令和5年度の、公共事業関係費(政府全体)のインフラ投資割合はこんな感じです。
地山治水や道路整備、港湾整備や住宅都市環境が上位を占めています。
でもねえ、石川の災害報道を見てて思いました。 このへんに毎年大きく変わりなく予算つぎ込むのやめて、全額避難所とかの備品増強につぎ込みません? 港湾整備とか道路整備しても、地盤が4m隆起したり、大規模に地割れしたら意味ないじゃん (極論なのはわかってます)
でもね、近い将来確実に起こるであろう南海トラフ地震の被災地に住むものとしては、冷房も、暖房もない体育館へ避難して、そこで暮らすなんて耐えられないんだわ。
今や、夏の冷房はぜいたく品ではなく、必需品(ないと命に関わる)です。北陸の冬に暖房ナシとか、「風呂(シャワー)入るのなんて四日ぶり」なんて、生死や人権に関わるでしょ?
2011年の東日本大震災でも避難所環境の悪さが再び問題になった。死者・行方不明者約2万2000人のうち、約17%の3794人が関連死だった。
提供されるはずの段ボールベッド、協定通りには届かず雑魚寝…自治体任せの避難所運営見直しを
自分が被災者になった時、いま報道されているような被災地生活でいいですか? もっと前に備えてあったなら、もう少しましな避難生活が送れたんじゃないでしょうか? それは人の心配じゃなく、明日の自分たちに降りかかる運命かもしれないですよ?
それに備えた備品整備だって、立派なインフラ投資だと思いません? そして、それがもっとも喫緊のインフラ整備だと思いません?
日本では大規模災害が起きると、学校の体育館が避難所に転用されるケースが多い。しかし、先進国ではこうした対応はあり得ない。新潟大学大学院の榛沢和彦特任教授は「日本の避難所は欧米からみればハラスメント状態だ。『避難所の生活を改善すると、被災者の自立が遅れる』という主張がされるなど、根本的な誤解がある」という――。
トイレやシャワーは、移動のコンテナ式でスタッフによって清潔に保たれていました。なかにはコインランドリーや子どもの遊具を備えた避難所もありました。
日本では、避難所で、被災者が並んでおにぎりや弁当を受け取るケースをよく目にしますが、イタリアでは避難所のスタッフが配膳などを担当していました。担当者の言葉が忘れられません。「温かくておいしいものを食べれば元気になるだろう。それが、生活を立て直す上ではもっとも大事なんだ」と。その数カ月前まで3.11の避難所の実態を目の当たりにしたせいか、本当に衝撃を受けました。・・・
イタリアでは、災害が発生すると政府から州の市民保護局に対して、72時間以内に避難所を設置するよう指令が下ります。ここでのポイントは、指令を受けるのは、被災した自治体の市民保護局ではなく、その周辺で被害をまぬがれた自治体の市民保護局という点です。日本では被災した自治体の職員が避難所に寝泊まりして、管理、運営を担当するでしょう。当然ですが、被災自治体の職員も、被災者なんです。
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被災者がガマンを強いられるのは食事だけではありません。寒くて広い体育館で、冷たい床の上にあり合わせの畳やマット……なかには段ボールやビニールシートを敷いて眠る。これでは身体を休めることができません。3.11の避難所を撮影した写真をアメリカやヨーロッパの支援者に見せたところ「クレイジー……」と絶句された経験があります。
災害大国・日本の被災者ケアが劣悪である根本原因
まだ十分とは言えないけれど、日本はイタリアなんかより「災害に備えるための防災インフラ整備(道路とか治山治水とか港湾整備とか)」は進んでいるし、もちろん予算もつぎ込んでいます。
が、災害のすべてを抑え込むのは無理なんです。だから災害を受けたとき、「せめて人間らしい」避難生活を送るためのインフラに、公共のお金をつぎ込むよう方針を転換していくべきではないでしょうか?
例えば、被災地では清潔なトイレの不足、深刻ですよね。実はこれ、一番重要なインフラです。とくに先進国(QOLを重視)なら特に。まあ日本はQOLを重視してこなかった偏った先進国なのかもだけど。
「食料の支援がよく話題になりますが、実は被災地では、それ以上にトイレの重要度が大きいんです」
「トイレ問題は災害関連死に直結する」被災地支援のプロが「食料よりもトイレの支援と備えを」と訴える理由
そう話すのは、長年にわたって被災地支援や防災活動に取り組んできた、一般社団法人「助けあいジャパン」共同代表理事の石川淳哉氏だ。
・・・トイレが不都合になると、命にも関わるのだという。
「震災時は、地震の揺れや津波などの被害で亡くなる『直接死』だけでなく、避難生活中に命を落としてしまう『災害関連死』にも目を向ける必要があります。その大きな要因の一つがトイレです。トイレが使えなかったり、尿や便であふれていたりしたら、できるだけ飲食を我慢しようとしますよね。それ自体が体調不良や持病の悪化につながりますし、脱水状態に陥ることで血栓ができやすくなり、いわゆる『エコノミー症候群』で命を落とすリスクも高まるのです」
伊達さんは「トイレトレーラーが石川県輪島市の鳳至小学校にありまして、すごく大活躍しているという情報が入っております」「聞くところによると、日本国内に30台近くあるのかな、トイレトレーラーが、うん。それが一斉にね、被災地の方に向かった」と、報告。
これに対し、富澤さんは「そういうのも足りないんでしょうけどもね」と応答。 すると、伊達さんは「もっとさ、国が作りゃいいんだよ、だって必要だったわけじゃん。絶対に必要だったって俺らでさえわかって、なんかものにしなくちゃいけない、どうしようかなって言ったときにトイレトレーラー、あ、これいいじゃん、トイレ必要だったもんねって俺らでさえ勘づいてるわけだから、国がもっとさ、全市町村に2台ずつ入れるとか」と、自身の体験をもとに被災地でのトイレの必要性を強調。
続けて、「水・食料と同じようにトイレ、同じ時期に必要ですからね」「東日本大震災の教訓がそんなに生きてないなという気がするけどね」と、被災地に向けた「トイレ」対策の必要性を提言しました。
サンドウィッチマン 【能登半島地震】 トイレトレーラー「国がもっと作れば良い」「全市町村に2台ずつ入れるとか」「東日本大震災の教訓が生きてない」と提言
トイレトレーラーって、日本にたった30台しかないんか・・・民間人がトイレトレーラーを寄贈してるっていうのに、国は情けないですね。 復興庁っていう役所まで新設したのに、「東日本大震災の教訓がそんなに生きてないなという気がするけど」とか言われて恥ずかしくないんでしょうか?
彼らの提言にあるように、国が市町村に2台ずつさっさと作って送ればいいのです。 一民間人の大谷氏ですら、全国の小中学校に3つグローブを送れるんだから、その気になれば国家予算を使えば楽勝です。ただ、その気がない。
そうだ、裏金作っても無罪の高級国民どもに、免罪符として買わせればいいんだ。ついでに5000万円パー券売れる秘書営業力で、企業に売り込んでもらいましょう。トラックに企業名載せるって言えば、企業も喜んで出資することでしょう。
そういや、日本も病院船を持つべきだ という話があったように思うのだけれど、どうなったのかなあ。これなんて絶対必要なインフラだと思うんだけど。
新たな感染症が発生した場合や大規模災害が発生した場合に、人命を最優先に経済社会への影響を最小限に抑えるためには、迅速かつ十分に医療提供の場を確保することが必要であることから、その手段の1つとして、病院船の活用を検討するため、有識者等により構成される「病院船の活用に関する検討会」を開催します。
病院船の活用に関する検討会 内閣府
ちなみに検討会の報告はもう出てるのですが、結論(下のPPTの↓以下の部分だと思われる)は霞が関文学の極致で、何を言ってるのかさっぱり分かりません。
最大の障害は医師や運航要員の確保だそうですが、コロナ感染症の感染拡大時に「医療従事者がいない」という結論を出すとか、悪意があるとしか思えないようなタイミング。やる気ゼロです。運用で民間事業者とかナンセンスで(営利がなりたつわけない)軍隊(自衛隊)がするしかないですが、余剰人員がいないと来ました。
国会議員の定員減らして、自衛隊の定員増やしたらええやん。ともに特別職の国家公務員扱いみたいだし、どっちが国民の役に立つかは一目瞭然でしょう。
あ、そういや。国家公務員の定数ってすげえ減ってるんですけど、国会議員はなんで減らないのかね? 日本はこれから人口も急減するんだから、国民の代表たる国会議員定数も激減させていいと思うんだけども。そう仕事もしてなさそうだし。
追記。
政府は来年度から、医療機材や病床を備えた「病院船」の運用に乗り出す。震災など大規模災害が発生した際、入院患者の搬送やけが人らの治療を担い、現地の病院を支援する。当面は民間のカーフェリーを活用する方針で…手術室がないことなどから、重傷者には対応できない。
運用を担う内閣府が複数の船舶会社に協力を要請。災害時に使用料を支払ってカーフェリーを借りることを想定している。船には日本赤十字社の医師らが乗り込み、日赤の医療機材を持ち込む。普段は車を止めるスペースに並べたテントや客室を病床とする。
厚生労働省内には、巨額の建造費をかけ、病院船を保有することを懸念する声も出ている。
病院船の運用をすることにはなったんですが、 手術室なし。 カーフェリーを災害時に借りて、駐車スペースに並べたテントや客室を病床にするとのこと。
客室はともかく、駐車スペースに並べたテントが病床。仮にも病院船と言っておきながら手術室なし どこの発展途上国の運営なんすか。 どうせ予算使うなら、ちゃんと生きた使い方しようよ。