10月28日の木曜日、群馬県と長野県の境に位置する「浅間山」を登ってきました。
10月20日に初冠雪したそうで、もっと雪があって寒いかな?と心配しておりましたが、当日は風は冷たいものの、ポカポカと暖かく、かと言って夏のようには暑くない、最高の天気になりました。
*登山道は、場所により雪が残っていましたが、持っていった「軽アイゼン」を使う必要はありませんでした。
車坂峠→トーミの頭→湯の平→前掛山→湯の平→トーミの頭→車坂峠 という往復コースです。 浅間山の最高点は火口に近いため立入禁止で、火山警報レベルが最も低いレベル1の現在においても、前掛山が、一般の登山者が登れる最高点となります。
このコースは、登山口(車坂峠)から外輪山その1(トーミの頭)に登り、カルデラに降り(湯の平)再度、外輪山その2(前掛山)に登る というコースです。上り下りは多いけれど、カルデラを持つ成層火山の特徴がよく分かる好コースでしょう。
この時期の日の出は朝6時頃。早朝出発となるため、登山口にある高峰高原ホテルに宿泊しました。1泊2食付12,500円です。朝食は7時からですが、山登りするなら、前もってお願いすればお弁当にしてもらう事ができます。僕らは朝5時半に弁当を受け取り、それを食べて6時に出発しました。 宿泊者はチェックアウト日の入浴が無料なので、下山するとすぐにお風呂に入れるのも良。アプローチが極楽山行になりますので、よろしければどーぞ。
ちなみに風呂は温泉・・・浅間山の麓なので硫黄泉かと思いきや、ナトリウム塩化物鉱泉のようです。海は遠いけどな。硫黄性の温泉が好みなら、「高峰温泉」さんへどうぞ。(着くまで僕は、高峰温泉郷にある「高峰高原ホテル」だと勘違いしてました。)
えーと、登山だな。ヒーコラな思いで外輪山その1まで登ると、眼下にカルデラが、正面に主峰が望めます。カルデラの下まで下って、あの山に登るわけですが(笑)。ま、絶景です。
この時期の浅間山って、雪の縞々模様が見られることが有名みたいなんですけど、なんであんなふうに規則的に縦縞ができているんでしょう?
推定 浅間山は降雨による侵食により谷ができつつある初期段階(活発な火山で、山自体が新しく、火山性で水の浸透もいいので、他の山ほど深い谷や崩壊まで達していない)。土壌条件も同一だから、一定の集水面積に対し一筋形成される浅い谷が規則的に並んでいる、そこは日陰だから、降った雪が溶けずに残っている状態では ?
あるいは、溶岩流のあとかも。こちらのHPを参照。4枚目の「鬼押出し溶岩流の東端の映像」とか、それっぽいかもしれません。直近の噴火は、北側方面へ主に流れていったようにも記憶してるけれど。
誰か正解を教えて〜。
閑話休題。外輪山からカルデラに降りる道は「草すべり」って言うんですけど、これが本当に急でしたね。
これ、外輪山の尾根を撮ったものです。左側がカルデラ側。右側が外周(ふもと)側です。すべての場所がこうなっているわけではありませんが、外周側のほうが傾斜がゆるく、樹木も普通に生えているのに対し、カルデラ側の方は急斜面で、樹木もまばらな印象を受けました。
google航空写真でも感じはわかるかと。
下り坂には、普通にでかい溶岩が鎮座してたりします。こんなん飛んでくるなんて、地獄絵図だわなあ。
別の岩の上には、日向ぼっこするカモシカがいたりしました。 「アンタがた、2本足だと急坂下るの大変っすね!」 危害加えられないの知ってか?逃げませんねえ。
坂はきついけど、景色を見て気を紛らわせます。(帰りはここを登るのかぁ・・・)
このカルデラ内の景観が、また素晴らしいです。危険地帯で、人の立ち入りが最小限に留められているから、よく原風景が保たれている ということかもしれませんが。時期も良かったですね。
2枚目の写真とか、「北米の有名トレイルで撮った一枚です」と言っても、信じちゃいそう。行ったことないけど。
1枚目や4枚目の写真で分かるように、同じカルデラ内あるいは斜面でも、草原状のところ、かなり樹林化しているところ、あるいは樹種など(紅葉してたり落葉してたり)はっきり差が出ています。似たような場所なのに、この差はなんなのかなあ。
4枚目の法面については、土砂崩壊の時期の違いか? とも思うのですが、平坦な場所は・・・
仮説ですが、同じような場所で噴火の影響を受けていたとしても、噴火による噴出物の成分や温度は、時間帯によって異なっているかもしれません。そのうえで、風向きにより、同じような場所でも微妙に異なる噴出物が積もるという可能性はあるかも・・・
さらに、方位による日照の違いや水の流れ、それに伴う流出などの土砂移動により、土壌に微妙な差が生まれ、それが植生に影響を与えている かなぁ・・・
後段はありえそうな話です。前段の噴火の影響云々は、こんな局所地形の中で生じるかどうか・・・専門家じゃないし、知らんけど。
とまあ、本体に取り掛かり・・・外輪山その2の稜線を撮ったところ。
火口の一部にあたり、赤茶けた鉄さび系の土壌が残っています。向こうの方の外輪山は崩れちゃったのかな・・・
頂上! まあ、あっちのほうが高いけど。午前中でまだ風も弱く、ガスってもいませんでした。ありがたし。 風が強いと、単独峰で植生もないから、上り下り大変でしょうね。
避難用シェルター。 噴火の程度にもよるけれど、気休めという気も・・・ま、輸送方法とか考えると、これ以上予算をかけるのも難しいだろう とは思います。入山は自己判断ですから、しょうがないですね。
帰りも同じ道を通って下山。12時半くらいでした。 帰りにお風呂入って・・・
麓はたくさん蕎麦屋があり、口コミを元に検索するとハズレはないですね。・・・この天ぷらそばが1000円程度。うまいし安いし、言うことないっす!!
*僕は夏山用の薄手の登山ズボンしか持っていなかったので、今回新調しました。といっても、ワークマンのウォームクライミングパンツですけど。うん、なかなか使い勝手は良かったと思いますよ。
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一度自分が出かけると、関連したニュースに敏感になりますね。浅間山に登らなければ、スルーしてたニュースだな。
江戸時代に起きた浅間山の大噴火で埋まった村の発掘調査が30年ぶりに始まりました。浅間山のふもとにある群馬県嬬恋村鎌原地区では1日午前10時半ごろから発掘調査が始まりました。
テレ朝ニュース 11月1日
1783年の噴火で「土石なだれ」が発生し、近くにあった鎌原村は集落の大半が一瞬にして埋まり、住民のおよそ8割にあたる477人が亡くなったとされています。