学生時代、茨城県はつくば市に住んでいました。
暮らしてみると、茨城県って小さな地震が多いんですね。少なくとも、それまで住んでいた愛知県と比較すると(最近では、2月19日に県北で震度3、県南で震度2)。茨城県南部に地震が多いことは気象庁も認識していて、一説に「地震の巣」といういい方もあるくらいです。
2014.9.16 15:27更新【関東で震度5弱】茨城南部は「地震の巣」 気象庁、崖崩れに注意呼びかけ
茨城県南部は「地震の巣」(地震津波監視課長・長谷川課長)と呼ばれる地震の発生頻出地点で、過去にもM6程度の揺れが頻繁に観測されている。平成23年の東日本大震災後には、さらに地震活動が活発化した。
なんかの拍子に「茨城って地震多くてちょっと不安だよね」と言ったところ、とある県民曰く「これだけ小さな地震が多いんだから、地震のエネルギーだか歪が解放されて、でかい地震は来ないんだ」と。
「おお、なるほど~」と安心して5年間大きな地震もなく安心して過ごしたモトでしたが、はたしてこの理論は正しいのでしょうか?
結論から言えば、間違っています。
まず基礎知識
マグニチュードは地震そのものの大きさ(規模)を表す
震度は、ある場所での地震による揺れの強さを表す
だからこんな感じの発表文になります。
平成30年02月19日14時38分 気象庁発表
19日14時34分頃地震がありました。
震源地は茨城県南部(北緯36.1度、東経139.9度)で、
震源の深さは約50km、地震の規模(マグニチュード)は3.5と推定されます。
各地の震度は次の通りです。
栃木県 震度2 真岡市石島
茨城県 震度1 水戸市内原町
次にマグニチュードとエネルギーの関係
マグニチュード(M)と地震波の形で放出されるエネルギーとの間には、標準的にはMの値が1大きくなるとエネルギーは約32倍に、Mの値が2大きくなるとエネルギーは約1000倍になるという関係があります。M8の地震の1つでM7の地震約32個、M6の地震約1000個分のエネルギーに相当します。 気象庁
エネルギーをE(J),地震のモーメントをMとすると
log10 E=1.5M+4.8
と表されます。変形すると E = 10 4.8+1.5M
ここから、M=5の時E = 10 4.8+1.5×5,M=6の時E = 10 4.8+1.5×6,M=7の時E = 10 4.8+1.5×7
ですから確かに、5から6で10 1.5 (10√10=31.6)、
5から7で10 3(10*10*10=1000)エネルギーが大きくなります。
同様に計算すると、マグニチュード8の地震エネルギーは、マグニチュード2の地震の100,000,000倍(10 9)。ですからマグニチュード2クラスの地震が頻繁に来ても、大きな地震のエネルギーが削られて来なくなる なんてことは、残念ながらありません。文字通り桁が違うんですな。
つなみに、いや、ちなみに東日本大震災のマグニチュードは、9.0でございますから・・・計算放棄。