の使い方が無駄が多くて腹が立つ、文句の一つでも・・・これが本当のtaxpayer(笑)。

ゆくゆくは支払う税金を安くできるかも・・・少し頭脳労働が必要ですけど。自分で計算していく過程で、いろいろ税金を控除する方法を考えるようになります。生命保険控除つかってみようとか、ふるさと納税はいくらまでやるのが最適解なのか とか。これは手を動かさないとわからないところです。

個人的には、この③の機能も、日本では足りてないような気がします。早い給付を可能にするだけでなく、それを含めアメリカ型の納税制度に変えたらいいと思うんです。さらにいくつかの役所を廃止・統合して「歳出入庁」設立まで行くといいと思います

「歳入庁」という誰も反対しない構想が実現しない理由 山崎 元:経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員


「公の共通集金人」という効率的で公平な仕組み
税金に加えて、年金、健康保険、雇用保険などの社会保険料の徴収、ついでに付け加えるならNHKの受信料なども、「公の制度として集めることが必要なお金」なのだから、一括して強制的に集めて、それぞれの財源として配分するなら、効率がいいし、何よりも徴収漏れに伴う不公平が起きにくい。これを実現する仕組みとして、海外に例があることもあって、期待されている有力なアイデアが、「公の共通集金人」とも言うべき歳入庁だ。

 現在の安倍政権の下でも、かつての民主党政権下でも、構想として歳入庁の設立を言う政権のブレーンは時々いる。しかし、これが大きな流れになったことは一度もない。他方、歳入庁設立構想に対する具体的な批判の議論も聞いたことがない。

ダイヤモンドオンライン

この記事の「歳入庁」に、給付金を歳出する機能も載せて「歳出入庁」に変えたら、より困窮している(であろう人)には30万円とか、きめ細やかに額を変え、無駄も少なく、申請なしに一発給付できると思うんです。ま、記事の通り、反対派ないけど実現しないでしょうね。

なぜ会社が、属する会社員の代行として無償で年末調整をやらなければいけないのでしょうか? もちろん法律で決まっているんだけど、(所得税法第196条、所得税法施行令第319条あたり)法の趣旨が知りたいです。

本来、個人所得税の納付手続きなんだから、関係者は国と個人だけです。会社員の所得税は、給与額から各家庭に応じた個々の控除額を差し引いたものに税金を掛けるんだから、本来会社は所得税額算定のための情報を持っていません。自分の会社が払った給与額は分かりますが、その会社員が副業やってたらその額はわからない。

だから、書類の作成と提出は個人の仕事、書類のチェックは国(税務署)の仕事のはずです。なのに関係のない会社はその無償奉仕作業を義務付けられ、黙々と従うって不合理じゃないですか?(税務署としては個人を相手にするより、会社を相手にしたほうがきちんとした書類が出てきてラク というのはあるでしょう。がそれは国の都合であって、会社には関係のないことだから。)

「お金持ちはケチ」って本当なのね。

政府が経済対策を盛り込んだ補正予算案を組み替えて10万円の一律給付を行うことについて、麻生副総理兼財務大臣は閣議のあとの記者会見で、給付は自己申告に基づいて行われることになるという見通しを示しました。

さらに、必要な財源については「10万円かける1億2600万人で12兆6000億円かかる。今までの予算が4兆円で、差額が8兆から9兆円出る」と述べ、赤字国債のさらなる追加発行が避けられないという認識を示しました。

NHK

さすが本物のお金持ちの麻生さん。首相が一律配布って言ってんのに、まだそこ頑張るなんて、アンタどんだけケチや と、僕はむしろ感心してこのニュースを聞きました。

お金持ちではない僕なんか、「みんなにあげて、いらん人はどこかに寄付すればいいし、所得税の対象にして配布すれば、所得が減らない人はその分税金で戻せばいいやん、選別に時間かけんと早く配布したって」と思ったんですが。

それに日本国って、2020年度の政府当初予算102兆6580億円のうち、3割を超える32兆5562億円を借金(国債)で賄っている(ここ数年ずっとそんな感じ)すごくリッチな金の使い方をする国なんですよ。

なのに今だけ「一律給付する」か「要望する人だけにあげるか」にこだわって、半額辞退があったとして、たったの6兆円程度ケチってもしょうがなくね? 

麻生さんには「だから君は金持ちになれんのだ」 と言われそうです。お金持ちは納得感があるものにしかお金を使わないそうです、よっぽど納得いかないのでしょう。

なぜ本物のお金持ちは「ケチ」といわれるのか

資産家といわれる人は、「納得感」があるものにしかお金を使わない傾向にあります。衣食住や子供の教育など、生活に必要なところにはお金をしっかりとかけますが(必要以上に華美ではありません)、納得できないものには1円でも使いたがらないように感じます。

東洋経済オンライン FP花輪陽子

納得できない理由。

麻生氏「同じ失敗したくない」 現金給付、一律では実施せず

 麻生太郎財務相は1日の参院決算委員会で、リーマン・ショック後の2009年に実施した一律の現金給付に触れ、「二度と同じ失敗はしたくない」と述べた。
 リーマン後の「定額給付金」では、全国民に1万2000円(若年者と高齢者は2万円)を配布した。これについて、麻生氏は「何に使ったか誰も覚えていない。(国民に)受けなかった」と振り返った。

JIJI.com

配った1万円が食費やら生活費に使われたら、いちいち何に使ったか細かく覚えていないのは当たり前だと思うんですけど。

でも10万円ってまとまった額をもらったら、僕だったら何に使ったか覚えているね(いま捕らぬ狸の皮算用してる)、麻生さんクラスの資産家だと感じ方が違うのかなあ?

あ、コレって行動経済学の理論(感応性逓減性)で説明できるかな。例えば、

あなたは何かに投資しています。その結果として①「あなたが持っている1万円が、2万円に増えました。」あるいは②「あなたが持ってる100万円が、101万円に増えました。」ってなった場合、どっちがうれしい?

どちらも儲けたのは1万円なんだけど、①1万円が2万円になったほうが嬉しさは大きいよね。これは「投資額が大きくなるにつれ、利得(損失)の受け止め方は鈍感になる」と言うことを示しているらしいんだけど、(利益率がちがうから、良い例じゃないな)それって

お金持ちと貧乏人に同じ金額のお金を配っても、ありがたみが全然違う ってことを示してるんじゃない?

麻生さんクラスだと、1万円も10万円もそう変わらんのかもな。

本来政治家という職業は、この辺りの貧乏人の感覚を想像できることが大事だと思うんだけど。そもそも選挙っていう泥臭い制度は、エリート出身者でも、それを感じ取るための通過儀礼のために存在してると思うんだよね。

と書いてて、ベスト&ブライテスト と言う本を思い出しました。

ベスト&ブライテスト〈上〉栄光と興奮に憑かれて (朝日文庫)
The Best & the Brightest―ケネディが集め、ジョンソンが受け継いだ「最良にしても最も聡明な」人材だと絶賛されたエリート達が、なぜ米国を非道なベトナム戦争という泥沼に引きずり込んでしまったのか。賢者たちの愚行を、綿密な取材で克明に綴るベトナム問題の記念碑的レポート。

Amazon

「なあ、リンドン。君の言うように連中は頭の切れる秀才かもしれんよ。けど私としては、彼らの中に一人でいいから、地方の保安官にでも立候補した人間がいれば、もっと安心して見ていられるんだがね」

安倍さんや麻生さんは選挙を潜って野党も経験したはずだけどなぁ・・・

今回の危機管理が必要な時に、様々な事象から、リーダシップが問われる首脳陣と補佐役が、そのあたりの感覚をそもそも持ち合わせていない ということが判明した。ってことが至極残念です。

※かっこいい政治家とは思わないが、二階幹事長とかはそういうのを感じとれているようだし、公明党もまだそれを感じるチャンネルを持っている ということは分かりました。それから各県の知事の間にも、この種の感受性有無があることがよくわかったなあ。