定期健康診断、いらなーい。

セミリタイヤして良かったことの一つは、定期雇用されていると義務になっている、健康診断を受けなくてもよいこと。ただしセミリタイヤしてからは、運動したり、しっかり歯の手入れをしたり、ストレスの低い生活や健康的な食生活(を目指して)予防医学的には健康に気を付けてます。

僕は注射と採血が大嫌いだし、X線検査で胸部が被ばくするのが、たまらなく嫌でした。(毎年数回、咳が止まらなくなり、医者に行くたびにX線検査やらされるので。)検査の前日は憂鬱でために健康を害してたくらいです。※個人の感想であり、他人の効能を保証するものではありません。

そんなことを職場で話すと、「考え過ぎ。確かに被ばくデメリットはあるけど、それを上回るメリットがあるから、健康診断を受けてるんだよ」 と諭されたものです。さらに「35歳過ぎたら充実した人間ドックに行こうね、補助金も出るし」 と返討(笑)

反逆者としては、心の中で「人間は船じゃねえ、ドックに入る必要なんてないんだ!」と叫ぶわけ。ネットにも「無駄無駄無駄」というジョジョな人々もいます。が、まあ僕の同僚の見方が「常識的」でしょうね。

 

ふ、ふん。まあ、それっぽい話だがね、ホームズ君。近藤医師は眉唾という見方もあるし、こんな週刊誌の与太話、信用に足りるんかね?そう見るのが紳士の良識というものじゃないかね?

そうだねえ、ワトソン君。でもその常識は、有識者がきっちりそのあたりを検証しているだろうという前提に立ったものだろ?その前提を疑うとどうなるかな?少なくとも胸部X線検査については、平成18年に厚生労働省の報告書で「若い人は検査要らねぇんじゃね?」という方向性が出ているんです。それから10年近くたっても何も変わらず、胸部X線検査は若年層でも義務とされているんですが。少しおかしいって思いませんか?

 胸部X線検査を健康診断の項目から廃止する、あるいは現状のまま存続するという科学的根拠については、検討会において意見の一致は見られなかったが、・・・若年層の労働者に対する検査は、一定の条件のもとで省略してよいのではないかという方向性が示された。

厚生労働省
平成18年8月31日「労働安全衛生法における胸部エックス線検査等のあり方検討会」
報告書について

義務化してるのに、専門家の検討会議で意見が一致できないくらい決定打がないんですか・・・。さらに「検診機関の対応の問題」とか「一部縮小すると、健康不安が増大する労働者への影響を考慮すると一定の配慮が必要」とか「被ばく量が多いとされる間接撮影も技術が進歩して、被ばく量は減っとる」とか(減ってりゃ問題ないいんか?)・・・読むも無残な「ウンコな議論」。

現代社会を生きる対象者としては当然の権利として「インフォームド・コンセント」及び「根拠に基づく医療」に基づいた検診を求めたいところだ。医療費破たんの国家の国民としてもね。そう思わないかい?ワトソン君。

以下関連抜粋。

 

詳しいことは読んでもらえばいいんですが、少なくとも、この検診を受けるかどうかの判断は、個々の労働者に委ねてほしいものです。 検診業界には大打撃でしょうが。

全国には「集団健診ってそもそも政策として優先度低いんじゃね?」という行政判断のもとに、住民健診をやっていない自治体がただ一つあります。村長の考え方が素晴らしい

泰阜村は、集団検診を廃止し、また、健康づくりや介護予防に力を入れていない。ただ、世間並みにやっているのかもしれないが、村長は、やろうとは思っていない。病気を発見したかったら、きちんとした検査を受けた方がいいし、あたかも効果があるように健康づくりや予防に取り組むより、遺伝としての病気リスクを考えて対応するなど、個々人それぞれが考え、個別対応した方がはるかにいい。集団(マス)で考えるのは、大正、昭和の感染症対策や栄養不足時代の保健活動が幅をきかしたころの話。これだけ長寿社会になった平成の世に、相変わらず集団検診や集団健康づくりなど必要ないはず。    2012.10.30日本脳炎の予防接種での死

泰阜村は、満蒙開拓移民を国内で最も多く送り出した下伊那地域にあり、国策に従い満州に分村まで造り、敗戦による悲劇を体験した村です。だから・・・なのかはわかりませんが、この問題について、独立した行政として住民の健康を真剣に考えた、立派な判断だと思います。

泰阜村は、満州に分村をつくり、しかし、多くの村民を犠牲にしている。満州移民政策という国策が悪い、つまり、国が悪いので我々はこんな目にあい、こんなに苦労した、という声が多い。これも事実であるが、最近の私は、では、当事者責任は、どうなのだろうか、と考えている。今度こそ、国策のせいにしないで、自分たちの幸せを守らなければいけない。いまの山村は、再び分村をしなければいけないような状況に近いのでは、とも思う。山村に対する国の政策が悪いのであるが、それでもその国に生きている者として、自分でも生きていく道を考えなくてはいけない。ただ、満州分村は、私が体験したことでもなく、その時私が村長だったらどうしたのだろうかその答えは持ち合わせない。2013.11.25
福島県での現職市町村長の落選に思う

※追加情報。胃がん・大腸がん 検診で“4割見落とされた可能性” 青森県 6月29日 NNNニュースより抜粋

がんによる死亡率が12年連続で全国最悪の青森県は、がんの早期発見につなげようと県内の10の町と村で自治体のがん検診を受けた人を対象に調査したところ、胃がんと大腸がんについて検診の段階で患者の4割が見落とされていた可能性があることを示す分析結果をまとめました。がん検診の質を県が主体となって調べたのは今回が全国で初めてで、専門家はがん検診は早期発見に極めて重要だとしたうえで「がん検診の質が保たれているのかどうか、ほかの都道府県でも同様の調査を行い検証すべきだ」と指摘しています。

検診の段階でがんを見落とされた可能性がある人はバリウムによるX線検査を行った胃がんで40%、便に含まれる血を調べる「便潜血検査」を行った大腸がんで42.9%、子宮の入り口の細胞を調べた子宮頸がんで28.6%に上ることを示す分析結果がまとまりました。

専門家によりますと、一般にがん検診では20%程度の見落としは許容範囲と考えられているということです。

他の都道府県でも同様の調査を行い、がん検診の質を検証すべき だそう。やれやれ。

バリウムによるX線検査等、検診の判断の困難さを信じてるようですね。にしても「一般にがん検診では20%程度の見落としは許容範囲」なんて、始めて知ったね。

あらためてバリウム検査について、健康診断の「不都合な真実」〜胸部レントゲンもバリウム検査も意味がない!をチェックすると、こう書かれています。

無駄で意味がない胃がんの検査も横行している。バリウムを飲んで行う二重造影法検査だ。都内の民間病院に勤める内科医が語る。

「健康診断のシーズンになると日に何百枚もレントゲン写真を見るのが、若い頃の私の仕事でした。正直言って、ほとんど何も見えないですよ。先輩からも『何も考えなくていいから、1秒で適当に判断すればいい』と教わりました。それでも3~5%くらいの人は再検査に回さなければならないから、適当に選んで『要精検』とハンコを押す。それで内視鏡をやって、何もなかったら『よかったですね』となるし、万が一何か見つかったら『検査をしてよかった』となるんです。

しかし、ほとんどの人には放射線被曝するだけで何のメリットもない。被曝量は胸部レントゲン検査の比ではないですからね」

これでは何のために苦労してバリウムを飲まされるのかわからない。なぜいまだにこのような意味のない検査が行われているのか。

「本当は最初から内視鏡の検査をしたほうがよいのですが、内視鏡は時間がかかるんです。一人の患者さんにつき20分~30分くらいかかります。これでは1日で診られる人数は限られてくる。

一方、放射線技師が流れ作業で胃透視をやれば1日で30人は処理できる。健診機関としてはバリウム検診のほうが楽に儲かるんです。

また、内視鏡検査は医師が行うのですが、バリウム検査は放射線技師が行う。会社などの大規模な健診だと放射線技師のほうが数を揃えやすいという都合もあります」(前出の内科医)

一方で、見記事ではこんな風に書かれていますから、一概に検診がダメで、受ける意味がない!と決めつけるわけにはいかないようです。やっぱ、情報開示したうえで、メニューは受ける人の選択制にしようよ。

「アメリカで行われた面白いアンケートが『米国医師会雑誌』に出ています。健康診断に協力している医師数百人を対象にした調査なのですが、その結果によると9割の医師は『検査自体は必要だが、実際に行う検査項目はわずかなものでいい』と答えているのです」

その調査によると48%の医師が血液検査のコレステロールや中性脂肪の検査が必要だと答え、44%の医師が尿検査が必要だと答えている。

その他、血糖値、腎臓や肝臓及び甲状腺の機能を調べる血液検査などは必要と見なす医師が多かったものの、レントゲンや心電図は不要だと答えた人が大半を占めた。

健康な人ががんを早期発見することは、ほとんど不可能ということになるが、なかにはその効果が科学的に証明されている検査もある。大腸がんの早期発見のために行われる「便潜血反応検査」だ。

アメリカやイギリスの調査で、年1回の検査で大腸がんの死亡率が下がると証明されており、日本版「賢く選択しよう」運動も、その効果を認めている。