えーと、なんだか分かりますか?
B.C.と言うのは、”Before Christ”の略語で、キリストの生誕前=「紀元前」を意味します。 1BCなら紀元前1年です。
ってことは、A.D.は紀元後(西暦)を示すわけで、ウーン、after Christ・・・いや、これだとA.C.になっちゃうから違うな。
正解は”Anno Domini” ラテン語です。意味は「主の(〜番目の)年に」って意味。表記はAD1で西暦1年です。紀元前後で略語の位置が違うのに注意。
世界史を勉強してからずっと不思議に思っていたのだけど、なんでBCは英語なのに、ADはラテン語を使うんでしょう? 今でも疑問のまま。
wikiで調べてみると・・・ADについて
西暦は6世紀のローマの神学者ディオニュシウス・エクシグウスによって算出された・・・731年にベネディクト会士ベーダ・ヴェネラビリスが『イングランド教会史(イギリス教会史)』をキリスト紀元で著してから徐々に普及し、10世紀頃にようやく一部の国で使われ始め、西欧で一般化したのは15世紀以降のことであるという。
・・・西暦が国際社会でもっとも用いられる年号となったのは、キリスト教圏であるヨーロッパ各国の世界進出や植民地拡大により非キリスト教国でも西暦が普及したからである。
wiki西暦
15世紀以前は「中世」っていう時代ですな。教会が唯一の教育機関で、ラテン語が一般的な文章語だったでしょうから、ラテン語で示したのかな。
同じくBCについて調べてみると
西暦1年以前を表現する場合、西暦1年の前年を0年ではなく紀元前1年とし、過去に遡る度に年数を増やす「西暦紀元前」を使う。これは17世紀フランスの神学者ドニ・プトによる案で、18世紀末になってようやく一般化した。
wiki西暦
18世紀と言えば産業革命、そしてイギリスの時代です。だから英語・・になったんですかねえ。
まあしかし、最近では「キリストさん(Christ)」を中心に考えるのは、他の宗教のことを考えるとあんまりよくない態度だろ ってことで、
紀元後をADではなくCEと表現することもあります。これはもちろんCosmic Era(宇宙世紀)の略(笑)。いや、それは冗談で、正しくはCommon Eraの略です。
うーん、宗教的にキリストがどうのこうのというより、「西暦がコモン=ディフェクトスタンダード」っていう感じ。こっちの方が気持ち悪い気が。
いいじゃん、キリストさんのままで。この人が生まれなければ、異教徒の子供たちもクリスマスのプレゼント貰えないし。
※ディフェクトの語源は de facto (事実上の)とこれもラテン語。
その習いで行きますと、BCは Before Common Era つまりBCEと略すのか・・・はいその通りです。
AD→CE、BC→BCE 似たり寄ったりで、混合しちゃいそうだな。それに統一するんだったら、英語じゃなくてラテン語にしてくれた方が、世界的に公平だったんじゃないかと思ったりもしますがね。
ラテン語で統一されている例を挙げると、「午前」「午後」を示すAMとPMです。
- AM→ante meridiem
- PM→post meridiem
meridiem(主格はmeridies)が正午を示すんですな。だったら単純に、キリストの前か後かってことで ante Christum(AC)とpost Christum(PC)で統一したら良かったんじゃ?