来年から始まる新NISAの口座を、どこのネット証券に開設しようか迷っています。僕は現在積立NISAの口座を楽天証券に持っており、そのうえで楽天銀行がメインバンクなので、利便性から考えれば、今のまま楽天証券に口座開設する(というか、変更しなきゃ楽天証券に口座が自動開設される)のが妥当なのですが・・・
数日前のホリエモンの投稿記事で迷いが深まっているところです。
ネット証券最大手のSBI証券が9月30日から国内株式取引の手数料を完全無料化すると発表。これを受けて、楽天証券も10月1日から手数料無料化を追随することになりました。SBI証券が証券取引の手数料を0円にし、楽天証券も0円手数料に追随することにより100億円以上の利益が失われる可能性があるという堀江さん。
とんでもないことが起きる⁉︎ ホリエモン、楽天証券の動きを解説! 大激震な内容とは?
・・・いわばチキンレースだと言う堀江さん。現物株式の現物取引の手数料0円して、どこで稼ぐんという話になると続けますよ。
・・・楽天グループ全体で見ると、楽天モバイルが携帯電話業界のシェア約20パーセントを獲得するためには、あと約10年間持たせることが一つポイントだと語る堀江さん。そのためには、楽天カードの売却あるいは上場する可能性もあると言いつつも、ポイントビジネスの根幹はカードなので、楽天カードまで切り売りが始まるとグループ間でいろいろ齟齬が生まれると語ります。
楽天本体にとって有利なポイントの出し方をするのやめてほしいなと言う話になるんだとか。楽天カードの切り売りという最後の禁断の手に出ると楽天グループの経済圏が狂ってしまう大きな原因になると続けました。
この話をうのみにしているわけではないのですが、 僕自身も「証券会社が現物取引の手数料を無料にしてどこで稼ぐんだ?」と疑問に思っています(業界三番手であるマネックス証券は無料化は無理と早々に表明。ある意味「健全」な気がする)。
楽天経済圏を利用することでそれなりにポイントがたまりますけど、他社と比較すると大盤振る舞いすぎじゃね?持続可能なのか?とも思っています。それゆえ、便利だからと言って楽天証券と楽天銀行に資産を集中させておいていいのか?とも思っているのです。
楽天グループを巡っては、「楽天モバイル」の不調を伝えるニュースが後を絶ちません。楽天モバイルは2019年10月に自社の回線網を利用する「MNO(Mobile Network Operator)」サービスを開始しますが、その年から楽天グループ全体で赤字を計上するようになりました。
楽天ポイント「改悪」に“過去最大”赤字…それでも会員数爆増の理由
赤字の主因とみられているのが、通信基地局の整備負担です。他社の回線を利用する「MVNO(Mobile Virtual Network Operator)」と異なり、MNOでは自社で通信環境を用意しなければいけません。その先行投資が重く、直近の2022年12月期では過去最大となる3700億円以上の純損失を計上しました。「モバイル」セグメント単体で4900億円以上の赤字となっており、楽天市場などの「インターネットサービス」や楽天カードなどの「フィンテック」の黒字を打ち消しています。
楽天モバイルは、今後もしばらくは投資が先行する展開が続きますが、2023年中に予定している通信エリアの人口カバー率99%達成後は、月に約150億円のコスト削減が期待できるとしています。もくろみ通りネットワーク費用が減少すれば、楽天モバイル事業は意外に早く黒字化するかもしれません。
楽天モバイルの赤字は意外と早く黒字化するもの・・・なのかもしれないのですが、そのあたりの見通しが実際どうなのかは素人の僕ではさっぱりわかりません。だから僕の危惧は杞憂かもしれないのだけれど、そのあたりの技術や新興ネット関連企業の錬金術的会計処理に明るいであろうホリエモンの意見はかなり深刻に受け止めるべきかもなあ とも。
会社の信頼度が問題で・・・というわけではないでしょうけど、このあたりの対応がいまだ未定というのも、楽天グループを不安視する材料の一つだったりします。
NTTドコモが、オンラインの携帯電話契約の支払い手段として、楽天グループ傘下の楽天カードが発行するクレジットカード「楽天カード」の登録を、今年3月から停止していることがわかった。両社は産経新聞の取材に「協議の上で停止している」と回答し、再開時期は未定としている
ドコモが楽天カードの登録停止 オンライン契約、半年以上
もちろんご承知かと思いますが、楽天証券にせよ、どこの証券会社にせよ、日本の証券会社なら倒産しても預けておいた証券、投資信託、預り金は全額保護されるので、そこまでの心配はたぶん必要ないでしょう。
証券会社が投資家から預かっている有価証券や金銭は、仮に証券会社の経営が破たんしたとしても、確実に投資家に戻るように、自社の資産とは区分して管理することが法律で義務付けられています。これを「顧客資産の分別管理」といいます。
日本証券業協会
また、万が一、何らかの事情で証券会社で分別管理がされていなかった場合でも、日本投資者保護基金から1顧客当たり1,000万円を限度として補償されます。
つまり、投資家の資産は、分別管理と日本投資者保護基金による補償の、二重の制度によって保護されているということを覚えておきましょう。
でもまあ、心配があろうがなかろうが、資産の分散配置はすべき なのは間違いないでしょうし、現実的に考えて、楽天証券が実施しているポイント制度の将来的な改悪可能性は、かなり高そうな気はします。
それともう一つ考えている視点。
新NISAでは、「つみたて投資枠」120万円と「成長投資枠」240万円の、合計360万円の年間最大投資枠が設けられます。
僕自身は、あちこちからお金を集めて年間360万円の投資を5年続け、最短で1800万円の生涯限度額を埋めるつもりなのですが、その場合、「つみたて投資枠」だけで毎月10万円の積み立てが必要になります。
クレジットカード等で積み立てるとするとポイントがもらえるし便利だから、その方法を取るつもりなのですが、いまはクレジットカード積立は基本、月5万円が上限なのれす。
これってちょい面倒だよねえ。おい大手ネット証券3社、新NISAに向けて10万円クレカ積立可能にしろよ!
と言っても、楽天証券は間接的に10万円クレジットカード積立することが可能。
楽天カードによる5万円積立と、楽天カードから楽天キャッシュにチャージして、楽天キャッシュで5万円積立できるので、合計すると実質クレジットカードの10万円積立が可能というわけ。
他の大手2社であるマネックス証券とSBI証券では、クレジットカード積立の上限は月5万円。
各社クレジットカード単体の上限が5万円で横並びなのは、たぶんこれが実情
丸井グループのtsumiki証券が、エポスカードによる投信積立の上限を2024年から「月10万円」に引き上げることを発表しました。
業界各社が「月5万円」で横並びとなっている中、tsumiki証券によれば業界初の取り組みといいます。どうやって実現したのか、また他社の追従はあり得るのか、考えてみます。投信積立は口座引き落としでも可能ですが、特に人気が高まっているのがポイント還元のあるクレジットカード決済です。
カード投信積立の上限額は、内閣府令では「月10万円」になっているものの、各社の上限はその半分の「月5万円」で横並びとなっていました。
その理由としては、投信積立をカード決済してから、その利用代金が実際に引き落とされるまでのサイクルが関係しているようです。
このサイクルによっては、引き落とし日の前に翌月の積み立てが発生する場合があることから、どのような場合でも「月10万円」を超えないよう、その半分を上限にしているわけです。tsumiki証券は与信枠の確保から引き落としまでを1か月以内に収めることで、月10万円を超えない仕組みを確立できたのではないかと筆者は考えています。
ちなみに他社の場合、あるカードでは積み立てが「8月16日」、引き落とし日が「9月27日」となっていました。この仕組みでは、おそらく9月16日に翌月分の積み立てが発生するため、月5万円を上限にせざるを得ないでしょう。
もしtsumiki証券に対抗するのであれば、積み立てから引き落としまでがどのような場合でも1か月以内に収まるよう、システムを改修する必要があると考えられます。・・・
カード投信積立にも適用される内閣府令の「月10万円」という制限は、投資家保護のためと考えられるものの、本当に意味があるのか筆者は疑問に感じています。
業界初のカード投信積立「月10万円」 どう実現したのか
楽天証券は電子マネーを介することで、実質的に楽天カードで月10万円の投信積立を可能にしています。
新NISAにあわせて、どの証券会社を使っている人でも月10万円のカード投信積立が可能になるよう、上限を緩和してほしいところです。
”新NISAにあわせて、どの証券会社を使っている人でも月10万円のカード投信積立が可能になるよう、上限を緩和してほしいところです。”まったくやね。
かといって、月10万円のカード積立のためだけにtsunami証券に口座開設するのもなあ。そういう意味では、楽天証券はSBI証券やマネックス証券に比べてアドバンテージを持っている・・・のだけれど・・・
この「楽天キャッシュ」方式も安全性から考えると少々微妙な部分が。クレジットカード払いは後払いなのに対し、キャッシュ払いは前払いですから、会社の信用度問題が浮上するのです。
ほぼ一か月楽天キャッシュに5万円がチャージされた状態が保持されるのですが、さて、このチャージ金は「顧客資産の分別管理の対象」(仮に証券会社の経営が破たんしたとしても、確実に投資家に戻る)なのでしょうか?
証券会社や証券協会のHPからはこの答えを見つけられなかったので、僕が見ている老舗の投資ブロガーの答えを引用させてもらいます。
たぶん、答えは「No」。
楽天キャッシュは前払式支払手段となるポイントサービスであるため、資金決済法上、事業運営で1000万円以上の合計残高がある場合は2分の1以上の供託を行うことが義務付けられている。楽天証券の預かり金や投信残高が完全な分別管理となっているのに対して、楽天キャッシュの資金の預託比率は明らかにされておらず、楽天の信用リスクを背負っている可能性が高い。
ホンネの資産運用セミナー<インデックス投資ブログ>
現在、楽天はモバイル事業の先行きが不安視されており、信用リスクが高まっている。そのような中で、楽天キャッシュで積み立てを行うことは月0.5%利回りの5万円社債を買うようなものであり、長期インデックス投資を行う上で追うべきリスクではない
うーん。厳しい見方をすれば、こういうことなんでしょう。
不安ならメンドウだけど、預り金として入金しておけば「顧客資産の分別管理」の対象になるから安心。
となると、5万円クレカ積立なら、別に楽天証券を選択する必要もないわけです。むしろマネックス証券の方が貰えるポイントも高いし、手数料無料化に踏み切らないだけ、健全かもしれないですよねえ。(それを嫌う顧客もある程度離れるだろうから、なんとも言えないけれど)
この3社のうちどこかが、「クレジットカードの積み立て、月10万円までできます!」と言ってくれたら、その証券会社に新NISA口座を作るんだけど。これまでのところありません。内閣府が10万円の上限を上げるという話も聞かないですし、システム改修となるとトラブルばかりのデジタル後進国でそれを期待する方が無理というもの。
*10月14日追記。内閣府(金融庁)は、クレジットカード積立の上限額を引き上げる検討をしているそうです。 情報元は、「氷河期ブログ」さん。 30万円も期待してますんで(10万でもいい)、よろしくお願いしまーす。
金融庁は、クレジットカードを使った積み立て投資の上限額引き上げを検討する。現在は実質毎月5万円に制限されているが、新しい少額投資非課税制度(NISA)で1人当たりの非課税投資枠が大幅に広がるため、規制緩和を目指す。最大月30万円までの引き上げも念頭に、投資家保護に配慮し議論を進める。実現すれば、ポイント付与などでサービスを競う各陣営の追い…
金融庁、クレカ積立額引き上げ 新NISAへ月30万円案も
あ、いまさら前提条件なんですが、僕は楽天証券・マネックス証券・SBI証券に口座を持っているので、この3社内でNISA口座を変更するのは、たぶんそんなに手間じゃないというのがあります。新たに口座開設だとちょっと面倒ですけど。
ん・・・結論はまだ出てないです。 楽天経済圏の便利さは魅力的です。一方で不安を持ちながらの資産集中も、解消すべきだとも思うし。それでも、マネックス証券を検討してみますかね。
大事な追加視点
ただ、長期的な(具体的には老後資金としての)NISA出口戦略まで考えると、SBI証券や楽天証券が実施している「投資信託・定期売却サービス」のアドバンテージもを考慮に入れるべきだと思います。
はっきり言いまして、ほとんどの金融機関はいまだ投資信託・定期売却サービスは実施していないわけで、SBI、楽天両証券は率先して同サービスを実施しており(それ自体)、素晴らしいことだと思います。
・・・SBI証券では「金額ベース」のみのサービス提供です。ただし、これからの社会は「長生きするリスク」がますます鮮明になるわけです。
すると長期の時間スパンで資産規模の毀損を極力避けながら、計画的にファンド売却を続けられるか否かという点がいっそう重要になるわけで。そういう意味では楽天証券のように、
(定期売却サービスそのものに)複数の『選択肢』があるほうが望ましいと考えます。
・・・私見ですが、リタイアメントを間近に控えている人は、(かつ長く生きるリスクを真摯に感じている人は)
「定率指定コース」、または「期間指定コース」を利用すべく、思い切って投資信託の口座移管(振替)を活用し、他のネット証券から楽天証券へ、運用する投資信託を丸ごとお引っ越しするのもアリだとわたしは思います。SBI VS.楽天『投資信託・定期売却サービス対決』は、今のところ楽天証券がリード!
続いて、もうひとつ大切な視点です。今のところ、SBI証券の『投資信託・定期売却サービス』はNISA口座には対応していません。
いっぽう、楽天証券の『投資信託・定期売却サービス』はNISA口座に対応しています。
これは2021年の古い記事なので、今は状況が変わっているのかもしれないし、これからも状況は変わってくると思うけれど、 本来NISAは老後資金なのだから、その出口戦略をどうしていくのかは考えておくべき視点だと思うし、 その制度を他社に先んじて実現させていた2社の先進性は高く評価すべきだと思います。特に楽天証券。
リスク資産を確実にゼロにする、楽天証券の投資信託・定期売却サービス『期間指定コース』とは?
本来、高度な手続きであるこのような手法が、無料で使えるのは、利用するかどうかは別として、とてもいいと思いますね。
んで、「マネックス証券の投資信託・定期売却サービス」を検索してみると・・・今のところ、無いなあ・・・。
追加情報 このタイミングで、マネックス証券がNTTドコモの子会社になるそうです。
株式会社NTTドコモは10月4日、マネックス証券株式会社と親会社のマネックスグループ株式会社との間で資本業務提携契約を締結した。・・・マネックス証券は、実質支配力基準に基づきドコモの連結子会社となる。
NTTドコモ、マネックス証券を子会社化。証券業に本格参入へ
資本業務提携契約の目的について、ドコモは「投資分野に本格参入し、お客さまに最も選ばれる次世代の画期的な資産形成サービスの提供、投資による個人の資産形成が大きく前進するような社会的インパクトの創出、お客さまの更なる“ウェルビーイング”の向上を目指す」、マネックス側は「証券会社の既存のビジネスモデルを進化させ、お客様に最も選ばれる新たな資産形成サービスを共同で創出し提供する」としている。
お客様に選ばれる有益な資産形成サービスの提供をおねがいします。