もうじきGWも終わり。僕にとってはGolden-workが終わるという意味で、月曜日と火曜日は久しぶりの連休です。 身体が休養を欲しているので、温泉に行くぞ~。観光しなくていいから、出来るだけ近くの温泉宿でゴロゴロ。
実は、西尾の周辺には知名度は低いが温泉がゴロゴロあるのです。
黒枠で囲んだところが、大まかな西尾市の位置。東隣りの蒲郡市にかけての海岸に臨む丘陵地には、温泉を含むなんらかの観光施設が存在するのです。確かに丘陵に登って穏やかな海を見る って、気持ちがいいですからね。 にしても、すごい開発度。
西から
- 吉良温泉 温泉街 塩化物泉
- 三河温泉海遊亭 一軒宿 大衆演芸とπウオーター温泉(?)
- 愛知子供の国
- 西浦温泉 温泉街 アルカリ性単純温泉 (以下4つの温泉は、総称して蒲郡温泉郷と言うそうな)
- 形原温泉 宿数軒 アルカリ性単純泉
- 蒲郡温泉 宿数軒 アルカリ性単純泉
- 三谷温泉 温泉街 塩化物泉
どれもこれも加熱が必要な冷泉で、温泉としての歴史は比較的新しいです。三谷温泉だけは行基が開湯したと伝わるほど古いのですが。
なんでこんなに温泉やら観光地が目白押しなのかと言うと、かつて蒲郡の地に、鉄道省に設置された国際観光局が「蒲郡ホテル」を建設し、全国規模の観光地として仕立てたからです。このホテルは国際観光ホテル建設計画として、全国から名乗りをあげた40の候補地の中から、横浜、雲仙、大津とともに選ばれたんですね。
論文「1930年代の国際観光政策により建設された「国際観光ホテル」について」によれば、
「国際観光ホテル」が建設される足がかりとなった「国際観光政策」は観光収入による外貨増収を目的とした日本で初の外国人観光客誘致策を展開したものであり、これが「空間」として具現化したものが「国際観光ホテル」の建築に他ならない。
しかし世の中にはいろんな論文が出てるんだなぁ。
蒲郡ホテル・1934年建てられた城郭風の建築。(経済産業省 近代化産業遺産指定)「華麗なる一族」のロケに使用。現在も「蒲郡クラッシックホテル」として営業。
蒲郡市・本州のほぼ中心に位置し、渥美半島と知多半島に囲まれた温暖な気候の海辺の街で、沿岸一帯が三河湾国定公園※に指定。明治期から全国的知名度を誇っている「景勝地竹島」と桟橋で繋がる橋の袂には、大正〜昭和初期に文人達が多く利用した料理旅館「常磐館」があり、菊池寛の「火華」をはじめ多くの文学作品に登場 (注・常盤館は今はない)
竹島・島自体が天然記念物(1930)。対岸と400mしか離れていないのに、島は暖地性の植生で、対岸の植物相とは大きく異なるという特異的な環境 が理由。
すべてwikiより
しかし「国際的に通用するホテルを建てて外貨を狙う」って、今も「民泊の解禁」とか似たようなことやってるような気もするな。あとホテル計画と歩調を合わせた竹島の天然記念物指定、今の「世界遺産」登録の観光戦略とよく似てるな(笑)。
ともあれ、いろんな後押しや、もともと風光明媚な場所だったことから、蒲郡周辺は一大観光地として栄えました。海水浴、潮干狩り、こどもの国やミカン狩りなんか。今では「ラグーナテンボス」も頑張っていますが、全体的にイマイチで、なかなか温泉街も厳しいようす・・・
しかし逆を言えば、過当競争の中で各旅館は頑張っており、平日であれば温泉一泊二食付きで1万円以下で、そこそこの料理と部屋、温泉が堪能できる手ごろなコースが複数選択できるのです。
ってことで、どこかいいとこへお出かけしてきまーす。
※1954年指定。国定公園と国立公園ってどう違うんでしょう?
答え。国立公園は国が直接管理しますが、国定公園は都道府県が管理する。ちなみに「国定公園」を英語で表記すると「Quasi-National Park」だそうです。「National Park」は「国立公園」。「Quasi-」と言うのは接頭語で「準」とか「半」を意味するので、まあ国立公園→国立公園(一級)、国定公園→国立公園(二級)と段位チックに考えれば分かりやすいかと。

元河川技術者、現在は里山保全の仕事をしているおっさんです。西尾市在住の本好き歴史オタク。