これがまあ ついのすみかか プロジェクトX

「これがまあ 終(つい)のすみかか 雪五尺」一茶・・・150cmも積もる雪の地が自分の最後のすみかとなるのかと思うと、深いため息がわいてくるなぁ

河野氏 ワクチン担当相に 「プロジェクトXみたいな仕事」


菅首相は18日夜、新型コロナウイルスのワクチン接種を円滑に行うため、政府の総合調整を行うよう河野規制改革相に指示した。
ワクチン担当・河野規制改革相「“プロジェクトX”みたいな、結構大きな仕事になるんだろうなと」
河野規制改革相は、各省との調整を行う予定で、「国民の協力をいただきながらやらなきゃいけない。1人でも多くの方に、1日でも早く(ワクチンを)打っていただけるような仕事をしっかりとやっていきたい」と強調した。

FNNプライムオンライン 1月19日

河野氏の手腕には期待するし、「1人でも多くの方に、1日でも早くワクチンを打っていただけるように」とはもちろん思うけれど、それをするのが「プロジェクトX」なのか・・・国民の代表である国会議員として、国の舵取りをする閣僚として、こんなの「当たり前の仕事」だと思うんだ。

本来の「プロジェクトX」は、次の2つの事象の差がなぜ生まれ、どうしたらその差を埋めることができるのか、そして実際に埋めていくことだと思うんだ。

1月19日に出た、二つのニュースを読みくらべてみてよ。

和歌山市ワクチン専門部署設置へ
和歌山市はワクチンが承認されれば速やかに接種を行えるよう「新型コロナワクチン接種調整課」を21日、設置することを決め、19日、尾花正啓市長が保健所の1室に看板を設置しました。調整課は、保健師2人を含むあわせて5人で発足し、今後、医療機関との調整や、接種の際に必要なクーポン券の郵送作業などにあたるということです。

和歌山市は65歳以上の高齢者は優先的に接種を進めることにしていて、早ければ3月中旬ごろに券を郵送する方針です。
また、国が定める優先順位に従って、すべての市民に対して4月以降、順次、券を郵送することにしています。

NHK

和歌山市を例に挙げたことに特に意味はありません。たまたまNHKのニュースでやってたので。NHKがニュースで取り上げたってことは、自治体の中でも早い対応 ってことかと。

もう一つのニュースはこちら

新型コロナワクチン接種で先行のイスラエル、ファイザーとの契約書を公開
イスラエルが新型コロナワクチンの接種率で先行している。・・・1月18日時点でイスラエルにおける接種率は28.02%と世界首位・・・
1月15日付の現地紙「エルサレム・ポスト」紙によれば、45歳以上の年齢は接種対象となっている。今後、接種が進むにつれて、対象年齢もさらに段階的に引き下げられるものとみられる。

JETRO

日いづる国で「ワクチン接種調整課が立ち上がる」ことが国営放送のニュースになったとき、イスラエルではすでに国民のワクチン接種率が28%になっていました。

さらに、日いづる国で65歳以上の高齢者への接種が早くて3月中旬と言ってるさなか、イスラエルではすでに45歳以上が接種対象・・・ ※(追記有り)

もちろん、日本の人口1億2000万人に対し、イスラエルの人口はわずか900万人と桁が違うことはよくわかっています。人口構成だって全く違います。しかし日本もイスラエルも、自国でワクチンを造れたわけではなく、イスラエルで接種されるワクチンは、日本も導入するファイザー社のもの。

イスラエルと同程度に健闘できたなら、今頃日本でも、対コロナ最前線で戦っている臨床医療関係者にワクチンが行きわたるくらい、実現不可能ではなかったのでは?

JETRO記事には続きがあります。「政府がワクチン供給と引き換えに被接種者の医療情報をファイザーなどのワクチン供給元に提供すると現地紙(1月8日)が報じたことから、一部でプライバシー保護についての懸念が生じていた。そのため保健省は1月17日、透明性を担保するためとして、ファイザーとの間で締結された契約書本文を公開した。」

懸念に対する結論が書いてないダメ記事だけど(そして僕も英語の契約書なんてよう読めん)、仮に契約に裏があったとしても「透明性を担保するため、契約書本文を公開」って、そこまでやるなら僕はその政府を信用します。この辺りも日いづる国の政府にはぜひ見習ってほしいです。ここまでしてくれたら、国民も政府を信用し、いろんな事が早く進むと思うんだけど・・・

くり返しになるけれど、河野さんには、この差がなぜ生じ、どうしたら改善できるのか、是非頑張ってもらいたいです。

まあ一つの理由に、この国のエライ人達は、詭弁論理学や自己を正当化する強弁ばかりが得意で、物事を反省し教訓を次に生かそう という気が無いから・・・でしょうね。

日本医師会が先ほど会見を開き、「日本は諸外国に比べ病床数が多いにもかかわらず、なぜ医療崩壊が進んでいるのか。医療関係者の努力が足りないのではないか」という指摘に対して、中川会長は「全国の医療関係者は深く傷ついている」と話した。また「今は有事」などとしたうえで「究極の臨戦態勢をとる」とも述べ、新型コロナ感染症病床を確保するための対策組織の設置を明言した。

ABEMATIMES

前段の発言は、「兵は優秀、下士官良好、将校凡庸、指揮官愚劣」と称された日本軍について、全体を「軍」と括って、「日本軍は優秀だった」と同レベルの詐術だよ。

われわれ下々も、最前線で戦う方々(すなわち我々の命を預ける)を傷つけるほど馬鹿じゃありません。でも、組織運営に関わっている医療関係者は、この期に深く傷ついて反省してください。冬になれば感染が広がることは素人でも想像できたのに、今頃「究極の臨戦態勢を取る」って、今頃かよ。

※1月23日追記

新型コロナワクチン供給に不透明感 契約変更、出遅れ響く
 厚生労働省は20日に米製薬大手ファイザーから年内に約7200万人分の供給を受けることで正式契約したと発表した。基本合意では6月末までに6000万人分を確保できるはずだった。
政府はようやく、来週にもファイザーから国内治験のデータ提供を受け、2月中旬に特例承認し、下旬までに医療従事者約1万人から順次接種を開始するスケジュールを描く。モデルナ、アストラゼネカ両社はまだ承認申請しておらず・・・

JIJI.COM

な、なかなか衝撃的なニュースですねえ・・・。なるほどこれなら、海外から「オリンピック中止」のニュースが伝えられるわけですわ!

追伸その2

「科学技術立国」と言いながら、国産のワクチンがなんでこうもできないのだろう?と思っていたのだけれど、軍事的な研究の厚み・・・という視点もあるのか、な。

これまでワクチン開発には10年もかかるのが常識だった。これまでの最短は、おたふく風邪ワクチンの4年だ。ところが、今回は、官民で巨額な資金が投入され、1年もたたないうちにできた。
 もっとも、その背景として軍事的な研究の厚みがあったことを忘れていけない。現時点で、当局から承認・申請されたものは、米2社、ロシア1社。最終段階の臨床第3相(P3)試験に入っているものは、英1社、米2社、中国4社、インド1社、カナダ1社。軍事大国ほど開発が早かったことがわかる。

「五輪中止」と「ワクチン副作用」で「菅政権批判」を演出したいマスコミの

生物化学兵器の運用とその防御手段の維持・保守・開発のため、常時ある程度の研究開発費が国内製薬メーカーに落とされており、その積み重ねがワクチンの開発基盤となった。ゆえに常時落とされる額が多い傾向のある軍事大国ほど開発が早かった という論理でしょうか。うーん、一因ではあるのかもしれませんね。

とすると、国産ワクチンはまだまだ道遠しかなあ。(国内でのワクチン認可(厚労省)のスピードを見ると、国内で新薬開発をするのは「営利企業として割に合わん」面も大きいかと思いますけど。)

追伸 その3

なぜ、日本は「ワクチン後進国」なのか? 豊田真由子が思う「理由」と「背景」

 日本が購入予定の新型コロナワクチンのひとつに、米バイオ企業モデルナのmRNAワクチンがあります。モデルナは、2010年創業、2014年からワクチン開発に参入した新しい企業ですが、新型コロナ禍が発生すると、2020年3月半ばにはすでに臨床試験を開始しました。「ワープ・スピード」を掲げる米政権の後押しを受け、モデルナには米国保健福祉省の生物医学先端研究開発局(BARDA)経由で9億5500万ドルの補助金が出され、米政府は、1億回分を15億2500万ドルで購入する契約を結んでいました。

これは、新型コロナ禍が発生してからの政権の動きですが、本当のポイントは、それよりずっと前にあります。モデルナは、2013年の段階で、mRNAワクチン等の開発で、国防総省傘下の防衛先端技術研究計画局(DARPA)から、約2450万ドルの補助を受けていました。

これは何を意味するのでしょう?

人類の長い歴史を見ても、戦争においては、直接の戦闘によるものだけではなく、飢餓や疾病、特に感染症による軍の被害は甚大でありました。特に、軍が、大きく地域を移動し、「その現地の人々にとっては一般的であっても、当該国の兵士にとっては、免疫を持たない新たなウイルス」に直面した場合、当該軍における感染は急激に拡大します。
 したがって、国防という観点からも、「感染症を如何に防御するか」というのは、極めて重大な問題なのです。(なお近年は、細菌・ウイルス兵器への対応等も求められています。)

新興感染症対策は、国家の危機管理の問題です。・・・「国と国民の命を守る」ということについて、政府や国民が、常日頃から、どれだけ真剣に考え、具体的に準備をしているかが、反映されているのです。

まいどなニュース

投稿者:

モト

元河川技術者、現在は里山保全の仕事をしているおっさんです。西尾市在住の本好き歴史オタク。

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