独断と偏見の西尾市長選挙論点まとめ

西尾市長選挙は、現職と新人の一騎打ちになってます。僕が独断と偏見で見たところ、論点は西尾市の公共施設再配置計画のPFI事業に賛成か反対かですね。

  • 榊原康正氏  現職  市議会議員、県会議員 77歳 PFI事業に賛成
  • 中村    健氏  新人 市議会議員 市役所職員 38歳 PFI事業に反対

そもそも、争点になってる事業がよくわからんので、少し勉強してみました。

若干反対派の立場ではあるけれど、客観的でよくまとまっているのが、ビジネスジャーナルの記事。

ツタヤ図書館の二の舞いか…愛知県西尾市で市民&市職員が異例の反対運動!豪華スポーツ施設に

僕なりにまとめると、こんな感じ。

①現在、西尾市にはいっぱい公共施設があるんだけど、老朽化したり、これから少子高齢化が進み、市の財政も先細りになる中で、公共施設を次世代に適切に、かつ負担を軽減するため、に効率的・効果的な施設配置を実現していきたい。(ここまでは皆異論はないだろう)

②役所の知恵だけだと限りがあるから、民間の知恵も借りてうまくやっていきたいのね。 おっしゃ~「30年間の業務委託で、市の要求はしかじか。予定価格は約327億4千万。さあいい提案をジャンジャン持ってきてね~」

③ざんねーん。募集に応じたのは1グループだけでした。 (1グループと言っても、一次下請けまで含めると、関連会社は140社程度あるそうです)。  「この提案なら、327億で請け負いまっせ~。」

「市の要求」とそれに対する受注グループの「提案」は別紙のとおり

割と議論に上がっているところを抽出すると・・・

多目的新生涯学習施設 きら市民交流センター(仮称)
●西尾市の要求水準(要点)
(2)独立採算事業として、約120m2程度のスポーツジム機能を設ける
●優先交渉権者の企画提案の概要
(2)各200m2を超えるスポーツジムとダンススタジオ、浴室などを付帯した総合型のフィットネスクラブを整備し、独立採算事業として運営する

コミュニティ公園体育館・管理棟、吉良野外趣味活動施設体育館・管理棟、吉良町公民館
●西尾市の要求水準(要点)
(1)3施設を解体する
●優先交渉権者の企画提案の概要
(1)跡に、フットサル・テニス兼用コート2面の屋外型スポーツドームを整備し、独立採算事業として運営する【代替提案】

防災機能を備えた多機能型市営住宅
●西尾市の要求水準(要点)
(1)一色支所・一色老人福祉センターを解体し、その跡地を活用して、全90戸程度の市営住宅を整備する
●優先交渉権者の企画提案の概要
(1)一色支所跡地に、全90戸、1棟10階建てによる市営住宅を整備する

情報元:新・公民連携最前線「約327億円で地元企業が公共施設を一括再配置、西尾市方式PFI

要するに、市の提案を上回る「良い」もので頑張りまっせ。(独立採算だけどな。)それでも市が予定している金額内で事業を実施します ということ。

④市は、この提案でよくね? と仮契約したけど、30年間契約って長いだろ、とか費用掛かりすぎじゃね?って反対が出て、 市議会で維持管理業務など一部の契約期間を15年に短縮し、学校給食センターとスケートボード場は協議継続として約198億円で契約しました。

情報元:新・公民連携最前線「西尾市の公共施設再配置PFI、128億円減額で議会可決

それでもこの議決は、田舎の議会にしては珍しく、票が割れたらしいっす。

市議会議員選挙の資料になりそうだから、賛否をここに載せておきます。(引用)

賛成15対、反対11 棄権 1

◆PFI賛成議員15名(+議長1名)
2.松崎隆治 6.本郷照代 8.渡辺信行 9.松井晋一郎 13.石川伸一 14.鈴木武広 15.稲垣一夫 17.髙野邦良 18.颯田栄作 20.中村眞一 21.長谷川敏廣 22.稲垣正明 23.小林敏秋 24.工藤光雄 25.神谷庄二 27.田中弘

◆PFI反対議員11名
1.中村健 4.大塚久美子 5.大河内博之 7.神谷雅章 11.前田修 12.永山英人 16.鈴木正章 19.髙須一弘 26.新家喜志男 28.鈴木規子 29.山田慶勝

◆棄権1名
30.岡田隆司

情報元:西尾市のPFI問題を考える会

⑤反対派「このまま進んじゃまずい」 ということで1.番が市長選に立候補して選挙戦になってます。(←いまここ)。

うーん。PFIを試みるというのは悪いことじゃないと思ってます。挑戦は買いますが、契約してからこんなに揉めるぐらいでしたら、結果論ですが、西尾が先陣を切って頑張らなくてもよかった・・・

問題はたぶん進め方に問題があって、「良い」提案とはなにかを、企画提案を作成する際に市議会や市民ときっちり共有させてなかったことにあるんだと思うんです。

いま起こっている議論を見ていると、市の予定価格程度の金額で、独立採算制がとりやすいよう、市の要求より大規模な施設や施設の新設をしたり、付加価値をつけて造ることがよい提案なのか、それとも市の要求レベルの施設にとどめ余分な施設を造らず、より安い金額で維持することがよい提案なのか   そこが行政と市議会や市民ときちんと共有できないまま提案募集まで行ってしまったことが発端だと思うなぁ。

そもそも市の施設に独立採算施設っているの? 付加価値の精査はどう実施するの?というところも詰めとく必要がありましたね。結果論だけど。

そこが抑えてないから経済合理的な受注者なら、まず独立採算取りやすい前者を狙って来ますね。まさにそういう提案だけど別に違反してませんし、いまさらなに?って感じでしょう。

あるいは企画提案が何社も来れば価格競争もあり得たかもしれないけど、これは仕方ありません。受注できるかわからない中で、すげー面倒な企画提案を複数伴い、しかも30年拘束だし。よっぽどやる気ないと検討しないよね。 一括ってのも引っかかったのかなぁ。

進め方に問題があったとすれば、いったん立ち止まるほうが良いと思います。が、すでに契約してしまってます。仮に反対派が市長や議会の多数を占めた場合、契約解除とか?再協議とか?どうなっていくんですかねぇ?よその市民なら、面白がって見てればいいんだけど・・・

 

 

 

投稿者:

モト

元河川技術者、現在は里山保全の仕事をしているおっさんです。西尾市在住の本好き歴史オタク。

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