戦前の1930年代後半に、時の内閣が「国民全員の戦意を昂揚させ、戦争遂行に協力させよう」との目的で掲げた標語の一つです。
日中戦争(支那事変)を契機に、第1次近衛内閣は女性や子供など非戦闘員を含む国民全員の戦意を昂揚させ、戦争遂行に協力させようとの目的で、同年8月24日、「挙国一致」「尽忠報国」「堅忍持久」の三つのスローガンを掲げた「国民精神総動員実施要綱」を閣議決定、9月9日、内閣訓令を出した。
長期戦と物資不足が懸念されていた日中戦争および、のちに加えて太平洋戦争に際して、「ぜいたくは敵だ!」などの標語(後述)を街頭・新聞などで掲げたほか、パンフレットや教育映画・ラジオなど、メディアを使った宣伝に努めた。当初は精神運動の性格が強かったが、やがて国民服やモンペ姿を男女の制服として推奨する教化運動など、具体的な国策協力を中心とするようになり、国民に耐乏生活を強いるにいたった。上意下達型の運動の限界もあり、まもなく一般社会には不満が鬱積し始めた。
国民精神総動員
この時代は、国家総動員法により、人的資源としてだけでなく、「精神」まで総動員されたのです。
国家総動員法(こっかそうどういんほう)は、1938年(昭和13年)第1次近衛内閣によって第73帝国議会に提出され、同年4月1日に公布・制定された法律。日中戦争の長期化による国家総力戦の遂行のため、国家の全ての人的・物的資源を政府が統制運用できる(総動員)旨を規定したもの。
国家総動員法
ただし、掛け声や精神高揚だけで長期戦や、それに伴う終わりの見えない耐乏生活に耐えられる道理もなく、当局は憲兵や隣組とか使って、批判監視を厳しく行ったけれど、不満の蓄積はどうしても噴出しますわ。
このような標語に対し、一般国民の中には、「ぜいたくは敵だ!」に「素」の字を書き加えて「ぜいたくは素敵だ!」と揶揄するなど、当時の国策に対する間接的な批判を試みた者も少なからず存在した。
同上
それにしても(標語に細かいことを突っ込んでも仕方ないのだけれど)歴史を知っている後世の僕らから見ると、当時の人々は、「戦争に勝つ」ってどういう状況になることだと思ってたんですかね。 日本はその時、以下の国々を相手に戦ってたんですよ。イギリス(&イギリス領インド帝国)、アメリカ合衆国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、オランダ、中華民国
というようなことを、以下の記事を目にして連想してしまいました。
日本医師会の中川俊男会長は20日の会見で米国の一部航空会社などでマスクの着用義務を解除、緩和する動きが広がるなど世界的なマスク解除の傾向について「結論から言いますと、マスクを外すのは新型コロナウイルス感染症が終息した時だと思っている。ウィズ・コロナの状態でマスクを外すという時期が来るという風には思っていない」などと明言した。
日本医師会の中川俊男会長「ウイズ・コロナでマスク解除はない」世界的なマスク解除の傾向に見解
要約すると「外しませんコロナ終わるまでは」だよね、これ。 アンタは戦前の国民精神総動員運動の指導者か。こんな物言いでは、「上意下達の限界もあり、まもなく一般社会には不満が鬱積し始めた」という状態になりかねませんよねえ。
まず、ウイルス感染症が終息する なんてことがあるんでしょうか? 諸外国は、終息は当分ないと見ているからこそ、「ウイズ・コロナ」という概念が出てきているのだし。
その上で「マスクはもう嫌」と考える人々の思いや、マスクをし続けることのデメリットも無視できず(熱中症対策とか精神的なものとか)、リスクとベネフィットを比較衡量した上で、着用義務を緩めていると思うんだけど。
中川会長には、「マスク外し。ダメ絶対」の「絶対国防圏」思想にこだわらず、メリットとデメリットを比較衡量した上で結論を述べていただきたいし、言うところの「終息の定義」およびその見通しを語ってもらいたいものです。死守を唱えるだけなら、専門家でなくても言えますんで。
例えば、僕は自分の身を守るため、コロナより熱中症のほうが差し迫った危機なので、密でない屋外にいるときはマスクをしません。
これから暑くなるにつれ、熱中症による死亡者数が増加します。マスクを外すことで、熱中症防止ができるのであれば、感染防止のデメリットを考慮しても、むしろ積極的に推奨すべきだと思うんですが、いかがでしょう?
高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるので、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう。
熱中症対策のすすめ
新型コロナウイルス対策のマスク着用をめぐり、衆議院の厚生労働委員会で、専門家が、気温が上昇した際、条件が整えば、屋外ではマスクを外すことが推奨されると述べた。
FNN
国立感染症研究所・脇田隆字所長「今後、特に気温と湿度が高くなってくるので、屋外で人との距離が十分あるような場合、こういった場合にはマスクを外すということが推奨される」
顔パンツとか、おじさんは「病的」だと思ってしまうし・・・。
マスク生活が長引き、広島でも「ノーマスクが怖い」と、素顔を見られることに抵抗を感じる若者が増えている。民間の全国調査では7割が「コロナ後も着用を続けたい」と回答。顔を隠すことで対人不安が和らぐという。一方で、コミュニケーションが阻害されているとの指摘もあり、「マスクの呪縛」はコロナ禍の負の側面ともいえそうだ。・・・
マスク外せない若者 もはや「顔パンツ」
たむらメンタルクリニック(中区)の田村達辞院長は、若者のマスク依存を「対面コミュニケーション不全の一つ」と指摘。人との直接的なやりとりに苦手意識を持つSNS世代の「新たな現代病」になりつつあるとみる。「顔を覆って自己防衛し、コンプレックスや自信のなさをカバーする。コロナ後は『自主的マスク生活』が定着するかもしれません」
マスク生活も3年目を迎えた。感染予防対策として大切であることはもちろんだが、一律にマスク着用を推奨することへのリスクを指摘する声も出てきている。その中で特に懸念されているのが「子ども」への影響だ。
「免疫獲得できない」「将来重症化の懸念」子供のマスク着用で知っておきたい思わぬ“副作用”
「終息」にこだわることないと思いますがね。
日本ではマスク着用がいつまで続くのか、外すことができる時期は具体的にいつなのか。めざまし8は、専門家4人に話を聞きました。
浜松医療センターの矢野邦夫医師は、「今年の7月ではないか」としています。ただ、条件があり・・・。昭和大学の二木芳人客員教授は、「夏頃には議論されるのでは」としたうえで、いくつかの条件を挙げています。川崎医科大学の中野貴司教授は、いつ外せるのかという問いに対して「年内?」とクエスチョンマーク付きで回答しています。というのも、条件として・・・東邦大学 感染制御学の小林寅喆教授は、「早ければ今年の夏(7月・8月)ごろ」ということで、条件として
日本でマスクはいつ外せる?4人の専門家が解説 各国の着用状況と“ウィズコロナ”に向けた日本の動向