書いているひと「モト」の自己紹介

40歳まで、河川管理の仕事をしてきました。その仕事はリタイヤして故郷の西尾市にUターン。1年間のプー太郎生活を過ごしたのち、は生態系保全の仕事をしています(かっこよく言えば、ね!)。

大学では土木系を、大学院では環境系(生態学)を学びました。さらに昔から歴史や地理、風景を眺めるも好きでした。

んで、プー太郎時代に地元の文化財周りや郷土史の勉強、治山治水の勉強をするうちに、矢作川の存在が周囲の環境(西尾市は矢作川流域の下端にあたります)に住んできた人々の生活に大きな影響をあたえてきた と言うことに気が付き、少しずつまとめてみました。

興味あるキーワード 読書、散歩と街歩き、食、歴史、地理、郷土史、未来予測、投資、土木、建築、デザイン、生態学、景観工学、造園、自由、自己責任、節約、コスパ、持続可能(サステイナブル)、レジリエンス

嫌いなキーワード 団体行動、「がんばる」、残業、健康診断、蛇、義務、決めつけ、老害、道徳、シイタケ

このブログ、何をしたいの?(タイトル変更)

このブログ、何をしたいの? 流域環境防災って???

これからもブログに上げる内容は前とあんまり変わらないです。このブログで、自分の住む主に西尾という地域がどんなところか考えていきたいと思っています。

ですが一年くらい書いてきて、少し方向性が定まってきたかな と思ったので、すこしその方向性に合わせてブログを改造しました。

まず、ブログの基本に据えたい考え方はこちら↓です。

司馬遼太郎「二十一世紀を生きる君たちへ」より抜粋

「人間は、自分で生きているのではなく、大きな存在によって生かされている。」
と、中世の人々はヨーロッパにおいても東洋においても、そのようにへりくだって考えていた。
そこに空気と水、それに土などという自然があって、人間や他の動植物、さらには微生物にいたるまでが、それに依存しつつ生きているということである。それは、歴史から学んだ人間の生き方の基本的なことどもである。
この考えは、近代になってゆらいだとはいえ、近ごろ再び、人間たちはこのよき思想を取りもどしつつあるように思われる。

この思想の解読にはいろいろなアプローチが可能だと思いますが、元河川技術者の僕は、時の流れー歴史を縦軸に、「流域」「環境」「防災」というキーワードを横軸に統合して考えていきたいと思います。多分に僕の関心事であるこれらは、つながりがあると考えているからです。

流域と環境はどうつながるの

水は流域に降った雨を利用します。生きる基盤となる土(平野)は、川が水の流れとあわせ長い年月をかけて流域上流にある山の土を運搬し造ったものです。そこに人間や他の動植物が住み始めます。

平野は流域上流の山の土からできていますから、上流の山の地質や植生が反映されています。ゆえに、山にそれぞれ個性があるように、流域にもそれぞれ個性があり、その個性はそこに住む人間や動植物に様々な影響を与えるでしょう。

人間や動植物を取り巻き、相互作用を及ぼしあう外界のことを「環境」と言います。僕は流域と言う環境が、人間や動植物にあたえた影響を考えてみたいです。

環境と防災はどうつながるの

人間や動植物と環境との良い関係性として取り上げられることが多いのは「里山」です。田畑、森や水辺を含んだ多様な空間で、人間が暮らし、生産に必要な資源を調達する場でありながら動植物に満ち、日本人の「人と自然が同じ空間で生き、育ち、共存する」豊かな日本の原風景としても紹介されます。

しかし、「里山」における人と自然とのかかわりは、いつも理想的な関係であったわけではありません。過度の利用で禿山が広がり、下流で出水が頻発する、環境破壊が災害に繋がる事例もあったことを忘れてはいけません。「治山治水」という言葉は、環境保全と防災を繋ぐために造られた言葉ではないでしょうか。 極論すれば、「自然災害とは、人間に被害をもたらす環境の大規模かつ急激な変化」と定義することもできるかもしれません。

では、人間が環境から持続的に恵みを得ていくためにはどうしたらよいのでしょうか。それには過度の利用を避け、いわば「ほどほど」に利用することで、安定した人間や動植物と環境との関係を保全していくことが重要になります。ここで「人間や動植物と環境との関係」は「生態系システム」と言い換えることができます。

抽象的に考えると「システムが安定する」ためには、二つの性質が重要になります。外力に抵抗して変化しない性質と、強い外力で変化してもすばやく元に戻る性質です。前者を「抵抗性、レジスタンス」、後者を「復元性、レジリエンス」と呼びます。

「生態系システム」を学ぶ生態学では、これらの関係が重視されてきました。そして今、防災の分野でも「レジリエンス」が注目されています。

システムに外力が発生した場合、「合理的な範囲内で強い構造物を造り抵抗する」対策だけでは、想定を超える規模の外力に耐えきれないことが明らかになったからです。そこで、「被害を受けても速やかに復元できるシステム」造りが求められるようになってきています。例えば「しなやかな社会の構築」や「国土強靭化計画の策定」という形で動き始めています。

このように、環境と防災は直接的な結びつきとして、また「システムの安定性」という同種の観点から、間接的な結びつきとして考えていくことができると思っています。