農業ってどれくらい儲かるの?

なかなか難しい質問ですが、僕も含めた素人がざっくり知りたい質問ですよね(笑)。

一つの答えとなる記事がスマートニュースで流れてきましたので、紹介します。

農林水産省は2021(令和3)年の農業経営体の経営収支を11月30日に公表した。

全農業経営体(個人経営体と法人経営体)の全営農類型平均の農業粗収益は1076.9万円で前年にくらべて8.5%増加した。作物収入が2.5%、畜産収入が12.8%増加したことなどが要因。
一方、農業経営費は951.5万円で同9.5%増加した。飼料費が20.3%、動力光熱費が13.0%増加したことなどによる。
その結果、農業所得は125.4万円で前年に比べて1.5%増加した。


営農類型別(全農業経営体・全国・1経営体当たり)にみると水田作経営では、農業粗収益が350.3万円で同1.5%増。米価下落で作物収入は▲6.4%減となったが、共済・補助金等の受け取り金が増えた。
一方、農業経営費は6.8%増の349.3万円。動力光熱費が15.8%、肥料費が8.9%増加した。
その結果、農業所得は1万円で前年に比べて▲94.4%となった。なお、水田作の延べ作付け面積は252.8a。

農業協同組合新聞

はい、分かりましたか?(笑)。 なんかややこしく書いてありますけど、 要はこうです。

「市場出荷してる農業生産者の平均として 年間売上1077万円、経費952万円。差し引きの農業所得は125万円だった」

 売り上げで一千万円超える規模だと、ガチで農業やってるものと思われますが、年間(農業)所得がこれだけでは、暮らしていけないじゃないの・・・

水田経営だともっと悲惨で、平均的に253a(25反)の作付けを行って、売上が350万円、経費349万円。差し引きの農業利益が年間で1万円だったそうな。えーと、うちの田んぼって3反ぎりぎりくらいだったかな(オペレーター農家さんに預けてるから営農はしてない)。その8倍面倒見ても収入1万。やらないほうがましだあ。

ま、今コメ生産を主に担っている「オペレーター農家」が年間1万円しか米による農業収入がない なんて非現実的ですから、この数値をどう読むかは、素人では判断できないですけど。

でも現状では「農業、特にコメ生産は儲かる商売」とは言えないように思えます。 もちろん統計による「平均的な話」なので、凄腕経営者がやれば例外はあるでしょうけど。

この統計、農林水産省の農業経営統計調査 令和3年 農業経営体の経営収支 というやつなのですが、各農業形態別の統計もあります。ちょっと興味があったので、収益とその営業規模がどのくらいなのかちょっとまとめてみました。(自分が分かりやすいよう意訳してます)

ふむー。農業収入で生活していくことを考えるなら・・・

米づくりは規模を拡大しても厳しそうですねえ。 

畑で野菜を栽培しても、露地だと169a(169m×100mの畑)でガチに野菜を作って販売して年間所得は184万円。施設(ハウスとか)なら1/4の面積で利益は倍ですが、施設の建設費などの初期投資がかかるから、おいそれとは始められないなあ。

それでは、果樹や花きをやったらどうでしょう?野菜より効率はよさそうですが、より技術や資金(施設)だって必要になるでしょう。

牛豚鶏を飼う方向に行くと、確かに所得は増えるけれど、 大規模経営での収支の差額。つまり薄利多売でなんとかなっている というようにも見えます。個人的には農家的っていうより、工場的っていうような感じもしますねえ。 

 規模を拡大していくと、それこそ鳥インフルエンザが発生し養鶏場丸ごと殺処分・・・とかあると、被る被害も甚大(保険とかあるのでしょうけど、それでも)。なかなかリスク高そうな経営形態なのかもって思います。 

そもそも、動物の世話って大変だもんねぇ(植物だって生き物だけど、あれらは文句は言わないから。)それも売り物にできるよう立派に育てなきゃいけない。ペット飼うのとは格段に難易度上がりますし。

うーん。どれを選んでも、なかなか一筋縄ではいかない、大変な業界に見えますねえ。「趣味の自給」くらいでやっていくくらいが程よいところかなあ・・・

★この統計では、「経営費に占める飼料代」なんてのも記載されているので、興味ある人は見ると概要が分かって興味深いかもしれません。

日本の食料自給率37%、それやばいの?(3)やばいと思うなら、家庭菜園やればいいんじゃね?

(2)で述べたように、僕は カロリーベースの食料自給率が37%でもあんまり心配はしていないのですが、もしそれでも心配だなあ と思う方は、どっかに土地を借りて家庭菜園とか始めたらいかがでしょう?

「食料自給率が低くて心配」と着目された原因の一つに、ロシアによるウクライナ進攻があると思うのですが、そのロシアは、過去にソビエト崩壊に伴う経済危機&食料危機を経験しています。彼らはその食料危機をどう乗り切ったのでしょう?。

その答えの一つが、大型の家庭菜園(ダーチャ)の存在とも言われております。

短い春と2ヶ月あまりの夏。都市部に住むロシア人の生活はダーチャを抜きに語ることはできない、と言ってもあながち誇張にはならないだろう。ロシア語でダーチャとは「別荘」を意味する。だがここで言うダーチャとは、住宅地から1、2時間ほどの郊外にある、いわゆる家庭菜園と、夏の間そこに寝泊りができる、普通は持ち主自身の手作りになる小屋を指す。・・・面積およそ300から400平米程度の土地に、人々は2番目の主食とも言えるジャガイモや、そのほかトマト、きゅうり、キャベツ、玉ねぎなど、好みによって幾種類もの野菜を栽培する。・・・ちなみに、ソ連邦が解体されていく90年前後の食糧危機を救ったものの1つも、他ならぬこのダーチャだった。

ダーチャからグリブィへ、そしてモロースへ

世界がきなくさくなっている。戦争が現実のものとなり、私たちの暮らしを揺さぶりはじめた。ここにきて注目を集めているのが、「食料安全保障」(以下、食料安保)という考え方だ。島国ニッポンが紛争に巻き込まれ、海外との交易が滞ってしまったとき、私たちは食べていけるのか。備蓄は大丈夫なのか。アグリメディア研究所は、食料安保を考えるうえで、1つのライフスタイルを示したい。皮肉な話だが、国情が不安定な国の市民ほど、真面目に食べ物と向き合っている。
ロシアに「ダーチャ」という住まいがあるのをご存じだろうか。日本語に訳せば「農園付き別荘」で、都会のひとが週末や長期休暇を利用して気軽に行き来する。日本にある「クラインガルテン」(滞在型市民農園)とほぼ同じと思えばいい。寝食できる建屋に農園がセットになっており、利用者は家族らとのんびり過ごす。
驚くのは裾野の広がりだ。少々古いが、こんなデータがある。
「首都近郊のモスクワ州の場合、全世帯の3分の1が菜園を所有している。ロシア国家統計局の2003年のデータによると、国内3400万世帯の8割が菜園をもつか野菜づくりの副業経営を行い、同国のジャガイモ生産量の92%をまかなう」(東京新聞2004年4月15日)

食料安全保障が意識される今こそ「ダーチャ」を知ろう

都市住民の大半が集合住宅に住むロシア。夏になると、多くの人が郊外にある住まい付き自家菜園「ダーチャ」で農作業にいそしみ、家族が食べる1年分の食料をこしらえるという。

トマト、スイカ、キュウリ、ナス、ブドウ…。平均600平方メートルの敷地に、数十種類に及ぶ野菜や果物が実る様子に「こりゃ、兼業農家のレベルやな」。福岡市東区の農業体験農園「百姓園」の園主、北本一孝さん(67)が驚きの表情を浮かべた。

ロシア人1人当たりの国内総生産(GDP)は約140万円。所得という物差しからすれば日本の30%程度で、とても「豊かな国」とは言い難い。
 ただ、有事の際はどうだろう。もし世界的な気候変動や国際関係悪化などで食料輸入に支障が出たら-。ロシアの場合、85年以降、何度も経済危機に見舞われたにもかかわらず、餓死者が出なかった。それは国内3400万世帯の8割がダーチャなどの菜園を持ち、ジャガイモの国内生産の9割、野菜の8割を自給していたからといわれる。

ロシアの自家菜園を訪ねて 1年分の食料 自給自足 野菜、果物…兼業農家並み

長々と引用をしてしまいましたが、なかなか興味深いですよね。「首都近郊のモスクワ州の場合、全世帯の3分の1が菜園を所有している。ロシア国家統計局の2003年のデータによると、国内3400万世帯の8割が菜園をもつか野菜づくりの副業経営を行い、同国のジャガイモ生産量の92%をまかなう」

食料自給の観点からすれば、すげえ!です。輸出入の制限で、ロシアを飢えさせるのは、なかなか難しそう。

ロシアの統計がどれほど正確かはわかりませんが、日本でも首都圏世帯の1/3が、自家用のジャガイモやサツマイモ、野菜くらい育てるようになっていれば、かなりサバイバルできるのではないでしょうか。コメを作るのは機械とか必要になって大変だし、そもそも減反政策下で自由に作れないから「非常時だ、貧乏人は芋を喰へ。生きてはいけるでせう」 

ま、日本だと農地は農家でないと買えない という不思議な禁足事項がありますので、都会人が「面積およそ300から400平米程度の土地でダーチャを」というのは難しいかもしれません。

一方で、耕作放棄地というのが増え続けており、不思議な現象ではあります。農地として使うならだれでも買えると規制緩和すれば、需要も供給もあり、双方有益な取引ができ、真の意味での自給率も上がると思うんだけどね。まあ、これも農政の結果。

となると現実的な解として、森永卓郎さんが言ってる「トカイナカ」生存戦略なんて、いい線だと思うのです。

災害にも強いトカイナカ
都会に比べると、トカイナカは災害のリスクに強いのが特長です。東日本大震災のときも、私の家族はほとんど困りませんでした。普段から家の中に物が山のように積んであるし、食料も1カ月もつぐらいのストックはあります。
私は自分で畑もやっていますし、家の周りは畑だらけなので、スーパーに買いに行かなくても、旬の野菜が農家の「直売所」で買えます。ケージのようなものが置いてあり、そこに100円を入れて持って帰る方式です。
コロナ禍では、ニューヨークで野菜が買えなくなりパニックになりました。ところが私のところは野菜がなくなることはありえません。近所の畑だけではなく、わが家の庭にも畑にも、野菜が植えてあるからです。

森永卓郎「東京を捨て田舎暮らしを選んだ理由」

移住までできなければ、市民農場を借りて家庭菜園やりましょう。作業は結構楽しいし、食える作物を育てていると、たとえ量的に足りてなくても、なんとなく「いざとなったらこれ喰えば大丈夫!」と根拠のない精神的安定が得られ、とりあえず安心できます!

(↑これ、昔の僕が得た感覚ですね。「今は、ラピュタがなぜ滅びたのかあたしよく分かる。ゴンドアの谷の歌にあるもの。”土に根をおろし、風とともに生きよう。種とともに冬を越え、鳥とともに春を歌おう”。どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ」©シータ)

ちなみに、37%という食料自給率の計算には、家庭菜園や、農産物を販売しない自給農家の生産品(要するに、市場を通さないもの)は計上されていません。(埋蔵金だ) 

さらに、トカイナカはともかく田舎では、旬の時期になると「たくさん取れてもったいないから」と、旬の野菜や果物を知り合いに押し付ける文化があります。非農家ならうれしいかもだけど(土付きは勘弁して~流しが詰まる。てか核家族なのに多杉。)、農家の貰い手だと(え、うちにもっとうまくできたの余ってるんだけど・・・)とか時に思いながら。(いや~カニとか欲しいな~。)。。。それが、つきあい というものです!

か、かくて双方の力学的作用による、非常に高度な贈与文化が形成されているわけであります。 卓上の食料自給率算出という粗雑計算には、この偉大な文化的要素が考慮されておらず、けしからぬ限りであります。

あー、都会に住んでいる人でも「田舎の実家から野菜やコメを送ってもらって助かってる(困っている)」という人もいるでしょう。この偉大な愛の結晶も、もちろん計算外です。

たぶん、昔はこれがさらに激しくて(周りのほとんどが農家で、しかも露地栽培ばかりだから、同じものばかりしかできなかった。巧拙はあれど)容易に人に押し付けもできなかったことでしょう。それで、その土地ではある時期にある作物ばかり集中して大量に取れ、「もうこれ食いたくなす。でももったいないから捨てられん」って、手を変え品を変え、なんとかさらに食べよう、保存しようと意地汚く奮闘した結果が誉れ高き「郷土料理」の誕生神話なのれす?・・・ だから早い話、それを復活させて、あとはコメか芋でカロリーを確保すれば、田舎でもトカイナカでも、かなり喰っていけそうな気がします。都会は・・・知らんけど。