ヒガンバナの咲くころ

彼岸花

時期になると土からいきなりつぼみがにょきにょきと出てきて花が咲いて、それから葉っぱが出てくる、桜みたいな妙ちくりんな植物です。(学名:Lycoris radiata

名前の由来は秋の「彼岸」の時期(秋分は9月23日)に咲くから ですが、「彼岸」ってなんだっけ?

彼岸(ひがん)とは・・・

①川の向こう側。普通この川は「三途の川」を示しておりまして、要するに「あの世」とか「浄土」を示すわけです。対義語は此岸(しがん)。川のこちら側ですんで、現世、つまり我々が生きている世を指します。同じ川の左右岸で世界が違う なんて、「流域」の考え方からするとちょっと納得し難いですが(笑)。

②春分の日と秋分の日とその前後3日間を言います。つまり春の彼岸と秋の彼岸がそれぞれ7日間あるわけです。

①と②を結びつけるのは、 春分と秋分でございます。この日の太陽は日本から見てほぼ真東から上り、真西に沈むんですね。(夜と昼の長さもほぼ等しくなる)

一方、日本では古来から「西方浄土」と言われ、彼岸(浄土)は西にあると信じられてきました。故に、太陽が真西に沈む時期が最も浄土に近づける日として、この時期に仏事を行う ということのようです。ただし彼岸は仏教の思想と言いつつ、日本固有の思想だげな。

ともあれ、田舎だとこの時期にばあさんたちがお供え物としておはぎを作ったり、お墓詣りに行ったりする習慣になっております。 あずきは邪気を払う食べ物として先祖の供養と結びついたそうな。

閑話休題。彼岸花に戻ります。

秋分までまだ10日近くあるんで少しフライングですけど。標高が高いところはもう少し早く咲いてました。

有毒植物なので、畦に植えるとミミズ(とそれを追うモグラ)よけ、墓地(昔は土葬だったので)の周りに植えて虫及び動物よけに植えられたそうです。

別名は曼殊沙華(まんじゅしゃげ)とかシビトバナ。 曼殊沙華とは仏教で言う「天の花」。サンスクリット語 majūṣakaが語源とか。ただし、純白の花らしいです。彼岸花は赤だぞっ(笑)。※

死人花は意味わかりますよね。

 

そういえば、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉もあります。最近はめっきり涼しくなりましたが、まああと十日もすれば、めっきり秋らしくなっている頃でしょう。

 

※近縁種には白い花もあるそうです。シロバナマンジュシャゲ(Lycoris albiflora Koidz.)