北朝鮮から弾道ミサイルが発射されたとして、昨日朝Jアラートが鳴り響きましたね。
僕は出勤前に、NHKのニュースで報道を見ていたのですが、 対象地域が 「北海道と伊豆諸島、小笠原諸島」と発表されているのを見て、 おかしいなあ と思いました。
頭に日本地図が描けていて、ミサイルは直進する、というような常識?があれば、北朝鮮から発射して、北海道の上空を通って、小笠原なり伊豆諸島付近に着弾するなんて、明らかにおかしいと思うはず。
そのあとすぐに、北海道は青森に変更されたけど、それにしても飛行経路として不自然すぎ。こんなおかしい経路は、ブーメランならともかく、近ごろの迷走台風でも取らないぞ。
発令の前に、誰か静止する奴はいなかったの?
結局、誤情報発信となってしまいました・・・。
松野官房長官は、きのう北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことに関連し、全国瞬時警報システム「Jアラート」で本来は対象外だった東京都の島しょ部などで誤発信されたことについて、「システム上の不具合だった」などとして謝罪しました。
東京島しょ部へのJアラート誤発信で松野官房長官が謝罪「システム上の不具合」
もっとも重要な情報システムで、訓練ならともかく、本番に「不具合」を生じるなんて、もうダメぽ・・・
Jアラートの発信を受け、学校が休校になりました。この対応は良かったと思います。結果として被害はなかったとはいえ、緊急対応ってこんなものですから。現場は大変です。
北朝鮮による4日早朝の弾道ミサイル発射。北海道や青森県、東京都の島しょ部に全国瞬時警報システム(Jアラート)が発出された。道内は人的、物的な被害がなかったものの、公共交通機関の乱れなどがあった。
ミサイルでJアラート発出の北海道 3校が臨時休校、交通機関も混乱
・・・道教育委員会は4日午後3時時点で道内の小中高校計3校が臨時休校、特別支援学校なども含む100校が始業時間を繰り下げたと発表した。危険を回避するため、道教委の担当者は「通学バスが止まったり自宅待機を求めたりする学校があった」と語る。
問題なのは、その後の防衛大臣の記者発表でのこの一言です。
防衛省・自衛隊としては、国民の安全・安心の確保に万全を期すため、北朝鮮が発射した弾道ミサイルを自衛隊の各種レーダーにより確認しておりましたが、わが国に飛来するおそれがないと判断したことから、自衛隊法第82条の3に基づく弾道ミサイル等破壊措置は実施しませんでした。
防衛大臣臨時記者会見
「わが国に飛来するおそれがないと判断した」んだったら、Jアラートの発信はしなくて良かったんじゃない?
もちろん、着弾地点を通過する船舶や飛行機に対する警告はするべきだろうけど、今回のように広く国内に発信してしまうと、いざというときに「オオカミ少年」になって、避難行動を取らないことになりかねないのでは? これからも北朝鮮は、ガンガンミサイル打ってくるでしょうから。
同じうそを繰り返す人。イソップ物語の、何度も狼が来たとうそをついたために本当に狼が来たときには信用してもらえなかった少年の話からいう。
goo辞書
数分でどこに逃げるんだよ・・・という意見もありますけど、それでも被害を最小にとどめるため、警報は合ったほうが良いでしょう。
ただし、情報を出しっぱなしにするだけではなく、「緊急情報をいかに適切・効率的に伝え、被害を最小にとどめるか 」 という「一連の減災システム」としてどう運用すべきか、少し考えたほうが良いとは思います。「情報の正確性を期すこと」と「速報性を重視すること」は二項対立ですから、なかなか難しい面もありますが、
ところで、今回のミサイルに対して「弾道ミサイル等破壊措置は実施しませんでした。」とかっこよく書いてあるけれど、実際とのところ、日本の防衛システムは今回のミサイルに対して、本当に破壊なんてできるんでしょうか?(「できるはず」だから、ミサイル防衛という政策が成り立っているのだけれど)
北朝鮮は本日7時22分頃、北朝鮮内陸部から、1発の弾道ミサイルを、東方向に向けて発射しました。詳細については現在分析中ですが、当該弾道ミサイルは、最高高度約1,000km程度で、約4,600km程度飛翔し、7時28分頃から7時29分頃にかけて、青森県上空を通過した後、7時44分頃、日本の東約3,200kmのわが国排他的経済水域外に落下したものと推定されます。
前出・防衛大臣会見
発射から22分で4600km飛翔したってことは、(4,600km=4,600,000m,22 分=1,320秒だから)平均速度は3,484m/s。つまりマッハ10。(実際には放物線軌道だから、まあ算数的目安速度と考えてください)
しかも大半の時間は宇宙空間を飛んでいます(高度100kmより上は宇宙)。ガンダムの世界じゃなし、普通に考えれば、このミサイルにミサイルをぶつけて破壊するなんて、極めて困難でしょうね。
ま、実際の有効性はともかく、仮にハリボテだったとしても防御策は必要です。けど、もっと有効なのは相手に打たせない(相手に自制を求める)ことでしょう。
特に、今回のミサイルは、領空外(一般的には高度100km)とはいえ、青森県という領土の上を通過したので、日本国政府としては、北朝鮮に対して断固とした処置をすべきでしょう。上空通過は、今回だけではないのだし・・・。で・・・
わが国としては断じて容認できず、北朝鮮に対し、北京の「大使館」ルートを通じて厳重に抗議し、最も強い表現で非難しました。
同上
「遺憾砲」のみ。馬鹿の一つ覚えですね。ロシアのウクライナ侵攻を例に出すまでもなく、特に独裁国家において「武力こそすべて」しかもそれを止めるべき国際機関(国連とか)が機能不全になってきた国際情勢のなかで、これってなにか意味があるんですか?
背景まではわからんけど、同根として時に北に融和的な韓国でさえ、対抗措置としてミサイルを発射している時勢です(失敗しちゃったけど・・・)。
韓国軍合同参謀本部によると、米韓両軍は5日未明、北朝鮮が日本列島の上空を通過する中距離弾道ミサイルを発射したことへの対抗措置として、地対地ミサイル計4発を日本海に向けて発射し、仮想標的に命中させた。これとは別に、韓国軍が4日深夜に弾道ミサイル1発を発射したが失敗し、基地内に落下した。韓国軍が原因を調べている。
でもねえ、上空通過されたのは、韓国じゃなく日本なんです・・・。日本はもっと「怒ったぞ」を具体的に示したほうが、日本自身のためじゃないの?
一方で、日本の国営報道機関の見出しを見ると、「ミサイルが日本の上空を通過したこと」と「着弾点が日本のEEZ外だったこと」が同格に並べられています。前者にくらべれば、後者の「着弾点がEEZの内か外か」なんて、正直どうでもいいです。
その筋は「ミサイルが日本の上空を通過したこと」は、問題視したくない・させたくない と考えているのではないか と疑いたくなっちゃいます。
ミサイル“東北上空通過しEEZ外の太平洋に落下か”官房長官
10月04日 08時47分
松野官房長官は午前8時10分ごろから緊急の記者会見を行いました。
この中で、松野官房長官は、北朝鮮が4日午前7時22分ごろ、北朝鮮内陸部から弾道ミサイル1発を東方向に発射し、東北地方の上空を通過したあと、7時44分ごろ、太平洋上の日本のEEZ=排他的経済水域の外側に落下したと推定されることを明らかにしました。
国内的にはそれでいいのかもしれないけど、国際的にそれでいいのか・・・僕ごときが心配することじゃないのでしょうけど。