南知多町・羽豆神社 探訪

休日を利用して、知多半島の先端にある、羽豆(はず)神社に行ってきました。下の地図で、「南知多町」のあたりの星マークがついているところです。僕の住んでいる西尾市からは、バイクで2時間弱くらいのところです。

この神社を訪れた理由は、ここに祀られた主神が「建稲種命(たけいなだねのみこと)」だからです。

建稲種命を主神として祀る神社が西尾市内には2つあります。宮崎の幡頭神社と、佐久島の八剱神社です。そして、建稲種命の息子を主神として祀る神社も西尾市内と近隣町の2つがあるのです。津平にある志葉都神社と幸田町にある蘇美天神社です。

つまり、西尾周辺にある一番古い時代の神社にとって、建稲種命はゆかりの深い人(カミサン)なんです。

上の地図で、三河湾の真ん中の☆マークが八剱神社、その北側海岸線にある☆マークが幡頭神社です。 三重県側の☆マークは伊勢神宮です。

(志葉都神社と蘇美天神社は、上の地図に■で示しています。両神社の記事はこちら。)

以前に八剱神社を記事にした際、吉良町史にこんな記載があると引用しました。

幡頭神社から正面に見える羽豆神社を見通すと、その延長線上に伊勢の山並みが見られるが、それを地図で確認すると外宮に至ることがわかる。この三社が一直線上に並ぶことに、特別の意味があるのだろうか。

吉良町史

町の公式史書の書き方じゃない・・・ような気がするけど、面白いといえば面白いですね。

ってことで羽豆神社にも行ってみた次第。 長い前置きです。

まずは神社の入り口

神社は、知多半島の先端(岬)に位置します。そんなところが「こんもりと」盛り上がっているので、神々しい場所として、建稲種命が出現する前から、崇められていたことでしょう。 

鳥居をくぐるとすぐに、岩が露出している箇所があります。たぶん、砂岩だと思います。神社の神域は、この岩盤の上になるのですね。 

神域だから原生植生(ウバメカシを主とする暖地性常緑林)が守られていたようで、昭和9年に社叢が国の天然記念物に指定されました。 昔は大樹が茂る原生林のようだったそうですが、伊勢湾台風で手ひどくやられ、今は「ほそぼそと残る」感じ。だいぶ笹も侵入していますし。まあでも、尾根筋にはまだウバメカシがよく残っています。

ウバメカシの園路

伊勢湾交通の要所。かつ岬の高台ということで、昔はここにお城がありました。羽豆崎城です。今は石碑が残るだけですが。

最初の城主は、熱田神宮の大宮司だったようです。熱田神宮は、最初の地図で名古屋の南にある☆マークの位置になります。熱田神宮の南はすぐ海でしたから、当時も伊勢湾・三河湾を結ぶ大交通網が盛んに稼働していたということが言えるでしょう。

城跡碑の近くには展望台もあり、周囲が見渡せます。

左は渥美半島の先端、伊良湖岬。中央に見えるのは伊勢湾出口に浮かぶ「神島」。
伊勢湾方面。うっすら伊勢の山々が見えますね。
岬のすぐ下は、師崎港とその町並みが一望

投稿者:

モト

元河川技術者、現在は里山保全の仕事をしているおっさんです。西尾市在住の本好き歴史オタク。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください