6月15日に、楽天銀行(ネット銀行)に預けておいた1年満期の定期預金が満期を迎えます。 当分使うあてのないお金で、株式などの投資に使わない「安全運用資金」なので、手堅く運用したいところ。 このまま継続すべきか、なにか他の商品に乗り換えるべきか。
ちなみに適用されていた金利は年0.15%です。夏のボーナスキャンペーン期間に預入したものなので、いま預ければ、同率の金利が適用されます。
年0.15%の金利って、同業他社、例えば大手銀行である三菱UFJ銀行の「スーパー定期1年0.002%」に比べるとすごく頑張っているとは思います。
でも、個人向け国債、特に変動10の金利(現在は年0.29%)を見ると考えこんでしまうのです。 こっちの方がいいんじゃね?
以下、財務省のHPより引用
個人向け国債 変動10の場合、利率は変動します。詳細は省くけど「基準金利の0.66倍(最低保証0.05%)」というやつです。その結果、今はネット証券のキャンペーン金利の倍くらいの金利がついているわけ。
これから日本の金利は「変わらない」か、どちらかと言えば「上がっていく」方向だと思います。この仕組みなら、金利が上がっていってもある程度の追従が可能ですし、仮に「下がっても」、最低0.05%の金利は保証されます。この数値でも某UFJ銀行の定期より高利率なのです・・・てか、なんで大手銀行の定期金利ってこんなに低いの?
もちろん「10年満期(の国債)」と「1年定期(の預金)」の利率を同列に比べたらいけないですけどね。一般的には1年で自由になる預金の金利は、10年間自由にできない預金の金利より低いのが当然ですし。
でも変動金利となると話は変わってきますし、この国債は1年経過したら中途換金もできます。中途換金時の換金は下の計算式の通りで、かなり良心的な換金手数料だと思います。
ちなみに、楽天銀行の定期預金を中途解約するとこういう扱いになります。
満期日以前に解約する場合は、約定した預入期間に対する実際の預入期間の長さに対応して当行が別途定める所定の中途解約利率(小数点第4位以下切り捨て)により計算した利息とともに払い戻します。
ってことで、買ったら「損するから10年間中途解約キビシー(10年定期預金)」とまで固く考えるのではなく、必要があれば取り崩せばいい くらいの意識で運用できると思いました。
なので長期保有になることのデメリットはあまりなさそう。
ゆえに、楽天銀行の定期預金が満期になったら、変動金利型10年個人向け国債を購入しようと思います。
ちなみに、もし個人向け国債を買うのなら、銀行や郵便局ではなく、ネットのSBI証券で購入することをお勧めします。 対面で購入するとなると、各種説明や署名する書類がいっぱいで時間がかかり「うんざりする」レベルだからです。(郵便局で母親が購入するのに同行した経験)
対して、ネット証券だとそのわずらわしさが激減します。なかでもSBI証券を進める理由は、購入金額に応じて現金がもらえるキャンペーンをやっているからです。もらえるものはもらっておきましょう。
にしても変な話、大手銀行は0.002%(1年)の低金利で定期預金を集め、そのお金で0.05%の国債(3年)を買えば、何もせず儲けがでますな。まあ言うても絶対利率は低いですから、かなりの元金を集めないといけないこと、満期の時期が違うので若干の事務作業が出るとか多少あるけれど。
政府は通貨発行権を持つので、民間機関である銀行より信用度は抜群に高いです。であれば、本来なら(相対的に国より)信用度の低い銀行の金利は、政府より高くなければいけない。けど、今は定期預金より国債の金利の方が高い逆転現象が起こっています。
これって、どういうことなんですかね?
まあ大手銀行は振込手数料を値上げしたとかあるように、「もう小口の庶民客なんていらねえ」 というのが本音なんでしょう。他方で政府も大盤振る舞いしすぎ という気もします。その裏に何があるのやら。 ま、利用できるものは利用しましょう。ヤバくならないうちは。
そもそも銀行にとって、預金規模が100万円以下の小口口座は収益に寄与しない、ただの『コスト要因』なのだ。
メガバンクの振込手数料「大幅値上げ」の衝撃…もはや大手銀行は「金持ち」しか相手にしない
バブル崩壊後、失われた30年と呼ばれる時代を、銀行はとにかくコスト削減策に徹して生き延びてきた。極端に金利が低いので、カネを貸してもなかなかビジネスにつながらないのはわかるが、本来の銀行の役割とはそのようなものではなかったはずだ。菅井氏が語る。
「コストカットと手数料収入ばかりが銀行のビジネスモデルになっていることは望ましくない。銀行は資産運用のプロ集団と認識すべきです。つまり、顧客と一緒になって事業の方向性を考え、リスクを取っておカネを投融資する。
そしてその運用の成果を預金金利として客に還元する。そうすることで初めて日本経済が健全に回るはずなのに、銀行は役割を十分に果たせていません」
みずほ銀行支店長や日本振興銀行代表執行役社長も務めた作家の江上剛氏が断言する。
「振込手数料を990円なんて法外な値段にするのは、『もう一般庶民はうちに来なくていいですよ。私たちは私たちの客を選びますし、あなたはうちの客じゃありません』というメッセージです」
銀行は資産運用のプロ集団となるべき だそうです。まあそうだけど、ププー。
なぜ国債と預金の間に金利差が生じるのか? に答えている記事がありましたので追加で載せておきます。 短期金利と長期金利の差だそうで、この状況は長く続きそう とのことです。
この記事では触れていませんが、短期金利<長期金利の状況が長く続くのであれば、短期金利の銀行預金で資金を集め、長期金利の国債を買えば、わずかな事務手数料で確実に儲けられますね! つまり現状は金融機関に取って居心地の良い状態だから、その状態を長く浸かり続けたい誘引になりますね。 ゆでガエルがゆっくり茹でられていくように。
預金はリスクの小さな安全資産という位置づけだが、普通預金でも定期預金でもその金利は現在ほぼ0%だ。
10年ぶり利回り「個人向け国債」は買える水準か?
国債も安全資産の一種であり、そうであれば、金利ほぼ0%の預金の代わりにある程度利回りがある国債を購入することは極めて合理的な選択肢になるはずである。
・・・ところで、国債利回りは上がっているのに、預金金利はなぜ上がらないのだろうか。国債利回りは、先ほども触れたとおり、長期金利である。これに対して、預金金利は基本的に短期金利に連動する。・・・日本経済は長年の低金利環境に慣れきってしまっており、インフレになったからといってすぐに短期金利を大幅に引き上げることは難しいのだ。・・・こうした状況は、おそらく今後数年にわたって大きく変わることはないだろう。そうだとすると、預金金利はなかなか上昇せず、国債の利回りがそれを大きく上回る状況がしばらくは続く可能性が高いと考えられる。