新NISAでの投資方針決定 と背後の思考

来年1月から始まる、新NISAでの投資方針を決めました。 

  • NISA口座開設は楽天証券 
  • 積立投資枠(120万円)は、月々10万円積立でeMAXIS Slim米国株式を購入
  • 成長投資枠(240万円)は、年初に全額eMAXISslim米国株式を購入

1.楽天証券に口座開設する理由

先の記事で書いたように、僕は楽天グループの経営状況には一抹の不安を覚えており、ここに開設してもいいのかなあ?という心配も持っています。でもまあ、たぶん大丈夫だろう・・・

そのうえ僕の場合、主な取引銀行が楽天銀行なので、同じグループの楽天証券を使うのが一番利便性が高い。

それと最も大きな理由が、将来新NISAを取り崩すとき(出口戦略)を考えた場合の便利なサービスの有無です。

新NISAでは最大1800万円という大金の積み立てができるのだけれど、積立れば終わりじゃなく、人生の後半生でいかにうまくそれを使っていくかが大事です。

そんな時、自動定期売却(かつ定額ではなく定口)できる仕組み が使えることは非常に大事だと思っています。投資信託の総所有額は日々市場に合わせ変動しますから、「定額売却」では上手な取り崩しにはならないのです。

くわしくは、カン・チュンドさんの投資信託クリニックのブログ記事を読んでください。

リタイア後、
無駄なく計画的にリスク資産を解約 → 思う存分使っていき、→ 最終的にリスク資産を『ゼロ』にする!
という人に向くサービスです。

リスク資産を確実にゼロにする、楽天証券の投資信託・定期売却サービス『期間指定コース』とは?

ところが、ネット証券において現行の積立NISAでの定口売却が選択できるのは楽天証券しかありません。新NISAでこの機能を実装するかどうかはまだ決まっていないようですが、一番実装する可能性の高いのは、楽天証券です。まあ他社もいずれ追従するとは思いますけれど。

わたしが知る限り、現在、投資信託の『定期売却サービス』に対応してくれる金融機関は以下となります。・・・
上記6社にわたしは敬意を表する者です。
資産を「積み上げ」、資産を「取り崩す」という、ひとりの生活者の、資産形成という名の長い旅に、「最初から最後まで付き合いますよ!」と宣言してくれているわけですから。
が、ちょっぴり残念なことに、
現行NISA口座内でも『投資信託・定期売却サービス』を実施しているのは、現状、楽天証券とフィデリティ証券しかありません。
しかも、フィデリティ証券は「一般NISA」のみ。現行の「一般NISA」「つみたてNISA」とも、『投信定期売却サービス』に対応しているのは、すべての金融機関の中で楽天証券のみなのです。

楽天証券さん、新NISAでも『投資信託・定期売却サービス』に対応してくれますよね?

楽天証券よ、持続していてくれ(僕の老後資金を託すのだから!)

2.eMAXIS Slim米国株式を選んだ理由

これから投資を始める人、投資は別に趣味じゃない人 にはこの銘柄は勧めません。素直に、eMAXIS Slim全世界株式(通称オルカン)買っとけ です。 アメリカ一国にかけるより、全世界に掛けた方が、分散が効いていいからです。(全世界の株式に時価総額のウェートに応じて平均的に投資できる)

詳しくは、山崎元さんの記事をどうぞ 新NISAで腹落ちできる「絶対的に正しい運用方法」とは何か あと、初心者は 山崎元・水瀬ケンイチ「全面改訂第3版 ほったらかし投資術」を一読してから投資することをお勧めします。

これから長い年月をかけ何百万、何千万のお金を投資していくのですから、わずか790円(税別)の本を一冊購入し、それを読む くらいの下準備は、負担のうちには入りません。 僕は初版をも持っているのですが、改定第3版で非常に読みやすくなったし、時節アップデートもできているので、最新の第3版を買いましょう!

eMAXIS Slimシリーズは、公式HPに「業界最低水準の運用コストを目指す」と書かれているし、その過去実績は 投資ブロガーが選ぶ!FUND OF THE YEARの受賞歴で折り紙つきだから。

 それでも僕が米国を選ぶのは、趣味として別途日本株の個別投資をしていること、新興国やEUにあまり将来性を抱いていないという偏見(バイアス)を持っているためです。最終的に運用成果に責任を持つのは自分なので、自分が腹を決めたものを選ぶしかないのですね。

主題はここまで。以下は僕の脳内妄想(というかメモ?)なので、適当にどーぞ。

日本は証券取引所の企業選別が甘すぎ、本来退場すべきゴミ会社も市場から退場させられません。最近も「PBR(株価純資産倍率)の低迷する上場企業に対して改善策を開示・実行するよう要請」してはいるけど、要請だから罰則は何もありません。十八番の「言うべきことは言ったもん、あとは実行しない相手が悪いんだもん」で終わることを「改革」と称する情けない状態。

 ま、それも含め日米両国の株価を見てきた実感として「米国がくしゃみをすると日本は風邪をひく」のが真実かと。なので自分としては「大枠としては日本株持たず米国株だけ持っていた方が傷が浅くていいんじゃね?」という認識。

ゆえに、趣味としての個別日本株投資にとどめます。(個別株投資は面白いし、日本人にはやはり日本企業の情報ー日本語記述ーが目に留まりやすい)

新興国市場・・・中国とかインドとか、 うーん、あの辺経済発展なんてするのかしら。中国は不動産バブル崩壊中だし(そもそも土地は国有なのに、利用権の価格だけが上昇を続ける って、まさしく実態のないバブルでしたね)。海外でもバブリー開発を続けていました。

「南国の理想郷」
かつてそう呼ばれた60棟におよぶタワーマンション群が、マレーシア南部ジョホール州の沖合にある。心地よい海風の吹く橋の先にある、人工島に作られた『フォレストシティー』だ。だが、その「夢の島」では人影をほとんど見ない。
「『フォレストシティー』は、中国の習近平国家主席が’13年9月にシルクロードを現代に再現すると提唱した『一帯一路』構想の目玉として、’14年前半から進められている巨大プロジェクトです。4つの人工島に1棟30階前後のタワマン群を建て、20万超の部屋に約70万人が住むという壮大な計画。中国のナンバー1不動産会社『碧桂園(へきけいえん)』が手掛け、総投資額は1000億ドル(約15兆円)にのぼるといわれます」

マレーシア発 中国No.1不動産会社が建設した「15兆円のゴーストタウン」全貌写真

インドは汚職やらなんやら問題抱えてそう。

そもそも新興国が順調に経済発展できるかという疑問には、中所得国の罠 という言葉が経験則的にあります。そこを超えられた国は、過去に日本、アメリカ、韓国、香港、シンガポールと多くはないのだ。

「中所得国の罠」とは、多くの途上国が経済発展により一人当たりGDPが中程度の水準(中所得)に達した後、発展パターンや戦略を転換できず、成長率が低下、あるいは長期にわたって低迷することを指す。これは、開発経済学でゆるやかに共有されている概念であり、その端緒は世界銀行が07年に発表した報告書にあるとみられている。

中所得国の罠の回避に向けて  内閣府

また、順調に経済発展したとしても、それがその国の株価に反映されるかは、また別問題だと思うんだ。(汚職や政府の関与を離れ、経済原理できちんと動く証券取引監視機構が必要でしょう。日本もその面では新興国・・・)

さらに、新興国で稼ぐ先進国の国際的大企業とあまり振るわない国内企業って構図もありえそうですよね。

そういや新興国と言えば、アルゼンチンの大統領選挙、決選投票が行われるらしいけど、有力候補の経済学者ミレイ氏は、「中央銀行廃止、ペソを廃止して通貨を米ドルに」って訴えているらしいですね。  

ミレイ氏は、中央銀行を廃止しドルを法定通貨にすることで物価を安定させるとしています。

アルゼンチン大統領選 決選投票 経済相と下院議員の接戦予想

他国の話だから、外で見ている限り、自称経済学者がそんなこと言うなんて面白れぇ とは思うけれど。うーん、自国通貨と中央銀行を無くすと、その国独自の金融政策ってできないわけでしょ。日本の場合、日銀の大規模金融緩和ってのがアベノミクスの主要政策だったんだよね。その賛否はともあれ、重要な政策実施手段を自ら失うってこと、長期的に見て賢いことなんだろうか?

ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏は「通貨をドルにしてしまえば、為替の変動に悩まされることはなくなる」としつつ、「自国の金融政策を放棄し、すべてFRB(米連邦準備制度理事会)の決定に従うことになる。自国の景気が悪いときに、金利を下げられないなど弊害も大きい」と話す。
 南米ではパナマ、エクアドルやエルサルバドルがドル化政策を採用している。第一生命経済研究所の西浜徹氏は「これら経済規模の小さい国々とは異なり、南米2位のアルゼンチンが金融政策を放棄するのは現実的ではない」とみる。

「アルゼンチンのトランプ」がぶった切ろうとしている「中央銀行と自国通貨」 何が起こる?そもそも可能?

と、それを大規模に実施しているのがEUという実験体だよね。

単一通貨ユーロが誕生して以降、ユーロ圏の金融政策は、欧州中央銀行(ECB)及び各国中央銀行からなる欧州中央銀行制度(ESCB)を通じて単一の金融政策として行われる。各国中央銀行は、定められた金融政策方針に従って、各国内で金融政策を実施することを任務としている。

外務省  ユーロ圏の金融政策と欧州中央銀行制度

言うまでもなく、一口にユーロ圏と言っても各国の経済事情は様々なわけだけど、その中で単一の金融政策実施なんて、各国に不公平が出たりするんじゃないだろうか?そのひずみが、どこかで爆発したりしないのかなあ。 →EU経済圏への不安(不安定)感

傍証として、英国,デンマーク,スウェーデンはEUに加盟してる(英国は脱退した)けど、通貨統合には参加してないんだよね。これらの国は独自の金融政策の実施ができる。

ユーロ非参加国中央銀行は、特別の地位を有するESCBのメンバーであり、ユーロ非参加国独自の金融政策の実施が許容されているとともに、ユーロ圏の単一金融政策の決定及び実施には加わらない。また、ユーロ非参加国中央銀行を除いたECB及びユーロ圏中央銀行を合わせて、ユーロシステムと呼ばれており、ユーロ圏の単一金融政策を決定し、実施する。

同上

そもそもEUの経済政策って、環境保全を錦の御旗に「ある種の規制」をつくり、その規制をクリアした製品を欧州で開発し、それを世界に売りさばく というものだと思う。

車を例に取ると、欧州で環境に優しいディーゼル車を開発して世界に売るつもりが失敗(開発に失敗し試験結果を偽装)。代わりに日本のハイブリッド車が輸入されると、これを含めたディーゼル、ガソリン車の販売を将来的に禁止。代わりに電気自動車シフトを宣言。欧州内でそれを開発して世界に売るつもりが、その前に中国の安価な電気自動車が大量輸入され逆切れ・・・いまいちうまくいってない気がするんだよね。

まだ車関係では、政府がそのような全体戦略を取らず(取れず)、各メーカー任せになっている日本企業の方が、現状では分があるように思えてしまうかな~。

2040年までにディーゼル車、ガソリン車の販売を禁止する──。
フランス、そして英国が7月、内燃機関のみで走る車への抜本的な規制導入の方針を発表し、世界に衝撃が走った。
元凶はディーゼル車だ。力強い走りやハイブリッド車(HV)並みの燃費に加え、税制優遇のメリットもある。「クリーンディーゼル」といううたい文句で、欧州の乗用車販売で半分以上を占めてきた。だが、その虚構性が明るみに出た。

「ディーゼル神話」崩壊、ドイツがEVへ急転換トヨタはハイブリッド車が欧州で絶好調

中国製EV(電気自動車)のヨーロッパ市場向け輸出が規制される可能性が出てきた。EU(欧州連合)の政策執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は9月13日、欧州議会での施政方針演説のなかで、中国製EVへの補助金に関する調査に着手すると明らかにした。

「グローバル市場には安価な中国製EVがあふれている。それらの価格は、中国政府の巨額の補助金により人為的に低く抑えられ、われわれ(ヨーロッパ)の市場を歪めている」。フォンデアライエン氏はそう述べ、「われわれはこれ(国家の補助金による不当競争)を看過しない」と強調した。

EUが「中国製EV」の補助金に関する調査に着手

いや、あんたのとこの農産物価格だって、巨額の補助金により人為的に低く抑えられ、われわれの市場を歪めている と思うんだが・・・食料自給率に苦しんでいる?日本国政府も「われわれはこれを看過しない」と強調してほしいもんだね。

欧州企業はこれから何で喰っていこうとするのか・・・

ドイツのエネルギー関連企業シーメンス・エナジーの株価が23日の市場で35%下落した。子会社の風力発電用タービン事業の品質問題を解決するのに数年かかると警告したことが大きな打撃となった。

独シーメンス・エナジー、35%急落 風力発電用タービン問題で

そうみると、相対的に、アメリカは投資先としてまだましかなあ とか思ったり思わなんだり・・・いや、もちろんケチをつけようと思えばいくらでもつけられるし、この辺りは信じるも八卦 というような気がしないでも、ないけれど。

投稿者:

モト

元河川技術者、現在は里山保全の仕事をしているおっさんです。西尾市在住の本好き歴史オタク。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください