洪水被害を低減するため、まずは野焼きを解禁したら?

すべての一級水系で住民含めた協議会設置へ
 「国交省だけでなく、他の省庁や自治体、企業、国民1人ひとりの力を結集し、防災・減災の視点を定着させることが重要だ」。球磨川の水害直後に開かれた国交省の防災・減災対策本部第2回会合で、赤羽一嘉国土交通相は力を込めた。 

防災・減災対策本部は1月、国交省が気候変動に伴う水災害リスクの増大に備えて設置した。第2回会合の議題は流域全体で治水に取り組む新プロジェクトの取りまとめ。全国の一級水系ごとに地元を含めた協議会を設置し、2020年度末までに流域治水の方向を固めることが決まった。

多発する“豪雨”にどう立ち向かう? 国交省の「流域治水」に課題山積のワケ ビジネスIT

協議会を立ち上げて、いろいろ協議するのはいいのですけど、それ前に一言。

まず河川敷でジャングル化している樹木を伐採して、洪水時に水が支障なく流れるようにしてください!

洪水(川の氾濫)と言うのは、上流から流れて来る水の塊を、川(堤防に挟まれた間)で下流に流せられる限り発生しません。堤防が壊れたり、 流れて来る水の塊(「流量」って言います)が、 川が流せる水の量(流量:m3/s;川の断面積(m2)×水の流れの速さ(m/s))を超えると発生します。

なので、川の中で樹木が「わさわさ」生えてくると、だんだん川の断面積が小さくなってしまい、流せる水の量が減り、洪水が発生しやすくなるのです。

 いま、川を眺めていると、昔と比較してずいぶん川に木が茂っている というか、ジャングル化してますよね。 まず、あれを切ることで、本来の川の「流せる能力」を取り戻すことが必要じゃないかと。 

某河川の航空写真(google map)。 堤防の間、半分くらいはジャングル化して、相当川の水を流す能力が落ちています。こういう河川は日本中いたるところにあります。

 ここまでの話は、川の流域に住んでいる人も、川を管理する人(河川管理者)もみんな賛成する話です。 と言うか、河川管理者は「こんなに樹木が繁茂しているとヤバいな」とみんな危機感を持っています。では、なぜ伐採しないのか?

ズバリ、予算が無いからです。

「そんなバカな。それって誰が考えても必要経費だろ。予算がないとか馬鹿なこと言わず取ってこい、さっさとやれ」 まさに正論ですが、それができないのが日本と言う国なのです・・・。(僕も河川管理者やってた時、地元の人に言われたことがあります。ホントにその通りだと思うけど、誰の反論もない正論だからって予算は増えないんです。事例は違うけど、日本と言うのはこういう国なのでね。↓)

気象庁ホームページに民間広告掲載へ 背景に厳しい財政状況

気象庁はホームページに民間の広告をはじめて掲載することになりました。専門家は「今後も災害が想定される中、民間資金に頼らざるをえない状況自体が問題で、国は財政基盤をしっかり担保するべきだ」と指摘しています。

NHK

誰もが「国は財政基盤をしっかり担保するべき」に賛成だと思うんですけど・・・

まあそんなこと言ってても仕方がない。与えられた少ない予算で、出来るだけたくさんの河川内樹木を伐採するのはどうしたらいいか考えました。

樹木伐採それ自体は、そんなに大変じゃありません。チェンソーで切ればよろしい。(作業の危険はありますが)でも、川の中に伐採した樹木をそのまま置いておくわけにはいきません。洪水とともに樹木が住宅地に流れ込んだら大惨事になる凶器です。 片付けないといけません。

木を切る以上に多くの予算を必要とするのは、伐採した樹木を安全な場所(例えば処分場)まで運搬する費用と、廃木の処分費です。 予算の大部分をその費用として取られ、伐採できる面積はとても小さくなり、一年に樹木が繁茂する面積にとても追いつかないのが現状かと。

それなら、樹木は河川内の条件の良い場所に集め、そこで焼却処分したらいいじゃないか と思いませんか? これなら処分費はかからないし運搬距離も短くて済みます。 

これって、実は昔、川の堤防の草を刈った時の処分法です。今はできないのですが。

「廃掃法」(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)が改正され、野焼きが原則全面禁止されたことに伴い、この処分法は行われなくなりました。理由はダイオキシンの抑制とCO 2 の抑制による温暖化の防止。

その結果、堤防の草刈りに何が起こったかと言うと・・・少し前まで年に2回やってた草刈りが、今や年1回に減りました。堤防の草刈りは、草を刈って堤防法面が目視できるようにし、クラックの有無や陥没、法崩れがないか堤防の安全確認を行うのが目的です。堤防があってヒビが入ってたら、洪水の時堤防が保ちませんよね。

なので、堤防除草の回数は多いほうが良いに決まっています。少なくとも年1回で十分とはとても言えないです・・・でも、無い袖は振れない ってのが現状。

ダイオキシンの抑制やCO 2 の抑制による温暖化の防止と言うのは、もちろん大事な事です。

それでも、これだけ河川災害が頻発し、処分費だって適正に支出されない現状を鑑みると、堤防の点検や川の「流せる能力」を維持していくため、ダイオキシンをある程度排出させても(混じっているゴミの分別をすることで、かなり発生は抑えられると思うけど)、温暖化を進行させたとしても、伐採した河川内樹木や堤防の刈草を焼いて処理し、浮いた処理費を伐採面積や除草回数の増加に使い、洪水被害を小さくできるよう川や堤防の能力を維持していくこと を優先せざるを得ない と考えます。

 寡聞にしてそのような分析は見たことないのだけど、だれか分析してないですかね?

投稿者:

モト

元河川技術者、現在は里山保全の仕事をしているおっさんです。西尾市在住の本好き歴史オタク。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください