低容量のスマホ回線選び

以前の記事の続編です。「エリアなのに楽天モバイル繋がらない人」へ、悲報情報です。

「家ではWIFIを使うので、スマホのデータ使用量は、月に3GB以下なのだけど、どこの回線と契約するのがいいかな?」     友達から、そんな相談を受けました。

何やら、先日ドコモが低価格低容量のプランを発表したし、色々複雑ですよね〜。現在の状況を一覧表にまとめてみました。

現段階で、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル以外の格安通信会社(MVNO)を選択する必要はないと思います。この4社がMVNOを潰すべく、低価格高品質の通信プランを出しているからです。数百円の差額なら、なにも「遅い回線」を選ぶメリットはないかと。

この4社系に絞ると、選択肢は上の7つになります。 大きく分けるとネットで完結する「オンライン契約」で良いのか、対面で行える「ショップ契約」でないと厳しいのか という選択肢があります。

オンライン契約で良いのであれば、povo,LINEMOミニプラン,楽天モバイルが選択肢になります。料金体系で一番魅力的なのは楽天モバイルです。ですが、回線が弱いという重大な欠点があります。 ちなみに僕の家は圏外でした。楽天モバイルのHP上は圏内なんですけど。

 街場で回線が掴めるなら、オススメです。たまに切れるくらいなら、povoとの2台持ちもいいアイディアかもしれません。

povoと楽天モバイルの組み合わせ(デュアルSIM)で料金シミュレーション

povoとLINEMO ミニプランは、どっちも3GBだと990円、どちらでもよろしいかと。povoはトッピング型なので、用途に応じて料金と利用可能容量が変えられます。なので「それが面倒」だと思えば定量でシンプルなLINEMOミニプランが良さそうですし、それを「自由に設定できて便利だ」と評価するなら、povoがよさそうです。

対面のショップ契約でないと厳しい  場合には、UQモバイルかワイモバイルが選択肢になります。対面契約で人件費が係る分、どちらもオンラインより価格高めにはなりますが、まあ許容範囲でしょう。 

UQモバイルとワイモバイルは、それぞれ通信会社のサブブランドなので、通信回線の質は悪くありません。本家と全く一緒 ではないでしょうが、普段使いには問題ないかと。(一時ワイモバイル使っていたけど、特に問題はなかった)

両社とも契約条件により、価格を下げることが可能。家族で入ると2回線目から安いとか、光通信や電気を抱き合わせで契約すれば安くなる とかね。 こういう面倒なの、消費者は飽き飽きしてるんですが、差はそのあたりかと思います。ここはじぶんに有利な方を選べばいいんじゃね?

最近このエリアに、ドコモがプランを発表しました。いろんなプランがあるんだけど、3GBで990円と、対面のショップ契約でありながら、オンライン並の価格で使えるのは魅力的です!

ただし、注意すべきところもあります。プランを提供するNTTコミュニケーションズは、将来的にドコモの子会社化が予定されていますが、現状、UQモバイルやワイモバイルのような、「通信会社(ドコモ)のサブブランド」ではありません。もう一社、プラン提供を行うとされている「フリービット」は、ドコモの子会社ではありません。つまり現状では、両社とも上の図にあるMVNOとして、回線をドコモから借りている運営会社。

NTTドコモが2020年12月のahamo発表時にコンセプトを披露していた「エコノミーMVNO」の詳細が、ついに決まった。当初、予告されていた通り、エコノミーはドコモ回線を使うMVNOと連携。第1弾としてドコモの子会社化を予定しているNTTコミュニケーションズのOCN モバイル ONEが、第2弾として子どもやシニアをターゲットにするフリービットのトーンモバイルが、エコノミーの枠組みに加わる。

エコノミーは、ドコモ自身が直接提供する料金プランではなく、ユーザーはあくまでMVNOと契約を結ぶ。一方で、ユーザー視点で見ると、ドコモ回線を契約するのと大きな差異がないような工夫も凝らされている。ドコモショップを活用して、サポートを行っていくためだ。端末も、ドコモが販売するスマートフォンをその場で購入できるという。ここでは、エコノミーの仕組みを改めて解説するとともに、ドコモの狙いや業界に与えるインパクトを考察した。

ドコモの「エコノミーMVNO」で“弱点”解消なるか 対サブブランドでは収益性が課題

とすると、通信回線の質はどうなのかな?と思っちゃいますよね。 通信速度は、本家に比べたら、そんなに出ないんじゃないかと思われます・・・。実際どうなるのか、少し様子見したほうがいいんじゃないかな。

それに、説明はするのでしょうけど、ドコモショップに来たお客さんが、「ドコモではない」会社と契約し、「通信の回線速度が落ちた!」とクレームが殺到しないか 他人事ながら心配だなあ。

一般ユーザーからはこんな疑問の声が相次いだ。

「結局のところ価格は横並びなのだなあ。プランもほぼ一緒。もう少し競争が起きるといいのにね。楽天はその一石にはなったのだろうけど、認知度はともかく質が、ね」


「格安スマホはある意味『わかっている』客を相手にしてきたから、(接続が)遅くても許容されていたわけで、ドコモショップで売ってしまうと客とサービスのミスマッチから、みんなが損をする結果にならないでしょうか? ドコモショップに来る客は格安スマホなんて知らない人が多数派のはず。当然ドコモ品質を求めて来店する。そういう客に格安スマホを売ったらドコモショップは遅いと苦情を言いにこられるし、客としても求めるものと違って満足できないでしょう」


「(ソフトバンクの)LINEMOみたいなプランを期待していたのに残念。何が悲しくて混んでいるショップを予約してまで格安スマホを申し込むんだい? それこそネット申し込みで充分だろ? こんなの代理店の儲けにしかならないのに、知らない客を騙して契約しようとしているのがミエミエ。実際、NTTコムのOCNモバイルONEを使っているが、昼にモタつくわ、バッテリーが持たないわ、で最悪。解約しようと思っていたらこの発表、本当にムカつく」


「単純に、ahamoでの契約は保たれたままahamo内での低料金プランを出すことは難しいのでしょうか? povoにしても、せっかくauから変更手続きしたのに、わずか数か月でまた契約し直さなきゃならないプランとして、新たに出されても…。支払い方法までクレジットカード限定だとか、今までの支払い方法も引き継げないだなんて、なんだか選択肢が増えるのはよいことかもしれませんが…。なぜ、こんなに複雑にするのだろうと思います」

「ドコモ低価格プラン」にガッカリ! 格安スマホと組んでどこが値下げか? 狙いはシニア層の獲得とは…

ははは。消費者も馬鹿ではないですねえ。スマホってもう生活必需品だから、選ばないわけにはいかないのだけれど、その契約がこんなにも複雑でめんどいのって、なにかおかしくねぇすか?

と言ってみても仕方なし。ここで清涼剤に一句どうぞ。

良暹法師(70番) 『後拾遺集』秋・333


寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば
いづこも同じ 秋の夕暮れ

現代語訳
あまりにも寂しさがつのるので、庵から出て辺りを見渡してみると、どこも同じように寂しい、秋の夕暮れがひろがっていた。

ちょっと差がつく『百人一首講座』

意訳

スマホの低価格プランに悩んで、いろいろ調べてみると、どこも同じような価格設定と自社の都合ばかりが広がっていた。 寂しさばかりがつのることよ。

参考情報

ついに動き出したNTTドコモの再編、「OCN モバイル ONE」はサブブランドになるのか


 なぜOCNなどをNTTドコモに統合せず、NTTレゾナントに移して残す形を取ったのでしょうか。現在のモバイルの事業環境を考慮した場合、競合他社と同様低価格領域をMVNOのOCN モバイル ONEでカバーするより、NTTドコモが直接サブブランドを持ち、NTTドコモのネットワークを直接活用したサービスを提供した方が消費者メリットが大きいのでは? と感じる人も少なくないかと思います。

この点についてNTTドコモ代表取締役社長の井伊基之氏は、記者会見で「今サブブランドを持つ考えは持っていない」と話し、低価格の領域はMVNOでの展開と競争が最適であること、もしサブブランドを作る必要があるならば、OCN モバイル ONEとは関係ない形で作るべきとの考えを示していました。NTTドコモはMVNOと連携して小容量・低価格の領域をカバーする「エコノミーMVNO」を打ち出していることもあってか、NTTレゾナントにはあくまでMVNOとして、他のMVNOと競争していく立場を求めていくようです。


少なくとも今回の再編でコンシューマー市場に影響を与える可能性は低く、サプライズもなかったというのは残念な所でもあります。

エンガジェット日本版