18きっぷの旅(6)中国山地と出雲砂鉄について総括

今回は旅行記じゃ在りません。が、一応この旅のまとめと言うことで。

1.中国山地を走破した印象

・中国山地を構成する山々はそれほど険しくなく、谷もそれほど深くはないと感じた。割と幅広い谷地形を利用し、水田が営まれ、集落が存在している。そしてそのような風景が山深くまで続く、ゆえに潜在的人口キャパシティーはかなり大きい。ただし現代生活においては農業だけでは暮らしていけず現金収入が必要なため、山仕事や製鉄のような産業が成り立たないと人は住めない

また、車窓において水田は目立つが、畑地は目立たない。減反もあんまり盛んじゃない感じ。

→山が比較的なだらかなのは、中国山地が古い時期にできた「準平原」だから。
→さらに、砂鉄を採取するためのかんな流しによる河川への大量の土砂投下によって、水田に使えるような広い谷が生まれた可能性もあるかも?
→畑については冬の日本海側は豪雪地帯で土地が雪に覆われるので、畑より水田耕作の方が有利なのかも。減反の代替作物である小麦も、冬作ができないので厳しいっすね。

・過疎は進んでいるのだろうが、同じ中国山地であっても日本海側より太平洋側の方が放置家屋などが多い印象。

→同じ沿岸部と言っても、太平洋側と日本海側では交通量や人口に大きな違いがある。つまり内陸部と沿岸部の格差は太平洋側の方が著しい。だからその分太平洋側中山間地から太平洋側沿岸部への人口流出が激しい のかも?

2.出雲砂鉄について

疑問「日本には他にも砂鉄が出るところがたくさんあるのに、なぜ出雲が有名なのか」  これは本で調べたらちゃんと答えがあったので、それを引用しておきます。

日本には出雲以外にも東北や九州などに砂鉄を産するところは多いが、それらはいずれもいったん生成した母岩が、風化崩壊して河川、海浜等に流出集積したもので、この間に大きく自然淘汰を受けている。この点で出雲砂鉄は一時的、その他は二次的の産物である。一次砂鉄は選鉱によって成分を大きく変化させ所要のものを得ることができるが、二次砂鉄ではこれが難しい。出雲砂鉄が特に良質と言われるのはこのためである。

奥村正二「小判・生糸・和鉄」

とまあ、僕の場合、観光しない車窓を眺める旅において、こんな風に車窓を観察し妄想しています。これはこれでなかなか忙しいし、面白いです。 傍目には夜飲み歩いてるだけ・・・に見えるかもしれませんが。

てなことで今回の「18きっぷの旅」シリーズは、これにて終了です。お付き合いありがとうございました。

18きっぷの旅(5)津山〜安城

津山9:58→10:53佐用11:03→11:32播磨新宮11:33→12:03姫路13:11→大阪14:13

津山を出たら、姫新線の終点である姫路を目指します。昼は姫路駅の駅そば。姫路駅を降りると正面に姫路城が見えます。天守を景観に取り込んで街づくりがされているんですね。

同様の手法は、東京駅(→皇居)でも使われていますが、視点の先に天守閣のようなシンボルがないため、姫路に比べると「ピントが定まらん感じ」です。

ともあれ、姫路から大阪に向かい一泊します。この時間なら愛知県にも余裕で戻れるし、京都で泊るのも良いかな と思ったのですが、一度大阪は梅田で「食い倒れ」して見たかったので。

大阪で泊ったのは、大阪梅田の丸一ホテルです。大阪駅から徒歩10分。梅田のグルメ街として有名な「お初天神」エリアに位置しながら、シングル一泊5000円程度で泊れます。大浴場もあるでよ。まあ部屋が新しくてきれいとはいきませんけど、十分許容範囲だし、朝食もついてます。 おススメです。

晩御飯は、一人なんで立ち飲みにしました。 「立ち飲みじんべえ」さん。梅田だからなのか、立ち飲みだからなのか、安くて旨くて最高に良かったっす。

感動したので、僕としては珍しくレシートが残っています(普段はすぐ捨てます)。締めて2,470円

  • レモン酎ハイ   390円
  • 刺身五種盛り   580円
  • 厚揚げ焼き    380円
  • 牛すじ豆腐煮込み 380円
  • トロトロ牛タン  180円
  • おにぎり&大根酢漬け 380円

おにぎり喰って満腹ではありますが、食い倒れの街でありますから、この後ラーメンも喰いました。近くの「麺哲」さん。有名店のようであります。おいしかったですが、酔っ払いがしめに食うラーメンにはもったいない。800円。

ゲフ〜。ごちそうさまでした。満腹でホテルに帰ります。

翌日は愛知県へ帰るだけ。ここはたくさん電車があるので、時刻表示は省きますが、大阪から京都への路線の途中にワークマンプラス水無瀬店があるので、そこをのぞいてみることにしました。

中部圏にも3店舗あるのですが遠距離のため、まだ行ったことがなかったのです。普通のワークマンには、ちょくちょくお世話になるけれど。

ワークマンはたいてい郊外の主要道に店を構えるので、なかなか駅から歩いて というわけにはいかないのですが、ここはJR島本駅から約1.2km、阪急水無瀬駅から350mと電車アプローチ可能。

私はこの辺りの土地勘がないのですけど、それでも「なんでこんな辺鄙なところにワークマンプラスを造ったんだろ?」」と思いました。が、ワークマンの対デカトロン社戦略の一環のようですね。

3月下旬か4月上旬に「WORKMAN Plus」の唯一の競合先であるフランス Decathlon 社(売上1.3兆円)が大型店を阪急西宮ガーデンズに出店します。当社はこれに先立つ3月21日にららぽーと甲子園に「WORKMAN Plus」を出店し、同日に路面の大阪水無瀬店を「WORKMAN Plus」に改装してDecathlon社を迎え撃ちます。両SC店の距離はわずか3kmですが、先手必勝で大規模な販促を行います。2店舗だけではDecathlonの大型店にかなわないので、関西地区のワークマン120店舗でアウトドア売場を強化して包囲網を作ります。1対120の数の優位で「西宮戦争」を制するつもりです。

2018.12.14 「WORKMAN Plus」の今後の出店計画

デカトロンは、フランス発祥の、世界最大のスポーツ用品チェーンです。良い品がそれなりに安いようで、ワークマンはこの会社を唯一の競争相手と見ているようですね。その日本1号店が 阪急西宮にできたから、対抗馬として・・・

 ワークマンって低価格高機能で好きなんですけど、この店もそうなんだけど、「欲しい色や欲しいサイズが品切れで手に入らない」ことが多くとても残念です。ユニクロだと割と在庫豊富にあったりするんだけど。でもこれってむざむざ来てくれた客を逃がしているんで、 1対120 の前にまずそこを改善すべきだと思う。

あ、そういえばJR島本駅の前に史跡「桜井駅跡」があります。ああ、ここが楠木正成・正行父子の訣別の地であり、唱歌に「青葉茂れる桜井の・・」と歌われた地なのですね。

題字は近衛文麿筆

兵庫のどこかだと勘違いしてたので意外でした。(島本駅の隣は「大山崎の油座」で有名な京都大山崎)wikiによれば「駅跡は歌のとおり森の中にあって静謐な雰囲気であったが、2008年に東海道本線において島本駅がすぐ傍に開業した」とのこと。島本駅はまだできて間もない駅なんですね。

桜井駅跡には楠木父子の皇室への忠誠を称えた碑が乱立し、乃木希典、東郷平八郎筆もあるんですが、一番珍しいのは 駐日英国大使ハリー・パークスの碑ではないかと。

” A tribute by a foreigner To the loyalty of the faithful Retainer KUSUNOKI MASASHIGE . Who parted from his son MASATSURA at this Spot before the Battle of the MINATOGAWA,A.D.1336.”

ここで家から「夕食に弁当買って来て」と指令が出たので、お土産と兼ねて「ジェイアール京都伊勢丹の「老舗・名店弁当コーナー」で老舗料亭のお弁当「一人前2,000円超」を買って帰りました。 いや一人前5600円の弁当が売っててビビりましたがな。ワタクシが買ったクラスの弁当でもとてもおいしい。いや下手に京都の料理屋で食事を頂くより、確実でおいしいかもしれませんなぁ。

その弁当はお土産で、僕がブランチとして食べたのは、京都駅構内で買った700円の駅弁(鳥弁当。写真左)です。結構安いんだけど、まあ比較のため、台湾は台北駅で買った80圓の鳥駅弁と並べてみた(なんの比較だ・・・笑)。

いずれが旨いかを問われれば、額田王風に言うなら、 「台湾をば  遠きてぞ嘆く  そこし恨めし  台湾ぞ吾は」でした〜。