紙処理に追われる経理がデジタル化できない訳
「うちの会社では経理部だけが緊急事態宣言中でもほぼ出社。6月以降も変わらない」ある卸売業で経理担当として勤務する20代女性はそう嘆く。新型コロナウイルスの感染者数が再び増加に転じ、第2波の懸念も高まる中、在宅勤務に移行できなかった業務への対応策が求められている。その最たるものが冒頭のような経理業務だ。
東洋経済
経理課じゃないんですけど、これよく分かります。
前の役所勤めで、特に違和感があったのが、比較的少額の必需品を買うときのこと。
- 何を買うにも「見積書」「納品書」「請求書」の三種類の書類が必要。
- 三種の書類に対し「書類に押された印鑑が薄い」「代表取締役の名が不鮮明」等と経理課からクレーム入れられて、再提出に駆けずり回ること
- 経理担当者あるいは所属部署によって、「正式書類に日付入れるの当たり前」「こちらで入れるから日付入れないで」と慣習が違う →店側から「〇〇課さんは領収書に日付入れないって聞いてるけど、××課さんは入れていいの?」と聞かれ悶絶する××課の僕(笑)。そんなの知らんがな。 まあ店はもっと迷惑被ってる。
なんつーか、こういう目に会うたびに、僕はこんなこと↓を考え、もんのすごいストレスを受けていました。全く本質的ではない処理に、なぜ時間を費やす必要があるのかと。これも日本の企業(役所)の生産性が低くなる要因ですね。
「レジが自動で出すレシートだけで完結せんのは何故? 書類チェックする私(と経理課の担当者)の人件費の方がはるかにかかる(そして付き合う店の従業員の時間も奪っている)。全く生産性の無い書類を三種類も出させる儀式やめて〜。」
「(建前上)適正価格で購入したかチェックすることになってから「見積書」を出させるんだろうけど、そんならAmazonで買えるようにしてくれ! 一番安い保障はないけど、まあ常識的に考えてかなり安価。しかもコロナ対策になるし、生産性もめっちゃ上がる」
「印鑑が不鮮明とか、それ本質的な問題なの?そりゃあ数千万の工事の契約書ならわからんでもないけど、これ2000円の商品の領収書なんだよ。印鑑が鮮明な新領収書を得るために、僕これから店に電話して、店員に時間を取らせて再度書類造ってもらって、僕が店まで取りに行って、それで労働時間1時間を失う方がはるかに高くつくんだけど」
「代表取締役(社長)の名前が不鮮明って4枚複写(+店控え)で4枚目の字が不鮮明になるなんてあたりまえじゃね?だいたい、それ何が問題?(私がちゃんとモノを買ったかお疑いなら、監査の時抜き打ちで店に電話して購入履歴チェックすればよろし」
「役所の仕組みに、お店をつき合わせるなよ・・・てか、役所に納品できるのは、こんなアホな書類づくりに付き合ってくれる業者さんだけ・・・まあ役所は定価で買うから付き合ってくれるんだけど、それって税金の無駄遣いじゃん。」
まあ、そんな文句言っても時間の無駄ですんで、 腹の虫を抑えて静かに任務を遂行するんですけど、ストレスたまりまくり、やるべき仕事も溜まりまくり。
でも経理課も内規に従って処理しているだけで、文句言われてもなんともならんのね、これはシステムの問題だから。まだ若い時、僕は「役所はこういうシステムなんだから、個人が意地貼ってないで、君も早くバターみたいに溶けて慣れちゃいなさい」って助言をもらったですよ。けど、とうとう辞めるまで慣れなかった。あ、だから辞めることになるのかぁ(笑)
閑話休題。しかしほんとバカみたい。 偉いヒト、システムを造り変えてよ。というか、偉いヒトが「うちの役所は、明日から1万円以下の買い物は、レシートだけで処理します」「Amazon解禁します」って宣言しない限り、変わらないと思うね。
と言っても、IT担当大臣が「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」の会長を務めていた国で、 記者の「日本特有のはんこ文化がテレワークの障害になっているという声もあるが、大臣の考えはどうか」という質問に対し、「しょせんは民・民の話」と答えた時点で、改まる可能性はゼロですが・・・
はんこ出社、「しょせんは民・民の話」──物議を醸したIT担当相の発言全文