西尾の文化財(6)  真珠院「行場」  

西尾市の文化財リストを眺めていて、気になったのがこちら。「行場」ってなんなら?吉良の駮馬(まだらめ)にあるそうで、さっそく行ってみました。(市指定文化財)

場所と駐車場  近くに行くと看板が立っていますが、非常にわかりづらい立地です。地図はこちら。なお、寺は無住で駐車場はありません。様子を見つつ、路上に駐車するしかないかなぁ・・・

真珠院(道路から見たところ)
行場

上の写真が本堂です。無住。右手側に鐘楼があり、その裏に踏み跡がありますので、伝って少し奥へ行くと堂(行場)があります。さらに奥には歴代住職のお墓が。人気がなくしんと静まり返り、少し怖い。寺の聖域ではありますけど。

説明によると、駮馬出身の江戸後期の念仏行者である慈本尼(じほんに)が千日念仏行を行った遺構。天保6年(1835)に地元真珠院の住職となった慈本尼は、境内に建てられた行場内の千日箱に千日間籠もって念仏修行を行った。 とのこと。

説明看板

なにー。そもそもこの庵が間口2.14m 奥行2.94m 高さ2mしかないのに、さらにその中に千日箱を置いて、その中に籠ったと・・・千日箱は、幅76cm 奥行90cm 高90cmしかありません。 座ったら身動きできないがな。

(千日箱はきっと本堂にあるのでしょう。行場の中を覗いてもありません。)

鴨長明の方丈は、3m四方なので、これより一回り大きいですが、こんな感じだったのでしょうか?

コンピューターオタクを揶揄して「押し入れにパソコン入れておけば、後は時々ピザとコーラを差し入れすれば丸一日出てこないのよ、あの子」とか言いますけど、押し入れって幅180cm 奥行90cm 高さ180cmくらいはありますよ、普通。
PCがあれば、それでゲームとかできますけど、箱の中で念仏修行って、ひたすら念仏を三年以上唱え続けるわけでしょう?さすがに寝たり食事をするときは出てくるのでしょうが。 すさまじい修行だわ。

修行を通して、地獄・極楽を感見し・・・とありますが、さすがにそういうのも、見るようになるでしょう・・・。

お寺自体は、一般の人々のお墓がない(すなわち檀家がない)ためでしょうか、寺をどう維持してきたんだか、さすがに今では無住で少し荒れています。行場や文化財は市の文化財なので、最小限の維持作業はされているようです。

西尾市の中でも、「隠れ里」度は非常に高いと思います。静かな場所に行きたい方はどうぞ。あまり「観光する」 雰囲気の場所ではないです。

観光したい場合は、近くに東条城がありますので、そちらをどうぞ。東条城については、改めで紹介しますね。

 

 

投稿者:

モト

元河川技術者、現在は里山保全の仕事をしているおっさんです。西尾市在住の本好き歴史オタク。

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