ピンぼけしてますが・・・この花の名前は「ネジバナ」です。花芽がらせん状につき、下から開花していく植物。名前は一度聞いたら、忘れられないですね。
どちらが右向き、左向きだかは分かりませんが、先ほどの写真と逆向きも普通にあり、本によると「どちらも同じくらい見つかる」そうです。
何かの本で、自然界は「左巻き」と読んだような気もしますが、この花の場合はあんまり当てはまらないようです。
ところで、なんでこの花はわざわざらせん状についているんでしょうか? いろいろ検索してみましたが、なかなか難問のようです。
「全方向に花が付いているから、茎が倒れないで済むため」という説もありました。面白い説ですが、末端に大きな花が咲いて、思いっきり茎が倒れている植物もありますし、別に茎が直立する必然性はないと思うなあ。それに、その理由なららせんを巻く必然性はないしねえ。
コーヒーブレイク
もちろん僕にもその理由は分からないのですが、この前、これに似た渦巻図を見たんです。それがこちら。
種ジャガの芽の配列です。
ジャガイモの場合、頂点の芽(1とする)から時計回りの場合もあるが、大部分は反時計回りで、下に向かって2周すると、同じ位置に同じ位置に5番目の芽が現れる そうで、これを2/5の葉序と言う
そうです。ネジバナの場合の序列は分かりませんが(数えてないけど、見た感じたぶんあるでしょう)、ジャガイモと同じように「花」芽が付いて、それがすべて開花すればネジマキ状に花が咲く状態になります。
すなわち、 ネジバナの茎=ジャガイモの塊茎 である Q.E.D.(笑)
ジャガイモの場合は、発芽しても日光を浴びられない芽を減らしたい(隣の芽とある程度の空間を確保する)ことと、できるだけたくさんの芽を出したい という矛盾する二つの要求を突き詰めたら、らせん状の葉序が解だった ってことじゃないかと思います。
芽や葉の場合は、日光を浴びることを欲するけど、花の場合はどうだって?
うーん。たぶん受粉のため昆虫を呼ぶのに、隣の花とある程度の空間が必要ってことじゃないでしょうか。停めやすい駐車場は集客の鍵だしね。さらに程よい距離に次の花があれば、虫も「おっ、らせん階段の先にもう一つ花があるじゃないの!もう一丁頑張るか!」って次も受粉してくれるかもしれないし・・・
2022年12月6日参考ページ追記
「ネジバナは一般的にピンク色の小さい花を螺旋(らせん)状に付けますが、私が見つけた個体は花が直線状に並んでいました。観察を続けるとネジバナの花の付き方は螺旋状に限らないことに気づき、興味を持って研究を始めました」
・・・
「ネジバナを観察した際も、近くに昆虫がやってくる場面を何度も見かけました」。「螺旋」という工夫を、葉や茎ではなく花にしていることから、「ネジバナは昆虫を誘引するために螺旋を描くのではないか」と考察した。
野外でのネジバナの揺れ方の違いから「花の配置が気流に影響する」と考え、「風洞実験装置」いう装置を用いて、煙を使い気流を観察した。
模型を用いて実験すると、「花により気流が変化すること」がわかった。ネジバナの花の配置は、昆虫に対して匂いを効果的に届けているのではないかと仮説を立てた。日本一の高校生の科学研究 なぜネジバナは「らせん状」の花を咲かせるの?
虫を誘引するため、「匂いを効率的に届けるため」の一手段ということかあ。なるほど、一理あります。