これがまあ  デジタル社会か  雪五尺

元ネタ  これがまあ つひのすみかか 雪五尺
「五尺も積もる雪の中の地が自分の最後のすみかとなるのかと思うと、深いため息がわいてくるなぁ」

俳句の教科書

今月号の市報に、次のようなすばらしい情報が出ていました。

なんと、マイナンバーカードとLINE,本人確認用アプリを利用することで、市役所が発行する各種証明書がオンライン申請でき、手数料をオンライン決済すると、必要な書類が一週間以内に自宅に郵送されるそうです!

広報にしお9月号

各種書類・・・  住民票の写し、印鑑登録証明、戸籍謄本、転出届、身分証明書、独身証明書、所得・課税証明書、固定資産評価証明書、名寄帳、納税証明書  

傑作なのが、市報の中の「市長コラム」でこのスマート申請が取り上げられていていること。  

LINEのメニューを押して、表示されるメッセージに沿って操作するだけで、申請から本人確認、支払いまで全てオンラインで手続きできます。忙しい中で市役所に行き、複数の窓口を回る必要もなくなります。・・・どれだけサービスを導入しても「利用者がいない」「ニーズにあっていない」サービスでは、便利なツールとは言えません。。ぜひ一度、市民の皆さんには、新たなサービスを使っていただきたいです。  

市長コラム

ツッコミどころ満載なんですが・・・

第一に、オンライン申請(デジタル手続き)したのに、結果として証明書が郵送される(アナログで返される)って・・・デジタルにはデジタルで返さないと、ゲームで言えば「反則負け」です。

てかね、僕らがこれらの書類を市役所に発行申請する理由って、それを個人で見て楽しんだり、額に入れて飾るわけじゃなく、大抵の場合は他の行政機関に何かを申請するため、その添付書類として(俺は要らんけど)やむを得ず交付申請するのであって、市民の側からすれば、「交付されれば終了」じゃないんです。市側からすれば、「交付すれば終了」なんだけど。

 「転出届」とかがいい例ですね。もと住んでいた市は、書類を発行すれば終わりだけど、僕らは引越し先の市に、転出届を添付して転入届を提出しなきゃいけません。マイナンバーがあれば、どちらかの市で一括処理するのは難しくないはずなのにね。

ま、これは市役所だけに言っても仕方のないこと(国や他の市等の行政機関と調整が必要になる)だけど、全国的に、全行政府が、デジタルをデジタルとして受け入れる統一システムを作らない限り、個々の市がどんなシステムを作っても「市民のニーズにはあっていない」と言わざるを得ないでしょう。壮大な無駄使いに終わるだけ。

マイナンバーの理想的な仕組みとしては、行政の枠を超え一つのマイナンバーで情報を管理することで、

「市役所で書類Aの交付を受け、法務省地方支局で書類Bの交付を受け、その足で名古屋の公益法人日本技術士会に申請書類と足でかき集めた添付書類を提出・・・」という従来の形式ではなく(某国家資格の資格登録の実例)、「マイナンバーを利用することで、日本技術士会のHPから在宅オンライン手続きで一発終了」となるべきもののはず。「俺のマイナンバー教えてやるから、そっちで必要な電子証明を集めて書類を交付せい、」 ってのが、こちら側のニーズですよね。  てか、紙の書類交付なんて要らんし、登録したことをマイナンバーに上書きしてくれりゃあいいんで、手数料安くしな!

第二に、オンライン申請・オンライン決済したのに、同じ市内なのに届くのが一週間以内に郵送って・・・AmazonやASKULなら、この範囲なら今日注文して明日来るのが当たり前。比較すると無限の時間にも思えます。これを「サービス」と称するのは、なにかの罰ゲームなのかも?  

市役所内には「書類発送までに責任者二十人分のハンコを集めることが必要。担当者が席にいない場合は、翌日出直すこと」みたいな、攻略ルールでもあるのかもしれません😂  

マジレスすると、現状でも住民票と印鑑証明は、マイナンバーカードがあれば市内のコンビニ複合コピー機で即時交付されます。 だったらこっちのシステムで他の書類も対応できるようにしたほうが、はるかに安上がりだし便利だと思うのですが・・・

。    

市長には次のコラムで、オンラインの申請にアナログで回答すること(どこがスマートやねん)、市内なのにアマゾンに遥かに及ばない発送システムについて、これが「利用者がいる」「ニーズにあっている」サービスである  と言える根拠を釈明してほしいものです。それなしに「使ってくれ」というのでは、押し売りと変わりません。ま、僕らは代わりの行政なんて選べないですから、押し売りでも買わざるを得ませんけど。

うちの市長、パソコン使うことがDX化だと思っている死にぞこないのジジイじゃなくて、まだ四十代前半なんですけど、このコメントは残念ですねえ。ま、担当課の職員が書いているんでしょうけど。

あ、できれば回答前に、こちらの記事を読んでからお願いします。

エストニア国民は、日本で言う「マイナンバーカード」のようなIDカードを使って様々な行政手続きをオンラインで済ませることが可能です。
2018年の報告によると、国民の87%が行政のe-サービスを利用した経験があるということです。
住所変更や証明書の発行、自動車の登録、免許証の更新、税金の申告、土地登記、出生届、死亡届、など、私たち日本人が日常生活で役所に足を運ばなければならないことは多々あります。
一方、エストニアでは「オンラインでできないことは2つだけ」です。オンラインで不可能なのは、
結婚
離婚
の2つです。その他の2500を超える行政サービスはオンラインで完結します。
数年前までは「不動産売買」も「オンラインでできないこと」に入っていましたが、今はこの2つだけになりました。

世界が注目する「電子国家」エストニア 国家規模のDXがもたらすものとは

☆別に西尾市を名指して非難しているわけじゃなく、多分どこの地方自治体もこんな感じだと思います。

ただ、システム全体をいじることなしにデジタル化とか無理ですから。ゆえに日本(の行政関係)でデジタル化なんて絶対ムリでしょう。  

この分野だけ、僕はエストニア国民になりたいです。あ、日本の行政システム、一括してエストニアに委託しちゃったら万事解決するんじゃね?  そもそも、地方自治体が個人の「独身証明書」を発行するとか、国際的にみたら差別としてアウトだと思うし、そこから洗い出してもらうとスッキリするんじゃない?

犬山散歩2  旧磯部家住宅

江戸時代の町家(商家)で、無料で見学することができます。

城下町マップの解説では、「緩やかなふくらみのある起り屋根は市内の町家で唯一現存 」とあります。確かに屋根が凸状に膨らんでいますねえ。でもさ、そもそも 「起り屋根」って、なんて読むんだよう。

答え。むくりやね。

で、なんでわざわざ「むくらせる」必要があるの?

起り屋根 むくりやね
屋根の傾斜面が上方向に凸状に湾曲して状態のことを言う。
一般的な起りは屋根の流れ寸法の1/100内外とされ、意匠的な場合には3/100内外とされているものもある。
緩い勾配の屋根においても軒先の勾配をきつくすることができ、軒先に集まる雨水を流し易くなるというメリットがある。
寺社仏閣あるいは武家屋敷等には見られず、町屋等主として商人、庶民の家に用いられていた。
日本独特の屋根の形状で他の国では見られない。

石川商店

ということだそうです。有名なところでは、桂離宮の屋根がむくれています。

桂離宮はこけら葺き(ヒノキの皮)の屋根ですから、瓦より余計に雨仕舞に気を使う必要がありそうです。だから「むくらせる」のは合理的でしょう。もちろん、デザイン的にもイケてた  という面もあるでしょう。 ・・・実物を見たことはないんだけど。 

「こけら葺の“むくり屋根”」のなかでも、『桂離宮』の入母屋の“むくり屋根”は飛び抜けて素晴しい。特に古書院の屋根は、ゾクッとするほど鋭くて、かつ、雄大……この印象は、日本刀の名刀に似ている、と私はおもっている。

生涯一設計士・佐々木繁の日々

瓦屋根の場合、こけら葺きより水気には強いだろうから、雨仕舞というよりデザイン性がより重視された・・・のかもしれないですね。商家にはもってこいの形なのかも。

屋根にむくりを付けているので、通りから瓦がよく見える。設計者の内藤廣氏は、「むくり屋根は通りに対してちょっとお辞儀をしている感じで、柔らかい印象になる」と話す。

2つのむくり屋根で風景一変
内部は繊細な屋根架構で外観と違う印象に 発注:京都鳩居堂 設計:内藤廣建築設計事務所 施工:野口建設

むくり屋根は、隈研吾設計の国立競技場にもあったり・・・

「むくり」と「そり」を知っておこう(イラスト:宮沢 洋)
無観客でも満席に見える 「未来予知」と話題の国立競技場を疑似体験

住宅は、表通り側は2階建て、奥に行くと平屋建てになっています。町家に多い間口が狭く、奥行きが広い「ウナギの寝床」型のつくりです。奥には中庭、裏座敷、土蔵とかいろいろ立ち並んで広いんだけど、 「家族が暮らす部屋」ってのがありません。

管理人いわく、家族は狭い2階の部屋で暮らしていた  そうです。  暮らしより来客と買い物客(呉服屋だったそう)を重視した家なのです。もっとも、当時の商家ってのはそういうものかもしれませんが。

二階に上がる箱階段

箱階段って、現代の極小住宅でも有用な技術だと思うのですが、あんまり見ませんねえ。組み立てるのに手間がかかるから・・・でしょうか。既製品じゃなく、その家に合わせて作る必要があるでしょうし。

あと、面白いな  と思ったのが、仏間の仏壇収納の扉です。てか、管理人さんに教えてもらったのですが。(その日最初の見学者で、他に見学者もいないので、しばらく雑談してました)

これは春慶塗の豪華なもの。面白いのはその造形。  縦長の細長い木片を並べ、それらの裏から丈夫な和紙を貼ることで、屈曲できるスライドドアに仕上げてあります。

スライドドアは、仏壇収納部の敷居と鴨居のレールに支えられています。レールは、R型に掘られており・・・これは車庫に使うような「横引きスライドシャッター」ですね!

三和シャッター  デジタルカタログ  より

カタログに書かれているように、「上部にケースがないので内のり高さを十分に活用できる」という利点がありますし、スライドは側面に収納することができるので、正面に十分な開口部ができ、仏壇を収めるにはよいでしょうね。

ま、木製なので、「雨の日は開けづらいの」ということでしたが(笑)。アイディアとデザインは素晴らしいですね。

奥の外廊下の壁にベンガラが塗ってあったり、流石に豪華な作りです。

廊下北側には渡り廊があり、客便所と裏座敷に通じています。廊下の壁は弁柄色の赤壁です。

旧磯部家住宅  犬山観光情報より

 写真を取り忘れたのだけれど、家の基礎石や井戸は、近くの木曽川の河原でたくさん取れる「丸石」が多用されていました。石も上流からゴロゴロ転がってくる間に丸くなるのね。地域資源の有効活用です。トラックのない時代、遠方から運ぶなんて大変だからね。

管理人さんが子供の頃は(先の大戦中)、まだ河原に丸石がゴロゴロしていたそうです。「ダムが出来てすっかりなくなっちゃったけど」とのこと。  そりゃそうだ。

丸石を家の基礎や井戸の枠組みに使うのは、四角に近い石にくらべ施工が大変  と素人は思うのですが、町では石垣に使っているところも見ましたので、当時は「地域特有の資源を有効活用する技術」がきちんと確立されていた  ということなのでしょう。材料費や運賃より人件費が相対的に安かった  とも言えますが。