ワクチンパスポート?接種済証?

明日、いよいよ2度目のワクチン接種が受けられます。 これで仮にコロナウイルスに感染しても心理的には一安心。 てか、あんまり自分が感染するとは思っていない部分もあるのですが・・・ 基本引きこもりで、出かけるとすればほとんど仕事のみ。仕事は屋外で少人数でやってるし、他の職員はすでにワクチン2回接種済みだし。とはいえ。

 今後、コロナウイルスの動向はどんな感じか、専門家の見解を聞いてみると・・・

国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授「冬には感染が広がりやすい。第5波の規模を上回る感染者数が出る可能性もある」
感染者数を十分に減らせないまま、緊急事態宣言を解除した場合、秋にも「第6波」が来ることもありえると指摘している。
また、ワクチン接種が進んだとしても「感染しないことはない」と話していて、引き続き、感染対策が必要だと警鐘を鳴らしている

専門家「冬より前に第6波の可能性」 感染減で緊急事態宣言解除なら

尾身茂会長は15日、衆院厚生労働委員会の閉会中審査で「ワクチンを接種して色々頑張っても(ウイルスを)制圧してゼロにすることはできない」とした上で、コロナ対応について「当分、続けていく必要がある。(さらに)2、3年かかる」との認識を示した。

尾身氏「コロナ対応に2、3年かかる」…ウイルスを「ゼロにすることはできない」

サル(素人)でも言えるレベルの話を「専門家」が言い続けててどうすんの?としかコメントできないんですが、まあ コロナはそう簡単に収束せず、長いこと付き合っていくことが必要になる と見ておくべきだろう・・・ということかと。

となると、ある程度感染が抑えられれば、ワクチン接種を二度受けた人は、ある程度自由に過ごしてもらって、経済を回していかないと駄目なんだろうな という意見が強まるのは自然のことだと思います。「人はパンのみにて生きるにあらず」とは言いますが、パンがなきゃ生きていけないのも、これまた事実ですからね。

となると、具体的にはワクチンパスポートの活用ですね。

新型コロナウイルスはまだまだ油断できないとはいえ、ワクチン接種が進み感染者数が落ち着いてきたことから政府は、行動制限の緩和を検討している。そこでカギを握るのがワクチン接種したことを証明するワクチンパスポートと陰性証明書だ。それで働き方は、どう変わるのか。
 すでに使用されている欧米では、飲食店や病院の利用に活用。米ニューヨークは飲食店のほかジムでも導入されている。アジアでも、シンガポールではワクチン接種済みなら1グループ5人までの飲食が可能だ。
 これを仕事に当てはめると、国内外の出張、ユーザー向けのイベントやセミナー、展示会、飲食シーンでは得意先との接待や会食などが思い浮かぶ。ワクチンパスの有無で働き方が変わる可能性はありうるだろう。

ワクチンパスポートがない人の働き方Q&A「出張、接待、異動、解雇」の可能性を徹底検証

海外でも使われていますし、イタリアではワクチンパス制度が、若い人たちが積極的にワクチン接種する理由にもなっているようです。日本も見習ったら。

秋からは学校の教職員や大学生もグリーンパスが義務化され、飛行機はもちろん長距離の列車なども対象となるらしい。会社の社員食堂もレストラン同様グリーンパス義務化となったから、パスがない人たちの暮らしはどうなる!と侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が交わされる毎日だ。学校が始まる前にワクチンをしたい、もうオンライン授業はたくさんだと、13歳から18歳(イタリアでは18歳以上が成人)の子どもたちへのワクチン接種もどんどん進んでいるのだそうだ。成長期の子どもへのワクチン接種に親が悩んでも、子どもたちは自由になりたいと接種に突き進む。

イタリアで開始「ワクチンパスポート」の現状

接種したら自由になれる!若い人には、最大のご褒美です。でも日本は「接種してもかからないわけではないから、不要不急の外出は控えましょう」の一本槍。正しいでしょうが、それで若い人へ接種が進むか考えると、頭悪すぎます。

コロナワクチン2回接種したからいいよね 旅行に会食「我慢の反動」止まらない

いやこれ「反動」じゃなく、ずっと我慢してきた人間の当然の反応だから。これを「自粛要請」で抑えようとするなんて、もう無理。だったら抑えるんじゃなく、この自然の反応をむしろ利用し、ワクチン接種率を高める方向に持っていったほうが、コロナと共存する社会では、総合的に見て有利なんじゃないですか? 

少なくとも政策としてメリット・デメリットを比較し、国民にも分かるよう示すべきだと思います。「何度も繰り返される『今がまさに正念場の自粛要請』」 や「専門家の『恐怖を煽る』素人発言」以外の政策として。

それはさておき、日本もワクチン接種が一段落すれば、「ワクチンパスポート」が利用されるようになるのは時間の問題でしょう。接客業などでは、実質必須になるかもしれません。

外食大手のワタミが、店員の名札にワクチン接種済みであることを示すマークを付ける方針を示したことが波紋を呼んでいる。

日本が現時点で「ワクチンパスポート」を導入することが、あまりに「不合理」と言えるワケ     (8月末の記事)

賛否は色々あるでしょうけど、この方針も一概には責められんよなあ。背に腹は代えられない というか。

んで、「ワクチンパスポートがない人の働き方」記事を読んでよくわからんのが、「ワクチンパスポート」と「接種済証」との違い。この記事では「ワクチンパスポート」と書かれているんだけど、日本の場合「ワクチンパスポート」は現状、海外の特定の国に出かける予定のある人のみが申請して発行してもらうもの。国内で利用する場合は接種時に発行される「接種済証」を利用せよ というのがお上の見解なのれす。 

この接種証明書は、海外渡航の際に必要な方へ交付するものです。それ以外の方が接種の記録を必要とする場合は、接種時に発行される「接種済証」又は「接種記録書」をご利用ください。

知らない人が多いと思うのですが(接種済みの両親は知らなかった)ワクチン接種券の右半分が、二回接種を終えると「接種済証」になるのです。 接種をする毎に、接種者(医院とか接種会場)が「接種したよ」ってシールを張ってくれ、接種済みの人はすでに手元に接種済証があるんです。そんな大事なことはもっとはっきり言ってもらわないと。うちの両親は医院で「この券はなくしちゃ駄目ですよ」とは言われたそうですけど・・・

ってことで、日本で使われるのは「ワクチンパスポート」ではなく「接種済証」ではないかな? 

でもね、この接種済証が本当に「証明書」として使えるのか・・・いくつか気になる点があるのです。

  • フォーマットの下段に「地方自治体の首長名」が入っていて、この人がこの書類が正しいことを保証するわけだけど、押印もすかしも何もない。ただの紙。
  • だからなのか、接種済証には(臨時)と記載がある。
  • 接種者が貼ってくれるシールは、簡単に剥がしたり偽造することもできそう。
  • 結論として、個人的には「これがなにかの証明書類」になるとは思えない。

あるいは制度が動き出したら、再度何らかの形で、正式証明書を発行してもらうことが必要になるのかも・・・でも、国民みんなが「それっ」と動き出したら、窓口がパンクしてしまうよね・・・そもそも紙ベースだからデータ照合とかめっちゃ時間かかる・・・(デジタル後進国の悲劇再び)。

厳密に言うと、こんな問題もあるようです。ま、日本は「発行すれば、それで良し」とか「書類を持っているかどうか(形式的な)確認さえすれば、それでよし」みたいな弥縫策実運用をするでしょうから、ここはあんまり問題にならないと思いますが。まあ、そういう実運用をする国だから、デジタル後進国でも平然としてるんですけど。 でもそれって、「安心ごっこ」遊びしてるだけで、全然「安全じゃない」・・。

技術的に国内ワクチンパスポートを発行できるかどうかについて、大きな疑問がある。・・・なぜなら、接種券に書かれている人間とその証明書を見せている人間が同一人物であるという証明を、できない場合があるからだ。運転免許証や旅券、またはマイナンバーカードには、写真付きで住所氏名が記されているから、それを接種済み証と共に見せれば、本人証明ができる。・・・
しかし、これらを持っていない人は、その接種済み証が自分のものであることを、第三者に対して証明できない。・・・
実は、この問題は、接種の際にもあったことだ。接種券に記載されている住所氏名と同じ住所氏名が記載してある健康保険証を持っていけば、記載してある年齢と見かけが大きく離れていない限りは、本人であると認められ、本人でなくても接種を受けられたはずだ。
・・・
日本における本人確認とは、この程度のものなのだ。

「国内ワクチンパスポート」導入できない日本が被る“これだけ”の不利益

海外に出かける用事をこさえて、ワクチンパスポートを今のうちに申請しとこうかなぁ・・・あっちはかなり証明書としてしっかりした作りみたいだし。

なんの変哲もない紙切れのようですが、どうやら偽造できないようになっているようで、コピーも容易にできないようになっています。
画像をアップしようとしてもできないと出てきます。
おそらく市販のコピー機でもコピーできないと思います。

【海外渡航】ワクチンパスポート取得完了しました。CubのFIREmini生活

この間、パスポートも更新したところだしなぁ・・・(接種証明書に記載されるパスポート番号と海外渡航に使用するパスポートの番号が一致する必要がある)

こっちも調べてみると不思議なことが・・・

日本人がワクチンパスポートを持って海外にでかけた場合、「隔離期間を短くしてあげるよ」という国がいくつかあります。 一方、ワクチンパスポートを持っていても、日本へ入国する場合は(日本人でも)「隔離期間は短くしてあげません」とな。

海外の渡航先への入国時に、相手国等が防疫措置の緩和等を判断する上で活用されるよう、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の事実を公的に証明する接種証明書を交付します。

現時点では、接種証明書を持っていることによって日本への入国時の防疫措置が緩和されることはありません。

厚生労働省

自国はその証明書により防疫措置を緩和することはしない。けど、相手国が防疫措置の緩和を判断する上で活用されるよう証明書を交付する  ってのもなんか変な話。

証明書を発行する以上、あんた国は「この人は安全だよ」って保証するわけやろ、だからうち国はあんた国を信頼して防疫措置を緩和したんだ。でも、そのあんた国が証明書を出しても防疫を緩和しない って言うなら、うち国も考えなあかんわ。・・・外交の基本は、相互主義だと思うんだけどね。日本が特別実力のある大国なら、話は別だけど。

相互主義(そうごしゅぎ、英語: principle of reciprocity)とは、以下のような内容の考え方をいう。

外交や通商などにおいて、相手国の自国に対する待遇と同様の待遇を相手国に対して付与しようとする考え方。互恵主義、レシプロシティーとも。

wiki

歴史と地理から考える都市防災

防災を考えるのに、都市の歴史とか地理など、多角的な面からも考えるのはいいアイディアだと思っているのですが、そんな観点から、とてもよい記事がありましたので、紹介します。

「大いなる田舎」名古屋が語る防災の知恵

「お国自慢」を通して、これからの日本を考える

福和伸夫 名古屋大学減災連携研究センター教授

無理やり短くまとめてみると

  • 名古屋のシンボル「名古屋城」は、歴史に残る数々の大地震をくぐり抜けてきた
  • 名古屋城を含む名古屋市中心街(三の丸にある国県市官庁街も含む)が災害に強かったのは、それまで市街地であった清須(川岸で液状化の危険大)から、現在の位置(熱田台地)に町ごと大規模移転「清洲越し」をしたから。
  • 「清須越し」とは、1610年に徳川家康が息子の尾張徳川家初代藩主に、清須の城下を熱田台地の上に丸ごと引っ越すこと命じたもの。約100の寺社、67の町と共に、6万人が引っ越した。
  • 太平洋戦争で焦土と化した名古屋(名古屋城の天守閣もこのとき燃えちゃった)だったが、大規模な復興を猛烈なスピードで進めた。100m道路をはじめとする広幅員道路や、寺社・墓地移転により大規模な土地区画整理事業を進めた。移転した寺院数は300弱、墓地面積は約18万平方メートル。
  • 結果、南北の久屋通と東西の若宮通、2本の交差する100m道路に、南に続く新堀川を加えると、名古屋を十字に4分割する計画になっており、万一大規模な火災が起きても延焼が全市に拡大するのを防ぐ。整備された広い道路と公園は、災害時の避難地や復旧工事の拠点にも。
  • 近年、災害危険度の高い名古屋駅周辺に高層ビルが林立するようになったが、名古屋の老舗企業の本社の多くは熱田台地上に残っている。
  • 名古屋の周辺に集積する自動車産業も、多くは丘陵の原野を開発して大規模工場を建設しており、他地域の産業と比べて災害危険度は相対的に低い。
  • この状況は、入江を埋め立てた大手町から日比谷にビジネス街が広がり、臨海部の埋立地にタワーマンションが林立する東京の風景とは全く異なる。
  • 安全な場所に城を構え、その周辺に城下町が広がる。日本の地方都市の多くは、近代以降もこうした街の形を引き継いでいる。地元の老舗企業は城に近い旧市街地にある場合が大半だ。名古屋も規模は大きいが、そうした地方都市の一つといえる。
  • 最近、この田舎っぽさこそが大切なのではと感じ始めている。地方都市にいまも息づいている街の歴史には、様々な防災・減災の知恵も込めらてれおり、それは地域の特色にもなっている。全国各地で地元の良さを再認識し、それぞれの「お国自慢」を通して、これからの日本を考えてみてはどうだろうか。

名古屋を十字に4分割する計画だった とかは知らなかったですね。へぇ〜。

まあ手放しで褒められるほど、現在の名古屋がそこまで「すげえ」わけではないでしょうけど、江戸時代の規模だと、大規模移転しただけあって、防災上も強かっただろうし、その時の遺産が残っているのは間違いありません。

指摘されているように、近年では災害危険度の高い(地盤が弱い)名古屋駅周辺が急速に高層化し開発されまくっていました。本当に近年ですね。昔は繁華街である栄への通過点でしかなかったもの。防災上はそのほうが良かっただろうね。ま、なんと言っても交通の便がよいのは、災害のこと忘れれば、やっぱり魅力的ですから。

熱田台地は、北西端が名古屋城、南西端が熱田神宮なんですが、現在の名古屋市は、それを遥かに超える面積を持っています。名古屋市の弱点は、特に熱田神宮より南や西に広がる低地でしょう。熱田神宮より南は江戸時代まで海だったし、西は低湿地でした。大雨が降れば大惨事が起こります。2020年の「東海豪雨」では名古屋市の4割が浸水したし、その危険性は基本的には今も変わっていません。

名古屋の街、4割浸った 東海豪雨(平成と中部)
海抜ゼロメートル地帯が広がる濃尾平野は、深刻な水害にたびたび見舞われてきた。平成もそうだ。2000年9月の東海豪雨では新川の堤防が決壊し、名古屋市内の4割が浸水。多くの家屋や工場が泥水にまみれ、被害総額は7700億円を超えた。

日経新聞

この濃尾平野のゼロメートル地帯、名古屋市だけでなく愛知、岐阜、三重3県に跨るんですが、その面積は「日本最大」と非常に危険な地域でもあるのです。参考「東海ネーデルランド」(中部地方整備局)

「自動車産業が多くは丘陵の原野を開発して大規模工場を建設」というのは事実ですが、大規模ではない下位下請けまでくれば例外もあり、裾野の広い自動車産業全体の災害危険度は本当に低いと言えるかなぁ?とも。

でもでも、概略的に都市の成り立ちとか知っていれば、自宅や職場で、災害時にどんなことを準備しておくべきか ということが見えてきますし、なによりただ漠然と「防災考えなきゃ、うちは何を備蓄しとけば大丈夫なの?」っていうアプローチより、断然面白いですよね。

☆福和先生の話はとてもおもしろいしためになるので、本を買って一読しておくと良いと思います。一番のオススメは「次の震災について本当のことを話してみよう」です。