西尾の文化財(26) 寺津散歩

以前、このブログで寺津八幡社を取り上げました。

西尾の文化財(18)寺津八幡社

寺津の地は吉良氏の家老を務めた「大河内氏」発祥の地で、寺津城がありました。

町は名前の通り「寺と津(港)」が特徴的です。古くからの漁師町で、たくさんのお寺があります。 大河内氏の痕跡と文化財を求めて散策!

航空写真でも、たくさんのお寺があることが分かります。赤で囲った箇所を訪問しました。(寺津八幡社は上記記事で紹介済)

浄名寺

それほど大きなお寺ではありませんが、このお寺には「円空仏」が安置されています。

円空とは、江戸時代前期の僧・仏師。一説に生涯に約12万体の仏像を彫ったと推定され各地に「円空仏」と呼ばれる独特の作風を持った木彫りの仏像を残した。(wiki)

浄名寺
浄名寺円空仏

うーむ、大胆なデザイン!!円空はこの材に仏を感じたんだろうか?? 解説によれば、もともと伊勢にあったそうですが、明治時代の廃仏毀釈の時期に、三河の地に逃れて来たようです。(市指定文化財)

妙光寺

室町時代の薬師如来像があるそうです。(市指定文化財)

養国寺

浄土宗西山深草派三河十二本寺の一つ。境内は、古刹って感じで落ち着いてます。

寺には、「仏涅槃図」という南北朝時代の仏画があるそうです。(市指定文化財)

瑞松寺

小規模なお寺です。境内のあたりが寺津城の主郭だと言われています。

本堂の脇に「寺津城跡」の石碑
稲荷は小山(寺津城の土塁あと)の上

寺津の町は南北に連なる碧海台地にあり、標高が4mくらいあります。寺の辺りから西側は緩やかな坂になっており(左下写真)、坂の行き詰まりに湾が深く入り込んでいます(航空写真参照)。

寺津城はその最深部(港)を抑える拠点に位置しています。

城付近から入り江を見る
湾奥(寺津湊)から三河湾方向を見る

金剛院

瑞松寺の南東、道路を挟んであるお寺です。このお寺には、最後の寺津城主だった大河内信貞、秀綱の供養塔が残っています。お寺の辺りが寺津城の南曲輪にあたり、大河内氏祖先の供養のために設立されたお寺だそうです。

金剛院
金剛院の宝篋印塔(市文化財)

2022年12月08日補足   岩瀬文庫の「古城」展で、寺津城の絵図と情報が出ていましたので追記します。

・瑞松寺は城跡の北東部に建てられた。 城跡の北東隅には稲荷社があり、この稲荷社は現在も瑞松寺の奥に現存しており、寺津城で唯一残る土塁の上にある。 寺津城の中心部の姿は北辺が狭い台形状であり、周囲を堀と土塁に囲まれて南に虎口を開く方形館であった。 南方に広がりが見えて金剛院と一体となった複郭だった様子が窺える。

岩瀬文庫 古城展図説より

つくばの駅前活性化・・・無理じゃね?

駅前が寂れるのは時間の問題だと思ってたけど。寂しいと言えば、少し寂しい。

イオン駅前店に幕 つくば象徴クレオ休館

つくばエクスプレス(TX)つくば駅前で、総合スーパー「イオンつくば駅前店」が31日閉店し、33年の歴史に幕を下ろした。入居する商業施設「クレオ」では8専門店も同日閉店。既に西武百貨店は昨年2月に閉店しており、つくば駅前の象徴、クレオは入居店舗がなくなり「休館」となった。相次ぐ大型店の撤退により、中心市街地の空洞化が懸念される。

・・・クレオの後継テナントについては、土地建物を所有する第三セクター、筑波都市整備(同市竹園)が継続して探しているが、決まっていない。市は公共施設の導入など積極的な関与を検討。市議会は市に早期対応を求めている。

イオンつくば駅前店などの閉店を受け、五十嵐立青市長は「非常に残念。クレオについては、引き続き筑波都市整備や関係者と連携しながら、公共施設の導入も含め、今後の在り方の検討を進めていく」とコメントした。

僕がつくばに住んでいたころは、まだ「つくばエクスプレス(TX)」なんてものは存在していなかった。東京へ出るには、いまのつくば駅にあった「高速バスターミナル」から、高速バスに乗ってました。

バスで東京へ行こうにも、東京方面行の高速はいつも渋滞し、着く時間は読めない。(2時間くらい見込む)就職活動とか時間厳守のときは、土浦駅か牛久駅まで自家用車を持っている友達に送ってもらって、常磐線で東京へ向かうのが通例だった。

あのころつくばは「陸の孤島」と呼ばれ、学生の間では「東京との間に時差が二時間」とも言われてた。 交通の便は悪く、学生はみんな自宅外下宿だったから、終電とか気にせず夜遅くから朝まで呑み会とかやってた。

口の悪い教授に言わせると、「君たちは(地理的要件もあり)社会の動きについていけてないから採用面接で落とされ、わが大学の就職率は非常に悪いんだ!」と言ってたな。正論だけど「お前に言われてもな〜」って思うけど。

閑話休題。あれからじき二十年。つくば市は「つくばエクスプレス(TX)」により東京へも通勤圏になるなど、便利になった。駅前には通勤族を見込んだ高層マンションもでき、合併し郊外に一戸建ても開発され、住んでいる人は急増した半面、買い物客も東京に取られ、駅前の大型店はいよいよ撤退する羽目に。うん、見えてた構図だ。

→孤立都市では、ある種の品を買うため、クレオや百貨店が必要だった。商圏の割に店が大きかったと思うけど。

それに対し「市議会は市に早期対応を求めている。」と言われても、手の打ちどころなんてないよねぇ。そもそも、つくば市の成り立ちからして、「駅前を盛り上げよう」って無理があるんだと思う。

 

僕がはじめてつくばに行ったのは、高校生のころ大学見学に行った時なんだけど、その時「ここアメリカだな」って思った。アメリカと言っても、映画を見て、アメリカにこんなイメージを造ってだけですけど。

  • 道路がきちんと整備された車中心の社会。
  • 広い庭付低層の住居が、たくさんの緑に囲まれ、郊外まで広く広がっている。
  • 週末は車で郊外のショッピングモールに行き大量のお買い物。そのあと広い家の庭で、友達とか同僚家族を招いてBBQをやって過ごす。客も軽くビールを軽く飲んで、車を運転して帰る。もちろんシートベルトはしない(笑)。

たぶん、つくばの町や家の造りはこんな生活をイメージして設計されていたんじゃないかな。(中心部は、日本では珍しい計画都市)当時はショッピングモールなんて無かったけど、今はちゃんとそれがあるから、ますますこれに近い。

ま、日本人は「家に友達とか同僚家族を招いてBBQ」って一般的じゃないけど、総じて「週末を健全に過ごす」には良い場所なわけ。自家菜園とか(笑)。

東京へ通勤してたら平日に選択肢の多い東京で呑めばいいわけ。かたや平日のつくばの夜は呑み客が期待できず、そういう店は成り立たない面もある。そんな生活の中では、東京に出る以外に駅周辺に行く必要がない。

→この面で考えると、つくばは東京の巨大なニュータウンになってしまった。ニュータウンには、スーパー程度の店以外、あまり要らない。そんななかで何をやっても駅前が盛り場になることはないと思う。

つくばの取る道は、「ますますのアメリカ都市化」しかないんだろうか?

でも、本家アメリカではショッピングモールが衰退しており、日本もこの道を辿るだろうから「ミニアメリカ社会」でやっていける時間はあまりないかもしれない。

テナントが相次いで撤退、アメリカのショッピングモールの30%が危機に

業界内で「Aランク」や「Bランク」に位置付けられるアメリカ国内の売り上げ好調なモールの多くは、こうした動きの影響を受けずに済むだろう。

しかし、「Cランク」や「Dランク」に位置付けられたモールは、大きな影響を受けそうだ。

不動産リサーチのGreen Street Advisorsによると、全体の30%を占めるこれらのショッピングモールでは、客足の減少やテナント稼働率、販売効率の低下との戦いがすでに始まっている。撤退したテナントの代わりを見つけるのは困難だ。

 

 

とりあえずは、市が検討している公共施設を移転させ、「一応使っている」ことにするしかないだろうけど、全体の街づくりとして、どうしていけばいいんだろうか?

ショッピングモールが衰退しているアメリカでも、うまく回っている都市(ポストショッピングモール都市)はあるはず。パッと思いつくのは、ボルダーとか、シアトルかなぁ?そこではどんな都市計画が進んでいるんだろうか?  幸い、筑波大学には都市工学科があるんだから、いろいろ実験的にやってみるといいんじゃないかな・・・。