今回は旅行記じゃ在りません。が、一応この旅のまとめと言うことで。
1.中国山地を走破した印象
・中国山地を構成する山々はそれほど険しくなく、谷もそれほど深くはないと感じた。割と幅広い谷地形を利用し、水田が営まれ、集落が存在している。そしてそのような風景が山深くまで続く、ゆえに潜在的人口キャパシティーはかなり大きい。ただし現代生活においては農業だけでは暮らしていけず現金収入が必要なため、山仕事や製鉄のような産業が成り立たないと人は住めない
また、車窓において水田は目立つが、畑地は目立たない。減反もあんまり盛んじゃない感じ。
→山が比較的なだらかなのは、中国山地が古い時期にできた「準平原」だから。
→さらに、砂鉄を採取するためのかんな流しによる河川への大量の土砂投下によって、水田に使えるような広い谷が生まれた可能性もあるかも?
→畑については冬の日本海側は豪雪地帯で土地が雪に覆われるので、畑より水田耕作の方が有利なのかも。減反の代替作物である小麦も、冬作ができないので厳しいっすね。
・過疎は進んでいるのだろうが、同じ中国山地であっても日本海側より太平洋側の方が放置家屋などが多い印象。
→同じ沿岸部と言っても、太平洋側と日本海側では交通量や人口に大きな違いがある。つまり内陸部と沿岸部の格差は太平洋側の方が著しい。だからその分太平洋側中山間地から太平洋側沿岸部への人口流出が激しい のかも?
2.出雲砂鉄について
疑問「日本には他にも砂鉄が出るところがたくさんあるのに、なぜ出雲が有名なのか」 これは本で調べたらちゃんと答えがあったので、それを引用しておきます。
日本には出雲以外にも東北や九州などに砂鉄を産するところは多いが、それらはいずれもいったん生成した母岩が、風化崩壊して河川、海浜等に流出集積したもので、この間に大きく自然淘汰を受けている。この点で出雲砂鉄は一時的、その他は二次的の産物である。一次砂鉄は選鉱によって成分を大きく変化させ所要のものを得ることができるが、二次砂鉄ではこれが難しい。出雲砂鉄が特に良質と言われるのはこのためである。
奥村正二「小判・生糸・和鉄」
とまあ、僕の場合、観光しない車窓を眺める旅において、こんな風に車窓を観察し妄想しています。これはこれでなかなか忙しいし、面白いです。 傍目には夜飲み歩いてるだけ・・・に見えるかもしれませんが。
てなことで今回の「18きっぷの旅」シリーズは、これにて終了です。お付き合いありがとうございました。