処理水をめぐる狂騒曲

 【ソウル=上杉洋司】東京電力福島第一原子力発電所の「処理水」の海洋放出を巡り、韓国の最大野党が国民の不安をあおる根拠のない主張を続け、物議を醸している。塩の買い占めが起きるなど影響が出ており、 尹錫悦ユンソンニョル 政権は冷静な対応を国民に呼びかけている。

 左派系最大野党「共に民主党」の 李在明イジェミョン 代表は22日、北東部・ 江陵カンヌン を訪れ、水産業者らと面会し、「(海洋放出は)あってはならない行為だ。止めなければならない」と訴えた。李氏は抗議集会では「(処理水は)核廃水と呼ぶべきだ」などと主張する。
 同党の議員は「日本の沖は放射能に汚染されている」と根拠のない主張を展開し、海洋放出によって韓国の漁業も汚染の影響を受けると訴える。 尹才甲ユンジェガプ 議員は今月20日から、国会前でハンガーストライキを始めた。

韓国の処理水批判が過激化、根拠なく「日本の沖は放射能に汚染」と主張…塩買い占めの動きも拡大

塩の買い占め(笑)。ま、僕らの国でも、オイルショック時にトイレットペーパーの買い占めがあったから(どういう因果関係で繋がるんだろ?)、「目くそ鼻くそを笑う」の類かもしれませんけど。

それでも、彼らの思想からすれば、汚染水を平気で垂れ流すような日本なんて、悪魔の隣国なんでしょうねえ。彼らはきっと自国民が、そんな危険な隣国に喜んで押し寄せていることに危惧を覚えているんでしょう。あるいは、「本当は俺も行きたいんだ、畜生、あいつらだけ行かせてなるものか」みたいなルサンチマンを持っているメンドイ人なのかも。

日本政府が新型コロナウイルスに伴う入国規制を緩和した昨年10月から、訪日外国人に占める割合は韓国人が圧倒的な1位を保っている。 日本が昨年10月にビザなしの個人旅行を認めたことで、韓国人の訪日は爆発的に増えはじめた。・・・

韓日関係の悪化による日本不買運動に続きコロナ禍まで発生したことで、長期間にわたって日本を訪れることができなかった韓国人観光客は、門戸開放と共に大挙して日本を訪れている。円安も安く旅行できることから大きな影響を与えている。

今年の訪日韓国人258万人…訪日外国人の30%

そういうメンドイ人は、「福島処理水の海洋放出を非難」で共同歩調を取る、反対側の隣国に行くのがお勧めです。きっとレッドカーペット敷いて歓迎されるでしょう。カーペットの下に地雷が埋まってても知らないけど。 

中国が国内で運用する複数の原子力発電所が、今夏にも始まる東京電力福島第一原子力発電所の「処理水」の海洋放出の年間予定量と比べ、最大で約6・5倍の放射性物質トリチウムを放出していることが、わかった。日本政府が外国向けの説明用に作成した資料から判明した。中国政府は東電の処理水放出に強く反発し、官製メディアも動員した反対キャンペーンを展開している一方で、自国の原発はより多くのトリチウムを放出している。

中国の複数原発がトリチウム放出、福島「処理水」の最大6・5倍…周辺国に説明なしか

あるいは「人の振り見て我が振り直せ」自国の事例も確認したらどうかと。

福島原発から放出された汚染水はまずカナダと米国に向かった後、太平洋沿岸を一周し、やがて福島に戻ってくる。それでも他の海流の影響で韓国近海にはほとんど到達しない。一方、2018年基準で釜山市機張郡の古里原発は、毎年東海(日本海)に50TBqのトリチウムを放出してきたものの、韓国近海は「放射能だらけ」にはならなかった。自然自ら作り出す放射能に比べれば微々たる水準に過ぎないのだ。地球が太陽の周りを回っているのと同じくらい、異論の余地なき科学的事実だ。

それでも海流は回っている【寄稿】  朝鮮日報

いいこと言ってるんだけど、放出されるのは「汚染水」じゃなく「処理水」と正しく使ってほしいな。まあ現状では貯留量の30%しか「流せる処理水」レベルまで浄化処理されていないので、「処理水」と言い切る(大本営推奨)のに躊躇する気持ちは分かるけど。

ともあれ、韓国のアホ野党(反日無罪)にくらべて現政権は立派なもの。「丁寧な説明を続けることで偽情報を排除し、国民の不安を 払拭ふっしょく したい」だそうです。賞賛に値するというか、当然の対応だとは思うけど。

尹政権は丁寧な説明を続けることで偽情報を排除し、国民の不安を 払拭ふっしょく したい考えだ。今月15日以降、平日は毎日、処理水に関する記者会見を開催している。

韓国の処理水批判が過激化、根拠なく「日本の沖は放射能に汚染」と主張…塩買い占めの動きも拡大

こういう場合に「独裁制じゃない政府」の対応コメントってどこでも、いつでもこれですね(ほかに言いようもないけど)。 でも僕は、汚染を主張する彼らの態度は丁寧な説明を受けて変わらないと思うし、そのことに対して時々失望したりもします。

十分に薄めた処理水を「汚染水」「核廃棄物」と本心で称したい人々は、それが科学的事実かどうかなんて全く大事ではなく、そう信じたいから信じているだけだと思うのです。そして、「信じる」ことは、丁寧な説明や論理的な解説ごときで改信させられるものではないと。

こういう時、独裁制だと手っ取り早くていいよ。独裁者が一言「反対者は処刑」と言えば済んじゃう(笑)。 ま。あらゆることに、怖くて誰も何も言えなくなることの欠点が大きすぎるけれど。

僕がそう思うようになった具体的な事例を挙げると、まさに「濃度の問題」がらみ、レメディーなるものの存在です。科学的にはあり得ねえのですが、それに効果があると信じている人々は決して少数派ではないのです。 それってもう「信仰」なのですよ。

そして信仰は、以下のような科学的で丁寧な説明を読んでも揺らぐことはないでしょう。そんなんで揺らぐなんて信仰心が足りない。むち打ちで正しい信者に戻れるよう再教育!

日本学術会議金澤一郎会長は2010年8月24日付けで下記のような談話を発表しました。日本医師会および日本医学会はその内容に全面的に賛成します。


  「ホメオパシー」についての会長談話
ホメオパシーはドイツ人医師ハーネマン(1755 – 1843年)が始めたもので、レメディー(治療薬)と呼ばれる「ある種の水」を含ませた砂糖玉があらゆる病気を治療できると称するものです。・・・レメディーとは、植物、動物組織、鉱物などを水で100倍希釈して振盪(しんとう)する作業を10数回から30回程度繰り返して作った水を、砂糖玉に浸み込ませたものです。希釈操作を30回繰り返した場合、もともと存在した物質の濃度は10の60乗倍希釈されることになります。こんな極端な希釈を行えば、水の中に元の物質が含まれないことは誰もが理解できることです。「ただの水」ですから「副作用がない」ことはもちろんですが、治療効果もあるはずがありません。
 物質が存在しないのに治療効果があると称することの矛盾に対しては、「水が、かつて物質が存在したという記憶を持っているため」と説明しています。当然ながらこの主張には科学的な根拠がなく、荒唐無稽としか言いようがありません。・・・ホメオパシーは現在もヨーロッパを始め多くの国に広がっています。これらの国ではホメオパシーが非科学的であることを知りつつ、多くの人が信じているために、直ちにこれを医療現場から排除し、あるいは医療保険の適用を解除することが困難な状況にあります。   

日本医学会

 「ホメオパシーが非科学的であることを知りつつ、多くの人が信じているために・・・」ここ重要です。テストに出ます!

レメディーの効果を信じている人々がこの文書を読んで「そうか、レメディーは荒唐無稽なのか!」と悟ったりするでしょうか?いや信心は揺らがないですよね。むしろ、殉教(科学的な医療行為を拒否)してやる みたいな(笑)。この文書は禁書として焼かれるんじゃないかな。

レメディーに何らかの効果があると信じる人なら、同様の論理で「十分に薄めた処理水だって悪影響がある」って信じられます。なにせ、水に「汚染水だったころの記憶が残ってる」から。そのうえで、処理水が科学的に安全であることを知りつつ、多くの人が危険だと信じているため・・・という想定が正しいとしたら、どんな言葉で丁寧に説明したら、彼らに届くのでしょう?

それはそうと、この理論なら。水だけを使ってなんか革新的な記憶媒体が作れそうな。

投稿者:

モト

元河川技術者、現在は里山保全の仕事をしているおっさんです。西尾市在住の本好き歴史オタク。

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