本日朝、島根県で震度5の地震があったようです。断層が原因の地震のようですが、その断層は、これまで知られていなかった断層の可能性があるようです。
「未知の断層」一連の地震の原因か…活発な活動
周辺で大きな活断層は知られていないが、過去には2回、今回と同規模のマグニチュード(M)6・1の地震が起きるなど地震活動が活発な地域とされてきた。・・・京都大防災研究所の飯尾能久教授(地震学)は「地下に未知の断層があり、一連の地震を引き起こしている可能性がある」と指摘する。
活発な活動をしている未知の断層・・・活断層かもしれませんね。
この記事を読んで「島根の例のように『発見されていない断層』は他の地域、具体的には自分の住む地域にも可能性としてあり得ることなのか?」 という疑問を持つのではないでしょうか。
その筋の本によれば、あっても不思議はなく、見つかっていない可能性も多いにあるようです。調査不足と言うより、判別が困難と言うのが実態かと。
例えば、比較的活動間隔の長いC級活断層として、三河地震を引き起こした「深溝断層」があるのですが、この活断層については事前の地形観察では見落としていたくらい見つけづらいものだったそうです。
そこから考えると、まだ他にも見つけられていない活断層と言うのは、あると考えるのが妥当な判断だと思います。
岩波新書423 松田時彦「活断層」より (再掲)
・活断層の定義「現在の地殻内部の力の状態のもとで活動してきた断層」
・活断層の活動度 平均的なずれ量の累積速度「平均変異速度」で表す。(僕の理解。活断層は間欠的に動くので、一断層の活動回数×断層のずれ量/時間をもって、平均的なずれ量を算出し判定)結果、活動度は3つに区分される。A級活断層 1000年あたり1m以上、B級活断層 1000年あたり0.1m~1m未満、C級活断層 1000年あたり0.01m~0.1m未満
・明治以降の内陸直下大地震は、各級の活断層からほぼ同じ数(2~3個)発生。級が一つ下がると、地震の発生頻度は1/10になるはず。つまり、活断層の数が、A級1に対しB級10C級100の比率で存在するはず。
・実際、A級活断層約100に対し、B級活断層約1000しかし、C級活断層はわずか数百しか見つかっていない。つまり、まだ見つかっていないC級活断層が多くあるはず。
・三河地震の震源となった深溝断層はC級活断層。地形観察だけでは見落とされていたぐらい見つけづらいもの。深溝断層の最近のトレンチ掘削調査では、少なくとも最近5万年以上動いてなかった。それが、昭和20年に突然動いた。
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